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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1898件のお客様レビュー

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2021/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

推しのいる人にとって、(推し方にもよるが)深い絶望を感じると同時に救われる話だと思った。 読んだ後、推しに会いたくなった。 「ステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。」「一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくれる」 推しがいる自分にとって、とても身近な感情と状況は震えるほど怖く、あかりの清々しいほど推しにひたむきな姿は眩しくて同時に絶望であった。 いくつもの推しを語る言葉は美しく、それによりあかりの感情や行動が美しく感じられるが、あかり自身に何も救いは訪れない。がんじがらめになり、吊るされる表紙のイラストはまさに本書そのものだった。 推しへの想いが揺らぎそうになったとき、絶望したいとき、私はこれから何度もこの本を読み、そして推しを推し続けるのだろう。

Posted byブクログ

2021/01/14

推しへの感情に思い悩んでいたさなか、タイトルとダイスケリチャードさんの表紙に惹かれて購入しました。 推しを徹底的に解釈することで、推しに”生かされている”人間のお話。 大仰な表現を用いがちなアイドルオタクのSNSを完璧に再現しているにも関わらず、読後の味わいは間違いなく文学で。...

推しへの感情に思い悩んでいたさなか、タイトルとダイスケリチャードさんの表紙に惹かれて購入しました。 推しを徹底的に解釈することで、推しに”生かされている”人間のお話。 大仰な表現を用いがちなアイドルオタクのSNSを完璧に再現しているにも関わらず、読後の味わいは間違いなく文学で。特に主人公が推しに対して捧げる言葉がどれも美しく、同じオタクとして羨ましくなってしまう程。そしてそれに抗うように険しくなっていく現実。 「推しを推すことでなんとか自我を保っている人間」に心当たりがありすぎるため、他人事ではない感情に迫られながら一気に読みました。 燃えた後の白い灰がさらさらとこぼれ落ちていくような物語、でした。

Posted byブクログ

2021/01/14

あかりにとって世界の中心だった推しが、ファンを殴って炎上した。 あかりは推しの一言一句をすべて記録して解釈して、推しのすべてをわかろうとするのが日課だった。それをブログに書き連ね、同じファンとSNSで交流し、分かち合うことが日々の小さな楽しみだった。 生きる上で必要な諸々のこと...

あかりにとって世界の中心だった推しが、ファンを殴って炎上した。 あかりは推しの一言一句をすべて記録して解釈して、推しのすべてをわかろうとするのが日課だった。それをブログに書き連ね、同じファンとSNSで交流し、分かち合うことが日々の小さな楽しみだった。 生きる上で必要な諸々のことが「ちゃんと」こなせないあかりにとって、推しに注ぐ活動は唯一頑張れることで、唯一の情熱で、生きるためのすべてだった。 そんなあかりでも、読み取れなかった(読み取るのを避けてきたのかもしれない)推しの真意。 やがて「転機」が訪れ、あかりは今まで見ないようにしてきた現実の重さに向き合わざるを得なくなる。 弱冠21歳が、こんなに詳細にオタ活について書き連ねられるのかと驚いた。 推しへの切実な感情が、痛々しいほど伝わる。 推しのいる人にはすごく刺さると思う。 読み終えて、表紙の、糸に絡まって宙ぶらりんになっている女の子の絵を思わずじっくりと見つめた。 これが、令和の純文学か。 純文学なのにイマドキで読みやすかった。すごい。

Posted byブクログ

2021/01/11

推しという人によっては一種の宗教の様な偶像崇拝って、それに対するスタンスは人それぞれだが、何かしらちょっと現実逃避が含まれているのではないかと思う。 主人公の診断結果の病名はわからずじまいだが、読んでいるとこれであろうというものが頭に浮かび、生き辛さに息が詰まりそうになる。日常生...

推しという人によっては一種の宗教の様な偶像崇拝って、それに対するスタンスは人それぞれだが、何かしらちょっと現実逃避が含まれているのではないかと思う。 主人公の診断結果の病名はわからずじまいだが、読んでいるとこれであろうというものが頭に浮かび、生き辛さに息が詰まりそうになる。日常生活に於いては、世間一般でいうところの普通の生活を普通にこなす事が困難だが、ブログの文面や、情報の収集分析など自分の熱意をかけるものに於いての才が確かにあると感じた。ラスト自分の人生に少しだか歩みだそうとしてる主人公が嬉しかった。

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2021/01/11

これが純文学か... 私には合わなさそうです。 でも、若いのに語彙力が豊富で、彼女の見ている世界を私も見てみたいと思いました。

Posted byブクログ

2021/01/11

物語の序盤、主人公の友人である成美が「推しは命にかかわるからね」と言う。自分を見ても周りを見てもその通りだと思う。推しは私たちの人生を左右し、生活を揺さぶり、健康状態に影響を与える。 主人公であるあかりは私自身であり、私にとってどうしても好きになれない相手でもあった。推しの見てい...

