悪の芽 の商品レビュー

貫井徳郎(著者)

2024/01/20

分厚いけどスラスラ読めた
いじめの被害者と加害者そして、見てただけの人
どう転んでも後味悪いな〜と思い読み進めたが、ラストがわりとあっけなく終わってしまった
ただ犯人が死亡しているのでそうなってもしょうがないのかもしれないし、実際しょうがないことってこの世にたくさんあるのかもしれない
自分を含め人間てのは想像力が欠如してるのかも

2023/11/01

読んでよかった。途中、少しだるかったり、重かったりしたけど、さすが貫井さんは上手いと思う。読みやすくて分かりやすい文章を書く作家だと思う。

最後、とても感動する言葉もあって、何となく 東野圭吾の容疑者Xの献身を感じた。

2023/11/01

自身の想像力の限界や考える力、知識の限界に気づくのは難しい。
他人の個人情報を調べたり、暴いたり、非難することは簡単にしてしまうのに、肝心の自分のことは全く想定外で、考えすらしないなあ、確かに。

なんとかならないのか、蟻ほどの情報で、象の全てを知ったと思う錯覚

2023/08/13

いじめが被害者の人生を大きく変えて破壊したことが何より悲しい。ただ母子と心を通わせて優しさも持っていた彼が、無差別に人を傷つけるラインを越えるのはちょっと不自然かな。自分の趣味にお金をかけて、難病の子供に寄付しないのは非人道的な社会の縮図と言えるのか？それでは他人の子の不幸を待って移植を希望するのは正しいのか？色々と腑に落ちなかった。

2023/05/21

ネットに溢れる誹謗中傷、罵詈雑言は見るのも辛い。自分は絶対に書かない。
だけど、想像力がないのは、自分もだ。
もう少し考えて、もう一歩踏み込んで、そうしながらエンパシーを鍛えよう。

2023/02/23

動機が弱い、薄いなどという声もあるが自分は現実の物事は偶発的で個々人の認知行動的な要素で発生する事が多いと思っているので個人的には余白がある方がリアル。むしろ明確な動機やフィクション的な味付けやトリックは不要。短期的で身近な範囲しか想像ができない、善悪には無自覚に思考停止してしまう、というのは人類誕生からの弱点であろうし自分も所詮他人の考えている事なんて分かり得ないと思っているが、それでも自覚的になる事で変わっていきませんかという貫井先生の大人な処置で幕は閉じる。

2023/02/16

胸に響いた。
普段、何げなく使っている「想像力」と言う言葉の重みを再確認させられる。

世間を震撼させた無差別大量殺人事件の犯人は、かつて自分がいじめていた同級生だった。
かなりの年月が経っているとは言え、一人の人間の人生に何らかの影響を与えた事は事実。

主人公が犯人の悪の芽生えを模索する中で、自己保身から悔恨へと気持ちが変化して行く姿に安堵する。

想像力に欠けた社会に絶望する犯人もまた想像力が欠落している。

悪の芽を育てるのも絶やすのも最後は自分次第。
現代のSNSの在り方やいじめ問題をベースに個人の生き様が問われる。

2022/12/30

面白かった。
人間として考えさせられた。
エリートサラリーマンの安達、小学校時代の知り合いの殺人→焼身自殺で、パニック障害になり、出勤できなくなる。そこから、小学校時代の知り合い斉木の過去を辿って行く。

男尊女卑、家事は女がするもの。寄付？そんなのかねもちのすること。
人間の心には悪の芽が、ある。
でも、善の芽もある。それをなんとか表に出していきたい。

2022/11/21

いまはエリート銀行員となった安達は、小学校時代自分が斎木均に向けた「斎木菌」という言葉がいじめを誘発することになり、それが斎木が無差別殺人を引き起こすことになったのではないかと思い悩む。
斎木はいじめが原因で不登校になって、その後の人生に影響を与えたのは間違いない。
ただ、それが無差別殺人を起こす原因になったというのはどうか。

この人の作品にしては詰めが甘いのではないか。

2022/11/03

良かった····。
無差別殺人事件の犯人が昔の同級生。しかもイジメで不登校になった····
イジメになった原因は、もしかして、自分の不用意なあの発言?無差別殺人のきっかけは自分?