推し、燃ゆ の商品レビュー
推しがいる人生が当たり前で、推しがいない人は逆におかしい、みたいな風潮の時代に生きている人には刺さるなぁと感じた。 自分にもお金や時間を費やした推しがいたけれど、その時はそれが自分で、自分の形で、自分の幸福だったから、無くなった時の虚無感といったら主人公そのもの。 まさに時代を反...
推しがいる人生が当たり前で、推しがいない人は逆におかしい、みたいな風潮の時代に生きている人には刺さるなぁと感じた。 自分にもお金や時間を費やした推しがいたけれど、その時はそれが自分で、自分の形で、自分の幸福だったから、無くなった時の虚無感といったら主人公そのもの。 まさに時代を反映した素敵な題材の小説だと思った。
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期待が大きすぎたのかちょっと拍子抜けした。良くも悪くも、高校の課題でクラスメイトが作った小説を読んでいるような気分ですらすらと読めた。 推しがなぜ人を殴ったのかが解明される展開の方がより主人公の人となりが分かったり、感情移入できたりした気がする。 わざわざ男女混合アイドルという設定にしていることや、時折名前が上がるメンバー「ミナ姉」が何かの伏線なのかと思ったがそうでもなかったから、ラストシーンを読んでも「ん?これが最後のページ?」という感覚。
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これが芥川賞なのかなぁ…と思ってしまった。コンビニ人間を読んだ時のような心地よいそわそわとした感情はわかなかった。 アイドルの推しを推す経験を、まだ短い人生の中でやってきたことがあるし、何年も夢中になってお金を落としていたこともあった。そのグループから脱退するメンバーがでて、グル...
これが芥川賞なのかなぁ…と思ってしまった。コンビニ人間を読んだ時のような心地よいそわそわとした感情はわかなかった。 アイドルの推しを推す経験を、まだ短い人生の中でやってきたことがあるし、何年も夢中になってお金を落としていたこともあった。そのグループから脱退するメンバーがでて、グループが解散状態になってという経験もしてきた。それでもあまり共感はなかった。 推しを推すという現代特有の文化は、実はその人によって推し方が違っている。だからこんな風に推している人が確かにいると、自分も思っている。 ただ一つ思うのは、"推す"という行為に身も心も捧げてぼろぼろになる人間が少なくとも世の中にはいて、推される側はそれでお金をもらって生活をしている事実がそこにある。 だから嵐の大野くんが昔言っていた、"ファンがあってのうちらなんだ"という言葉。その重みが今ずっしりと外野の自分たちにものしかかる。どうして嵐が凄かったのか、どうして嵐のようなグループが出てこないのか、わかってしまうがそれは決して全てが推される側の責任ではない。ただ、人間らしく振る舞いたいのならアイドルには向いていなかった。ただそれだけの美男美女が溢れている。ただそれだけなのだ。
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目に映った光景や単純な感情が連なり、その間に生活力といったものが低下していく現実が差し込まれる 何かに熱中して、リアルに対応できなくなる状況を経験した人には主人公のおかれる立場が理解しやすいだろう 小説として読むので、少しその異常性が緩和されるが、同じような状況の人が近くにいると...
目に映った光景や単純な感情が連なり、その間に生活力といったものが低下していく現実が差し込まれる 何かに熱中して、リアルに対応できなくなる状況を経験した人には主人公のおかれる立場が理解しやすいだろう 小説として読むので、少しその異常性が緩和されるが、同じような状況の人が近くにいると居た堪れない感覚になるに違いない
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推しがいる子どもがいるので読んでみたかった作品。 いやはや、沼ってる。 律儀に推しを推す行為は称賛に値する。 確かに信仰心に近いか、むしろそれ。 だけに、信仰の対象が無くなった時の虚無感たるや。 人生に生き辛さを抱える主人公に同情。 推しがこの世界に存在している、それだ...
