ひと の商品レビュー
いたたまれないほど辛い気持ちは消えなくても、まわりのあたたかさで少しずつ癒えていく主人公。ひととの関わりって大事やなとあらためて思えた。 終わり方はちょっとくさいけど、やっと言えたか、よし!と微笑ましくなった。
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両親を病気と事故で亡くし、頼る人がいなくなった柏木聖輔。大学を辞め、〈おかずの田野倉〉でアルバイトを始める。55円の熱々のメンチカツから始まった、ひととのつながりの1年に、様々な思いを持った。 地道に真面目に働くことで得た信用とさりげない気遣いが聖輔にはあった。そして、どんなひ...
両親を病気と事故で亡くし、頼る人がいなくなった柏木聖輔。大学を辞め、〈おかずの田野倉〉でアルバイトを始める。55円の熱々のメンチカツから始まった、ひととのつながりの1年に、様々な思いを持った。 地道に真面目に働くことで得た信用とさりげない気遣いが聖輔にはあった。そして、どんなひとにでもよい面があることをわかっている。だから、バイト先のひと達にも、頼れと言われ守ってもらえる。そして、優しい人はどこにでもいると気づく。 反して、優しくないひともいる。人の弱みに漬け込もうとするひと、自分の方が高みにいると思い、他の人を蔑むひと。自分には優しくしてくれるが、他人には冷たいひと。そんなひとに心が削られる気持ちは、できれば味わいたくない。 最後のページをめくると、すっきりした気分になった。聖輔が前向きな気持ちでこれから頑張っていくであろう未来が伺え、頼もしく感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても読みやすくて読書が苦手な人にもオススメしたいと思ったとにかく温かい話. 小説だけどそうじゃない絵本みたいな感覚で読めちゃう. いい意味で単純でスラスラ入ってくるけどめちゃくちゃ心がポカポカになるし聖輔みたいな考え方を持った人間になりたいって本当に思った. 最後に作者が聖輔みたいになりたい だけど欲しいものは手に入れたいし、手に入れてすぐ満足する飽きると分かってても欲しい だからわたしたちはなれないっていう風に書いてあって納得してしまった. 聖輔のようになりたいけど、わたしも欲しいものは手に入れたいし飽きると分かっててもほしいからなれないとは思う. だけど少しでも聖輔みたいな考え方ができるように人間になりたいと思った. "ひと"っていうタイトルが本当にぴったりの色々な"人"が出てくるし、もちろんいい人ばかりではなかったけど登場人物が素敵な人ばっかりで本当に心温まるお話でした. あと個人的には終わり方がとっても好きだった. 偶然かもしれないけどあのひとことだけがページで区切られていて、その言葉だけが1ページに載っていたのがなんだかエモいな~~と.
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主人公の若者の心の動きがよくわかる描写で、読みながらどんどん物語に入り込んだ。控えめな性格だけど、しっかり考えながら生きる主人公の選択を応援したくなる。幸せになってほしいな。
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自分の大切な人が居なくなっても、友人や恋人と離れ離れになってしまったとしても、人は誰かと繋がり生きていくことできるんだと思えた。 主人公は一般的にみたら裕福で幸せな人生を歩めていないのかもしれないけど、『幸せ』っていくらお金を稼ぐとか、どこに住むとか、どんな服を着るとかではなく...
自分の大切な人が居なくなっても、友人や恋人と離れ離れになってしまったとしても、人は誰かと繋がり生きていくことできるんだと思えた。 主人公は一般的にみたら裕福で幸せな人生を歩めていないのかもしれないけど、『幸せ』っていくらお金を稼ぐとか、どこに住むとか、どんな服を着るとかではなくて、誰とどんな時間を過ごすのかが大切なんだと思う。 あとこのフレーズが良かった。 『いいの。「困ったときは借りられる。そう思っておいて。一人でがんばることも大事。でも頼っていいと言ってる人に頼るのも大事」』 自分ひとりでは歩けない時も誰かに頼れる、そんな自分を支えてくれる人がいることが幸せだと思う。
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あたたかい。 まっすぐな主人公。心から応援したくなる。 自分の人生を、大事に生きることを教えてもらいました。 心を温めたいとき手に取るべき一冊。 解説も素晴らしかったです。孤独だからこそ。 胸に響きました。 最後に大事なことを言いますが、今からコロッケを買いに行きます。メンチカ...
あたたかい。 まっすぐな主人公。心から応援したくなる。 自分の人生を、大事に生きることを教えてもらいました。 心を温めたいとき手に取るべき一冊。 解説も素晴らしかったです。孤独だからこそ。 胸に響きました。 最後に大事なことを言いますが、今からコロッケを買いに行きます。メンチカツやポテトサラダが売っていたら多分買います。(※飯テロ小説)
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自分とは違う、誰かの人生を垣間見る。 両親亡き後、若い青年は孤独の中へ。 どうしたって形容できない絶望があったに違いない。自分だけの苦しみだったはずだ。 それでも人に恵まれた。 親切や信頼、裏切りや不信に揺れ動きながらも、少しずつ自分の道を切り開いてゆく。 楽器、続けてほしいな...
自分とは違う、誰かの人生を垣間見る。 両親亡き後、若い青年は孤独の中へ。 どうしたって形容できない絶望があったに違いない。自分だけの苦しみだったはずだ。 それでも人に恵まれた。 親切や信頼、裏切りや不信に揺れ動きながらも、少しずつ自分の道を切り開いてゆく。 楽器、続けてほしいな。 言い回し、書き言葉は軽め。誰にとってもわかりやすいし、読みやすいと思う。
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五十五円が繋いだ物語。 ▶︎読んでほしい人 人生詰んだと感じてる人。 ▶︎きっかけ 古本コーナーで見つけて、 装画とタイトルに惹かれた。
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主人公の男の子が本当にいい子。 ずるさがないんだよなぁ...。 本当のことだけれど、きちんと生きている人にはちゃんと手を差し出す人がいる。 彼はとても健やかに生きているから、そんな「ひと」たちの優しさを引き出せるのだろうな、と思いました。
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久々の小野寺さん。 愛おしむ様に描かれる、何気ない日常。 背景はとてつもなく重く辛いのに。 倦まず弛まず誠実に生きていく主人公の周りに、 寄り添う様に集まる善意たち、 そしてちょっぴりの悪意たち。 一気読みでした。温かい読後感です。
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