二人の嘘 の商品レビュー
◇◆━━━━━━━━━━━━ 1.感想 ━━━━━━━━━━━━◆ とても悲しい作品でした。 もう、作品の中に出てくる人たちの環境の差、貧富の差が激しすぎて、怒りと哀しみと悲しみの感情の行き来がすごいです。 感情を捨ててしまった主人公ですが、その感情が見えてくる最後の方は、と...
◇◆━━━━━━━━━━━━ 1.感想 ━━━━━━━━━━━━◆ とても悲しい作品でした。 もう、作品の中に出てくる人たちの環境の差、貧富の差が激しすぎて、怒りと哀しみと悲しみの感情の行き来がすごいです。 感情を捨ててしまった主人公ですが、その感情が見えてくる最後の方は、とても嬉しい気分にもなり、読み手に対して、ほんと、いろいろな感情を引き出す作品だと感じました。 物語に吸い込まれる時があって、なかなかにすごい作品だと思いました。この本を読んで、今の人生を俯瞰すると、また違った道が見えてくるような気にもなります。 しかし、、、 いや〜、悲しいです。とても、悲しい。(T . T) ◇◆━━━━━━━━━━━━ 2.あらすじ ━━━━━━━━━━━━◆ 過去を思い出す不思議なプロローグから始まる。 美人で天才な片陵礼子が、過去の裁判で関わった事件に足を踏み入れていくことになる。 そこで再開した蛭間隆也の壮絶な人生に近づいていく中で、礼子は感情を取り戻していく。 おぞましく、おそろしい世界を、見ることになる作品です。 ◇◆━━━━━━━━━━━━ 3.主な登場人物 ━━━━━━━━━━━━◆ 片陵礼子 33歳、過去12歳、かたおか 片陵貴志 40歳、礼子夫 蛭間隆也 39歳、いつも後ろを歩く、 蛭間奈緒 隆也妹 香山季子 としこ、72歳、伯母さん、育ての親 津山浩介 礼子父、35歳で他界 雨野智巳 ともみ、司法修習生時代の担当教官 夏目三津子 礼子同級生 恵利子 礼子母 久野忠雄 守沢瑠花 もりさわるか、東大法学部同級生、秀才
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自分を抑え、生きていくこととは、どんな景色を見て暮らすのだろうか。想像でしかないが、そんな事を考えながら読んだ。 ラスト近く、能登半島の雪と鳩のシーンが、心に残る。 残念なのは、主人公礼子に対して、美しいと言う形容詞が多いこと。読んでいて気になってしまう。他の表現が欲しかっ...
自分を抑え、生きていくこととは、どんな景色を見て暮らすのだろうか。想像でしかないが、そんな事を考えながら読んだ。 ラスト近く、能登半島の雪と鳩のシーンが、心に残る。 残念なのは、主人公礼子に対して、美しいと言う形容詞が多いこと。読んでいて気になってしまう。他の表現が欲しかった。
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悲しい過去を持つ天才女性判事と気品高い無実の元服役囚の、孤独と交流を描く。 「なんでそうなる?」な展開が続いて、イライラしてきたせいもあり、キザぶった表現やちょっと不自然なてにをはがいちいち目についてしまいました。 身分違いの男女が同じ匂いを嗅ぎ取って惹かれ合う…というのは別にい...
悲しい過去を持つ天才女性判事と気品高い無実の元服役囚の、孤独と交流を描く。 「なんでそうなる?」な展開が続いて、イライラしてきたせいもあり、キザぶった表現やちょっと不自然なてにをはがいちいち目についてしまいました。 身分違いの男女が同じ匂いを嗅ぎ取って惹かれ合う…というのは別にいいのですが、肉体関係に持っていく場面が強引すぎて、登場人物たちが作者に弄ばれているようでかわいそうになりました。 元服役囚の妹は特にあんまりな扱いだし、主人公が回想する怪我した鳩も何回も出てきてしつこいです。 全体的に「いやおかしいでしょ」な本でした。
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切ない!辛すぎる! こんなに救いがない話もなかなか珍しいのではないかと、、。 裁判官と裁かれた犯罪者の恋っていうとあまりにも安っぽく設定ものに聞こえてしまうが、どうしようもない環境でそれでも惹かれあってしまう2人が辛かった。 でもなんだか2人とも自分が楽にはならない生き方をわざ...
切ない!辛すぎる! こんなに救いがない話もなかなか珍しいのではないかと、、。 裁判官と裁かれた犯罪者の恋っていうとあまりにも安っぽく設定ものに聞こえてしまうが、どうしようもない環境でそれでも惹かれあってしまう2人が辛かった。 でもなんだか2人とも自分が楽にはならない生き方をわざわざえらんでいて、どうにかならないものかなあと思ってしまった。
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設定と内容はすごく好みだったが、そういう気分ではなかったこともあり楽しめなかった(それでも図書館で借りた本なので読了した)。 あと、設定が古い? のか、主人公の旦那さんが明らかにモラハラ系で、読んでいて気分が悪かった。主人公の家族に対する思いもわかるが、それにしても読んでいて本...
