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ひと の商品レビュー

4.1

740件のお客様レビュー

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2024/07/21

まずタイトルがシンプルでついつい手に取った本。 両親を立て続けになくした主人公が、色んな人と関わりながら、自分の道を探っていくお話。 父の生きていた軌跡を辿って肌で感じることで、父と同じ調理の道へ進む決心が固まった。 素直でまっすぐでかっこいい。 譲る譲らないの価値観も人それぞ...

まずタイトルがシンプルでついつい手に取った本。 両親を立て続けになくした主人公が、色んな人と関わりながら、自分の道を探っていくお話。 父の生きていた軌跡を辿って肌で感じることで、父と同じ調理の道へ進む決心が固まった。 素直でまっすぐでかっこいい。 譲る譲らないの価値観も人それぞれ。 急がないが、とどまらない 先は大事 今も大事 最後のページが素敵です。

Posted byブクログ

2024/07/17

高校時代に事故で料理人の父を亡くし、大学に入ってから続けて母が亡くなったことで、天涯孤独になってしまった青年・柏木聖輔の人生を描く。 肉親を失う悲しみを続けて体験し、大学の中退も余儀なくされた聖輔は、どれほど理不尽というものを痛感したことだろう。その絶望は窺い知れない。 学歴も...

高校時代に事故で料理人の父を亡くし、大学に入ってから続けて母が亡くなったことで、天涯孤独になってしまった青年・柏木聖輔の人生を描く。 肉親を失う悲しみを続けて体験し、大学の中退も余儀なくされた聖輔は、どれほど理不尽というものを痛感したことだろう。その絶望は窺い知れない。 学歴もなく、職に就いているわけでもない、さらには資格も社会人経験もない彼は、ふらりと立ち寄った江東区にある砂町銀座商店街の惣菜屋「おかずの田野倉」でコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことをきっかけと、「おかずの田野倉」でバイトをすることになる。 我が子のように聖輔を可愛がる、「おかずの田野倉」の店主である督次とその妻の詩子。ややサボり癖がありながらも、聖輔の良き先輩である映樹。面倒見のいいシングルマザーの一美。そんな人たちに支えられながら、惣菜屋を始めたことをきっかけに料理人を目指すことを決意した聖輔。また、惣菜屋の業務中、ふらりと商店街を訪れた高校の同級生・井崎青葉と再会し、徐々に聖輔は彼女に惹かれていく。 軌道に乗り出した聖輔の人生だが、恩着せがましく彼に金をせびる親戚や、聖輔と青葉の関係を快く思わない元カレの存在など、またもや障害が立ち塞がる。 しかし、かつて独りだった聖輔を救ったのは、商店街に店を置く素朴な惣菜店を通して触れ合った人々。そばに人が寄り添ってくれるありがたさを知った彼は、人生を歩み始める。 きわめてシンプルな仕掛けだが、章に込められた意味に気づいたとき、思わず涙腺が緩んでしまった。 一人ではない。たとえ交友関係が多くなくても、必ず「ひと」は「ひと」は繋がっている。等身大の青年の一年を描く本作を見て、日常のささやかな幸せを噛み締めようと心から思う。 また、女優兼作家である中江有里氏の解説にも、非常に心打たれるものがある。 特に感銘を受けた箇所を引用させていただくと、『孤独は人生において本当に大切なものを浮かび上がらせる。』という部分。 社会人となり、学生時代から交友関係がめっきり減ってしまった私だが、あの頃と比べてみると特に不幸になったといった感情はなく、むしろ心地よいとさえ思えていた。そんな、自分でも理解できなかった感情を言語化してくれたこの文は、この先も私の人生の指針となってくれるだろう。 本編の大筋からはそれるが、そこまで緻密に描き込まれているわけではないのに、惣菜の描写にはぐっと引き込まれるなにかがある。 揚げたてほくほくのコロッケ。最後に食べたのは実家で暮らしていた学生時代だろうか。 いま私の住んでいる地域にも商店街があり、もちろんそこには惣菜屋がある。あの頃を思い出し、次の休日に足を運ぼうと考えた私であった。

