ひと の商品レビュー
星5では足りない。とても良かった。 一つ一つの出来事や言葉に、主人公が感じる想いの数々が、現代では忘れがちになる『人の感情の深さ』を感じる。こんなに本で感動したのは久しぶりだと思う。感動とはまた少し違うかもしれないが、読後、乾いた心が湿り、泣いた。この本のおかげで、表面的な物事言...
星5では足りない。とても良かった。 一つ一つの出来事や言葉に、主人公が感じる想いの数々が、現代では忘れがちになる『人の感情の深さ』を感じる。こんなに本で感動したのは久しぶりだと思う。感動とはまた少し違うかもしれないが、読後、乾いた心が湿り、泣いた。この本のおかげで、表面的な物事言葉思いではなく、人には深さがあることを思い出せた。昔のように、そうやって人に接していきたいと思った。 感謝する。何度でも読みたい。そして何度でも思い出したい。俗世にいると忘れがちになる、ささくれる心を思い出させてくれる、最高の一冊。
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聖輔の実直さ尊敬。かっこいい。勇気づけられる。 日常のありがたみ、幸せに気づかせてもらった。 定期的に帰ってきたい。 挫けそうなときに再読したい。
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主人公の境遇は決して日常ではない。 でも、この作品を読んで、日常の中での何気ないやり取りだって思い返せば幸せを感じられることがあるんだなぁと気付けた気がする。
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両親の死という絶望から、人との出会いにより日常を取り戻していく感じが良かったです。すべての人間が良い人というわけではなく、騙してくる人がいるのはリアルでしたが、お金を払ってしまうのは残念でした。
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高二のときに交通事故で父を亡くした青年。鳥取から東京へ上京し、大学へ進学するが、20歳で母も亡くしてしまう。そんな青年が大学を中退し、商店街の惣菜屋でアルバイトしながら、父と同じく調理師を目指す物語。同じく鳥取出身の青葉と再会し、恋愛要素も入ってきて、的なストーリー。 あらすじを聞くと重い話に聞こえるし、実際明るいよりすこし重い雰囲気が全体に漂っているが。でも、リアルで、前向きで、主人公の聖輔の暗くなりすぎず、真っ直ぐな性格とか、聖輔の周りの人の温かさとか、そういうものがとにかくよかった。 文章も一文が短くて、大袈裟な比喩表現もなくて、読みやすいし聖輔の気持ちの流れが伝わってきた。出てくる人みんなが優しいわけではなく、聖輔の親戚の基志なんて最悪なキャラクターだし、青葉の元彼高瀬涼も「こういうやつおるなあ」て感じの嫌なやつだし、そういう人も出てくるけど、最終的に温かい物語に仕上がっている。ほんで、聖輔が青葉に想いを告げるラストもよき。
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割と好き。地に足ついた感じのストーリーが、日々の様々な出会いと別れ、人々の優しさとエゴをリアルに引き立てたせている気がする…
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2024.04.05 読み始めてすぐに、あまりにもコロッケの描写が美味しそうなので、 その日のお昼ごはんをコロッケにしてしまった。 それほど、食べ物の表現が上手でまず惹かれた。私の好きな言葉の紡ぎ方なので、読み始めてすぐに「この作家さん好きだな」と思えた。 大きな事件等が起こるわけでもなく、一人の男性の約1年間を、過去を交えながら描かれた小説ながら、とても引き込まれた。 「思う。 あぁ、僕はこの人が好きなんだな。」 ここはとてもじーんと来た。 いつも気を遣って自分を犠牲にするタイプの聖輔が、自分の気持ちに正直になるシーン。そしてこのあとにこの気持ちについて解説もなくただただ余白があったのも、読んでる側も聖輔の気持ちをなぞるような、浸れるような感覚になれて、よかった。 人を好きになるっていいよなあって改めて思えた。 青葉に「何もかも諦めなくていいんじゃない?」と言われたあとに おかずの田野倉を継ぐことは諦めても 「青葉を好きになった気持ち」を諦めなかった最後もじんわり温かい気持ちになった。 その後の青葉の返事や二人のその後がなく、 「青葉が好き」の告白で終わっているところも余韻を楽しめる最後で私はさらにこの作品が好きになった。
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最後がしびれた。 かっこいいなぁ 聖輔も、おかずの田野倉で働くひとたちも。 悲惨な状況なんだけど 心温まる。 がんばれ。がんばれ。 みんなみんながんばれ。 私もがんばる! そんな気持ちになった
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時期は異なるが、お父さんとお母さんもなくし 大学を中退する男の子のお話 そして、偶然おまけしてもらった惣菜屋さんでアルバイトをすることに 温かくてきゅんとする終わり方だった!!
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著者、小野寺史宜さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。 小野寺史宜さん、どのような方かというと、ウィキペディアに次のように書かれています。 ---引用開始 小野寺 史宜(おのでら ふみのり、1968年 - )は、日本の小説家。千葉県生まれ。千葉市立真砂第三小学校卒業。...
著者、小野寺史宜さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。 小野寺史宜さん、どのような方かというと、ウィキペディアに次のように書かれています。 ---引用開始 小野寺 史宜(おのでら ふみのり、1968年 - )は、日本の小説家。千葉県生まれ。千葉市立真砂第三小学校卒業。千葉市立真砂第一中学校卒業。千葉市立稲毛高等学校卒業。法政大学文学部英文学科卒業。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が、急死した。 僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。 そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。 本屋大賞から生まれたベストセラー、待望の文庫化。 ---引用終了 そして、本作の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始 砂町銀座。 アーチに大きくそう書かれている。文字の上部にはめ込まれた時計の針は二時を指す。 二本の柱のわきには車両進入禁止の交通標識。赤丸に白い横棒のあれだ。その下には黒文字で、自転車を除く、とある。 十月。見上げる空は青い。アーチをくぐり、商店街に入る。歩行者と自転車をよけながら、狭い道をトボトボ歩く。東京に来てまだ一年半なのに、いつの間にかそんな芸当ができるようになっている。 ---引用終了
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