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ひと の商品レビュー

4.1

750件のお客様レビュー

  1. 5つ

    250

  2. 4つ

    309

  3. 3つ

    130

  4. 2つ

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  5. 1つ

    4

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2021/08/03

不遇の少年が受け入れる未熟な容認が次々に記されて、思わず親心が芽生え「それはやめなさい」と呟いてしまう。想像通りの展開から「だから言ったのに」となる連続。自分の資産を惜しむことなく他人へ提供する優しさなのか無頓着なのかは測れない。そして、仲間には人生の大きなチャンスをも譲る優しさ...

不遇の少年が受け入れる未熟な容認が次々に記されて、思わず親心が芽生え「それはやめなさい」と呟いてしまう。想像通りの展開から「だから言ったのに」となる連続。自分の資産を惜しむことなく他人へ提供する優しさなのか無頓着なのかは測れない。そして、仲間には人生の大きなチャンスをも譲る優しさ。でも、彼には誰にも渡せない存在ができた。ラストの一言をそのセリフにする粋な終わり方だと思った。直前の情景も、ホッとして、キュンとして、ボワッとなった。

Posted byブクログ

2021/08/02
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若くして両親が亡くなり、せっかく入った六大学の一角も中退しないといけないというかなり辛い状況にも関わらず、本人には全く悲壮感がないという不思議。 友人や親戚にいいように使われても、怒りもしない。 最近の若者は、こんなに淡白なの?不幸な運命も「そんなもんだ」と受け入れるものなのだろうか? そんな感じで、モヤモヤしながら9合目まで読み進めたら、 「時間はね、あるようでないよ。…気づいたら、できないことだらけになってる。そのときにあれをやっておけばよかったなんて思わなくてすむよう、がんばんな」 「大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。人材には代わりがいても、人には代わりはいない」 と、琴線に触れる言葉のオンパレード。 最後には、何があっても手放したくないもの(人)の存在に気づくハッピーエンドに、結局気分良く読了。

Posted byブクログ

2021/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この小説のタイトルが「ひと」であって、「ひとり」ではないことに読み終えてから気付いた。 突然母がなくなり、身寄りもなく独りになった柏木聖輔。そんな彼が不思議な縁を見付けていく姿は、道もベースも譲る彼の性格もあって、そっと背中を押したくなる。 高瀬涼のように「車も来ないのに信号を待つようなやつにはなりたくない」というのもよく分かる。ただ、「ひと」を繋ぐにはもっと大切なものがある気がした。 〈人材には代わりがいても、人には代わりがいない。〉 そういうことだと思う。

Posted byブクログ

2023/05/13

☆「大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。人材に代わりはいても、人に代わりはいない。」  人のあたたかみが感じられて読みながらの安心感みたいなものがある。人の人生って偶然の連続で出来ていて、その奇跡によってつくられた人間関係の中でのお互いへの思いやりとか気遣いって...

☆「大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。人材に代わりはいても、人に代わりはいない。」  人のあたたかみが感じられて読みながらの安心感みたいなものがある。人の人生って偶然の連続で出来ていて、その奇跡によってつくられた人間関係の中でのお互いへの思いやりとか気遣いってすごく神秘的で美しい。    自分がこの主人公のような両親を突然亡くしてしまう出来事が起きたらと想像すると恐ろしい。これからの人生で身近な人が居なくなってしまうという体験は絶対に避けられないもので、その時に自分の生きる意味を失わないようにしなければならない。    ストーリーを通して、主人公が自分が決めたことを貫いていけるように成長していっているのが分かる。解説読んで、これは孤独を体現したストーリーと表現していたのすごく納得した。  幸せの定義は自分自身が決めることで、そのためには自分が置かれた環境で、自身が納得できるように行動するのが大切なのだと感じた。

Posted byブクログ

2021/07/31

 最近読んだ本の中で1番読みやすかった。最近はミステリーものを読むようにしていてどんでん返しを楽しむようにしていたが、久しぶりに心が温まる小説を読んだ。  自分は柏木聖輔とはたぶん違う人生なんだと思う。今24歳時点で両親とも生きてるし、何かと頼ることも少ないけどなくはない。彼女は...

