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心淋し川 の商品レビュー

3.8

247件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    70

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2024/08/16

西條奈加さんの著書を読むのは『隠居すごろく』に続いて2作目です。 西條さんの文章は少し漢字が難しめなのに読みやすい。簡潔な説明でわかりやすく、江戸の人々の息遣いが感じられます。この『心淋し川』は5編の時代短編集。いきなり『鮨売り』という仕事が江戸にはあったのか!と驚かされます。読...

西條奈加さんの著書を読むのは『隠居すごろく』に続いて2作目です。 西條さんの文章は少し漢字が難しめなのに読みやすい。簡潔な説明でわかりやすく、江戸の人々の息遣いが感じられます。この『心淋し川』は5編の時代短編集。いきなり『鮨売り』という仕事が江戸にはあったのか!と驚かされます。読者はさらっと読んでいるけど、当時の暮らしや文化を丁寧に調べて書かれているんだろうな、と思うと、一字一字漏らさず読みたくなります。 5編のうち、一番好きなのは『冬虫夏草』。下半身不随のイライラした息子と介護する母・吉の現在と過去の話。母としての幸せや姑としての意地が恐ろしいような、でも気持ちがちょっとわかるような。心温まる他のお話とは少し雰囲気が違います。 それぞれの主人公の決断にじーんとしつつ、「私なら許さない」とか、「この人と結婚するのはちょっとなぁ…」と完全に江戸娘(本当は江戸婆さん?)になった気分で楽しみました。

Posted byブクログ

2024/07/06

ふりがながなければ、この題名を読めない。 「心淋し川」で、「うらさびしがわ」 6話からなる。 「心川」うらかわ、 誰の心にも淀みがある。 事々流してしまった方が楽なのに……と、茂十が、ちほに説明する。 うら悲しい貧乏長屋。ちょっと、暗い感じしかしないのだが、…… 「闇仏」ち...

ふりがながなければ、この題名を読めない。 「心淋し川」で、「うらさびしがわ」 6話からなる。 「心川」うらかわ、 誰の心にも淀みがある。 事々流してしまった方が楽なのに……と、茂十が、ちほに説明する。 うら悲しい貧乏長屋。ちょっと、暗い感じしかしないのだが、…… 「闇仏」ちょっと、色っぽいようでいて、仏を彫刻する事だけが、嬉しいと感じるおりきが、後の3人の女達の事も考えている姿が、頼もしく思えた。 「はじめましょ」は、この本の中で好きな話である。 貧乏ながら、心通い合う親子の姿が良い! 「冬虫夏草」は、息子可愛さ、母親のエゴであるけど、それを上回る出来の悪い息子に、ちょっと嫌気を感じざるを得ない。 「灰の男」 我が息子を悪党に殺された事で、隠居した。 そして、痴呆症の男が、主犯だと確認したのだけど、…… 一瞬、記憶が戻った時、その男も、息子を殺されたのは、自分の息子が切った事だったと、悟る茂十。 そして、ずっと憎み続けた相手は、惚けたままあっけなく亡くなってしまう。 主人公の脇役が、次の話には、主人公として、現れる。 一人一人、皆人生の中、胸に秘めた想いがあり、貧しさの中に、心通わす相手がいると、感じた本であった。

Posted byブクログ

2024/06/22

全体的に暗めのトーンのお話しが多かったように感じました。 今まで読んだ江戸ものはしゃばけシリーズや宮部みゆき、髙田郁作品などで、ある程度金銭的に余裕のある層のお話しだったので、違う世界を見た感じでした。

Posted byブクログ

2024/06/13

淀んだ下町(千駄木)に入るもの、逆に出る者、残るもの、残されるものの物語(短編集) 時代小説だけど、一般小説的な男女の話が多くてうーん 一番好きなのはそういう色が薄い「はじめましょ」

Posted byブクログ

2024/05/27

西條奈加さんの作品も気づけば9冊目。裏寂れた一画に肩寄せ合う貧乏長屋の物語だとの紹介文に、ほろりと涙する人情ものかと思いきや、苦みのきつい重たい話が続き、少々気が滅入ってしまった。それでも肩寄せ合い生きている。ここで暮らして生きたい、ここなら暮らしていける、そう思えるのだから、う...

