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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1905件のお客様レビュー

  1. 5つ

    220

  2. 4つ

    555

  3. 3つ

    689

  4. 2つ

    248

  5. 1つ

    71

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2024/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夢中で読んだ。 燃えた推しというよりも、推す側の人生を主に取り上げた本だった。推し活で人生がむちゃくちゃになる極端な例を取り上げた、推し活の教科書のような本だと思った。 推し活にお金心体全てをつぎ込んでのめり込むような人は、心や体どこかに本当に問題がある人が多いんだなと思った。そして、それを作っている周りの環境、搾取する運営の人にも、問題があると思った。推す側も大金はたいてるとか、無茶苦茶なことをしているっていう自覚はあるみたいなことが書かれていた。だから、押す人にも問題があって、その困難な人生を持っている自分のことよりも、その相手のことを大事に思っている、だから、自分が無茶苦茶になってしまっても気にしないそれも問題だと思った。でも、それが世間の一般だから、自分でどうにかするしかない気もする。 リアルタイムで、その人の人生を見ているような感触だった。目が痙攣しているとか肉が削げ落ちているとか匂い、視覚の情報が伝わってきた。印象的なのは、プールであの岩の隙間から水が伝わってくるシーン、おばあちゃんが亡くなって、でも携帯での連絡はやめられないし、悲しみきれないシーン、最後のライブのトイレで終わりそうになってるシーン。 障害持ちの限界推し活、という題材がすごい上手だなと思った。心の底から苦しかった。

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2024/08/10

依存先を増やしましょう、一つの物事だけに執着するのはやめましょうってよく言うけど、あかりはその失敗例だった。「背骨」を失えば人は真っ直ぐ立てない。趣味でも仕事でも人でも、何でもいいから意識を分散させて、いろんなもので自分を支えなきゃいけなかった。たった一人の人間にすべてを託すんじ...

依存先を増やしましょう、一つの物事だけに執着するのはやめましょうってよく言うけど、あかりはその失敗例だった。「背骨」を失えば人は真っ直ぐ立てない。趣味でも仕事でも人でも、何でもいいから意識を分散させて、いろんなもので自分を支えなきゃいけなかった。たった一人の人間にすべてを託すんじゃなく。って口で言うのは簡単だけど、そんなに器用に生きられない人もいるよね。「普通」が難しい人にとって、現代社会はずっと息苦しいと思う。 あかりの不幸は家庭環境と発達障害だけど、彼女ほどではなくてもままならない人生を酸欠気味で歩んでる人は多いはず。この煩雑な社会で生きていくには、「推しはいる?」って聞かれて「いっぱいいる」って言えるくらいが健全なのかも。

Posted byブクログ

2024/08/08

「推し」という概念を、現代視点で捉えた作品。 それが生きがいになっている、不憫な少女の葛藤を描く。 文体や世界観が若々しく、斬新。 情熱を注ぎこんでひとつのことに打ち込むアツさとともに、自らのすべてを推しに捧げる。 しかしその推しが消えるとき、それでも続いていく世界の中に、いっ...

「推し」という概念を、現代視点で捉えた作品。 それが生きがいになっている、不憫な少女の葛藤を描く。 文体や世界観が若々しく、斬新。 情熱を注ぎこんでひとつのことに打ち込むアツさとともに、自らのすべてを推しに捧げる。 しかしその推しが消えるとき、それでも続いていく世界の中に、いったい何が残るのか。 そんな情熱と虚しさの狭間の感情を、見事に表現しているように思う。 大なり小なり、今実際に推し活をしている人にとっては、なおさら他人事に思えない心情に至るだろう。

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2024/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙の明るいピンクと中身のギャップがえぐかった。読んでいて辛かった。主人公は頑張っても普通になれない女の子。学校ではうまくいかないからこそ、アイドルを推すことで生きる力を養っている感じだった。身を削って応援していた。でも家族はそれをわかってくれない。読んでいて辛かった。 あと思ったのはアイドルを推すにも色んな『推す」があるということ。だから推しに対するコメント欄は批判もあったり推しを応援したりするものもある。でも私も推しがいる立場として、どんな人でも推しがしたことに対して傷つくようなコメントはしないで欲しいと思う。 宇佐見りんさんの作品は初めて読んだ。文章力に圧倒された。主人公のパニック感、辛さが一文を長くしたりすることでひしひしと伝わってきた。受賞時21歳だったらしく、私が21歳の時にこんな文章を書けたか?いや書けないなと思った。本当にすごい。 第164回芥川賞受賞