物語の序盤、主人公の友人である成美が「推しは命にかかわるからね」と言う。自分を見ても周りを見てもその通りだと思う。推しは私たちの人生を左右し、生活を揺さぶり、健康状態に影響を与える。 主人公であるあかりは私自身であり、私にとってどうしても好きになれない相手でもあった。推しの見ている景色を自分も見たい、推しのことを解釈し続けたいというあかりの生き方には共感できる。それと同時に、私はこういうオタクのことが嫌いだ、とも思う。あかりは推しのことを「背骨」と形容した。そのことに同意しながら、自分はそんなふうに他人にすべてを委ねる生き方はしたくないとも思った。そんなふうに心の中をぐちゃぐちゃにしながら読んだ。 「推しが語るように歌い始めたとき、あの男の子が、成長して大人になったのだと思った。もうずっと前から大人になっていたのにようやく理解が追いついた。」(本文から引用) 推しが文字通り「男の子」だったころから二十代半ばになるまでを追い続けている私も、ときどき推しが大人になった瞬間を目の当たりにすることがある。それはコンサートのパフォーマンスでの一瞬だったり、書いた詞の一行だったり、雑誌でのかぎかっこひとつだったりする。その瞬間、推しが「男の子」だったときのまま私は成長していなくて、推しだけが大人になっていくのではないかと怖くなる。そして推しにのめりこむことでその怖さをまぎらわす。 自立したいと思う。推しに背骨を支えてもらいながら生きたくはないと思う。それでも推しを推すことの楽しさを、赤の他人に人生を預ける心地よさを知ってしまった以上、自分の意思ではどうにもならない部分もあるのだと思う。 そういう私たちの本だった。私たちが憎んで、私たちが愛している、私たちを描いた物語だと思った。 【読んだ目的・理由】芥川賞の候補作になったと知り気になって 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.4 【一番好きな表現】理由なんてあるはずがない。存在が好きだから、顔、踊り、歌、口調、性格、身のこなし、推しにまつわる諸々が好きになってくる。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の逆だ。その坊主を好きになれば、着ている袈裟の糸のほつれまでいとおしくなってくる。そういうもんだと思う。(本文から引用)

Posted byブクログ

2021/01/11

上手く生きれない人間が、生活の補填として「推し」を見つけ出す。 己の命とも言える「推し」を失った時、自らに残るものは何なのか、現実が更に絶望感を強めて描写されていたように感じた。 「推し」がこれから先現実をどう生きていくのかを知り得ない、寂しさや切なさ、虚無感を抱えたまま生きてい...

上手く生きれない人間が、生活の補填として「推し」を見つけ出す。 己の命とも言える「推し」を失った時、自らに残るものは何なのか、現実が更に絶望感を強めて描写されていたように感じた。 「推し」がこれから先現実をどう生きていくのかを知り得ない、寂しさや切なさ、虚無感を抱えたまま生きていくことに向き合っていくことは、物語上だけではなく、私たちの至る所にある話だ。 この絶望を救ってくれるのは、また「推し」しか、ないのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/01/11

塩辛にアラザンまぶしたみたいな味だった。ややグロテスクだった。表紙が可愛かったから買ったけど、短い割に面白かったと思った。

Posted byブクログ

2021/01/11

推しは命に関わる まさにその通りなんだと思った。 誰かをこんなにも推せるのは 特別な事だと思うし こんなに一途に愛せるのは すごく羨ましい。 一生をかけた推しが、人になった後 どうやって生きる意味を見つけるんだろう。 私なら、きっと 廃人だ。

Posted byブクログ

2021/01/08

宇佐美りんさん。21歳とは到底思えない表現力と異質な価値観。読み進めていて村田沙耶香さんのコンビニ人間と同質の臭いがした。どうもこの手の話は好きじゃない。不器用な人間が生きづらい思いをしている中で、せっかく生きる意味を見出したのに再び剥ぎ取られ、更に狂っていく。報われない気持ちで...

宇佐美りんさん。21歳とは到底思えない表現力と異質な価値観。読み進めていて村田沙耶香さんのコンビニ人間と同質の臭いがした。どうもこの手の話は好きじゃない。不器用な人間が生きづらい思いをしている中で、せっかく生きる意味を見出したのに再び剥ぎ取られ、更に狂っていく。報われない気持ちでいっぱいになる。普通でいられないことは、悪いことではないという価値観があるが、綺麗事だと思う。可能だったら、普通でいたい。普通でいれば苦しみ、悩む回数も減る。不器用な人間である私たちは、同情されてコンテンツとして貪られるのは、うんざりなんだ。普通が欲しい。

Posted byブクログ