推し、燃ゆ の商品レビュー
気になっていたのを読了。推しは心の支えになってはくれるが人生を支えてくれるわけではないし不変でもないしこちらを見ない、というのを純文学らしい一文一文練り込まれたキレのいい文章で描写していて成程パワーのある作でした。推す側のファンにとって都合のいい救済が全然なかった。
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どのテーマにフォーカスしたらよいのかが結局わからなかった。もしかしたら、そういう曖昧性というのが主題なのかもしれない。主人公自身の生活のしづらさなのか、推す側と推される側の相容れない関係性なのか。なんにせよ、自分的には全体的な消化不良感があった。
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第164回(2020年度下半期)芥川賞受賞作、2021年本屋大賞ノミネート作品です。 ♡ブログにて詳しいレビューしています♡ https://happy-books.hateblo.jp/entry/books-osimoyu
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推しってそもそもなんだっけ。 ここ最近急に社会に浸透してきた「推し」が生まれた理由と、その意味について少し考えさせられる内容だった。 「推し」の気持ちやその背景をできるだけ理解しようと努める主人公と、主人公の気持ちを慮らない母や父の対比は、一見主人公を肯定するように見える...
推しってそもそもなんだっけ。 ここ最近急に社会に浸透してきた「推し」が生まれた理由と、その意味について少し考えさせられる内容だった。 「推し」の気持ちやその背景をできるだけ理解しようと努める主人公と、主人公の気持ちを慮らない母や父の対比は、一見主人公を肯定するように見える。 しかし、主人公が「推し」のために書いていたブログやコメント、その他の行動は「推し」が望んでいたものだったのだろうか。 結局人は分かり合える訳がない。そういう物語のようにも感じた。
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推しを推すことが人生の業だったはず、というのが1番印象的。地の文では推しのことを「推し」と書いていること多いところも。 推すことが義務になっていないかとか、推しと自分の人生の関係性とか、自分にとっての推しって何だろう、とか考えちゃった。 映画『あの頃。』見てから、推しについて考...
推しを推すことが人生の業だったはず、というのが1番印象的。地の文では推しのことを「推し」と書いていること多いところも。 推すことが義務になっていないかとか、推しと自分の人生の関係性とか、自分にとっての推しって何だろう、とか考えちゃった。 映画『あの頃。』見てから、推しについて考える機会が増えた気がする。私は好きなものを、なるべくなら“推し”と表現したくない。なのに呼んでしまう。 ただ、推し変という言葉を使う人の気持ちが分からなかったけれど、読了後に少し分かった気がする。『推しの子』も買っちゃった。
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第164回芥川龍之介賞 第7回沖縄書店大賞 おもしろかったし文章もよかったです。 主人公の感覚は理解はできませんし、理解をして欲しい訳ではないと思います。 主人公目線の話なら多少は気持ちに寄り添ってしまうものなのに、とにかく働こうよ!やろうとしようよ!と言いたくなるし、推し活は...
第164回芥川龍之介賞 第7回沖縄書店大賞 おもしろかったし文章もよかったです。 主人公の感覚は理解はできませんし、理解をして欲しい訳ではないと思います。 主人公目線の話なら多少は気持ちに寄り添ってしまうものなのに、とにかく働こうよ!やろうとしようよ!と言いたくなるし、推し活は現実逃避に思えます。 だけど「できない」という感覚は、精神疾患を抱えた本人にしかわからなく、苦しく孤独でどうにもできないんだろうなってことは推し量れます。 主人公は誰にも理解されないその辛さを抱えて生きる時に、「推し」という背骨を手に入れてなんとか立っていました。 作者が描いたのはそういうことだと思うので、読者に共感は求めてはいないと思います。 イライラするというレビューがちらほらあり、低評価が多いのも必然なのでしょう。 私も、仕事はできないくせに、一丁前に推しのプロのような立ち位置で分析して使命感を持ってブログをやっているところはモヤモヤしました。 推し活の内容は、趣味の範疇を超えた引いてしまうものもありましたが、背骨を強固なものにするにはとことん突き進めてのめり込むしかなかったのかもしれません。 だけどその背骨が「推し」という危うくて脆いものだったので、突然失うというのは悲劇でした。
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タイトルはちょっと釣りかなぁと感じました。 主人公の推し活が(先天的なものも含めて)病的なものからきているのか、思春期特有のものかが分からないけれど、主人公の行動や心の葛藤が「結局病んでるだけだよね」に繋がっているように見えてしまって、いまいち共感はできませんでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一文一文が重い。可愛い表紙とのギャップがすごい。推しの幸せがわたしの幸せなの分かりみ。絶賛就活生のワイとしては87ページからのお父さんとの会話で涙腺崩壊した。 父や、他の大人たちが言うことは、すべてわかり切っていることで、あたしがすでに何度も自分に問いかけたことだった。「働かない人は生きていけないんだよ。野生動物と同じで、餌をとらなきゃ死ぬんだから」「なら、死ぬ」 メンタル安定してる時に読んだ方が良いっていうコメントも見たけど、むしろ私は今だからこそ共感してくれる存在があることに少しだけ救われたぴ
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私は19歳あたりから熱中できるぐらい何かを好きになることができなくなって、もちろん今も推しなんてなく。 だから推しがいる人の気持ちが今ひとつ分からなかったんだけど、なるほどこんなかんじなのか…と。 背骨になってくれるような存在がいるっていいなあ (“生き甲斐”というありきたりな言...
