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ひと の商品レビュー

4.1

712件のお客様レビュー

  1. 5つ

    236

  2. 4つ

    296

  3. 3つ

    125

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    4

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2024/04/24

ライフに続いて読んだ小野寺史宜さんの本。若くして親を失った主人公が、コロッケ屋さんで働き始める。そして人と出会い、出来事があり、一つひとつ、何かを感じ、階段をのぼっていく。そういう小説だった。 読み進めるうちに、良い小説だなという思いになった。 いろんなことを失っても、大切なもの...

ライフに続いて読んだ小野寺史宜さんの本。若くして親を失った主人公が、コロッケ屋さんで働き始める。そして人と出会い、出来事があり、一つひとつ、何かを感じ、階段をのぼっていく。そういう小説だった。 読み進めるうちに、良い小説だなという思いになった。 いろんなことを失っても、大切なものは「ひと」なのだ。劇的な出会いじゃなくても、確実に何か意味合いを持っている、出会い。ひととの出会いが、その人の毎日を救っているのかもしれない。そして、その出会いは、かけがえのないものだ。主人公が、出会いをしっかりと受け止められて、出会いの意味をキャッチできたところが、清々しくて良かった。 読後が爽やかな小説は、なんだか久しぶりだった。

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2024/04/17

父に薦められて読んだ。 先は大事。でも今も大事。先は見なければいけない。でも今も疎かにしたくない。だって僕は、生きてる。

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2024/04/15

二十歳で天涯孤独の身となってしまった聖輔の物語。 とてもとても良かったです。 突然の不幸から新たな生活が始まり、淡々と描かれる一年間。 働き始めた惣菜店の人たち、大学のバンド仲間や同郷の友人、父親を知る人たちなど、様々な人たちと関わることによって、聖輔は成長していきます。 た...

二十歳で天涯孤独の身となってしまった聖輔の物語。 とてもとても良かったです。 突然の不幸から新たな生活が始まり、淡々と描かれる一年間。 働き始めた惣菜店の人たち、大学のバンド仲間や同郷の友人、父親を知る人たちなど、様々な人たちと関わることによって、聖輔は成長していきます。 たった二十歳で頼れる親類が一人もいなくなってしまうとは! せっかく入った法政大学を中退するなんて…と思ったり、あぁでもやっぱり奨学金で通うのも大変なことだ…と思ったり。 境遇だけ見ると悲惨だし、嫌な人も出てくるし。 心配でなんかちょっと母親のような目線で読んでいました。 何より、心優しく誠実で謙虚な人柄がいいです。そういう彼だからこそ、周囲の人たちは自然と手を差し伸べてくれる。 ラストも良かった。聖輔の幸せを願わずにいられません。 人の温かさ、人と繋がることの大切さが感じられる素敵な作品でした。

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2024/04/11

星5では足りない。とても良かった。 一つ一つの出来事や言葉に、主人公が感じる想いの数々が、現代では忘れがちになる『人の感情の深さ』を感じる。こんなに本で感動したのは久しぶりだと思う。感動とはまた少し違うかもしれないが、読後、乾いた心が湿り、泣いた。この本のおかげで、表面的な物事言...

星5では足りない。とても良かった。 一つ一つの出来事や言葉に、主人公が感じる想いの数々が、現代では忘れがちになる『人の感情の深さ』を感じる。こんなに本で感動したのは久しぶりだと思う。感動とはまた少し違うかもしれないが、読後、乾いた心が湿り、泣いた。この本のおかげで、表面的な物事言葉思いではなく、人には深さがあることを思い出せた。昔のように、そうやって人に接していきたいと思った。 感謝する。何度でも読みたい。そして何度でも思い出したい。俗世にいると忘れがちになる、ささくれる心を思い出させてくれる、最高の一冊。

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2024/04/10

聖輔の実直さ尊敬。かっこいい。勇気づけられる。 日常のありがたみ、幸せに気づかせてもらった。 定期的に帰ってきたい。 挫けそうなときに再読したい。

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2024/04/09

主人公の境遇は決して日常ではない。 でも、この作品を読んで、日常の中での何気ないやり取りだって思い返せば幸せを感じられることがあるんだなぁと気付けた気がする。

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2024/04/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

両親の死という絶望から、人との出会いにより日常を取り戻していく感じが良かったです。すべての人間が良い人というわけではなく、騙してくる人がいるのはリアルでしたが、お金を払ってしまうのは残念でした。

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2024/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高二のときに交通事故で父を亡くした青年。鳥取から東京へ上京し、大学へ進学するが、20歳で母も亡くしてしまう。そんな青年が大学を中退し、商店街の惣菜屋でアルバイトしながら、父と同じく調理師を目指す物語。同じく鳥取出身の青葉と再会し、恋愛要素も入ってきて、的なストーリー。 あらすじを聞くと重い話に聞こえるし、実際明るいよりすこし重い雰囲気が全体に漂っているが。でも、リアルで、前向きで、主人公の聖輔の暗くなりすぎず、真っ直ぐな性格とか、聖輔の周りの人の温かさとか、そういうものがとにかくよかった。 文章も一文が短くて、大袈裟な比喩表現もなくて、読みやすいし聖輔の気持ちの流れが伝わってきた。出てくる人みんなが優しいわけではなく、聖輔の親戚の基志なんて最悪なキャラクターだし、青葉の元彼高瀬涼も「こういうやつおるなあ」て感じの嫌なやつだし、そういう人も出てくるけど、最終的に温かい物語に仕上がっている。ほんで、聖輔が青葉に想いを告げるラストもよき。

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2024/04/06

割と好き。地に足ついた感じのストーリーが、日々の様々な出会いと別れ、人々の優しさとエゴをリアルに引き立てたせている気がする…

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2024/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2024.04.05 読み始めてすぐに、あまりにもコロッケの描写が美味しそうなので、 その日のお昼ごはんをコロッケにしてしまった。 それほど、食べ物の表現が上手でまず惹かれた。私の好きな言葉の紡ぎ方なので、読み始めてすぐに「この作家さん好きだな」と思えた。 大きな事件等が起こるわけでもなく、一人の男性の約1年間を、過去を交えながら描かれた小説ながら、とても引き込まれた。 「思う。 あぁ、僕はこの人が好きなんだな。」 ここはとてもじーんと来た。 いつも気を遣って自分を犠牲にするタイプの聖輔が、自分の気持ちに正直になるシーン。そしてこのあとにこの気持ちについて解説もなくただただ余白があったのも、読んでる側も聖輔の気持ちをなぞるような、浸れるような感覚になれて、よかった。 人を好きになるっていいよなあって改めて思えた。 青葉に「何もかも諦めなくていいんじゃない?」と言われたあとに おかずの田野倉を継ぐことは諦めても 「青葉を好きになった気持ち」を諦めなかった最後もじんわり温かい気持ちになった。 その後の青葉の返事や二人のその後がなく、 「青葉が好き」の告白で終わっているところも余韻を楽しめる最後で私はさらにこの作品が好きになった。

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