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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1959件のお客様レビュー

  1. 5つ

    224

  2. 4つ

    566

  3. 3つ

    712

  4. 2つ

    256

  5. 1つ

    74

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2021/01/03

色々な媒体から「推し」をテーマにした物語が発出されるようになったが、どこかユーモラスだった、しかし本作は命をかけた推しであった、正に人生をかけての推しで、それを無くせば人生は終わったようなものだ。燃え尽きた主人公あかりは以後どう生きるのだろうか、これではもう廃人だ。

Posted byブクログ

2021/01/02

自分もアイドルが好きだけど、唐突にやってくる脱退発表の絶望感を経験してるから自分の全てを捧げるようなのめり込み方は意図的に避けてる。 発達障害を抱えて、理解のない家族に心ない言葉をかけられ続けた結果アイドルを推すことにしか人生の意味を見出せなくなってしまった主人公。幸い自分は真っ...

自分もアイドルが好きだけど、唐突にやってくる脱退発表の絶望感を経験してるから自分の全てを捧げるようなのめり込み方は意図的に避けてる。 発達障害を抱えて、理解のない家族に心ない言葉をかけられ続けた結果アイドルを推すことにしか人生の意味を見出せなくなってしまった主人公。幸い自分は真っ当な生活を送れてるけど、一つボタンを掛け違えていたら自分もこんな感じになっていたかも。決して共感できる内容ではなかったけど、どこか自分とは縁遠いお話とは思えない感じ。 面白かったけど、新年一発目からなかなか心を抉られる作品を読んでしまった。

Posted byブクログ

2020/12/31

まず一言、感動した。その一言につきます。推しがいる事によって自分は生かされている、主人公の境遇がまったく自分に重なっていて涙が出ました。他人から見たらおかしいと思われるところなんだけど、アイドルオタの人はこうしないと生きていけないその描写に非常にやられた、芥川賞間違いなし!

Posted byブクログ

2020/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川賞候補作に選出された書籍の紹介という内容のブクログのメルマガで知った一冊。タイトルと装丁に惹かれ読むと決めました。 「推す」には、ひとそれぞれいろんな形なぁと改めて思ったのと同時に、推しに翻弄される主人公をとてもかわいいと思ったのと、そこまで熱中できるものを見つけたとこをうらやましく思った。 私も、いくつか推しがあるが、それを自分の推し方で推していこうと思った。 彼女の推しは、芸能界を引退してしまうが、その推しが人になったことを読み手のこっちも少し残念に思ってしまうくらい、彼女の推しに対する感情が伝わってくる作品でした。 彼女が推しを推している描写は、推しのいる人ならば心当たりがある情景ばかりではないでしょうか。結末は心当たりのあるものになりたくないけれど、もしこうなったとき、自分はどうなってしまうのだろうと考えずにはいられませんでした。読んでよかったです。

Posted byブクログ

2020/12/29

正直なところ、個人として、「推し」なるものに対するここに書かれた感情とか、心情というかには全く共感はできない。そして「圧倒的」「驚嘆の才能」と帯に書かれると、どんなに圧倒的でも肯定的に読み始めることができなくなるのは私だけだろうか… しかし、個人的に語り手に共感ができないからとい...

正直なところ、個人として、「推し」なるものに対するここに書かれた感情とか、心情というかには全く共感はできない。そして「圧倒的」「驚嘆の才能」と帯に書かれると、どんなに圧倒的でも肯定的に読み始めることができなくなるのは私だけだろうか… しかし、個人的に語り手に共感ができないからということと、本書が小説として優れているとおもうか否かとは、別である。 まず、冒頭の方のプールの水の描写とか、ひとの身体の重さ自体がもつ煩わしさを表現する箇所が面白く、また、技術的にかなり巧みだと感じた(この点、「コンジュジ」に少しだけ似ているかもしれない。そして、「コンジュジ」より語の選択がうまく、すでにして洗練されている感がある)。 読みが不十分かもしれないが、語り手には何か本当の意味で病名がある症状を呈しているということなのか。だとすると、本人の感じている生きづらさの描写に違和感があったわけではないが、本人は本人の生きづらさに責任はなく、適切な治療などが本来は必要なのかなと思ってしまった。 自分の周囲の女性には、いわゆるオタクは割と多いと思う。というより、完全な偏見とは思うが、こういうオタク気質の人はそれほど珍しくはないのかなと思っていた。また、私からすると、何か1つのことに全身全霊を捧げることのできる人の方が、私のように何事にも集中できない者よりも優れている、羨ましいという感覚はあった。 現実生活にはあまり適応できなくて、一方オタク活動では驚異的なほど能動的になれる、という図式自体はそれほど珍しい発想でもないと思う。ただ本作では、その「現実生活にほとんど適応できない」の部分が、かなりうまく描かれていて、単純にいわゆる承認欲求が満たされなくて、とか、辛い現実から逃避したくて、などではない。ブログを書いて共有したい、推しに関するどんな情報も他の人と同じタイミングで得て共感しあいたい、オタクの人の心理はそんな傾向があると思っていたが、本書の語り手は、それほど他のファンの動きに敏感なわけでもない。また、現実に直面している仕事や学校での問題についてかなり内面的に悩み、そこからの逃避として「推し」があるのかというとそうではない。それは何か他律的なものではないのだ。 全体としてかなり質の高い作品を読めてよかった。 ただ、「そういう人もいるんだな」と思う以上に、もう一歩普遍に立ち現れてくるものはあるか。難しいところだが…

