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悪の芽 の商品レビュー

3.6

88件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2022/03/27

無差別大量殺人…… 彼はどうして、なぜ、ここで実行したのか? そして、自らに火をつけ絶叫しながら死んでいった…… 同級生は、自らの行いが原因なのかを確かめるため、動き始める。突然のパニック障害の発症……エリートコースから脱落、ホントの幸せはなんだろう?何に憂いて、何に不満を持ち...

無差別大量殺人…… 彼はどうして、なぜ、ここで実行したのか? そして、自らに火をつけ絶叫しながら死んでいった…… 同級生は、自らの行いが原因なのかを確かめるため、動き始める。突然のパニック障害の発症……エリートコースから脱落、ホントの幸せはなんだろう?何に憂いて、何に不満を持ち、何を訴えたかったのか、現代の悪の芽は増殖し続ける。。。善の芽に変わるまで。。。

Posted byブクログ

2022/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは、ミステリてはない。 思想については、言い出すときりがないのでやめておく。 ミステリだとすれば、しりきれトンボすぎるだろう。 と、思ったけど、作者がどういうつもりか判断つかないから書いてみることにした。 自分に読解力がないだけかもだけど。 さらに、単なる意見なので、感想を求める方は、読む必要ないです。 ↓↓↓ 斉木には、想像力があったから絶望して、子供が死んだ命日に浮かれて自分のために金使いまくってた奴らに特攻玉砕したのです。なので、安達は、自分を吊し上げてこない世間に感謝しながら子連れ主婦に優しくするなどの小さな親切を心がけることにしました。イイハナシダナーってつもりなら、どうかと思う。 なぜなら、この作中、最も想像力のない人物が斉木だからだ。 しかも、本人が、自分は想像力があると思ってるところがトンデモだ。 大量殺人しながら親子連れは見逃した? いやいや、その親子連れも大量消費しに来た人で通りすがりの一般人じゃないだろ。 被害者の年齢はまちまちだった。 ということは、家で子供が待ってる人も、託児所やら親、知人に預けて来てる人もいて当たり前。 自分の楽しみのために金使ってる独身でも、他に募金してる人もいるかもしれない。 募金しなくても、同僚に理解ある人かもしれない。 もしかしたら、他の病気の子供の支援してるのかもしれない。病気の子供はキャバ嬢の子供だけじゃない。 それこそ、病気の子供抱えて日々頑張ってて年に1回の楽しみに来てた人だっているかもしれない。 被害者の1人、21歳の腐女子だって、その後結婚して母親になったかもしれない。 と、いうことを全く考えず、無差別に火炎瓶投げるなんて、これを想像力の欠如といわずしてなんなのか。 子が死んだキャバ嬢にも問いたい。その犯行の理由がすぐわかったというが、それで、その犯行について、被害者への想像力はなかったのか。 斉木もキャバ嬢も絶望してたからいいのか? 作者の意図として、ということで、この人達、絶望のあまり、全く想像力を無くしちゃったわけです。 なので、そんな想像力のカケラもない犯行を思いついて、1年経っても思い直すことも無く実行しちゃいました。ということなら、納得するが。 その他、登場人物が、どれもこれも首を傾げたるなる人物ばかりなわけだが、それも、首を傾げてくださいという意図なら、納得するが。 真壁なんて、同窓会で会ったら、俺も昔ヤンチャでゴメンなーけど俺の息子は大した奴でさーとか、それで謝ってるわけあるかと言いたくなるような自慢話して酒飲めって強要してくる姿しか思い浮かばない。 被害者遺族のフルート奏者の意見には賛成だ。斉木の親を引きずりだしたところで意味無い。 安達に責任押し付けるのも意味無いという腐女子母の意見もわかる。 被害者遺族だからなにしてもいいなんてことはなく、それは負の連鎖にしかならないという話ならば、わからないこともないが。 なので、イジメ被害者で人生失敗続きの斉木だから、職業差別被害者で募金してもらえなくて子供死んじゃったんで絶望したから、なにしてもいいなんてことにならないだろう。 それこそ、斉木とキャバ嬢が声高に言う想像力の欠如だ。 では、テロリストになって、子供の死と欲望の大量消費について訴えたらどうか。 だが、それではキャバ嬢が引きずりだされることになってしまうので、黙って自殺した。明かされない思想ならないのと同じだ。被害者は犬死。 一人一人が考えてくださいと言っても、そんなことのために無差別殺人なんてしていいわけない。 徹頭徹尾、斉木に1個も共感できない。 そういうことなら、詳細は言わすとも、会場前で世界平和を叫んで自分だけが死ねば良かっただろう。 それでも十分ショッキングだし、人間社会が弱肉強食なんておかしいという意思は伝わったと思う。 それに、それでも安達は責任感じたんではなかろうか。 とにかく、作者の意図が読み取れないので、釈然としない。 示唆するわけではなく、意図は、色々個人で考えてくださいという問題提起ならば、上記のようなことを考えた。

