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心淋し川 の商品レビュー

3.8

247件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    70

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2022/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

直木賞受賞! ということで期待して読んでみたが、最初は馴染めず、でも、昔住んでいた四谷の辺りから根津の地名が繋がってきて、色街や花魁など、いろんな言葉を調べながら読み進めていくと、いつのまにかハマっていた感じ。 どちらかと言うと下層の階級の、江戸の街の風情や、人間模様が刻々と描かれていて、ホッコリするストーリーだった。 最後の章で、これまでの主人公が繋がるのが、また良かった。

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2022/07/24

個人的には、はじめましょが一番好き。 心を「こころ」と読まず「うら」と読むところが人間をとてもよく表していると思いました。 表には現れない、現さないからこそ強く直向きに刻まれるものを、心って言うのだなあとしみじみと感じました。

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2022/07/14

江戸時代、川沿いで生きる人々の短編連作集。 時代物は久々だった。 いつの時代も不条理、悲しみの中にささやかな喜びを見つけながら、人は生きていくんだなと思った。 「心淋し川」という名前が本当にしっくりくる。

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2022/07/10

好きな俳優が朗読すると聞いて、オーディブルで購入。心町(うらまち)に住む人々の心の機微を描いたオムニバス。それぞれの物語は独立しているものの、最後の章「灰の男」で全ての物語が絵巻物のごとくひとつに繋がる。 テーマは王道でストーリーも気を衒ったものではない。華美な表現もなく、地味...

好きな俳優が朗読すると聞いて、オーディブルで購入。心町(うらまち)に住む人々の心の機微を描いたオムニバス。それぞれの物語は独立しているものの、最後の章「灰の男」で全ての物語が絵巻物のごとくひとつに繋がる。 テーマは王道でストーリーも気を衒ったものではない。華美な表現もなく、地味とも言える。しかし情景と心理描写が細かく、しかも無駄な表現が無い。文章が滑らかで澱みがない。文章が非常に上手い。耳で聞いていたからか、なおさらそう感じた。 感情が揺さぶられる小説と久しぶりに出会った気がする。

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2022/07/07

直木賞受賞作。連作短編集。 心淋し川(うらさびしがわ)と呼ばれる小さく淀んだ川が流れる貧乏長屋に住む人たちの人間模様が描かれている。 川の淀みと同様、住人たちの心に抱えた淀みは暗く重い。漸く掴みかけた幸せももう少しのところでスルリと逃げてしまい、暗鬱たる気分に再度向かいそうにな...

直木賞受賞作。連作短編集。 心淋し川(うらさびしがわ)と呼ばれる小さく淀んだ川が流れる貧乏長屋に住む人たちの人間模様が描かれている。 川の淀みと同様、住人たちの心に抱えた淀みは暗く重い。漸く掴みかけた幸せももう少しのところでスルリと逃げてしまい、暗鬱たる気分に再度向かいそうになる。けれど、そこで終わらせず少しばかり希望の光が見いだせるところで終わらせるのが良い。そして最終章。今まで見てきた希望の光がきちんと実っているのが確認できてすっきりした。これから先また彼らに何が起こるか分からないけれど、それでも逞しく強く生きる彼らに生きる希望を託したい。

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2022/07/05

第164回直木賞受賞作。日本から新しい本が届いたので、積読から読了。 帯に全六編と書いていたりして短編集なのかなと一瞬思う。心淋し川という淀んだ川沿いの心町の長屋に棲む人たちの喜びと悲しみ。帯に全六編と書いていたりして、短編集なのかなと一瞬思うけど、同じテーマの連作っていうのね。...

第164回直木賞受賞作。日本から新しい本が届いたので、積読から読了。 帯に全六編と書いていたりして短編集なのかなと一瞬思う。心淋し川という淀んだ川沿いの心町の長屋に棲む人たちの喜びと悲しみ。帯に全六編と書いていたりして、短編集なのかなと一瞬思うけど、同じテーマの連作っていうのね。 それぞれの話にちりばめられた伏線を最後の「灰の男」で回収。半分くらいは予想通りの展開だったけど、そう来るかと驚く結末も。 もう1話、もう1話と読み進めるうちに一晩で読み終えました。

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2022/06/30

第164回直木賞受賞作。六つの話からなる短編集。どの物語も面白かったが、一番は最終話『灰の男』。江戸・千駄木町の一角「心町」の長屋の差配・茂十に、このような過去があるとは思わなかった。

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2022/06/26

江戸の庶民の人情もの。久しぶりにこういう話を読んだなーという感じ。男と女とか、親と子とか、ままならないけれど愛おしい関係が連作で描かれている。面白かった。

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2022/06/24

江戸時代、底辺とも言える流れ着いたようなうらぶれた長屋。そこの差配人が通しで登場する短編集。 最後のお話で、差配の素性も明らかになるという仕掛け。辛いエピソードも多いのだけど、おしまいには、幸せの芽吹き、、のようなものがほのかに漂う、ジワっと暖かいものが伝わるお話の仕立が見事。お...

江戸時代、底辺とも言える流れ着いたようなうらぶれた長屋。そこの差配人が通しで登場する短編集。 最後のお話で、差配の素性も明らかになるという仕掛け。辛いエピソードも多いのだけど、おしまいには、幸せの芽吹き、、のようなものがほのかに漂う、ジワっと暖かいものが伝わるお話の仕立が見事。おススメ。

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2022/05/30

久しぶりに時代ものを読みましたが、時代ものを読むといつも思うのが現代にも通じるものがあるんじゃないかと言うこと。もちろん全てではないし、改善されていることもあるけれど、いつの時代も淋しさを抱えていて、おなじような感情を持つもの同士そっと寄り添いあいながら生きていく。 幸せってやっ...

久しぶりに時代ものを読みましたが、時代ものを読むといつも思うのが現代にも通じるものがあるんじゃないかと言うこと。もちろん全てではないし、改善されていることもあるけれど、いつの時代も淋しさを抱えていて、おなじような感情を持つもの同士そっと寄り添いあいながら生きていく。 幸せってやっぱりささやかでいい。

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