人新世の「資本論」 の商品レビュー
マルクス草稿が活用されていてホッとした
母校にマルクスのがある。資本論2、3巻はエンゲルスが書いた。1巻とは竹に木を接いだようで不自然だと思っていた。マルクス草稿から彼の思想を再現する研究が長らくされていた。無駄になったのかと思っていたら、こんな形で世に出た。嬉しいの一言。 提案が現実的では無くても、具体化されな...
母校にマルクスのがある。資本論2、3巻はエンゲルスが書いた。1巻とは竹に木を接いだようで不自然だと思っていた。マルクス草稿から彼の思想を再現する研究が長らくされていた。無駄になったのかと思っていたら、こんな形で世に出た。嬉しいの一言。 提案が現実的では無くても、具体化されなくても、良いです。 SDGSのいかがわしさを感じている人が多いから、大ヒットしたのだと思います。新たなマルクマス研究に★5つです。
ユスト
読者に社会革命を呼びかける最新の書。どこか懐かしいテイストだが、今、世界(特に西欧)で起きている様々な動向や議論を手際よくまとめて、目指すべき方向を明快に指し示す技量は見事。ただのユートピア思想ではないことを示すため、様々な疑念に対しても目配りが利いているが、それでもまだユートピ...
読者に社会革命を呼びかける最新の書。どこか懐かしいテイストだが、今、世界(特に西欧)で起きている様々な動向や議論を手際よくまとめて、目指すべき方向を明快に指し示す技量は見事。ただのユートピア思想ではないことを示すため、様々な疑念に対しても目配りが利いているが、それでもまだユートピア的なものに見えてしまうのは、こちらが余程資本主義社会に毒されているからだろうか。でも、著者の説く理想や希望をできるだけ多くの人が共有することは大事だと思う。
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『資本論』の1ページ目で挫折した自分には『資本論』を語る事はできないがマルクスがその先の事まで考えていたというのは知らなかった。 地球環境による人類滅亡を避けるには資本主義の際限ない成長に対する思想の転換が必要という考えは頷ける。ただネアンデルタール人ならともかく現代人の欲望の大...
『資本論』の1ページ目で挫折した自分には『資本論』を語る事はできないがマルクスがその先の事まで考えていたというのは知らなかった。 地球環境による人類滅亡を避けるには資本主義の際限ない成長に対する思想の転換が必要という考えは頷ける。ただネアンデルタール人ならともかく現代人の欲望の大きさは修正し難いと思われる。
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行きすぎた資本主義による気候変動などに対して警鐘を鳴らし、次なる社会を考察する コミュニズム(市民営化、市民自治)とグローバルサウスの実行という点は他の書と共通する部分であったが、読みやすい言葉で噛み砕かれているところが良かった。 マルクスが示す資本主義については不完全な部分...
行きすぎた資本主義による気候変動などに対して警鐘を鳴らし、次なる社会を考察する コミュニズム(市民営化、市民自治)とグローバルサウスの実行という点は他の書と共通する部分であったが、読みやすい言葉で噛み砕かれているところが良かった。 マルクスが示す資本主義については不完全な部分があり、それはグローバルサウスを無視した主義になっていると著者は述べる。 オランダの誤謬に代表されるような、先進国の生活をグローバルサウスが支える構造は大きく見直す必要がある。 その中でもフェアレスシティという市民間の相互扶助、そして国境を超えて連帯するネットワーク精神はミュニシパリズムと呼ばれ自治体主義を翳す。 筆者はケアという観点からエッセンシャルワーカーの重要性を語るが、私の観点では隣人愛の視点からコミュニズムは成長するように思える。 大規模な気候変動による自然災害や、飢餓などは地域コミュニティにより解消される部分もあり、そういった信頼残高が、市民による市民のための協同組合的な自治制度につながるのではないかと考える。 総じて、過去の権威であるマルクス思想と現代の社会変動を合わせて論じており、かつ平易な文章であるので読みやすいところが素晴らしい本であった。
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私は金融機関に勤めていますが、国や企業が「成長するために」を前提に考えていた中で、その考え方や価値観に影響を与えてくれた1冊です。
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今後、持続的に我々人類が地球で生活していくには脱成長しかない。強いメッセージ性のインパクトのある一冊であった。だが、個人的な感想として、空想主義と感じた。脱成長コミュニズムで解決する問題とそうではない問題の分離が必要だ。希少性を生み出す資本主義によって我々は商品に魅力を感じ、満た...