Posted byブクログ

2022/03/17

斎木均、無差別大量殺人事件の犯人である彼は小学生時代にいじめを受けていた。彼の人生はそこから崩れ、人生に絶望し、社会を恨み、大量殺戮などという惨事を起こしたのだろうか。 いじめのきっかけを作った人物、いじめを主導していた人物が30年の時を経て贖罪の真相を求めるゴリゴリの社会派ミス...

斎木均、無差別大量殺人事件の犯人である彼は小学生時代にいじめを受けていた。彼の人生はそこから崩れ、人生に絶望し、社会を恨み、大量殺戮などという惨事を起こしたのだろうか。 いじめのきっかけを作った人物、いじめを主導していた人物が30年の時を経て贖罪の真相を求めるゴリゴリの社会派ミステリー。に感じたが、なんだか毛色が違う。私が求めた主軸は明確にWhy done it だったはずなのだが、その好奇心は終盤に差し掛かるにつれ薄れ、そしてそのま消え去った。 というのも、斎木均の人生をメディア報道の情報そのまま鵜呑みにした正義の使徒、別名無関係の人間共よろしく、注意深く観察していたはずの私の目には色眼鏡が掛かっていたのだ。彼の人生は消して「社会の敗北者」などでは無い。勿論、肯定は出来ないが。 彼は絶望したのだ。世界に絶望し、人間に絶望し、自分自身にも絶望し、その果てに何も残らない悲しい人間が作り出されてしまった。私はそんな壮絶な背景に飲み込まれ、本来の目的である「なぜ」の追求を放棄した。斎木均の回顧録に夢中になってしまったのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーー 小学生時代、小さな見栄から斎木がいじめられるきっかけを作ってしまった主人公 安達周。罪悪感に苛まれた彼はパニック障害を患いながら、斎木の悪の芽がどこで産まれ、どう育ったのかを調べ始める。自身の関与に怯えながら。 並行するのはいじめの主導者 真壁友紀の現在と、無差別大量殺人を「正義」の名の元動画に収め一躍有名人となった平凡な大学生 亀谷壮弥のその後。そして後に現れる被害者遺族の母親の視点だ。 安達の素人捜査や真壁とのコンタクト方法、壮弥の承認欲求の満たし方。遺族母の目的の定まらない復讐、これら全てにネットが用いられる。改めて発言の自由の無法な荒地に他人事とは思えない恐怖心が芽生えた。何が彼らの行動の違和感を生み出しているのだろう。 想像力の無い人間は自分に想像力がない事を想像する事が出来ないから想像力の欠如の意味を理解する事が出来ない。....なるほどその通りだと思う。 知人に対する優しさも、他人に対する無関心も、人間が持つ潜在の初期能力だ。それを引き伸ばせるはずのネットの世界は必ずしも最善の状態とは言えないのやもしれない。人間は賢いのか、愚かなのか、これもまた潜在されたバグなのだろうか。 ーーーーーーーーーーーーーーー 物語としてはちらほら見掛ける「拍子抜け」が妥当な表現だと思う。確かに、急ブレーキ踏まれて鞭打ち状態になった事は否めない。忘れかけていた斎木の動機は、個人的には頷けるものではあったが...美談過ぎた。人間を30年近くやっていると、これが非現実だと脳が認識してしまう。なるほどこれが想像力の欠如か。 とは言え私が残念に感じたのはここではなく、晴れて結末を迎える事が出来たのが安達周だけだったというこの一点だ。欲張りやもしれないが斉木と安達同様、真壁友紀、亀谷壮弥、遺族母が事件に関与した事で何を感じ、何を思い、そしてどうなったのかを見届けたかった。 今日は一日首にコルセットを巻いて過ごすことになるだろう。急ブレーキの代償だ。

Posted byブクログ

2022/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

案外すんなり終わっちゃったな。 真壁の息子が真壁の過去のことでいじめられるとか、斉木の弟?の執拗な攻撃とか、もっと事態が悪くなってくのかと思ってた。私ってばかなりひねくれてるな(^-^;

