蝉かえる の商品レビュー
えりさわせん。 自分の中にも人種差別の心があると思う。 アフリカの病気、外来種。問題はたくさんある。自分や家族も守りながら何ができるか。 さて続編を楽しみにしよう。
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魞沢泉シリーズ第2弾。 すごく良かった。 今回で魞沢泉の人物像がよく分かってますますファンになった。単なる昆虫オタクではなかったね。 飄々としていてマイペース、掴みどころのなさは相変わらず。けれど周囲の人に対する優しさ、真摯な態度、冷静な判断はどれも、昆虫のみならず人間に対する深い愛情を感じずにいられない。 「魞沢くんだから拾いあげられる言葉や気持ちがある。それで救われる人たちもいる」 自称"友だちが少ない"彼だけれど、事件を通じて出逢った、救われた人たちの心に強烈な印象と共に温かな気持ちを残してくれる、いつまでも記憶に刻まれる稀有な存在だと思う。 特に彼の幼少期や学生時代のエピソードも、大人になった今の彼の原点として微笑ましくも、こんな若い頃から博学で、どこか達観している大人顔負けの少年だったのだ、と感心した。 今回は泣ける物語ばかりで胸打たれた。どの話も切ない余韻がいつまでも続くものばかり。 第3弾も期待しかない。
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ブラウン神父、亜愛一郎に続く、"とぼけた切れ者"名探偵である、昆虫好きの青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていたーー。 16年前、災害ボランティア中の青年が目撃した、神域とされる森に現れた少女の幽霊。その不思議な出来事に対し、エリ沢が語った意外な真相とは(表題作)。交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件の謎を解く、「コマチグモ」など5編を収録。注目の若手実力派・ミステリーズ! 新人賞作家が贈る、ミステリ連作集。 ■目次 「蝉かえる」 「コマチグモ」 「彼方の甲虫」 「[ホタル計画」 「サブサハラの蠅」 今回もすごく面白かった!!前作で出てきた丸江ちゃんが出てきて良かった。確か、山の事件だった。自然環境を守るボランティアをやってた丸江ちゃんが、今回はペンションをやってて、そこにエリサワくんが遊びにくる話は、なんだか切ないというかやるせないかんじだった。あの人もなんらかの罪に問われてほしいとは思う。あの人が、あんなことをしなければ、彼は罪を犯し死なずにすんだはずだ。 あと「コマチグモ」も好きだった。中学生が被害に遭った交通事故と近くの団地で起こった傷害事件の関連。そして、犯人と勘違いされるエリサワくん。まぁ、あんな言い方したら刑事さんは勘違いもするし、戦闘モードになるわな。でも、ちゃんと理解してくれる刑事さんがいてくれて良かった。そして、事故と事件の関連性がすごかった。 表題の「蝉かえる」は、なんかやるせないというか、切ないというかな話だった。田舎にありがちな伝統とジェンダーの問題。それを突破した少女たち。偶然起きた災害、そして被害に遭い行方不明になってしまった少女。うーん。なんか可哀想で切ないかんじだったな。 今回のお話もすごく面白かったし、良かった。エリサワくんがエリサワくんで本当にいいし、彼のとぼけたかんじとか昆虫以外のところはポンコツなかんじもすごくいい。さらにこの続編があるような様子。こっちも読んでみたい。エリサワくんのとぼけた探偵が見たい。 2024.8.18 読了
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災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女だったのか?表題作「蝉かえる」 交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件。2件のつながりを解き明かす「コマチグモ」 日本のペンションを訪れた外国人が不審な死を遂げる「彼方の甲虫」 失踪した昆虫ライターの行方を追う「ホタル計画」 ...
災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女だったのか?表題作「蝉かえる」 交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件。2件のつながりを解き明かす「コマチグモ」 日本のペンションを訪れた外国人が不審な死を遂げる「彼方の甲虫」 失踪した昆虫ライターの行方を追う「ホタル計画」 帰国した旧友の江口医師がアフリカで体験した事実とは…「サブラサハラの蠅」 全5話からなる連作短編集。 おとぼけキャラで飄々としつつも、時に鋭い観察眼で快刀乱麻を断つごとく謎を解明する探偵•魞沢泉(えりさわ せん)。ブラウン神父や亜愛一郎の系譜を継ぐ“とぼけた切れ者”探偵だ。 短編集というと普通は何作か“はずれ”が紛れ込んでいるものだが、本書はどれもこれも甲乙つけ難い粒揃いの作品群であった。特にホワットダニット(何が起こってたか?)を、さりげない伏線を活かして意外な方向にうっちゃるのは技ありの上手さ。連作を通して魞沢泉の人となりが形成されたバックグラウンドが明らかになっていく構成も良い。タイトルにある昆虫もストーリーと密接に絡み、魞沢は昆虫好きだけれども人間的な優しさが根底にあるので、謎解き後も心地良い読後感を生む。「本格ミステリ大賞」を受賞したのも頷ける傑作。 週刊文春ミステリーベスト10 10位 このミステリーがすごい! 11位 本格ミステリ・ベスト10 2位 SRの会ミステリーベスト10 2位 ミステリが読みたい! 9位 日本推理作家協会賞受賞(2021年) 本格ミステリ大賞受賞(2021年) 《魞沢泉シリーズ》 1.サーチライトと誘蛾灯 2.蝉かえる 3.六色の蛹
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序盤の 「女子中高生に人気のクレープ屋があると聞きまして」「女子中高生にご興味が?」って失礼極まりないやり取りが気に障ってしまいそれ以降引いてしまった。 よくできた作品だとは思うがこういう飄々としたやり取りでじんわりさせるタイプの物語は苦手だと気づいてしまった。 全く頭に入って...
序盤の 「女子中高生に人気のクレープ屋があると聞きまして」「女子中高生にご興味が?」って失礼極まりないやり取りが気に障ってしまいそれ以降引いてしまった。 よくできた作品だとは思うがこういう飄々としたやり取りでじんわりさせるタイプの物語は苦手だと気づいてしまった。 全く頭に入ってこなかった亜愛一郎よりはちゃんと読めた
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昆虫大好き青年、魞沢くん第2弾。とぼけた雰囲気にしっかりした謎解き。人の心の優しさに触れるような短編集で面白かった。
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5つの短編集で読みやすかった。一つ一つの物語に虫好きの青年『えりさわ せん』がかかわっていて、事件の真相を解いていく。悲しい話でもあるが、事件にかかわっている人達の心情も描かれていて切なくなった。
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どの短編も印象的でホワットダニットの楽しみ方がわかったような気がした。人は突き詰めていけば、何をどう考えているのか本当に人それぞれで、簡単に相手のことは見えず面白いなと思う。
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物語の中に控えめに出て来る、えり沢泉。主人公なのに。人とはちょっと違う視点から事件を解決に導くのが面白い。泉くんの子供時代を書いた、ホタル計画。かなり終盤になるまで、子どもが泉くんだと気がつかなかった(ーー;)泉くん、まだ出てこない、と思ってたら‥してやられた。 丸江ちゃんが再登場したように、斎藤編集長にもまた出てきて欲しい。カイ子は見つけてもらえたのかな?気になる。最後の、サブサハラの蝿、怖い話だった。江口くんの計画が完遂されていたら、とんでもないことに‥。
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連作の2作目らしい。短編が5話。表題作の蝉かえる面白かった。1作目も読んでみたい。えりっていう漢字出てこない。
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