人新世の「資本論」 の商品レビュー
100分で名著より。 この本の主眼が 労働問題かと思ったら気候問題がメインだった。 重要なのは6章と7章。我々は資本主義から脱成長コミュニズムにならなければ。 でも確かに、これだけイノベーションイノベーション叫ばれてて、我々の仕事量が減ってないの、素直になんでだろうと思って...
100分で名著より。 この本の主眼が 労働問題かと思ったら気候問題がメインだった。 重要なのは6章と7章。我々は資本主義から脱成長コミュニズムにならなければ。 でも確かに、これだけイノベーションイノベーション叫ばれてて、我々の仕事量が減ってないの、素直になんでだろうと思ってしまった。(もちろん人口減少によるものもあるだろうけど…) そして資本主義に伴う気候変動に対して筆者が唱えるのがボトムアップ型の取り組み。 確かにこんな理想的な取り組みが全世界で出来たら苦労しないし、落とし所としてそれぞれのコミュニティでボトムアップ型で取り組もうよという感じなのかな。 結局システムはトップダウンで変えるのは相当なエネルギーを要する。ボトムを変えるのが現実的ではある。 あとここで言ってるコミュニティはいわゆる昭和的な自治や相互扶助ではなく、令和的な自治や相互扶助。血縁や家でなく、同じ課題を持つ人々から成るコミュニティ。 ちょっと本の内容の中に、本当に事実か??想像で書いてない??と突っ込みたいところもあったが……。 ※これは本に書かれていないから個人的な感想。 ・技術革新によって出来ることは増えた。でもその分、技術革新で可能になったからって、無駄な仕事は確実に増えてる。会社で誰も見ないようなドキュメントを作ったり、管理しなくてはいけないデータが増えてしまったり。でもそれをしてることに無理矢理価値をつけて商品として売る事もある。そして何故そんな仕事が増えるのかと言ったら、そこに価値を見出させ働かせて、商品として売った方が資本家にとって富を集めやすいからだろう。そういう意味で、物事の本質的な価値を隠蔽する広告ブランディングみたいなのは筆者が嫌いなんだろうなと。 ※こっちも個人的な感想 ・転嫁、という言い方も的を得ている気がする。資本主義は転嫁し続けて富を生み出す。技術革新でエコに!とか言ってるけどその技術革新のために必要なエネルギー総量や資源をを考えるとプラマイゼロなような気も…。ITとかってそのための機器とか機器を使う電気代考えるとむしろ全然マイナスになるよな。
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今の資本主義経済が、気候変動、格差、人種差別等の問題を生んでいる。西欧が問題をグローバルサウスに外部化し不可視化している。経済成長を続ける限り、二酸化炭素排出量は減らず、温暖化は止まらない。資本主義の根本的変革が必要。その方策が、脱経済成長と共同組合の拡大。公富が減ると私富は増え...
今の資本主義経済が、気候変動、格差、人種差別等の問題を生んでいる。西欧が問題をグローバルサウスに外部化し不可視化している。経済成長を続ける限り、二酸化炭素排出量は減らず、温暖化は止まらない。資本主義の根本的変革が必要。その方策が、脱経済成長と共同組合の拡大。公富が減ると私富は増える。公富を増やし私富を減らす為には、コモンを増やすこと、それが共同組合の考え方。共同組合では、市民が参加し市民が管理運営をしていく。実際にバルセロナではコモンの考え方が普及し問題解決を始めている。その際に重要になるのが、グローバルサウスから学ぶという姿勢。それぞれがこの動きに参加することで、グローバルに繋がり変革を起こすことが可能になる。
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面白かった。 これからの社会がどうなっていくのかが楽しみだし、それを作っていく一人になろうと改めて思えた。
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グローバルでハイスピードで進む気候変動とサステナビリティを巡る動きの背景の整理には使えるが、結論に至るまでの論法は雑であるように感じた。
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総論賛成各論反対、という感じ。 気候変動が人類にとって今後最大の問題になりそう。その解決には今の行き過ぎた資本主義からの脱却が鍵を握るであろう事も納得出来る。 しかし、その唯一の解決手段がなぜ(手垢が付いていない晩年の)マルクスの思想なんだ?手紙やメモは所詮は補助的な存在に過...
