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人新世の「資本論」 の商品レビュー

4

446件のお客様レビュー

  1. 5つ

    144

  2. 4つ

    158

  3. 3つ

    64

  4. 2つ

    31

  5. 1つ

    10

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2020/11/23

2020.11.22 問題定義はとても迫力があって危機感を強く持った。ソリューションに関してはおっしゃる通りだが実現性の問題をもう少し検討すると良いと思う。考え方自体はかなりアグリーではある。

Posted byブクログ

2020/11/08

『人新世の「資本論」』斎藤幸平 この硬い単語が並ぶ新書が6万部売れているらしい。もちろんかなり噛み砕いて書かれている。 資本論やマルクスを扱った本、といっても環境問題を持続可能な社会を如何につくっていくかというさけられない問題について考えたい人が多いからだと思う。 「SDGsは...

『人新世の「資本論」』斎藤幸平 この硬い単語が並ぶ新書が6万部売れているらしい。もちろんかなり噛み砕いて書かれている。 資本論やマルクスを扱った本、といっても環境問題を持続可能な社会を如何につくっていくかというさけられない問題について考えたい人が多いからだと思う。 「SDGsは大衆のアヘンである」という始まりは、今の社会への闘争宣言でもある。 扱う問題は、まさに根本的な問題。格差は広がる、環境問題は深刻化する、その根源は資本を如何に増やすかに集中する資本主義。 心身をヒリヒリさせながら、たくさんのものを生産したり、サービスを考え出したりする。 でも商品は機能が良いだけでは売れないし、サービスも価格競争になっていく。そんな中でモノからコトへ、ストーリー、ブランディング、世界観。。。 新しいこと付加価値をつけるべく、いろいろな方法が現れる。でも、それってモノが溢れる中でいかに希少性をアピールして目立たせて、という話で大量生産→大量消費の構造をより強化している。 でもさ、と言いにくい。これは日本のみならず近代化した世界に蔓延した空気、というよりも常識。いや、刷り込みなのかもしれないけれど。。。 そんな多くの人が心身に不調をきたしても避けられない、代替案が見当たらない問題に斎藤さんは踏み込んでいく。 資本主義をどうしていくのか、他に方法はないの、それが世界の最大の問題だ。このGDP、利益、売上、株価など軸にしながら、賃金や貧困、環境問題を後回しにしている社会。 『ブルシット・ジョブ』ディビッド・グレーバーについても言及しているように、過剰生産、過剰サービスの社会では管理のための管理者のような使用価値としてはあまり意味のない仕事が多く存在する。この短期の効率を重視し、長いスパンでの非合理な世界を修正していくために以下の5つを掲げていた。 1. 使用価値経済への転換 2. 労働時間の短縮 3. 画一的な分業の廃止 4. 生産過程の民主化 5. エッセンシャル・ワークの重視 「本源的蓄積」というキーワードも気になった。個人個人がコミュニティの中で持っていた、いわばセイフティネットのことだ。 資本主義はそれ解体していって、人々は地に足をつけながら生きることができずアノミーな存在になってしまった。 #人新世の「資本論」 #斎藤幸平 #DasKapitalImAmthropozan #集英社新書 #集英社 #資本論 #資本主義 #マルクス #ブルシットジョブ #ディビッドグレーバー #環境問題 #SDGs #エコロジー #エコロジー経済 #サーキュラーエコノミー #書評というか感想 #書評 #読書の秋

Posted byブクログ

2020/11/07

斎藤氏はほぼ僕と同世代、マルクスにまつわる経済思想研究で成果を積み重ねて大阪市立大准教授就任、ということでいろいろなところで名前は目にしていたが、本書が売れに売れ、坂本龍一や松岡正剛が帯文で激勝、ということでミーハー心で読んでみた。 同世代ということで問題認識も似ており、論旨に...