設定と内容はすごく好みだったが、そういう気分ではなかったこともあり楽しめなかった(それでも図書館で借りた本なので読了した)。 あと、設定が古い? のか、主人公の旦那さんが明らかにモラハラ系で、読んでいて気分が悪かった。主人公の家族に対する思いもわかるが、それにしても読んでいて本当に鬱になりそうだった。もう少し、そこの描写は柔らかくてもよかったと思う。 また、相手役の妹が不憫すぎる。流石に胸糞設定が多すぎて、途中で投げ出したくなった。設定ゴリ押しは『流浪の月』もそうだが、あっちは「その中に美しさがある」系なのに対し、こちらは完璧「救われない報われない」系だった。 あと、男性作者の女性主人公という設定にのめり込めなかった。やはり、女性には女性にしかわからない視点もあると思うし、今作ではそこを読みたかった。 相手役は良い人だったが、最後の最後まで何を考えているのかわからなかったので、なんとも言えなかった。嫌いではないが、自分視点ではそこまで魅力を感じなかった。 ラストは、最後まで散々胸糞要素たっぷりだったのに、美談というか綺麗系というか、主人公があまり報われず終わった気がして、そのギャップが許せなかった。いっそのこと、復讐劇にしてほしい。
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優秀な裁判官の礼子と元被告人の蛭間、孤独な二人が出会い、惹かれ合っていくが、礼子は結婚をしていた。「これは不倫小説です」とインタビューで著者が言い切るように、物語は人によっては嫌悪感を抱くだろう。しかし全てを投げ出して想いを通わせる二人を見ていると、純愛小説という意見もあることは...
優秀な裁判官の礼子と元被告人の蛭間、孤独な二人が出会い、惹かれ合っていくが、礼子は結婚をしていた。「これは不倫小説です」とインタビューで著者が言い切るように、物語は人によっては嫌悪感を抱くだろう。しかし全てを投げ出して想いを通わせる二人を見ていると、純愛小説という意見もあることは頷ける。 間違いのない人生になにがあるのか?と著者は問いかける。「堕ちていく愛」は哀しければ哀しい程、物語としては輝く。理性では制御できないほどの愛に出会ったとき、人は堕ちることに本当に抗えるのだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
映像が頭に浮かぶ作品。と思ってたら、脚本も書いていらっしゃるのですね。 美人で頭脳明晰、10年に一人の人材といわれる裁判官の礼子 過去に礼子に判決を下された蛭間 彼が門前の人となり、その理由を探るうちに2人の関係性は変化していく。 過去の母との出来事により、本能をひた隠しし感情を無くしていた礼子が蛭間と関わる事によって徐々に感情を取り戻していく。 モラハラで余所に女が何人もいる夫と前時代的な義母、義両親に毎夜ご飯を届ける礼子。 念願だった素敵な家を与えてもらったから?うーん、ちょっとわかんない。その夫、必要? 結局、不倫じゃん。 家出的に逃避行して最果てで2人の未来を考える前に夫とのこれからをきちんとしてからだったら、結末に泣けたかも。 2、3日の家出で夫は改心したみたいだけど、するかな?この夫が?いや、でもしたんだよね。 映像になって演技のうまい俳優さんと素敵なBGMが相まったら泣いてしまうかも。
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昭和のメロドラマのような読み心地。 主人公の片陵礼子は東大法学部を首席で卒業、稀に見る美貌と高い知力で「十年に一人の逸材」と呼ばれる女性判事。 礼子がかつて懲役刑に処した元服役囚・蛭間隆也と出逢った事で二人の運命の歯車が動き出す。 『二人の嘘』が気になり読み進めるも頻繁に登...
昭和のメロドラマのような読み心地。 主人公の片陵礼子は東大法学部を首席で卒業、稀に見る美貌と高い知力で「十年に一人の逸材」と呼ばれる女性判事。 礼子がかつて懲役刑に処した元服役囚・蛭間隆也と出逢った事で二人の運命の歯車が動き出す。 『二人の嘘』が気になり読み進めるも頻繁に登場する「美しい」に辟易。 又これ程の女性であれば難なく自立出来るはずだが、愛情の欠片もないマザコンボンボン夫と暮らし姑の犬の様な生活をしている事にも疑問を感じた。 ミステリ部分は意外性もなく想定内。 リーダビリティは高いが共感も感動もないまま読了。
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※このレビューにはネタバレを含みます
感情を殺して人と交わるのを避ける判事は、聡明な美人で周りが放っておかない。いやでもまとわりついてくる権力者たち。親に捨てられた経験から、普通の家庭生活に憧れて結婚した夫は、親に期待されながら期待に答えられなかった愚鈍でプライドの高い男。 そんなドロドロとした世界で、唯一の清涼剤のように現れた男は、若い頃に裁いた元被告人だった。 逃避行モノ? 裁判官が主人公というのも珍しい物語。 礼子と蛭間とが出会うところは、少し描写が荒いなぁーと気になったものの(礼子の急な発情がちょっと意味分からない感じ…)、なかなか面白かった。
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見た目も中身も完璧な女性判事が、自分が判決をくだした元受刑者に心を寄せていく様と、その葛藤がとても自然に描かれている。 彼に好意を示す直接的な表現はないが、婉曲的に好意を寄せているとわかる表現の仕方が巧妙。
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