推しがいる子どもがいるので読んでみたかった作品。 いやはや、沼ってる。 律儀に推しを推す行為は称賛に値する。 確かに信仰心に近いか、むしろそれ。 だけに、信仰の対象が無くなった時の虚無感たるや。 人生に生き辛さを抱える主人公に同情。 推しがこの世界に存在している、それだけで幸せ。 分かるけどさー。 こう言う場合どうやって手を差し伸べれば良いんだろ。 また本でも読むかー。
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推しがファンを殴ったというSNSの書き込みから物語がはじまる。主人公は女子高生のあかり。推しのいる生活から想像していた華やかさが、文体から全く感じられない。炎上してるから仕方ないが、ダウナーな雰囲気にやや面をくらう。 学校での勉強もバイト先でも、他の人ができるはずのことができな...
推しがファンを殴ったというSNSの書き込みから物語がはじまる。主人公は女子高生のあかり。推しのいる生活から想像していた華やかさが、文体から全く感じられない。炎上してるから仕方ないが、ダウナーな雰囲気にやや面をくらう。 学校での勉強もバイト先でも、他の人ができるはずのことができない。話す人が全くいないわけではないが、そもそも人と話をするのが苦手。ただ推しのことについて書いているブログでだけ雄弁に語り、ファン同士でも定評がある。 推しとの距離感というか温度感が想像と違った。最近遠藤周作の沈黙を読んだせいか信仰に近いように感じた。推しの言動を調べ理解し、解釈して受け入れる。お布施をする。推しから直接返ってくるわけではないが、一途に思い続ける。暗く苦しい現世で唯一の明かり。推しが尊いってこういうことだったのかと思った。
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自分もアイドルが好きだが、この本の主人公程に没頭したことはないので推しというものが現代の若者にとっていかに重要なコンテンツであるかを改めて実感した。最後まで推しがなぜ女性を殴ったのか、なぜ引退するのかは明かされないことは実際の私たちと同じように主人公も数あるファンの1人に過ぎないことを示しているように感じる。
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主人公が日常で抱える生きづらさの反動が、推しへの依存を強めていると同時に、その存在が救済であるように感じた。推しの炎上に際して、世間からの批判による推し活の世間体を気にしない主人公を不思議に思った。炎上はもちろん、厳しい世界の仕事であるから推しの存在に保証は無くて、推し活は空虚な...
主人公が日常で抱える生きづらさの反動が、推しへの依存を強めていると同時に、その存在が救済であるように感じた。推しの炎上に際して、世間からの批判による推し活の世間体を気にしない主人公を不思議に思った。炎上はもちろん、厳しい世界の仕事であるから推しの存在に保証は無くて、推し活は空虚なものだと思ってしまう。
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私も推しがいるが主人公までの境地には行っていないので理解できず、むしろお母さんやお姉さんが気の毒だった。 どんどん堕ちていく主人公と、推しの人間性がイマイチなところがグロテスク。主人公がまだ高校生というのが色々としんどくて作品が面白い面白くないより、主人公この先どうするのよ、と心...
私も推しがいるが主人公までの境地には行っていないので理解できず、むしろお母さんやお姉さんが気の毒だった。 どんどん堕ちていく主人公と、推しの人間性がイマイチなところがグロテスク。主人公がまだ高校生というのが色々としんどくて作品が面白い面白くないより、主人公この先どうするのよ、と心配の方が強かった。
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私にも推しがいる。しかし熱量が違うからか共感する部分があまりない。 これは推し活という名前の現実逃避のように感じる。推し活は生活に彩りと幸せをくれるものではないのか。 この物語では毎日が生きることイコール推すこと。他には気力や興味がわかない。 暴走する先が非行しかない若者と似てい...
私にも推しがいる。しかし熱量が違うからか共感する部分があまりない。 これは推し活という名前の現実逃避のように感じる。推し活は生活に彩りと幸せをくれるものではないのか。 この物語では毎日が生きることイコール推すこと。他には気力や興味がわかない。 暴走する先が非行しかない若者と似ているような。 病名がついているが家族の理解もサポートもない。大人もそれぞれに病んでいる。 そして喪失を経験し逃避が終わったことを知る。 ピーターパンが効果的に使われてる。 共感は出来ないが、先を知りたい結末を知りたい推理小説のようだった。
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