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コロナと潜水服 の商品レビュー

4.1

168件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2021/06/28

主人公の身の回りにちょっと不思議な現象が起こる5つの短編。 亡くなった人の想いが現世に残っているとこういうことが起こるのかも。でもちっとも怖くないのはそこに暖かい想いがあるから。 表題作夫婦のユーモラスなやりとりは大好きな「我が家」シリーズの作家夫婦を思い出してさせてニンマリ。 ...

主人公の身の回りにちょっと不思議な現象が起こる5つの短編。 亡くなった人の想いが現世に残っているとこういうことが起こるのかも。でもちっとも怖くないのはそこに暖かい想いがあるから。 表題作夫婦のユーモラスなやりとりは大好きな「我が家」シリーズの作家夫婦を思い出してさせてニンマリ。 中でも1番好きなのはラストの「パンダに乗って」。赤いフィアットパンダを中古で購入した男の不思議な体験が次第に心を暖めてくれる。人が亡くなっても、覚えていてくれる人がいる限り、その人は生き続けるんだな〜としみじみ思って泣けてきた。 いい短編集です。

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2021/06/26

海の家 めっちゃ良かった! 主人公の内面がスルッと描写されてるのがすごく読みやすく、タケシくんとの関わり方もあっさりとしていて好感を持てる。妻の不貞への対応や娘による評価も、こういう感じって納得!あるある!って感じで。 ただクライマックスが、私としては残念で、妻に言われるがまま東...

海の家 めっちゃ良かった! 主人公の内面がスルッと描写されてるのがすごく読みやすく、タケシくんとの関わり方もあっさりとしていて好感を持てる。妻の不貞への対応や娘による評価も、こういう感じって納得!あるある!って感じで。 ただクライマックスが、私としては残念で、妻に言われるがまま東京に戻らず、タケシくんの家に戻って欲しかった…でも主人公としては、従わざるを得ないんかなぁ、とかね。 ファイトクラブ これも良いね!中年リストラ直前のオッサン達が、還暦過ぎのジイサンからボクシングのコーチを受けるという、もう面白すぎ! 「明日が待ち遠しいなんて、ずいぶん久しぶりのことだと、邦彦は感慨に耽った。人には日課が必要なのである。」 ここ、なんか好き。 そして鍛えた?ボクシングの技で窃盗団に立ち向かう所も最高よね!ボクシングについてもいっぱい取材したんやろうなぁー!すごいわあ そして、オチも好きでした。「海の家」からの繋がりで、そんな感じもしてたけどさ。しみじみ。 占い師 奥田さんは女性の心理描写もすごく上手い。 「自分とあの女子アナの差は、バッグで言えばサマンサタバサとエルメスくらいのちがいがある。」上手いよねー!笑 これも「海の家」からの繋がりがあるし、「鏡子」なんて名前がいかにもではあるけど、声に出してスッキリ、ていうのはやっぱりあるよね。 「男と違って、女の人生は何通りもある。だから、どれを選んでも別の人生があったのではと思えてくる。もう一人の自分が、どこかにいるんじゃないかと思えてくる。」 それでも懲りない麻衣子が、好意的に感じられる。 コロナと潜水服 時代に応じた作品て、やっぱり面白い。 防護服でも雨合羽でも何でも良いから買ってきて!に応じて見つけてきたのが、潜水服!あるかよそんなもん笑 「足ヒレは?」「それがあるとコーディネイト完成でしょう」 ウケるよねー!笑 と思っていたら、最後は感涙。 いいなぁー。 「あなたも妊娠すればわかる」 「人類の鎖が、またひとつつながる。そう思ったら、胸の中が、しあわせな気持ちでいっぱいになった。」 パンダに乗って これも良かったなぁ。 結局一冊まるまる、そういうファンタジーというかオカルトというかフィクションというか、そういう系だったけど、とにかく心温まる。 読めて良かった。 私はあんまり音楽に詳しくないから残念だけど、作中に登場する曲を知ってたら、もっと楽しめただろうなぁ。だからこそのプレイリスト付きなんだろうけど。いや、素敵でした。ホントに

Posted byブクログ

2021/06/14

奥田センセの手にかかれば、ほっこり嫌いの私もにっこり&ほろり。「少しフシギ」な5短編集。どれも面白く、素直にいいなぁと思えるものばかり。出来すぎ感やほのぼの加減が絶妙なんだろう。お気に入りは『海の家』..葉山が舞台。家出した中年小説家のひと夏の冒険。葉山は結婚式をした思い出の地な...

