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人新世の「資本論」 の商品レビュー

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446件のお客様レビュー

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2020/12/22

気候変動などの危機を乗り越えるために、最新のマルクス研究に基づいて、脱資本主義・脱成長のための蜂起を促す本。 資本主義が唯一絶対の選択肢ではないということを実感させられた。

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2020/12/17

私たち(日本人)が資本主義社会の先進国として最先端を走っている中で、環境問題について、マイバックやマイボトルなどをやっているが、それも資本主義の一環に過ぎず、環境のことをあまり考えられていないことを分かられせくれる本。 環境を守るには、終わりの見えない資本主義をやめ、社会主義にシ...

私たち(日本人)が資本主義社会の先進国として最先端を走っている中で、環境問題について、マイバックやマイボトルなどをやっているが、それも資本主義の一環に過ぎず、環境のことをあまり考えられていないことを分かられせくれる本。 環境を守るには、終わりの見えない資本主義をやめ、社会主義にシフトしなければいけない。

Posted byブクログ

2020/12/17

このままでは止まることのない環境破壊,それを食い止めるために一石を投じたこの本,なぜここでマルクスがという疑問も読んで納得.資本主義ではもう限界で修復することは不可能で,「脱成長」経済にシフトし,コモンという共同体に新しい力を見る.

Posted byブクログ

2020/12/15

SDGsや、グリーンニューディール政策等、持続可能な環境を実現する為に、様々な言葉やアプローチを耳にする昨今。ただ、その道を辿れば目標を本当に達成できるのか、あるいは現実的に様々な利害関係がある中で、果たして各国一丸となって進むことができるのか、そんなことを思っていた中で、この本...

SDGsや、グリーンニューディール政策等、持続可能な環境を実現する為に、様々な言葉やアプローチを耳にする昨今。ただ、その道を辿れば目標を本当に達成できるのか、あるいは現実的に様々な利害関係がある中で、果たして各国一丸となって進むことができるのか、そんなことを思っていた中で、この本に出会った。 資本主義がもたらした問題であるが故に、資本主義を前提とした考え方では解決に至らない。それはまさにその通りかもしれない。 日本のメーカーにおいても、先端技術などを用いてESG経営に舵を切ったりされていることも出て来ているが、その新技術開発プロセス含めて、どこかに皺寄せがでているのではないか。真にESG経営を体現するのであれば、最終アウトプット品だけでなく、その過程、またその先の道筋を含めて目的に叶うのか目を向けなければいけず、そう考えると、営利、成長を前提とした資本主義社会では立ち行きがいかないのではないか、そんなことも考えさせられた。 皮肉にも資本主義=マルクスと考えていたが、晩期のマルクスがそのようなことを見据え、新たな見地を開いていたことを本書を通して初めて知った。

Posted byブクログ

2020/12/08

晩期マルクスを教えてくれた。 使用価値と価値、希少性と潤沢さ、などがキーワード。 希少性を資本が意図的に追求する? 自然がもたない。恐ろしい社会が到来する。 二人で同時に物理的な一冊の本を読んだ最初の本。

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2020/12/07

正直、どう評価していいかが私にはわからない。ただ、資本主義の限界とマルクスの再評価についてはよく理解できる内容だった。筆者の唱える「脱資本主義」にどの程度の妥当性と実現可能性があるのかは、読む人の立場によって評価が分かれるだろう。そして、私はそのいずれをも詳細に検討できるだけの見...

正直、どう評価していいかが私にはわからない。ただ、資本主義の限界とマルクスの再評価についてはよく理解できる内容だった。筆者の唱える「脱資本主義」にどの程度の妥当性と実現可能性があるのかは、読む人の立場によって評価が分かれるだろう。そして、私はそのいずれをも詳細に検討できるだけの見識を欠いているという自己評価に至った。自分よりも若い世代(いわゆるZ世代)がこの本をどのように受け止めるのかを知りたいと思った。

Posted byブクログ

2020/12/05

環境からも人間からも収奪をし続けることの限界が見えてきて、資本主義は行き詰まっている。 資本論を書き上げた後のマルクスのさらなる展開を全集にはなかった書簡などから読み取り、脱成長コミュニズムと言う経済ビジョンを提言する。 このなんだか黒っぽいカバーを外して標準的なカバーにし...

環境からも人間からも収奪をし続けることの限界が見えてきて、資本主義は行き詰まっている。 資本論を書き上げた後のマルクスのさらなる展開を全集にはなかった書簡などから読み取り、脱成長コミュニズムと言う経済ビジョンを提言する。 このなんだか黒っぽいカバーを外して標準的なカバーにしたほうが好ましいと思った。

Posted byブクログ

2020/12/03

“SDGsは大衆のアヘンだ!” センセーショナルな序章から始まり、なぜ我々が脱成長コミュニズムを選ばなければならないか、というのを資本主義の矛盾、周縁化される収奪、その典型としての環境問題を取り上げて、晩年のマルクスの著書にならなかった思索をもとに解説する マルクスの思想に明る...