斎藤氏はほぼ僕と同世代、マルクスにまつわる経済思想研究で成果を積み重ねて大阪市立大准教授就任、ということでいろいろなところで名前は目にしていたが、本書が売れに売れ、坂本龍一や松岡正剛が帯文で激勝、ということでミーハー心で読んでみた。 同世代ということで問題認識も似ており、論旨に共感はする。共感はする……だが、拍子抜けするほどに内容があんまりないような……? 新書というフォーマットなので、現場での実践的な理論書ではなくて広く一般読者を啓蒙するもの、という位置付けがあるのか、いわゆる僕たちミレニアル世代の世代間ではおよそ(たぶん教育によって)共有されているであろう環境破壊への危機意識を、「マルクスも実はこう言っていた」というふうに巨人を依代に使いながら、最近のテクノロジーの進歩に依拠した楽観論を「めっ!」と否定しつつ、コミュニティ礼讃の脱成長だ!と言うものの、現場の具体的な論は紙幅の関係上、全然ない。 資本主義を更新していくためのコミュニティの復権というアプローチは、都市計画や建築による場づくりなど、さまざまな分野から試みられており、いまさらイタコとしてマルクス大先生を召喚して、大上段の社会システムの改変イデオロギーを打ち立てなくでも、社会は動いている。 なにやらマルクス経済学界隈の人が、彼らが経済思想学の分野で復活するための突破口、いわば“若手ロックスター”としてまつりあげている感じなのかな? 神輿に乗っているからか、地に足がついていない感じが否めない。 イデオロギー、思想というのはやっぱりなんらか実践を伴う、または実践に結びつけた論じゃないと厳しいのではないかも。よくも悪くもSNSの時代の運動体は短文ポピュリズム的な側面があるので、かつてのようなエリートの引っ張る高等な革命論のようなものでは市民は動けない。 現実的なことをいえば、現行制度を汗かいてハックして、それを乗り越えていくことを各自が積み上げていくしかない、ということが少なくともはっきりしている以上、なんとなく提案全体が上滑りしている。 卒論、修論でありそうな自説はほどほどに、それを裏付けとなる引用をこれでもかと散りばめた思考実験を伴う形而上論をえいやと新書にねじ込んで、「若い」ということをウリに、ガンガン版元が販促したら案の定連戦連敗のリベラル層の自尊心をくすぐる左翼ホイホイとして機能してヒットしたぜ、的な感じ。 例えるなら全然荒削りだけど、ガレージロックリバイバルで的に銘打ってレーベルがもうプッシュしたらなんかすげーヒットしたArcticMonkeys みたいな。いいとは思うけど、買いかぶられすぎでは……。 同世代なので応援はしたいのだが、もっと現実的な実践の場に降りてきて欲しいなぁ、と思いました。啓蒙はもっと上の世代に任せて、ガンガン動くほうがおもしろいのに。 次回作に期待。僕にとっては刺さらなかったですが、コモンズとして環境倫理思想を持ってない世代の人にはおもしろいのかもしれません。

Posted byブクログ

2020/10/28

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世(環境危機の時代)」への解決案を提示した、斎藤幸平さんの著書。「SDGsは大衆のアヘンである」という出だしからして面白い。現在・未来の人類の経済活動における、環境破壊について警告しており、現在の資本主義の世界では環境破壊を止めることは不可能で...

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世(環境危機の時代)」への解決案を提示した、斎藤幸平さんの著書。「SDGsは大衆のアヘンである」という出だしからして面白い。現在・未来の人類の経済活動における、環境破壊について警告しており、現在の資本主義の世界では環境破壊を止めることは不可能で、ポスト資本主義として成長を捨てた『脱成長経済(脱成長コミュニズム)』を提言する。資本主義を全面的に否定しているラディカルな一冊。

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2020/10/28

他の仕組みがうまくいかないという説明には説得力があるが、では、脱成長のコミュニズムが成立するというイメージが全く出来ないのは、読者の想像力の欠如なのだろうか。

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2020/10/26

マルクスの『資本論』を読み直し、差し迫る環境問題に対応できる新しい「脱成長コミュニズム」を説いた本。脱成長、マルクス、コミュニズムという扱うことの難しい話題に果敢に取り組み、固まった常識を180度転回してくれるとても有益な本だった。資本主義批判やマルクスの読み直しに終始するのでは...

マルクスの『資本論』を読み直し、差し迫る環境問題に対応できる新しい「脱成長コミュニズム」を説いた本。脱成長、マルクス、コミュニズムという扱うことの難しい話題に果敢に取り組み、固まった常識を180度転回してくれるとても有益な本だった。資本主義批判やマルクスの読み直しに終始するのではなく、脱成長コミュニズムという方針を示し、実際に始まっている運動を紹介することで、読み終わった後に視界の開けた感じを強く感じた。内容はやや難しいが難しい概念は何度も繰り返し丁寧に説明してくれるため、序盤を抜けるとサラサラと読めた。

Posted byブクログ

2020/10/25

マルクスの思想から、人新世における気候危機、格差社会、資本主義経済への根本的対処を考えるのが本書の営みである。 個人的には以前から、資本主義の仕組みは既に限界で、脱成長経済が必要であると考えている。そこで出会った本書の考え方は、大いに示唆を与えてくれたものの、あまり現実的ではなく...