奥田センセの手にかかれば、ほっこり嫌いの私もにっこり&ほろり。「少しフシギ」な5短編集。どれも面白く、素直にいいなぁと思えるものばかり。出来すぎ感やほのぼの加減が絶妙なんだろう。お気に入りは『海の家』..葉山が舞台。家出した中年小説家のひと夏の冒険。葉山は結婚式をした思い出の地なので懐かしかった。『占い師』..相変わらず奥田さんは女性の書き方がうまい。こんなフレンドリーな占い師がいたら私も占ってほしい。『パンダに乗って』..パンダ?と思ったら車の名前だった。じじじじーん。最後ちょっと泣いた。1番好きな話。

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2021/06/08

コロナが見えると言うお子さんが出てきたりします。とは言え、決して時事ネタを使ったハナシではなく、どの話もちゃんとお話として世界観とストーリーのある中編が並びます。ファンタジーっちゃぁファンタジー、ただ非常に日常に隣接した物語を堪能できました。

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2021/05/27

これは良かった!「罪の轍」の重厚さから打って変わって、ちょっと不思議で優しく切ないお話が五つ。共通しているのはスーパーナチュラルな要素があることだけど、それぞれの味わいがあって、とてもいい短篇集になっていると思った。 「海の家」 「家日和」などの家シリーズと似た雰囲気。こういう...

これは良かった!「罪の轍」の重厚さから打って変わって、ちょっと不思議で優しく切ないお話が五つ。共通しているのはスーパーナチュラルな要素があることだけど、それぞれの味わいがあって、とてもいい短篇集になっていると思った。 「海の家」 「家日和」などの家シリーズと似た雰囲気。こういう、何も解決しないけどとにかく明日はやって来るという感じの話は、奥田英朗独特の世界だ。家庭や家族って断罪の場じゃないよねといつも思う。 「ファイトクラブ」 退職勧奨に従わず「追い出し部屋」にとばされた中年男性が出会う謎の人は…。世の会社というものの非情な面をしっかり描きつつ、それに対峙していくオジサンの尊厳を共感たっぷりに伝えてくる佳品。 「占い師」 まったくオクダさんは、バカで身勝手な若い女の子を描かせると、どうしてこんなにうまいのか。計算高く、でもちょっと抜けていて、ああもう仕方がないねえ、でもまあ頑張りやと思わせる女の子の造型が秀逸。 「コロナと潜水服」 他の四篇では、この世のものではない人たちは最後に消えていくが、これは違う。「霊長類ヒト科は強いのよ。伊達に何万年も子孫をつないできたわけじゃない」という言葉が胸にしみた。 「パンダに乗って」 これは切ない~。そう、ある年代以上の人にとって、かつて車は車以上の存在だった。若い頃の思い出の多くが車と共にあるという人は少なくないんじゃなかろうか。赤いパンダの横に立つ青年の姿にジーンとくる。

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2021/05/21

なんかほのぼのするなあ。出てくる人びとが善人ばかりで、この世知辛い世の中で、一服の涼風だ。罪の轍も好きだが、生き抜きにどうぞ。

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2021/05/10

奥田英朗さんの短編はちょっとユーモラスな、シニカルな感じが好きだ。今回はそれに不思議な感じも加わって良かったです。

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2021/05/08

「海の家」が一番気に入った。 古民家で一人暮らしの作家さんのワクワクに 私までワクワクして 楽しかった。 全体的には温かい奇妙な話って感じで 可愛らしい一冊でした。

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2021/05/06

5つの短編集。 どれも少し不思議な物事が起こって、 心温まる作品。 「パンダに乗って」が好き。

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2021/05/02

短編集 海の家 妻と別居するため葉山の古民家を借りた作家。其処に棲む少年幽霊との出会いと別れ。 ファイトクラブ 社内リストラで郊外工場の警備に回された社員が、そこの倉庫でボクシング用具を発見し、謎のコーチと共にボクシングを本格的に始める。 占い師 若き有望なプロ野球選手と付き合っ...

短編集 海の家 妻と別居するため葉山の古民家を借りた作家。其処に棲む少年幽霊との出会いと別れ。 ファイトクラブ 社内リストラで郊外工場の警備に回された社員が、そこの倉庫でボクシング用具を発見し、謎のコーチと共にボクシングを本格的に始める。 占い師 若き有望なプロ野球選手と付き合っているフリーアナウンサーが、彼の成績と人気に翻弄され、やけにフレンドリーな若い占い師に助けを求める。 コロナと潜水服 我が子はどうもコロナ感染者を察知する能力がある。そしてその我が子によりコロナへの感染疑い濃厚となった男。絶対に家族に感染させられないが、防護衣はおろか雨合羽まで売り切れているなか、妻は昔の潜水服を古道具屋で購入。それを着用し毎日外出することになる。 パンダにのって 一昔前のイタリアの小型車パンダ。とても大事にされていたその車を東京から新形まで出向いて買った男は、若くして亡くなった前の持ち主の導きによって、新潟の思いでの地を巡るはめに。そして昔の恋人のもとへ… この話が一番良かった。最後、色々案内してくれたカーナビ画面が消え黒くなる場面を想像すると切なくなる。 話のなかにBGMが出てくる。作者とは少し趣味が違うが、雰囲気があって良かった

Posted byブクログ