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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1987件のお客様レビュー

  1. 5つ

    229

  2. 4つ

    572

  3. 3つ

    722

  4. 2つ

    261

  5. 1つ

    76

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2025/05/05

第164回芥川龍之介賞 第7回沖縄書店大賞 おもしろかったし文章もよかったです。 主人公の感覚は理解はできませんし、理解をして欲しい訳ではないと思います。 主人公目線の話なら多少は気持ちに寄り添ってしまうものなのに、とにかく働こうよ!やろうとしようよ!と言いたくなるし、推し活は...

第164回芥川龍之介賞 第7回沖縄書店大賞 おもしろかったし文章もよかったです。 主人公の感覚は理解はできませんし、理解をして欲しい訳ではないと思います。 主人公目線の話なら多少は気持ちに寄り添ってしまうものなのに、とにかく働こうよ!やろうとしようよ!と言いたくなるし、推し活は現実逃避に思えます。 だけど「できない」という感覚は、精神疾患を抱えた本人にしかわからなく、苦しく孤独でどうにもできないんだろうなってことは推し量れます。 主人公は誰にも理解されないその辛さを抱えて生きる時に、「推し」という背骨を手に入れてなんとか立っていました。 作者が描いたのはそういうことだと思うので、読者に共感は求めてはいないと思います。 イライラするというレビューがちらほらあり、低評価が多いのも必然なのでしょう。 私も、仕事はできないくせに、一丁前に推しのプロのような立ち位置で分析して使命感を持ってブログをやっているところはモヤモヤしました。 推し活の内容は、趣味の範疇を超えた引いてしまうものもありましたが、背骨を強固なものにするにはとことん突き進めてのめり込むしかなかったのかもしれません。 だけどその背骨が「推し」という危うくて脆いものだったので、突然失うというのは悲劇でした。

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2025/05/01

タイトルはちょっと釣りかなぁと感じました。 主人公の推し活が(先天的なものも含めて)病的なものからきているのか、思春期特有のものかが分からないけれど、主人公の行動や心の葛藤が「結局病んでるだけだよね」に繋がっているように見えてしまって、いまいち共感はできませんでした。

Posted byブクログ

2025/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一文一文が重い。可愛い表紙とのギャップがすごい。推しの幸せがわたしの幸せなの分かりみ。絶賛就活生のワイとしては87ページからのお父さんとの会話で涙腺崩壊した。 父や、他の大人たちが言うことは、すべてわかり切っていることで、あたしがすでに何度も自分に問いかけたことだった。「働かない人は生きていけないんだよ。野生動物と同じで、餌をとらなきゃ死ぬんだから」「なら、死ぬ」 メンタル安定してる時に読んだ方が良いっていうコメントも見たけど、むしろ私は今だからこそ共感してくれる存在があることに少しだけ救われたぴ

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2025/04/26

私は19歳あたりから熱中できるぐらい何かを好きになることができなくなって、もちろん今も推しなんてなく。 だから推しがいる人の気持ちが今ひとつ分からなかったんだけど、なるほどこんなかんじなのか…と。 背骨になってくれるような存在がいるっていいなあ (“生き甲斐”というありきたりな言...

私は19歳あたりから熱中できるぐらい何かを好きになることができなくなって、もちろん今も推しなんてなく。 だから推しがいる人の気持ちが今ひとつ分からなかったんだけど、なるほどこんなかんじなのか…と。 背骨になってくれるような存在がいるっていいなあ (“生き甲斐”というありきたりな言葉じゃなくて、“背骨”と表現しているところもいいなあと思ったし、納得感があった) 思いっきり愛を注いでぶつけることができる存在がいたら満たされるんだろうなあ でも自分の身近な人ではなく遠くの世界の人を好きになるというのは、不祥事や炎上なんかである日突然 彼/彼女を失うこともあるんだなあというのもしみじみ思いましたね… 特に芸能界引退というのは今後どうやってもその人と関わるどころか姿を見ることさえ断絶されるわけだからどうしようもないね… そう思うと夢や憧れだけではない危うさもある道なのかもなぁ… “推す”というのは、恋に近い感情なんじゃないかな 推し方は人それぞれ、かつ実際は恋とは別物であったとしても、推しへ向ける熱やエネルギーを構成する元素のようなものは恋愛における片思いと似てる気がする 主人公が、推しを追う活動以外の生活では何もできなくて、きっとその焦燥感からどんどんセルフネグレクトしていく様はなんか分かる…と思ってしまった 本当にどうしようもない時、落ちるところまで落ちて自分を粗末に扱ってしまいたくなるというか。 『泣いた自分がくやしかった。肉体にひきずられ、肉体に泣かされるのがくやしかった。』 ここもめちゃくちゃ分かる〜〜〜 宇佐見りんさんの文章よかったな… 血の通った生々しい人間のどうしようもない心情を愚直に書いたかんじ ストレートに響いて私はすごく好きだったし、すらすら読めるのに本を閉じた後もずっと頭に残っていてずっと考えてた

Posted byブクログ

2025/04/24

正常なメンタルの時に読まないと、ボコボコにされます。推しがファン殴って炎上した、推し活の話だと思って読むと心が淡々と抉られます。 病名が2つある(作品内では明記されない)主人公の視点からみると、おそらくこの病気では……と 予想がたちますし、病を明記されなくてもわかる描写が鳥肌がた...