総論賛成各論反対、という感じ。 気候変動が人類にとって今後最大の問題になりそう。その解決には今の行き過ぎた資本主義からの脱却が鍵を握るであろう事も納得出来る。 しかし、その唯一の解決手段がなぜ(手垢が付いていない晩年の)マルクスの思想なんだ?手紙やメモは所詮は補助的な存在に過ぎない。思想家ならば体系化された著述によって評価されなければならない。であるからにはやはりマルクスは「資本論」まずありき、ではないだろうか。マルクス原理主義の牽強付会に過ぎる展開に感じた。著者は「ドイッチャー記念賞」を受賞したそうだが、この賞はマル経研究者に送られる賞らしい。 まずは世界レベルの人口抑制や資本主義の軌道修正であり、脱成長経済はそれからであろう。衣食満ち足りて礼節を知る、か。 田村書店天下茶屋店にて購入。
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資本主義社会の人類に対する悪影響を理論的に説明した本である。思考停止に陥らず自分できることをすぐに行動すべき!
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マルクスが資本主義研究の結果、民衆による革命を求めたように、斎藤さんがマルクスと同じように資本主義に対抗する脱成長コミュニズムを掲げ革命を起こそうとしている展開が熱い
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ー 温暖化対策として、あなたは、なにかしているだろうか。レジ袋削減のために、エコバッグを買った?ペットボトル入り飲料を買わないようにマイボトルを持ち歩いている?車をハイブリッドカーにした? はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある。...
ー 温暖化対策として、あなたは、なにかしているだろうか。レジ袋削減のために、エコバッグを買った?ペットボトル入り飲料を買わないようにマイボトルを持ち歩いている?車をハイブリッドカーにした? はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある。なぜだろうか。温暖化対策をしていると思い込むことで、真に必要とされているもっと大胆なアクションを起こさなくなってしまうからだ。良心の呵責から逃れ、現実の危機から目を背けることを許す「免罪符」として機能する消費行動は、資本の側が環境配慮を装って私たちを敷くグリーン・ウォッシュにいとも簡単に取り込まれてしまう。 では、国連が掲げ、各国政府も大企業も推進する「SDGS(持続可能な開発目標)」なら地球全体の環境を変えていくことができるだろうか。いや、それもやはりうまくいかない。政府や企業がSDGsの行動指針をいくつかなぞったところで、気候変動は止められないのだ。SDGsはアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかない。 かつて、マルクスは、資本主義の辛い現実が引き起こす苦悩を和らげる「宗教」を「大衆のアヘン」だと批判した。SDGsはまさに現代版「大衆のアヘン」である。アヘンに逃げ込むことなく、直視しなくてはならない現実は、私たち人間が地球のあり方を取り返しのつかないほど大きく変えてしまっているということだ。 ー 素晴らしい。 全人類がまずは読むべき。 彼の言う唯一の選択肢、「脱成長のコミュニズム」が正しいから、と言うわけではなく、議論の立脚点として読んでおくべき作品と言う意味で。 さて、次の課題は、いかに行動すべきか…。 喉元に見えない短剣を突きつけられていても、平凡な社会人として生きて、家族を養っていくことが大事、という幻想は、幻想以上のリアリティがあるんだよね。いや、”幻想”というのは語弊があるな。”凡庸なリアリティ”と言うべきか、“生活者のリアリティ”と言うべきか、息子と息子の子孫の未来が脅かされるなんて、「今感じている家族の生活を一生懸命支えてる感」と比べると全然リアリティがないんだよね。リアルなのにリアリティがない。 だから結局、流されて生きて何もしないのかな。 3.5パーセントが動けば社会が変わると言うけど、その3.5パーセントに自分がなるかどうかって話なんだよね…。 だから、何をすべきなのかよく考えないといけない。
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いずれ資本主義は自己矛盾により内部崩壊していく。循環し、平衡し、時には漂流することが重要でそのためにもコモンは必要になる。
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まさに檄文。 私は本書の掲げる主張におおいに賛同します。 知らない、関係ないでは済まされないし問題先送りではならない。 冷笑主義とか格好つけてる場合ではないし、やらないことの言い訳を探している余裕もない。 脱成長の結果、好きな本や漫画が買えなくなる社会なのかもしれないけど…や...
まさに檄文。 私は本書の掲げる主張におおいに賛同します。 知らない、関係ないでは済まされないし問題先送りではならない。 冷笑主義とか格好つけてる場合ではないし、やらないことの言い訳を探している余裕もない。 脱成長の結果、好きな本や漫画が買えなくなる社会なのかもしれないけど…やむなし。 まず一人でも多くの人に読まれた方がいいと思う。 そうはいっても自治[協同的コミュニズム]にも問題はあるような。 例えばマンションみたいな小さな集団でも絶対に相容れない、参加意思のない人は存在する訳で。それを町や市単位まで拡大した時にそういった『やらない・やれない人達』をどう扱えばいいのだろうか。 3刷 2021.1.26
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