蝉かえる の商品レビュー
虫が関わるミステリー「サーチライトと誘蛾灯」の続編の連作集。 前作より、探偵役の「魞沢泉」くんの人となりがわかるお話が多く、個人的にはこちらの方が好きでした。 切なさや悲しさとほんのり優しさを感じるお話達でした。
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短編が5つ.ジャンル分けができないタイプで話の飛び方が面白く非常に楽しめた.謎解きの出現が予測できないのも良かった.「ホタル計画」は登場人物が面白い.斎藤オダマンナ、ナニサマバッタ、繭玉カイ子.ホタルの遺伝子をゼブラフィッシュに組み込んで発光させるという計画も突飛で素晴らしい.「...
短編が5つ.ジャンル分けができないタイプで話の飛び方が面白く非常に楽しめた.謎解きの出現が予測できないのも良かった.「ホタル計画」は登場人物が面白い.斎藤オダマンナ、ナニサマバッタ、繭玉カイ子.ホタルの遺伝子をゼブラフィッシュに組み込んで発光させるという計画も突飛で素晴らしい.「彼方の甲虫」に出てきたアサル・ワグディを魞沢が彼の故郷まで尋ねるとの記載がある「サブサハラの蠅」では江口海の行動が楽しめた.
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この作家さんの本は始めて読みました。 略歴にある、北海道出身がなるほどと思わせてくださる、まさしく北海道のように大らかで逞しい連作短編集でした。 ひとつひとつが一人歩きをしてしまわず昆虫というテーマでうまく結びついているので。 星、ひとつ減らしたのは昆虫好きでないからもあるけれど読後感が辛いモノもあったので。 中学生の泉くんに出会えたのは嬉しかったのでしたが。
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2022年1冊目。 前作もデビュー作とは思えない新人離れしたものだったが、その続編となる今作では全てにおいてパワーアップしていると感じた。前作では魞沢のキャラを立たせるためかあえて突飛な言動をさせていた節があるが、今作では続編ということもあるだろうがそういった描写に頼らずとも魞沢...
2022年1冊目。 前作もデビュー作とは思えない新人離れしたものだったが、その続編となる今作では全てにおいてパワーアップしていると感じた。前作では魞沢のキャラを立たせるためかあえて突飛な言動をさせていた節があるが、今作では続編ということもあるだろうがそういった描写に頼らずとも魞沢の人となりや心情が巧く描けている。 全ての短編が高水準ではあるが「ホタル計画」が意外性も含めてお気に入り。「蝉かえる」や「彼方の甲虫」の切ない読後感もとても良い。
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昆虫探偵の魞沢泉シリーズ第2弾。 「蝉かえる」 「コマチグモ」 「彼方の甲虫」 「ホタル計画」 「サブサハラの蠅」 の5編収録。 そもそも第1弾を読んでいないので、魞沢泉の活躍具合がわかっていなかったため、ミステリーとしてWhat done it?なのも三作目...