西條奈加さんの作品も気づけば9冊目。裏寂れた一画に肩寄せ合う貧乏長屋の物語だとの紹介文に、ほろりと涙する人情ものかと思いきや、苦みのきつい重たい話が続き、少々気が滅入ってしまった。それでも肩寄せ合い生きている。ここで暮らして生きたい、ここなら暮らしていける、そう思えるのだから、うら淋しくはないのだろう。

Posted byブクログ

2024/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江戸千駄木町・心町(うらまち)に流れる「心淋し川(うらさびしがわ)」。その川沿いの鄙びた六兵衛長屋に集う、寄る辺ない人々の悲哀と人情が交錯する6篇の連作時代小説は、心に沁みわたる静かな余韻に酔う直木賞受賞作品。〝 心淋し川・・・趣があるのは名ばかりで、汚い溜まりだと知って、がっかりしたでしょ?〟〝いや、そんなことはないよ。 誰の心にも淀みはある。 事々を流しちまった方がよほど楽なのに、こんなふうに物寂しく溜め込んじまう。 でも、それが、人ってもんでね・・・〟

Posted byブクログ

2024/03/26

はいどうも!ブクログアンケートの「なぜブクログを選んだか?」の質問に「たまたま、たまプラーザ」と送ってしまったひまわりめろんです ごめんなさい、ふざけるつもりはなかったんです!指が勝手に! というわけで、久しぶりのみんみんおすすめ本『心淋し川』です 「うらさびしがわ」って読むん...

はいどうも!ブクログアンケートの「なぜブクログを選んだか?」の質問に「たまたま、たまプラーザ」と送ってしまったひまわりめろんです ごめんなさい、ふざけるつもりはなかったんです!指が勝手に! というわけで、久しぶりのみんみんおすすめ本『心淋し川』です 「うらさびしがわ」って読むんですね 連作短編集なんですが、話の雰囲気というか背骨みたいなんは全部一緒なのに、そこから生まれる感情が見事に全部違うっていう、これは相当に腕のある作家さんやなぁと思いました 人の生活を支え、実りをもたらし、移動の手段になったり、地域によっては信仰の対象になったり、時には牙を剝いたりと、時と場合で様々に姿を変える川のような作品でした(相変わらずうまいこと言うねー) ただ嫌〜な気持ちになる話がはっきりと苦手なので、ほんわかなお話しもあったんですが、悪い方に引っ張られて全体としてはこの評価になっちゃいました みんみんおすすめ本で星3は珍しいんちゃう? ってことでデータ大好きのワタクシ集計してみましたよ! ブク友さんおすすめ本(直接おすすめ頂いた他、こちらがレビューを読んで勝手に読んだものも含みます)読了数ランキング〜!! また勝手にお名前出しますが笑って許してねん 第1位 みんみんさん 37冊(評価平均点 4.83) 第2位 autumn522akiさん 17冊(評価平均点 4.18) 第3位 土瓶さん 15冊(評価平均点 4.00) 第4位 sanaさん 12冊(評価平均点 4.50) 第5位 kuma0504さん 8冊(評価平均点 4.25) 第5位 ヒボさん 8冊(評価平均点4.63) みんみんが冊数、評価点ともに圧倒的ですw大好きか!っていうね 地味にすごいのが同点第5位のヒボさんです だってわいネタバレの蓋してあるレビューって読まないからね で、ヒボさんのレビューって基本蓋してあるからね つまりヒボさんの星評価だけ見てレビュー読まずに読み始めてますからね 読み終わってからヒボさんのレビュー読んでますから なにこの信頼感w ちなみに一Qさんはまだ2冊のランキング外です もっとわいが読みたくなるよう精進するように! ま、なにはともあれ、みなさんにあらためてお礼を言いたい いつも素敵な出会いをありがとう!

Posted byブクログ

2024/02/06

西條さんが描く人たち、その人たちが生きる世界は、どこか恵まれない。そして地味。だけど、いつも最後で救われる。読者も、読後に大きな感動や喜びを感じることはないが、裏切られることもない。いつも穏やかで、安穏とした思いに包まれる。だから好きなんですよ。西條さん得意の時代物であり、全く私...

西條さんが描く人たち、その人たちが生きる世界は、どこか恵まれない。そして地味。だけど、いつも最後で救われる。読者も、読後に大きな感動や喜びを感じることはないが、裏切られることもない。いつも穏やかで、安穏とした思いに包まれる。だから好きなんですよ。西條さん得意の時代物であり、全く私が生きる時代とは違いますが、とにか読みやすい。一生懸命に生きる人たちの姿には、時代関係なく心を打たれますね。

Posted byブクログ

2024/02/01

江戸時代、江戸の心淋川(うらさびしがわ)の流れる貧しい町を舞台に繰り広げられる人情小噺短編集。 どの話も簡易な文体で読みやすかったです。

Posted byブクログ

2024/01/18

連作短編集。第164回直木賞受賞作。 江戸の片隅、どぶ川沿いにある寂れた一角は心町(うらまち)と呼ばれていた。 芥箱みたいな町だが、人が生き直すには悪くない土地だった。

Posted byブクログ