Posted byブクログ

2022/02/11

立場が違えば考え方も違う。自分は努力していても違う立場の人からしたら、理解できない、共感できない。逆も同じ。そんな事を考えさせられました。

Posted byブクログ

2021/12/19

動機としてはわからんでも無いが、犯罪の動機はそんなもんかもしれない。SNSや勝組負組など色々考えさせられる本でした。

Posted byブクログ

2021/12/15

主旨はよくわかるが、設定に無理があるような気がした。現在の幸せを保持するのに手一杯で、過去のことなんてこんなに覚えているかなぁ?ましてそれがきっかけで精神を病むまでになるなんて。タイトルどおり、悪気はなくても、些細なやり取りが巨悪の芽になりうるほど、人間関係はデリケートだというこ...

主旨はよくわかるが、設定に無理があるような気がした。現在の幸せを保持するのに手一杯で、過去のことなんてこんなに覚えているかなぁ?ましてそれがきっかけで精神を病むまでになるなんて。タイトルどおり、悪気はなくても、些細なやり取りが巨悪の芽になりうるほど、人間関係はデリケートだということだ。

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2021/12/13

衝撃的な無差別殺人シーンから始まり、その犯人が焼身自殺した為動機が不明。 そして犯人を小学生時代にいじめたという事実から、無差別殺人への責任を感じるかつての同級生。 誰から犯人の人間像を聞いても、無差別殺人をするような人間に感じられないとする知人たち。事件の発端は果たして30年前...

衝撃的な無差別殺人シーンから始まり、その犯人が焼身自殺した為動機が不明。 そして犯人を小学生時代にいじめたという事実から、無差別殺人への責任を感じるかつての同級生。 誰から犯人の人間像を聞いても、無差別殺人をするような人間に感じられないとする知人たち。事件の発端は果たして30年前のいじめだったのか・・・。 久しぶりに筆者の本を読みましたが、重さに比べて読みやすさはさすが。すらすらと読めてしかも重厚。どんな結末が待っているのかと楽しみにしていましたが、するっと肩透かしされたような感覚で正直詰め切れて無い感が強かった。 ミステリー的にはホワイダニットという事になると思うので、そこが最も重要な所だと思います。本作は途中がとてもよかったのでとても残念です。 過去のいじめを後悔して心を壊してしまう元同級生がメインのキャラなのですが、この場合自分だったらここまで心に呵責を負うだろうかと思いましたが、なかなか無いシチュエーションなので結論は出ませんでした。その辺りの描写は細やかで読ませるなあという感想です。

Posted byブクログ

2022/01/02

小学生の時にイジメられていた同級生(斎木)が 起こしたアニコンでの大量殺人事件。 そして、事件と間接的にではあるが 関わりがある、一流企業に勤める男(安達)。 彼の苦悩を通して事件の核心に触れていく のだが・・・ うーん、結局のところ斎木の動機は 過去のイジメとは無関係やった...

小学生の時にイジメられていた同級生(斎木)が 起こしたアニコンでの大量殺人事件。 そして、事件と間接的にではあるが 関わりがある、一流企業に勤める男(安達)。 彼の苦悩を通して事件の核心に触れていく のだが・・・ うーん、結局のところ斎木の動機は 過去のイジメとは無関係やったんちゃうの? まあ、「無関心」が招く悲劇はイジメ問題にも あるとは思うが。 えーーっ!と思うようなミステリー展開を 期待していたので少し(いや、かなり)期待外れ な内容でした。 学ぶ点があるとすれば「想像力」の大切さかな。

Posted byブクログ

2021/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みだった。 ただ、最後、安達が想像した“動機”が弱過ぎる。 こんな弱っちぃ動機で終わりにして良いのだろうか? そもそも、当の本人(犯人)は、何を想ってした事なのだろう。 それは、未だに、解らない。 主要人物、キャバ嬢であり一人娘を失った熊谷妃菜の考える“動機”を知りたいと思った。 それは、きっと、この本の作者自身も“知りたい”と思っているのではないだろうか。 私も、知りたい。 本当の“動機”など解らない。 だから、熊谷妃菜という主要人物に、ソコに含みを持たせるカタチで、“答え”を託したのではないだろうか。 最後、エピローグに出てきた、“善の芽” これには、とても共感できた。

Posted byブクログ