昆虫探偵の魞沢泉シリーズ第2弾。 「蝉かえる」 「コマチグモ」 「彼方の甲虫」 「ホタル計画」 「サブサハラの蠅」 の5編収録。 そもそも第1弾を読んでいないので、魞沢泉の活躍具合がわかっていなかったため、ミステリーとしてWhat done it?なのも三作目から気づきました。 「彼方の甲虫」と「サブサハラの蠅」は連絡としても面白かったのですが、その間に魞沢の少年時代の「ホタルの計画」がある意図がわからず、ちょっと残念でした。
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面白いとの噂で読んでみたのですが、シリーズ2作目だったんですね。連作短編ミステリーですが、全て少し淡々としながら、後味が悪くない作品です。特に「コマチグモ」はすごい。謎が解けた時、うわあでした。
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前編の『サーチライトと誘蛾灯』もハイクオリティな短編集だったが、続編ではそれを軽々とうわまわってきた印象。 二つの事件のつながりが見事な『コマチグモ』に加え、意外性と悲しさ・切なさがきれいに共存している『彼方の甲虫』と『ホタル計画』は、控えめにいって傑作だと思う。 次はどんな作品を読めるのか今から楽しみだ。
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虫好き青年 魞沢泉の連作短編集 第2弾。 1作目を読んでいないので、本作が初読みです。 勝手に日常系だと思っていたらよく人が死んでいて驚いた。スティーリー・ダンとツェツェバエといえばジョジョ3部ですね。関係ないけど。 個人的には「ホタル計画」が一番面白かった。最後に少年が花を添えず浪花節が入らなかったらもっと……それがないと最後盛り上がらないし少年の見せ場がなくなるのはわかるのだけど、蛇足に感じてしまった。彼はあそこに眠っているのでは?という匂わせで終わったほうが話としては綺麗だった気がして。 だって、掘ってみないと事実はわからないのに、そうやって当事者抜きの想像だけでさもこれが真実だとでもいうように結論づけてしまう。この流れは1編だけならいいけど、5編中4編に当てはまるので、またか~と。 唯一当てはまらない「サブサハラの蠅」はというと、渾身のホワットダニット一本勝負なので、これが読者の想像を超えてこなかったら後に何も残らない……そう思わせない為には文章力が必要だと思います。まだ未熟さが気になるので今後の作品に期待しています。 ■コマチグモ ・刑事さん、ハザードを出す前に速度を落とすのは良くないです。前触れなく減速されると後続車に迷惑だし事故の原因にもなるので。 ・[自分のあだ名に重ねるほど毒グモの何がそんなに気に入ったのか理解できないけど]というセリフがあるけれど、単にクモの名前と自分の愛称が一緒だったからそう話したというだけで、なぜ気に入ったことになるのだろうか? よく解らなかった。 ・[カーテンがひかれている]としか書かれていないので、レースカーテンなのか、レースとドレープカーテンなのか、レースなしのドレープカーテンのみなのか解らない。レースカーテンならば24時間ひきっぱなしでもおかしくないので、こんな真昼間からカーテンひいておかしいなとは思わないだろう。 ・前後関係から、クモに絡めた動機と結論でまとめていたが当てはまってない気がする。母グモと子グモの関係が逆になっているし、“身を投げ出して”いるのも、母のためとかではなく自分のためではないのか? ■ホタル計画 ・男性に「〇〇子」というペンネームをつけるセンスは厭だ……名付けた本人は満足していたけど付けられた方はどうだったんだろう。 ・魞沢の年齢から逆算すると、今から20年ちょい前ぐらいの話なのかな。なら黒電話はもうどこの家庭からも姿を消して久しい時代だから、自分なら黒電話だ!懐かしい!!って興奮するけど編集長は全然気にしてなかったな。 ・畑での奇蹟。美しい偶然。こういうの嫌いじゃないです。
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昆虫にまつわるミステリー短編集。 蝉、蜘蛛、フンコロガシ、蛍、蠅と様々な昆虫の生態がストーリーに関係してミステリーを構成する。 フンコロガシが天体を利用して真っ直ぐに巣に帰る事が出来る事などの解説も軽快で分かりやすい。 アフリカに睡眠病がありツェツェ蝿が媒介している事などは興味深...
昆虫にまつわるミステリー短編集。 蝉、蜘蛛、フンコロガシ、蛍、蠅と様々な昆虫の生態がストーリーに関係してミステリーを構成する。 フンコロガシが天体を利用して真っ直ぐに巣に帰る事が出来る事などの解説も軽快で分かりやすい。 アフリカに睡眠病がありツェツェ蝿が媒介している事などは興味深かった。 全体的に読みやすく非常に面白かった。シリーズらしいので1作目も読んでみたい。
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五編の中では、「サブサハラの蝿」が一番印象に残った。短編の場合、登場人物や筋書きを味わう前に話が終わってしまう様で今回は、本の中にのめり込めず。2度読みすれば、もっと味わえるのではと思う。
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