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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1905件のお客様レビュー

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    220

  2. 4つ

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    689

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2021/01/11

推しという人によっては一種の宗教の様な偶像崇拝って、それに対するスタンスは人それぞれだが、何かしらちょっと現実逃避が含まれているのではないかと思う。 主人公の診断結果の病名はわからずじまいだが、読んでいるとこれであろうというものが頭に浮かび、生き辛さに息が詰まりそうになる。日常生...

推しという人によっては一種の宗教の様な偶像崇拝って、それに対するスタンスは人それぞれだが、何かしらちょっと現実逃避が含まれているのではないかと思う。 主人公の診断結果の病名はわからずじまいだが、読んでいるとこれであろうというものが頭に浮かび、生き辛さに息が詰まりそうになる。日常生活に於いては、世間一般でいうところの普通の生活を普通にこなす事が困難だが、ブログの文面や、情報の収集分析など自分の熱意をかけるものに於いての才が確かにあると感じた。ラスト自分の人生に少しだか歩みだそうとしてる主人公が嬉しかった。

Posted byブクログ

2021/01/11

これが純文学か... 私には合わなさそうです。 でも、若いのに語彙力が豊富で、彼女の見ている世界を私も見てみたいと思いました。

Posted byブクログ

2021/01/11

物語の序盤、主人公の友人である成美が「推しは命にかかわるからね」と言う。自分を見ても周りを見てもその通りだと思う。推しは私たちの人生を左右し、生活を揺さぶり、健康状態に影響を与える。 主人公であるあかりは私自身であり、私にとってどうしても好きになれない相手でもあった。推しの見てい...

物語の序盤、主人公の友人である成美が「推しは命にかかわるからね」と言う。自分を見ても周りを見てもその通りだと思う。推しは私たちの人生を左右し、生活を揺さぶり、健康状態に影響を与える。 主人公であるあかりは私自身であり、私にとってどうしても好きになれない相手でもあった。推しの見ている景色を自分も見たい、推しのことを解釈し続けたいというあかりの生き方には共感できる。それと同時に、私はこういうオタクのことが嫌いだ、とも思う。あかりは推しのことを「背骨」と形容した。そのことに同意しながら、自分はそんなふうに他人にすべてを委ねる生き方はしたくないとも思った。そんなふうに心の中をぐちゃぐちゃにしながら読んだ。 「推しが語るように歌い始めたとき、あの男の子が、成長して大人になったのだと思った。もうずっと前から大人になっていたのにようやく理解が追いついた。」(本文から引用) 推しが文字通り「男の子」だったころから二十代半ばになるまでを追い続けている私も、ときどき推しが大人になった瞬間を目の当たりにすることがある。それはコンサートのパフォーマンスでの一瞬だったり、書いた詞の一行だったり、雑誌でのかぎかっこひとつだったりする。その瞬間、推しが「男の子」だったときのまま私は成長していなくて、推しだけが大人になっていくのではないかと怖くなる。そして推しにのめりこむことでその怖さをまぎらわす。 自立したいと思う。推しに背骨を支えてもらいながら生きたくはないと思う。それでも推しを推すことの楽しさを、赤の他人に人生を預ける心地よさを知ってしまった以上、自分の意思ではどうにもならない部分もあるのだと思う。 そういう私たちの本だった。私たちが憎んで、私たちが愛している、私たちを描いた物語だと思った。 【読んだ目的・理由】芥川賞の候補作になったと知り気になって 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.4 【一番好きな表現】理由なんてあるはずがない。存在が好きだから、顔、踊り、歌、口調、性格、身のこなし、推しにまつわる諸々が好きになってくる。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の逆だ。その坊主を好きになれば、着ている袈裟の糸のほつれまでいとおしくなってくる。そういうもんだと思う。(本文から引用)

Posted byブクログ

2021/01/11

上手く生きれない人間が、生活の補填として「推し」を見つけ出す。 己の命とも言える「推し」を失った時、自らに残るものは何なのか、現実が更に絶望感を強めて描写されていたように感じた。 「推し」がこれから先現実をどう生きていくのかを知り得ない、寂しさや切なさ、虚無感を抱えたまま生きてい...