正常なメンタルの時に読まないと、ボコボコにされます。推しがファン殴って炎上した、推し活の話だと思って読むと心が淡々と抉られます。 病名が2つある(作品内では明記されない)主人公の視点からみると、おそらくこの病気では……と 予想がたちますし、病を明記されなくてもわかる描写が鳥肌がたちました。わかるひとにはわかる怖さだと思いますし、家族間の距離感などもリアルでした。 推しを推してるときは脳内がクリアなんです。 だって推しが生きる全てだから。 主人公が吐く描写も自分自身経験があることだったので、嗅覚や味覚を思い出して気持ち悪くなりました。 ここまで、読者の背骨をずるっと抜けさせる作品はなかなかないかなと思います。 気分がいいときに読み返して、反芻したい。 そんな作品です。でも絶対に落ち込んでる時には読まないでください。

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2025/04/23

低評価のレビューを書いている人が多い印象だが、そんな人にも読んでもらえるところが芥川賞のすごいところ。

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2025/04/18

推し活の話が背骨じゃなくキッカケで、居場所を作り得るに能力の足らない層の話が根底だったので、タイトルから期待する内容とは乖離している。推し活をコミカルにみたいなイメージで読むとおう、もう、ってなるので注意

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2025/04/17

ここ数年で自分で買って読んだ小説の中で一番残念だった。わたしの好きなダイスケリチャードというイラストレーターが表紙を描いていた且つ芥川賞を受賞したためかなり期待して読んでみたものの中々に酷かった。 一言で表すならネット小説を読んでいるような感じ。正直お金を出してまで読む本ではな...

ここ数年で自分で買って読んだ小説の中で一番残念だった。わたしの好きなダイスケリチャードというイラストレーターが表紙を描いていた且つ芥川賞を受賞したためかなり期待して読んでみたものの中々に酷かった。 一言で表すならネット小説を読んでいるような感じ。正直お金を出してまで読む本ではない。 作者は文才を演じたいのかただひとつの単語で済む表現を長ったらしくタラタラと書き連ねているので読んでいて飽きてくる。そういった表現はここぞという時に用いるからアクセントになるわけで毎度毎度使っていては意味が無い。はっきりいって自分の語彙に陶酔した作者のオナニー。読み手からすれば大学生が書いた提出期限が迫ったレポートの文字稼ぎのようにしか感じられない。なぜこの作品が芥川賞を受賞したのか。わたしが芥川龍之介ならこれをノミネートさせた審査員全員にドロップキックを決め込む。この蛇足な比喩表現が多いため内容もスッカスカだった。結局作者は何が言いたいのか?これがSNSで無料公開されているのなら大した文句は言わないが、最初にも書いた通りお金を払って読む本ではない。この本を作るために伐採された樹木に同情するレベル。芥川賞は毎年ある程度読んではいるが、ここまで酷いのは稀。正直わたしが期待しすぎた部分もあるだろうがそれにしても酷い。 この作品は推しがテーマである以上、恐らくターゲット層は10代や20代のSNSに触れている若者なためここまで陳腐な表現でも批判が少なかったのだろう。これを絶賛している人々は普段あまり小説を読まないのだろう。この本は普通のごく一般的な小説として読むべきではない。ネット小説だと思って読むのならそこそこ面白いのでは。 少なくともわたしには合いませんでした。

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2025/04/15

描写の解像度が高いです。推しへの感情や接し方とは、とても現社会的なもので、私には頭ではわかっても度を過ぎているようで共感までできないものです。 本作では推し活と実生活での上手くいかない堕落していく現実生活が、同居しております。その熱くて、冷めてて、論旨的であり、感情的・感覚的でも...

描写の解像度が高いです。推しへの感情や接し方とは、とても現社会的なもので、私には頭ではわかっても度を過ぎているようで共感までできないものです。 本作では推し活と実生活での上手くいかない堕落していく現実生活が、同居しております。その熱くて、冷めてて、論旨的であり、感情的・感覚的でもある考えや行動が、解像度高く描かれています。 凄いんですが、あまり私の“好み”の話しではない。 先日、ニルヴァーナを偶然聴いて、やっぱ凄いな、かっこいいなとは思ったけど、私は繰り返しは聴かない。これは“好み”によるものです。 そんな凄い小説でした。

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2025/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

期待と決定的に違った所は、「推しが燃えた」ことがさほど鍵ではなかったこと。 「炎上によって、推し君や主人公を取り巻く全てがじわじわ狂っていく…」という展開を期待してしまったのですが、この推し君も主人公も、炎上があろうがなかろうが結末は同じだったのでは、という気がしました。 推し君の方は元々周りの目よりも自分の意のままに生きるタイプなようで、炎上が決定的なイメージダウンやダメージにならなそうだし、炎上の前後で言動を変えるようなキャラじゃなさそうでした。 そして主人公は、推しが燃えていようがいまいが、私生活のすべてが上手くいってなさそう。 推し活への解像度や人物描写、文章の鋭さなどはとても迫力があり、読み応えがありました。その分、ストーリーが少し消化不良になってしまいました。

Posted byブクログ