私は19歳あたりから熱中できるぐらい何かを好きになることができなくなって、もちろん今も推しなんてなく。 だから推しがいる人の気持ちが今ひとつ分からなかったんだけど、なるほどこんなかんじなのか…と。 背骨になってくれるような存在がいるっていいなあ (“生き甲斐”というありきたりな言葉じゃなくて、“背骨”と表現しているところもいいなあと思ったし、納得感があった) 思いっきり愛を注いでぶつけることができる存在がいたら満たされるんだろうなあ でも自分の身近な人ではなく遠くの世界の人を好きになるというのは、不祥事や炎上なんかである日突然 彼/彼女を失うこともあるんだなあというのもしみじみ思いましたね… 特に芸能界引退というのは今後どうやってもその人と関わるどころか姿を見ることさえ断絶されるわけだからどうしようもないね… そう思うと夢や憧れだけではない危うさもある道なのかもなぁ… “推す”というのは、恋に近い感情なんじゃないかな 推し方は人それぞれ、かつ実際は恋とは別物であったとしても、推しへ向ける熱やエネルギーを構成する元素のようなものは恋愛における片思いと似てる気がする 主人公が、推しを追う活動以外の生活では何もできなくて、きっとその焦燥感からどんどんセルフネグレクトしていく様はなんか分かる…と思ってしまった 本当にどうしようもない時、落ちるところまで落ちて自分を粗末に扱ってしまいたくなるというか。 『泣いた自分がくやしかった。肉体にひきずられ、肉体に泣かされるのがくやしかった。』 ここもめちゃくちゃ分かる〜〜〜 宇佐見りんさんの文章よかったな… 血の通った生々しい人間のどうしようもない心情を愚直に書いたかんじ ストレートに響いて私はすごく好きだったし、すらすら読めるのに本を閉じた後もずっと頭に残っていてずっと考えてた
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正常なメンタルの時に読まないと、ボコボコにされます。推しがファン殴って炎上した、推し活の話だと思って読むと心が淡々と抉られます。 病名が2つある(作品内では明記されない)主人公の視点からみると、おそらくこの病気では……と 予想がたちますし、病を明記されなくてもわかる描写が鳥肌がた...
正常なメンタルの時に読まないと、ボコボコにされます。推しがファン殴って炎上した、推し活の話だと思って読むと心が淡々と抉られます。 病名が2つある(作品内では明記されない)主人公の視点からみると、おそらくこの病気では……と 予想がたちますし、病を明記されなくてもわかる描写が鳥肌がたちました。わかるひとにはわかる怖さだと思いますし、家族間の距離感などもリアルでした。 推しを推してるときは脳内がクリアなんです。 だって推しが生きる全てだから。 主人公が吐く描写も自分自身経験があることだったので、嗅覚や味覚を思い出して気持ち悪くなりました。 ここまで、読者の背骨をずるっと抜けさせる作品はなかなかないかなと思います。 気分がいいときに読み返して、反芻したい。 そんな作品です。でも絶対に落ち込んでる時には読まないでください。
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