上手く生きれない人間が、生活の補填として「推し」を見つけ出す。 己の命とも言える「推し」を失った時、自らに残るものは何なのか、現実が更に絶望感を強めて描写されていたように感じた。 「推し」がこれから先現実をどう生きていくのかを知り得ない、寂しさや切なさ、虚無感を抱えたまま生きていくことに向き合っていくことは、物語上だけではなく、私たちの至る所にある話だ。 この絶望を救ってくれるのは、また「推し」しか、ないのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/01/11

塩辛にアラザンまぶしたみたいな味だった。ややグロテスクだった。表紙が可愛かったから買ったけど、短い割に面白かったと思った。

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2021/01/11

推しは命に関わる まさにその通りなんだと思った。 誰かをこんなにも推せるのは 特別な事だと思うし こんなに一途に愛せるのは すごく羨ましい。 一生をかけた推しが、人になった後 どうやって生きる意味を見つけるんだろう。 私なら、きっと 廃人だ。

Posted byブクログ

2021/01/08

宇佐美りんさん。21歳とは到底思えない表現力と異質な価値観。読み進めていて村田沙耶香さんのコンビニ人間と同質の臭いがした。どうもこの手の話は好きじゃない。不器用な人間が生きづらい思いをしている中で、せっかく生きる意味を見出したのに再び剥ぎ取られ、更に狂っていく。報われない気持ちで...

宇佐美りんさん。21歳とは到底思えない表現力と異質な価値観。読み進めていて村田沙耶香さんのコンビニ人間と同質の臭いがした。どうもこの手の話は好きじゃない。不器用な人間が生きづらい思いをしている中で、せっかく生きる意味を見出したのに再び剥ぎ取られ、更に狂っていく。報われない気持ちでいっぱいになる。普通でいられないことは、悪いことではないという価値観があるが、綺麗事だと思う。可能だったら、普通でいたい。普通でいれば苦しみ、悩む回数も減る。不器用な人間である私たちは、同情されてコンテンツとして貪られるのは、うんざりなんだ。普通が欲しい。

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2021/01/03

色々な媒体から「推し」をテーマにした物語が発出されるようになったが、どこかユーモラスだった、しかし本作は命をかけた推しであった、正に人生をかけての推しで、それを無くせば人生は終わったようなものだ。燃え尽きた主人公あかりは以後どう生きるのだろうか、これではもう廃人だ。

Posted byブクログ

2021/01/02

自分もアイドルが好きだけど、唐突にやってくる脱退発表の絶望感を経験してるから自分の全てを捧げるようなのめり込み方は意図的に避けてる。 発達障害を抱えて、理解のない家族に心ない言葉をかけられ続けた結果アイドルを推すことにしか人生の意味を見出せなくなってしまった主人公。幸い自分は真っ...

自分もアイドルが好きだけど、唐突にやってくる脱退発表の絶望感を経験してるから自分の全てを捧げるようなのめり込み方は意図的に避けてる。 発達障害を抱えて、理解のない家族に心ない言葉をかけられ続けた結果アイドルを推すことにしか人生の意味を見出せなくなってしまった主人公。幸い自分は真っ当な生活を送れてるけど、一つボタンを掛け違えていたら自分もこんな感じになっていたかも。決して共感できる内容ではなかったけど、どこか自分とは縁遠いお話とは思えない感じ。 面白かったけど、新年一発目からなかなか心を抉られる作品を読んでしまった。

Posted byブクログ

2020/12/31

まず一言、感動した。その一言につきます。推しがいる事によって自分は生かされている、主人公の境遇がまったく自分に重なっていて涙が出ました。他人から見たらおかしいと思われるところなんだけど、アイドルオタの人はこうしないと生きていけないその描写に非常にやられた、芥川賞間違いなし!

Posted byブクログ