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心淋し川 の商品レビュー

3.8

247件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    70

  4. 2つ

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2023/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江戸の世の吹き溜まりのような心町に住まう人々のお話。基本的に嫌な人が出てこないような話を好むのだが、この本は共感出来ないけれどとても人間らしい人が沢山いた。生々しく生きているという温度を感じる本だった。 「冬虫夏草」は見る角度を変えるとそうなるのかと母性の恐ろしさを感じた。 単純に最後に連作の登場人物が出てきて嬉しかった

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2022/12/30

千駄木町の一角にある心淋し川辺りの心町(うらまち)を舞台に織りなす連作短編集。趣があるのは名ばかりの汚い溜まり。人々は皆何かしら心に澱を溜め生きている。「何があったのかきかぬのが、心町の理ですから」…そんな町だから案外居心地がよく、生き直すには悪くない土地なのですね。差配の茂十と...

千駄木町の一角にある心淋し川辺りの心町(うらまち)を舞台に織りなす連作短編集。趣があるのは名ばかりの汚い溜まり。人々は皆何かしら心に澱を溜め生きている。「何があったのかきかぬのが、心町の理ですから」…そんな町だから案外居心地がよく、生き直すには悪くない土地なのですね。差配の茂十と楡爺の関係性も最後に回収され、寂しさと共に温かさも味わえる素敵な作品でした。この著者の作品は三つ目だけど、これからも追っかけていきたい作家さんです。

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2022/12/18

(借.新宿区立図書館) 先日読んだ宇江佐真理『日本橋本石町やさぐれ長屋』や藤沢周平『本所しぐれ町物語』などと同様に同じ場所が舞台で主人公が入れ替わるタイプの連作短編集。このタイプは住人の哀歓が描かれる佳作が多いようだ。この作品も人々のやるせなさが描かれていて飽きさせない。直木賞を...

(借.新宿区立図書館) 先日読んだ宇江佐真理『日本橋本石町やさぐれ長屋』や藤沢周平『本所しぐれ町物語』などと同様に同じ場所が舞台で主人公が入れ替わるタイプの連作短編集。このタイプは住人の哀歓が描かれる佳作が多いようだ。この作品も人々のやるせなさが描かれていて飽きさせない。直木賞を取ったというのも納得。最後の「灰の男」でいろいろ回収しているが、ちょっと傾向が違っている。まあ変化をつけたということなのだろう。やや気になったのは、「心淋し川(うらさびしがわ)」とか「心町(うらまち)」とかがちょっとカッコつけすぎのような気もすること。題名とかはまあ置いておくとして作中に出てくる川や町の名とするのはどうなのだろう。

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2024/05/06

吹き溜まりのような心町を舞台にした6編の短編 みんな貧乏で悲しくて厳しくてやりきれない それでも小さな希望と幸せをみつけて 生き抜いていく 描かれているのは 懸命に生きている人たちの日常と喜びや悲しみ ただ「冬虫夏草」の母と息子の話は怖いというか 気持ちが悪かった。...

吹き溜まりのような心町を舞台にした6編の短編 みんな貧乏で悲しくて厳しくてやりきれない それでも小さな希望と幸せをみつけて 生き抜いていく 描かれているのは 懸命に生きている人たちの日常と喜びや悲しみ ただ「冬虫夏草」の母と息子の話は怖いというか 気持ちが悪かった。 もうあれは親の思いとかというのとは違うね 狂気を感じる。 でも、今の時代にもこういう親子はいる。 そうなんですよ、時代小説なんだけれど 現代にも通じるものがあっていつの時代も 人の思いは変わらない。 ストーリーの運びがうまくてとても読みやすかった たしかにこの町は 生き直すには悪くない

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2022/11/28

生きることの“ままならなさ”、“寂しさ”。江戸時代、不遇な人生を生きる人たちのさまざまな悲哀を感じた。 この読後感をなんて表せばいいのか…。 一抹の寂しさの中に安堵を感じるものもあれば、後味の悪いもの、ゾッとしたり希望を感じるものもありました。 人が持つ“逞しさ”みたいなものも感...

生きることの“ままならなさ”、“寂しさ”。江戸時代、不遇な人生を生きる人たちのさまざまな悲哀を感じた。 この読後感をなんて表せばいいのか…。 一抹の寂しさの中に安堵を感じるものもあれば、後味の悪いもの、ゾッとしたり希望を感じるものもありました。 人が持つ“逞しさ”みたいなものも感じた。 個人的に希望を感じられる短編「はじめましょ」が1番好きでした。 いつの時代もみんな屈託を抱えながら懸命に生きてるんだなぁとしんみりしてしまう。 どの作品にも余韻を感じました。

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2022/10/09

さすが賞をとっただけはあるなと思いながら読んでたけど読み終えてたら大して書き記すほどの想いがなかった。ただ「心」を「うら」と読むんだと。途中わからない語彙があったのでググったら山陰地方の方言だと。女性が山陰から江戸に出稼ぎなのか売られて来たのかわからないけど厳しい時代だったんだろ...

さすが賞をとっただけはあるなと思いながら読んでたけど読み終えてたら大して書き記すほどの想いがなかった。ただ「心」を「うら」と読むんだと。途中わからない語彙があったのでググったら山陰地方の方言だと。女性が山陰から江戸に出稼ぎなのか売られて来たのかわからないけど厳しい時代だったんだろうなと方言ひとつから。

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2022/09/27

江戸時代の人々の暮らし。 時代は変わっても人の心はそうは変わらない。そこになにか人生の真理があるように思えてならない。

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2022/09/24

女の自由と悲しみ 人は淋しく悲しいと思う時がある、家族との別れ、恋人との別れ、特に死別は途方に暮れるほどの悲しい。小説にある江戸時代は特に女は「道具」扱いで「身売り」としても頻繁だったことで、生まれてからの自由がほぼ無い生活を強いらていたことだ。更に騙し、騙され、嘘をつき自分を隠...

女の自由と悲しみ 人は淋しく悲しいと思う時がある、家族との別れ、恋人との別れ、特に死別は途方に暮れるほどの悲しい。小説にある江戸時代は特に女は「道具」扱いで「身売り」としても頻繁だったことで、生まれてからの自由がほぼ無い生活を強いらていたことだ。更に騙し、騙され、嘘をつき自分を隠して生き抜くしかない、「淋しい」どころか悲しく、恨みさえ生む、そんな時代に生まれなかった現代の社会に今感謝したい。

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2022/09/08

時代小説は初挑戦。知らない単語も出てきたけど、思ったほど読みにくくなかったし、現代小説と変わらない面白さだった。心町に住む人々を通して人生のままならなさ、哀しさが描かれているけれど最後には救いがあってよかったな。

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2022/09/04

どぶ川沿いの、長屋のように連なった町屋で暮らす人々の物語。よくある人情噺で、最後には明るく終わるのかと思いきや…まぁささやかな灯火はあるけれど、舞台設定どおり全体に重苦しい雰囲気でした。四人の妾が同居というのも凄まじいと思うけど、息子に異常なまでに執着する母親とか怖すぎる(^^;...

どぶ川沿いの、長屋のように連なった町屋で暮らす人々の物語。よくある人情噺で、最後には明るく終わるのかと思いきや…まぁささやかな灯火はあるけれど、舞台設定どおり全体に重苦しい雰囲気でした。四人の妾が同居というのも凄まじいと思うけど、息子に異常なまでに執着する母親とか怖すぎる(^^; 

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