“SDGsは大衆のアヘンだ!” センセーショナルな序章から始まり、なぜ我々が脱成長コミュニズムを選ばなければならないか、というのを資本主義の矛盾、周縁化される収奪、その典型としての環境問題を取り上げて、晩年のマルクスの著書にならなかった思索をもとに解説する マルクスの思想に明るくない門外漢の僕でも、斎藤先生の主張とマルクスが言わんとしていたことの二つがすっきりわかったので、これだけ話題なのも納得 主張にも概ね同意だし、一刻も早く資本主義から脱するべきだという思いを強くした ただ、疑問が一つ •どうそれを達成するか、という議論があまりにうぶというか市民を信頼しすぎだと思う。そもそも気候変動の存在をも受け入れていない人が大勢いるし、トランプへの熱狂(なぜか日本でも)を見ていると、より疑念が湧かざるを得ない。一部の人が連帯して立ち向かっても、分断が深まるだけな気もする

Posted byブクログ

2020/11/27

「SDGsは大衆のアヘンである!」 このキャッチフレーズを見て、購入してみた。 「私たちは資本主義に取り込まれ、生き物として無力になっている。商品の力を媒介せずには生きられない」 地球への環境負荷の増大、今どういった世界に自分が生きているのかを考えさせられた。環境負荷の事実を知...

「SDGsは大衆のアヘンである!」 このキャッチフレーズを見て、購入してみた。 「私たちは資本主義に取り込まれ、生き物として無力になっている。商品の力を媒介せずには生きられない」 地球への環境負荷の増大、今どういった世界に自分が生きているのかを考えさせられた。環境負荷の事実を知った後でも、この便利な生活を目の前にすると無力になっている自分がいてゾッとする。もう少しいろんな本を読んで知識を増やしていきたい。

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2020/11/25

哲学の専門家が、「資本論」を現代に当てはめて、その意義を解説した本。「資本論」でマルクスが書いたのは第1巻だけであって、第2巻と第3巻はエンゲルスが書いているため、マルクスの考え方を誤解している人が多いと著者は主張している。近年になって発見されたマルクスが書いた晩年の資料から、マ...

哲学の専門家が、「資本論」を現代に当てはめて、その意義を解説した本。「資本論」でマルクスが書いたのは第1巻だけであって、第2巻と第3巻はエンゲルスが書いているため、マルクスの考え方を誤解している人が多いと著者は主張している。近年になって発見されたマルクスが書いた晩年の資料から、マルクスが目指していたのは持続可能な「エコ社会主義」であったとしている。ゲルマン民族の農耕共同体をヒントに、持続可能性と社会的平等を追求していくことが目指すべき方向性としていたとの主張には、ある程度説得力があると感じた。ただし今後、資本主義に代わって向かうべき方向としては大いに疑問。まず、ウォーラーステインが言う世界システムがより良い形を追求していくことや、あるいは、科学技術の進歩というものは、資本主義のようなインセンティブがあってこそ前進していくものであって、社会主義では太刀打ちできないと思えるからである。次に、少子高齢化に伴う政府支出増大の観点からも、右肩上がりの経済成長は求められており、「エコ社会主義」への転換は困難であると考えられるからである。資本主義には勝ち組と負け組がおり、勝ち組の同意を得ることはムリというものだ。ソ連が敗北したことによって、社会主義と資本主義との争いには決着がついたはずだ。グリーンビジネスへの積極投資など、現在進めているESGとSDGsへの活動をはじめとした、資本主義のもとでの持続可能な社会を目指していくしかないのではないか。ただし、大いに考えさせられ勉強にはなった本ではあった。 「資本主義による収奪の対象は周辺部の労働力だけでなく、地球環境全体なのだ。資源、エネルギー、食糧も先進国との「不等価交換」によってグローバル・サウスから奪われていくのである。人間を資本蓄積のための道具として扱う資本主義は、自然もまた単なる略奪の対象とみなす。このことが本書の基本的主張のひとつをなす」p31 「中核部での廉価で、便利な生活の背後には、周辺部からの労働力の搾取だけでなく、資源の収奪とそれに伴う環境負荷の押し付けが欠かせないのである」p33 「(相対的デカップリングと絶対的デカップリング)相対的:効率性の高い技術を導入するなどして、CO2排出量をなだらかにする。絶対的:電気自動車の普及などCO2を排出しない手段を取る」p65 「環境問題に立ち向かい、経済成長を抑制する唯一の方法は、私たちの手で資本主義をやめて、脱成長型のポスト資本主義に向けて大転換することなのである」p119 「脱成長資本主義は存在しえない」p131 「(「コモン」という第三の道)第三の道としての「コモン」は、水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することを目指す」p141 「資本は修復不可能な亀裂を世界規模で深めていく。最終的には資本主義も存続できなくなる」p164 「ゲルマン民族は、土地を共有物として扱っていた。土地は、誰のものでもなかったのだ。だから、自然からの恩恵によって、一部の人が得をしないよう、平等な土地の割り振りを行っていた。富の独占を防ぐことで、構成員のあいだに支配・従属関係が生じないように注意していたのだ。同時に、土地は誰のものでもなかったがゆえに、所有者による好き勝手な濫用から守られていた。そのことが、土地の持続可能性を担保することにもなっていたのである。このように「持続可能性」と「社会的平等」は密接に関係している。この両者の密接な関係こそが、共同体が資本主義に抗い、コミュニズムを打ち立てることを可能にするのではないか。マルクスはこの可能性を強く意識するようになっていく」p183 「共同体では、同じような生産を伝統に基づいて繰り返している。つまり、経済成長をしない循環型の定常型経済であった」p193

Posted byブクログ