マルクスの思想から、人新世における気候危機、格差社会、資本主義経済への根本的対処を考えるのが本書の営みである。 個人的には以前から、資本主義の仕組みは既に限界で、脱成長経済が必要であると考えている。そこで出会った本書の考え方は、大いに示唆を与えてくれたものの、あまり現実的ではなく、理想論に過ぎない部分がまだ多いように思えた。 富の考え方として、「私富」や「国富」に現れてこない「公富」=コモンズがあり、コモンズを軸にしたコミュニズムによって、希少性により価値を生み出す資本主義に対抗するというのは面白い。 コロナ禍での各国における危機に際しても、コモンズが豊かな方がレジリエンスは高まるだろう。 ただ、個人的に感じたのは、崇高な理念から始まったワーカーズ・コープ等の活動も、そのままでは資本主義に飲み込まれていってしまうのではないかという危惧である。 本書で出てくる、本当に必要な仕事であるエッセンシャル・ワークの例として、ケア労働が挙げられている。確かに、ケアワークは社会に必要な仕事であるし、その仕事自体に価値がある。だが、ケア労働に付帯する作業の一切合切がすべて不要なものとして切り捨てることができるのか、疑問が生じる。 確かに、経営者や管理職などで、不要な労働に付加価値を付けている例は枚挙にいとまがないだろう。しかし、人が集まり、組織ができてくると、組織として必要な管理業務が発生する。 組織を形成せずに、すべてのエッセンシャル・ワークを個々人が行うことを想定しているのだろうか。だとすれば、それは現実不可能な理想論になってくる。 本書に「石油メジャー、大銀行、そしてGAFAのようなデジタル・インフラの社会所有こそが必要」とある。確かに、デジタル・インフラもコモンズとして皆が使いたいときに平等に使うことができれば、それは理想的な社会だろう。 だが、そのデジタル・インフラの運用は誰が行うのだろうか。それもエッセンシャル・ワークとして社会に必要な仕事になるだろうが、それこそ一人の個人でできるような作業ではない。幾人もの人間たちがチームを組んで事に当たる必要がある。そうなれば、本書で切り捨てられているコンサルティングのような仕事も必要になってくる。 本書の最後の方にあるように、3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が変わるというのには、勇気付けられる。 しかし、具体的な行動を実践できる人が果たしてどれだけいるだろうか。 私のような、総論賛成、各論反対の個人たちをどう動かすか。 無限の経済成長という虚妄との決別、持続可能で公正な社会に向けた跳躍というのは、理想論としては素晴らしいが、どうやって実現していくか。どうやって人間たちに一歩を踏み出させるか。 ただ、理想がないと人間は動かないのも真理である。 現実的なところは今後の議論が必要にしろ、理想論としては非常によく、今の社会に必要な一冊。

Posted byブクログ

2020/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 人間たちの活動の痕跡が地球の表面を覆いつくした年代。それが人新生(ひとしんせい)の時代。経済成長が困難になり、経済格差が拡大し、環境問題が深刻化している。  経済成長を図りつつ、環境危機を乗り切ることはできない。環境危機に立ち向かいつつ、経済成長を抑制する唯一の方法は、脱成長型のポスト資本主義に向けて大転換すること。市場原理主義のように、あらゆるものを商品化するのでもなく、ソ連型社会主義のようにあらゆるものの国有化を目指すのでもない。第三の道としての<コモン>は、水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することを目指す。  人間が環境危機を乗り切り、「平等で持続可能で公正な社会」を実現するための唯一の選択肢が「脱成長コミュニズム」。脱成長コミュニズムの5つの柱は、①使用価値経済への転換。使用価値に重きを置いた経済に転換して、大量生産・大量消費から脱却する。②労働時間の短縮。労働時間を削減して、生活の質を向上させる。③画一的な分業の廃止。画一的な労働をもたらす分業を廃止して、労働の創造性を回復させる。④生産過程の民主化。生産のプロセスの民主化を進めて、経済を減速させる。⑤エッセンシャル・ワークの重視。使用価値経済に転換し、労働集約型のエッセンシャル・ワークの重視を。  晩期マルクスの思想に活路を求めての提言。世の中を変えていくことは不可能ではない。3.5%の人々が変わると社会は変わっていく。ミレニアム世代(1981年~1995年生まれ)・Z世代(1990年代後半生まれ)に読んでほしい書。

Posted byブクログ

2020/10/17

冒頭にSDGsへの批判があって、自分も違和感があったのでなるほどという感じだった。気候変動などの危機を社会は認知していて、何か対策を打っていかないと企業としてもまずい。それでSDGsを掲げて活動しているわけだが、根本的な解決には到らない。。 資本主義であるかぎり自然や人からの収奪...

冒頭にSDGsへの批判があって、自分も違和感があったのでなるほどという感じだった。気候変動などの危機を社会は認知していて、何か対策を打っていかないと企業としてもまずい。それでSDGsを掲げて活動しているわけだが、根本的な解決には到らない。。 資本主義であるかぎり自然や人からの収奪は止まらない。本当にいま、身近なレベルでも影響が出てきてるように感じている。 毎年のような自然災害(やたら日々の気温が上下したりとか小さいこと含め)、どんどんアウトソーシングされる仕事(効率化のために、と間接業務の切り出しやオフショアニアショアを推進って…切り出された方にとってもハッピーなのか??という違和感)、これらは資本主義であるかぎり止まらないということは本書を読んで納得できた。 これからどうするか、、という部分は難しく、必ずしも同意はできなかったが、これからも考えていきたい。

Posted byブクログ

2020/10/16

図書館で借りて読み終えた。 考えた。 どこまでも貧しく不合理なのが資本主義だとは思っていたが、気候変動を止めるには資本主義システムとはっきり決別しなければならないことがよくわかった。 考えた。 もっと勉強しよう。急いで。 この本を買うことに決めた。

Posted byブクログ