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2024/07/31

全く意味がわからない。 幹となる部分が無く、色んなシーンを無意味にツギハギしただけのような内容。 支離滅裂すぎて、結局何が言いたかったんだろう。

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2024/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 たった125ページの本なのに読むのに1時間半強もかかってしまった。理由は改行がほとんどなく、読みづらかったこと、障害者気質のこういう人いるよねという主人公が、ありもしないのに現実チックな出来事に対し、思ったことや言動行動を書き連ねていくだけのテンポの悪い内容だったことだ。the女性作者の本という内容で、さらに主人公が今の現状を変えようとしないところから、「コンビニ人間」の劣化版のように感じた。  まず登場人物が気持ち悪い。ファンの女性を殴り、スキャンダルになるも、思ったことを率直に言い、言葉足らずなキャラを貫く主人公の推し。女性声優におじさん構文でキモコメをする単身赴任中の父親。いつも仕事で疲れていて、濃いクマがあるが、くま消しののコンシーラーをプレゼントされると逆上する障害のありそうな母親。主人公とは対照的に普通の姉。そして九九すら覚えることが難しいなど記憶力に問題があり、健常者と障害者の狭間に生きる主人公。学校は休みがちで、推しだけを頼りに、ブログとバイトの日々。話の途中でわかるが、結局高校中退する。  あらすじは、推しのスキャンダルが発覚するも推し続ける主人公→CDについた投票券による人気投票で推しが1位から最下位の5位に→食べたものをわざと吐いたり、バイトを増やしたりなど謎に自分を追い込む主人公→それが悪化し、高校を中退→祖母が死に、祖母の家で一人暮らし→就職先が見つからないものの、推しのライブには行き続ける→スキャンダルから一年、推しのグループが解散+推しの引退→ラストライブに金を注ぎ込みまくる→就職もしなければ、推しの殴った理由も明かされないまま終わる  あらすじを読んでいただければわかると思うが、正直内容が薄い。起承転結の承をずっと読まされている感じだ。登場人物は総じてキモいし、主人公も一向に生活を改善させようとする姿勢が見られない。これまで読んだ作品の中で最悪の一作だった。

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2024/07/26

本屋大賞入賞、芥川賞受賞作品と言うことで読みました。 うーん...何が言いたいのか私には理解できませんでした。 人間の最低限度の生活がままならないのに、推し活はでき、ブログにはスラスラと大人のようなコメントが書き込める...そんな状態の人についた診断名が気になり調べたら、発達障害...

本屋大賞入賞、芥川賞受賞作品と言うことで読みました。 うーん...何が言いたいのか私には理解できませんでした。 人間の最低限度の生活がままならないのに、推し活はでき、ブログにはスラスラと大人のようなコメントが書き込める...そんな状態の人についた診断名が気になり調べたら、発達障害とありました。 この本のテーマはこちらだったのでしょうか...

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2024/07/22

現代の所謂"推し活"の究極系❔自分自身の生活を犠牲にしてまで夢中になれるものがあるのが少し羨ましい面もありつつ、自分を見失うのは元も子もない。 推しが芸能界から離れた彼女の未来が気になる。推しの過去を振り返り今までのような生活を送り続けるのか、推しのグッズなど...

現代の所謂"推し活"の究極系❔自分自身の生活を犠牲にしてまで夢中になれるものがあるのが少し羨ましい面もありつつ、自分を見失うのは元も子もない。 推しが芸能界から離れた彼女の未来が気になる。推しの過去を振り返り今までのような生活を送り続けるのか、推しのグッズなどを捨てたり無かったことにして心機一転新たな生活を歩むのか。

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2024/07/21

主人公の置かれた環境の複雑さ、そこから生まれている不安。大人への過渡期に入りつつある高校生が持つ“危うさ”へ最大限振り切った物語のように感じました。主人公の心境の生々しさは圧巻の一言。 素人ながら凄い作品だと思います。 評価★3は好みの問題です。 人間の葛藤、もがきをまざまざと...

主人公の置かれた環境の複雑さ、そこから生まれている不安。大人への過渡期に入りつつある高校生が持つ“危うさ”へ最大限振り切った物語のように感じました。主人公の心境の生々しさは圧巻の一言。 素人ながら凄い作品だと思います。 評価★3は好みの問題です。 人間の葛藤、もがきをまざまざと感じたい方には一読の価値ありです。

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2024/07/16

自分の世界と大きく異なる。最初でつまづき何回か読み直す。芥川賞受賞作品なので最後まで読まないと悪いかなぁという気になる。我慢出来るかなんて想いながらページを進めた。少し前に進むと、推しの世界が少しずつ分かるようになり読むスペードが上がる。 キメ細かな表現はさすが芥川賞か。 少し悲...

自分の世界と大きく異なる。最初でつまづき何回か読み直す。芥川賞受賞作品なので最後まで読まないと悪いかなぁという気になる。我慢出来るかなんて想いながらページを進めた。少し前に進むと、推しの世界が少しずつ分かるようになり読むスペードが上がる。 キメ細かな表現はさすが芥川賞か。 少し悲しすぎる主人公。でも推しの世界ではこれもあり?いや、これしかないのかもしれない。 最後まで読み切り、推しが去った世界で此の娘はどう行きていくのだろう。自分とは真逆の世界だが、気になってしまった。

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