Posted byブクログ

2020/12/27

〈病めるときも健やかなるときも推しを推す〉 ある日、推しが炎上…同時に主人公あかりの人生も加速をつけて崩壊する 「推しのいない人生は余生だった」 推しに人生を捧げる喜びと哀しみ 推しという幻想が永遠に続くことはないのかな?

Posted byブクログ

2020/12/27

ある女の子の人生、周りに理解されない苦しみを背負いながら生きている様。この世には生きづらい人もいてるってこと。推し(アイドル)だけが唯一の望み。その望みが消えてしまうと生きる価値さえ分からなくなるという何とも言えない切なさ。 文面はすごく読みやすい。

Posted byブクログ

2020/12/19

少し前までは、とても手の届かないのがスターだった。アイドルでさえ。でも今はSNSで私生活をさらけ出し積極的にファンとコミュニケーションをとる、すっかり身近にいるような錯覚を起こさせるアイドルたち。おそらくは精神的なハンデを抱えて生きる主人公。本来なら繭にくるまれたように引きこもっ...

少し前までは、とても手の届かないのがスターだった。アイドルでさえ。でも今はSNSで私生活をさらけ出し積極的にファンとコミュニケーションをとる、すっかり身近にいるような錯覚を起こさせるアイドルたち。おそらくは精神的なハンデを抱えて生きる主人公。本来なら繭にくるまれたように引きこもって生きたいはずだろうに、彼女は必死に学校に通い、アルバイトをする。全ては自分の愛する彼のため。彼のために生き、彼のお陰で生かされている。オタクというには、あまりに健気で、痛々しい。しかし、ある事件をきっかけに、気づくのだ。彼もまた生身のただの人であることに。 さあ、全存在をかけて支え支えられてきたという空想が砕けちり、裸の世界にたった1人放り出された彼女は、これからどうやって生きていくのか? しかし、視点がかわる。 見上げる彼方から、その足元へ。 そこにはなにもなく、あるのはただ空っぽの自分だけ。そして。這いつくばる。ゼロから。 でも。なぜか諦めないと思わせる。 行け。這いつくばったその先へ。一歩づつ。 そう、あなたの「推し」も生き続けるのだから。 諦めず、その先へ。 痛々しいほどに愚かだけれど、とても愛しい真面目な生との葛藤の物語。

Posted byブクログ

2020/12/17

推しのアイドルにハマった女子高生、あかり。 彼女の言動には主体性がなく 救いようのない自堕落な生活を続ける。 “推し”の引退により自分の生き場所すら 見失ってしまう、読後感の悪いお話。 芥川賞狙いな作風。 1日で書き上げたような薄っぺらい内容。

Posted byブクログ

2020/12/01

ひりひりする。この子を知っている気がする。ライブに来ていたあの子かもしれない。Twitterで見かけるあの子かもしれない。生きづらさを抱える生活の中で、ただただ推しの存在を感じ続けることだけを求めている彼女。 推しが推しではなく人になってしまったことに気づ...

ひりひりする。この子を知っている気がする。ライブに来ていたあの子かもしれない。Twitterで見かけるあの子かもしれない。生きづらさを抱える生活の中で、ただただ推しの存在を感じ続けることだけを求めている彼女。 推しが推しではなく人になってしまったことに気づき、自分を振り返った時の彼女の虚無が、昏さすらない虚無で、茫然としてしまった。 身の詰まった噛み応えのある表現力、また味わいたい。

Posted byブクログ