 最近読んだ本の中で1番読みやすかった。最近はミステリーものを読むようにしていてどんでん返しを楽しむようにしていたが、久しぶりに心が温まる小説を読んだ。  自分は柏木聖輔とはたぶん違う人生なんだと思う。今24歳時点で両親とも生きてるし、何かと頼ることも少ないけどなくはない。彼女はいないけど、友達は仕事始めて会うことは少なくなったけど多少いる。いわゆる平凡な人生。聖輔的に言うと名前通りな人生なんだと思う。それに、今ホテルで仕事してるとはいえ目標があるわけでもなく、だからといってこの仕事を長く続ける気もない。そんな気持ちだから職場の人とも親密ではなく、聖輔のように頼られたり、感謝されたりというのが羨ましく思うところもある。  この本で印象的な言葉は、聖輔の友達、剣が言った、"プラスが生まれた時よりマイナスが消えた時の方が嬉しい"という言葉。個人的にごくごく最近、仕事上でミスをしてお客相手に迷惑をかけたこともあり、結構沈んでいた。職場の先輩からの助言でお詫びの品を渡したり、いつも以上の接客をして相手が帰る時に笑顔で帰った時に心から安堵したのを覚えている。この言葉がいまの自分に当てはまる気がして、とても印象に残った。もし一年前にこの本を読んでいたら何も感じず読み飛ばしていた文だと思う。  パッケージ買いが久しぶりに当たって嬉しい。次買う本もその次に買う本もこうだったら良いのになと思った笑

Posted byブクログ

2021/07/31
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読み終わって「ひと」というタイトルの意味がわかった。このお話にはいろんな「ひと」が出てきた。 器の大きな店主とその奥さん。仕事のサボりぐせはるが、いざとなったときには頼りになる先輩。息子と二人でなんとか暮らしている先輩。母の葬儀を手伝ったことを引っ張り出してお金をたかってくる叔父。嫌なところはあってもなぜか憎めないサークルの友人。人をランク付けして判断する高学歴大生。 「何もかも諦めなくていいんじゃない?」と言った地元の高校の女の子。 大切なのはものではなく人だと思わされる一冊。 人材に代わりはいても、人に代わりはいないって素敵な言葉。 最後の「おれは青葉が好き」というセリフが色々その後を考えさせられてお気に入りの一冊になった。

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2021/07/29

両親が亡くなった後の、それでも続く日常を丁寧に生きる主人公。 喪失と再生の物語は、線は僕を描くの方が好み。

Posted byブクログ

2021/07/29
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二十歳で天涯孤独となってしまった聖輔が大学を辞め持ち金55円で商店街のコロッケ屋で惣菜をまけてもらったことから始まる「おかずの田野倉」での出会う人々との温かい物語 聖輔の周囲には情に厚い店主夫婦をはじめ、それぞれ色々な人生を歩んでる人々がいて、この作者さんはその人間模様をとても上手に描いてる。 家族はいなくても家族のように支えて応援してくれる人がいる、ひとりじゃないよと思わせてくれる。そして、新しい夢、大切な人の存在ができる。 読み終えてほっこりしました。 聖輔の周囲の人々が発する会話はすべて相手への思いやりと優しさでいっぱいでした。 「おれは青葉が好き」で終わる文章もじーんときました。

Posted byブクログ

2021/07/25

私が共感できる人間は出てこなかったけど、 地に足ついた真っ当な思考回路の人の生き方を垣間見た気がした。 私がオタクの多い業界にいるせいで、 全裸監督だとか、アイドルだとかが目に付きすぎて、 男性って本当にそういうことしか楽しめないのかと男性不信に陥っていたので、 そういうので頭...

私が共感できる人間は出てこなかったけど、 地に足ついた真っ当な思考回路の人の生き方を垣間見た気がした。 私がオタクの多い業界にいるせいで、 全裸監督だとか、アイドルだとかが目に付きすぎて、 男性って本当にそういうことしか楽しめないのかと男性不信に陥っていたので、 そういうので頭がいっぱいにならないような男性も存在するのかもなって思えることは非常に有意義だった。 私はこういう本をたくさん読まなくてはいけない。

Posted byブクログ

2021/07/25

主人公が周りの人に助けられながら、過ごしていく感じが良かったです。 世の中には、色々な人がいることがわかる作品でした。 人に優しくしようと思いました。 親戚の人にはスカッとするような展開があっても良かったのですが特になく残念。

Posted byブクログ