Posted byブクログ

2024/07/04

非常に面白かった。様々な登場人物や主人公の感情の動きなどが興味深く最後まで楽しく読めました。もう一回読んでも面白いかもと思います。

Posted byブクログ

2024/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高瀬も基志も邪魔するな! と思うけど、それ以上に聖輔の周りには良い人が溢れていて、それはきっと聖輔が聖輔だからなんだろうなって思う。 「何もかもあきらめなくても、いいんじゃない?」はサラッと刺さる言葉だったなぁ。 何がいいって、なんかいい話。コロッケ、ハムカツ、揚げたて食べたいな。

Posted byブクログ

2024/06/28

2024.6.28読了 ひと このタイトルがすごくぴったり。 自分との向き合い方、他人との付き合い方、物事の捉え方に、登場人物それぞれの人生が反映しているなぁと。 主人公の気持ちに共感するところも多く読みやすかったです。 小野寺史宜さんは初めて読みましたが、一文が短くて特徴的...

2024.6.28読了 ひと このタイトルがすごくぴったり。 自分との向き合い方、他人との付き合い方、物事の捉え方に、登場人物それぞれの人生が反映しているなぁと。 主人公の気持ちに共感するところも多く読みやすかったです。 小野寺史宜さんは初めて読みましたが、一文が短くて特徴的な文体に感じました。 温かい余韻が残る作品で、読めてよかったです

Posted byブクログ

2024/06/23

生きている限り、人と関わらないなんて出来ない。 一人で生きてゆくには、経済的自立、友人関係、他者との関り(頼ることも大事)が必要。 巡り合う人は良い人ばかりではないということ。 環境は日々変化してゆき、何が起きても新しい日常を踏み出さなければいけない。見方を変えれば、明日はもっと...

生きている限り、人と関わらないなんて出来ない。 一人で生きてゆくには、経済的自立、友人関係、他者との関り(頼ることも大事)が必要。 巡り合う人は良い人ばかりではないということ。 環境は日々変化してゆき、何が起きても新しい日常を踏み出さなければいけない。見方を変えれば、明日はもっと、明るくなるかもしれない、なんて気持ちにさせてもらえた。 あまりにも聖輔に置かれた状況が過酷すぎる。でも、それを持ってでも作者が描かれたい思いが伝わる。正直、周囲の人は聖輔に対する同情心もあるだろう。それを加味しても、困難は人から全てを奪わない、必ず何かを置いて、与えてくれるだろうと感じ取れた本。 想像通り、熱々コロッケが美味しそうに描かれていました。

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2024/06/21

「爽やか」 まず思いつくのがこのワード! 何となく読み始めると止まらなくなる そんな物語。 ドキドキもハラハラもなし淡々と主人公の柏木聖輔の東京での暮らしが語られる 両親を亡くしても、絶望や自暴自棄にならずにしぶとく生きていこうとする そんな彼の物語に惹きつけられる そしてカッコ...

「爽やか」 まず思いつくのがこのワード! 何となく読み始めると止まらなくなる そんな物語。 ドキドキもハラハラもなし淡々と主人公の柏木聖輔の東京での暮らしが語られる 両親を亡くしても、絶望や自暴自棄にならずにしぶとく生きていこうとする そんな彼の物語に惹きつけられる そしてカッコいいラストで締められてました 誰かに薦めたく物語でした

Posted byブクログ

2024/06/18

初めて派手なストーリーが無くても面白いと思えた本。孤独だけど決して悲観しすぎない主人公の人間性に心がじんわり温まった。文体も読みやすく、著者の他作品も必ず読みたいと思った。

Posted byブクログ

2024/06/13

優しくて心温まる小説だった。派手なストーリーは無く、日常的なストーリーの中での話でとても現実的だった。ほとんどの登場人物が良い人で良かった。孤独であることから成長できること、ひととの繋がりの大切さを感じた。

Posted byブクログ

2024/06/10

最後の評論のところでこのお話は孤独の具現化した話って書いてあって妙に納得した 人生いつ何があるか分からないこそ自分の周りの人を大切にしたいなと思えた。 心が温かくなった

Posted byブクログ