今後、持続的に我々人類が地球で生活していくには脱成長しかない。強いメッセージ性のインパクトのある一冊であった。だが、個人的な感想として、空想主義と感じた。脱成長コミュニズムで解決する問題とそうではない問題の分離が必要だ。希少性を生み出す資本主義によって我々は商品に魅力を感じ、満たされないというのは、本当だろうか?なにをもって公正、平等とするか、より多くの人が当事者として向き合いたいものだ。
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書いてある内容には概ね同意する。 価値増殖を第一原理とする資本主義が、外部からの侵奪と付加一体であること、人間の個性が捨象され、効率性の名の下に資本の奴隷に仕立て上げてしまうことにもっと自覚的にならないといけない。 ただ、脱成長コミュニズムに至るまでのプロセスが現実を見るとなかな...
書いてある内容には概ね同意する。 価値増殖を第一原理とする資本主義が、外部からの侵奪と付加一体であること、人間の個性が捨象され、効率性の名の下に資本の奴隷に仕立て上げてしまうことにもっと自覚的にならないといけない。 ただ、脱成長コミュニズムに至るまでのプロセスが現実を見るとなかなか難しい。ソ連や中国のように独裁的な上からの改革を避けるのであれば、地道な社会運動を積み重ねていくしかないが、なかなか時間がかかる…。 また、人間の不完全性を前提とすると、計画的な経済はホロモドールや大躍進運動による大飢饉などのような人災を招いた過去があるし、やはり市場経済で需給のメカニズムを調整した方が良いのではないかとも思えてしまう…。 理想と現実を、改めて丁寧に橋渡ししていく必要がある一方で、環境危機という面では残された時間はあまり多くない。もっと考え、議論しなくてはいけない。
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著者は人類の存在が地球規模で影響を与えるようになった年代「人新世」において最大の問題、気候変動を止めるためには、利益の拡大再生産を本質とする資本主義社会の中でいかにグリーントランスフォーメーション(DX)を進めても解決できないと説く。 世界に必要なのは地域コミュニティをベースと...
著者は人類の存在が地球規模で影響を与えるようになった年代「人新世」において最大の問題、気候変動を止めるためには、利益の拡大再生産を本質とする資本主義社会の中でいかにグリーントランスフォーメーション(DX)を進めても解決できないと説く。 世界に必要なのは地域コミュニティをベースとして現状を維持する社会であり、晩年のマルクスが残した膨大なメモからその姿を見出すことができる。
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難しい部分もあったけど面白かった。言っていることは理解出来たけど、行動に移すのは難しいなあという印象。だけど今後ももっと十分に議論されるべき内容だと思いました!
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著者の斎藤氏については、若手の論客として注目していたこともあり、読んでみました。 が、何だか、「ロジックが甘い」というか、「議論が雑」に見えるのは、気のせいですかね? ロジックの甘さについては、著者自身が考えていることを述べるために、何となくその理由っぽい言葉を並べているだけで...
著者の斎藤氏については、若手の論客として注目していたこともあり、読んでみました。 が、何だか、「ロジックが甘い」というか、「議論が雑」に見えるのは、気のせいですかね? ロジックの甘さについては、著者自身が考えていることを述べるために、何となくその理由っぽい言葉を並べているだけで、論理的なつながりが見えない部分が多々あるように見えました。 また、議論の雑さについては、場合分けが不十分な部分が目立つように思いました。 ロジックの甘さや議論の雑さを補うために、同じことを説明するにあたり、表現を変える、あるいは、視点を変える、ということもあってよいと思うのですが、同じことを同じように説明するためだけに紙幅を割いているように見える部分も多いように思いました。 他にも、科学的な事象を根拠に挙げる場合、根拠としている事象に対する理解が不十分と思われる部分も散見されました。 そして何より、自分のことは棚に上げて述べているような文体が気になりました。 そのため、「現場のことをわかって述べているのだろうか?」と思い続けながら読むことになってしまいました。 この本から、著者は少なくとも、とてもよく勉強していて、いろんなことを考えてきたように見受けられます。 それゆえ、正しいことを言っているであろう部分もあります。 が、それらが有機的に、あるいは論理的につながっているようには見えず、その点が残念な本でした。 本書については、もっと著者の思考が深まったり、考察が進んだり、論点が整理されたり、結論へとつながる論理がまとまった段階で出すべきで、現時点では時期尚早だったのではないかと思われます。
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