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蝉かえる の商品レビュー

3.9

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2021/08/01

前作も好きだけど、ここまで感情が揺さぶられることはなかった。 切なくて悲しくて愛おしい。 心臓がきゅっと締め付けられるような5つの短編。 単純にミステリーとしても面白いし、第三者を通して描かれる魞沢泉の人間性が物語に厚みを持たせる。 ホワットダニットを楽しみつつ、少し泣いた。

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2021/07/27

虫好きのとぼけた青年、魞沢泉が探偵役の短編集第2弾。 昆虫を切り口に事件の真相を看破するのは相変わらずだが、前作では得体のしれない男だった魞沢が今回は人間的に描かれている。それにともなって事件もやるせない話が多く、ミステリとしても上質だが、読了後に事件の背景について色々と考えさせ...

虫好きのとぼけた青年、魞沢泉が探偵役の短編集第2弾。 昆虫を切り口に事件の真相を看破するのは相変わらずだが、前作では得体のしれない男だった魞沢が今回は人間的に描かれている。それにともなって事件もやるせない話が多く、ミステリとしても上質だが、読了後に事件の背景について色々と考えさせられた。

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2021/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作よりも魞沢のキャラクターに重みや深みがあり、最初に読んだ時ほどの飄々とした雰囲気は感じず、むしろ他者の話をじっくり聞いている感じに思えた(虫の話題が出たとき以外)。どの話も重く考えさせられるそして、「どうなるの?」と思ったところで終わる。最後の「サブサハラの蠅」は今この状況だからこそ考えさせられ、そしてぞっとする。

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2021/07/10

短編集嫌いの私だが、嫌悪感なく読み進められたのは、魞沢泉の推理に至った経緯以外は丁寧に描かれていたからかもしれない。 また名探偵という人種独特のアクやオーラが魞沢泉に無かったというのも、読み進めやすかった要因だと思う。

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2021/06/23

06月-25。3.0点。 サーチライトと誘蛾灯、第二弾。 昆虫にまつわる短編集。読みやすく、面白い。

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2021/06/15

連作短編5編 探偵役の掴み所のないような人物設定が昆虫にこだわって事件解決につながるのも面白いし,殺人事件そのものよりその動機のマニアックなところがユニークだ. 最初の「蝉かえる」のセミを食べるという事実に,ぞわぞわした.昆虫が絡むと少し気味悪さが先行してしまう.

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2021/04/17

図書館で借りて2話まで読んで返却。悪くはないけど返却期限まで他の用事に先立って読む程の気持ちにはさせてくれなかった。

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2022/07/04

「ブラウン神父」は未読なのだが、泡坂妻夫さんの「亜愛一郎」シリーズは、読んだことがありまして、探偵役の「魞沢泉(えりさわせん)」や、サブキャラクターのちょっとクセのある人物像や、独特なネーミングセンスは、似ていると思いました。あと、時代背景は今なんだろうけど、昭和チックな雰囲気と...

「ブラウン神父」は未読なのだが、泡坂妻夫さんの「亜愛一郎」シリーズは、読んだことがありまして、探偵役の「魞沢泉(えりさわせん)」や、サブキャラクターのちょっとクセのある人物像や、独特なネーミングセンスは、似ていると思いました。あと、時代背景は今なんだろうけど、昭和チックな雰囲気とか。 推理ものとしては、出掛けた先々で巡り会う日常の謎が多く、こんなところも亜愛一郎と似ています。また、一見、何と言うことのない話のように見せといて、いきなり深い核心に切り込む展開もそうだし、推理ものとしては、実は緻密に考えられた構成になっているところもそうです。ホワイダニットが多い渋さだけど、推理ものの醍醐味は十二分に楽しめると思いますし、真相が明らかになることによって紡がれる、やるせなさや哀愁漂う物語も素晴らしいです。後半の書き下ろし三編は、特におすすめです。 以下、ネタバレ含みますのでご注意を。 ただ、連作集の順番には、大きな意味がある気がして、探偵役の泉については、「コマチグモ」までは、亜愛一郎のような本音の読めない、やや食えない人物だと思っていたのですが、その後の書き下ろし三編を読むことで、その印象は変わり、彼の人間性に次第に惹かれていくようになりました。 率直に書くと、これだけ無垢な優しさを持った探偵っていたかなと思うくらいの、イノセントな純情さが彼にはあり、それが真相解明の時には、飄々としているようで実は彼を悩ませ、苦しめている。 なんといっても、一日会っただけの「アサル」から友人と言われたことを忘れずにいて、その後、彼の故郷のエジプトまで出掛け、家族に弔いの言葉をかけに行く行動には敬服させられたし、愛する人を自ら死なせてしまったと思っている大学時代の友人に対しては、 「きれいごとのひとつも口にしなければ、こんな世界生きていけないじゃないですか」 なんて、すごくセンチメンタルな台詞を口にする。探偵っぽくないと思ったが、読んでいる私からすれば、まさかこんな台詞が出てくるとは思わなかったので、「えっ、泉ってこんなこと思っているような熱い人なんだ」という意外性が、私の目頭を少々熱くさせました。 でも、少しもきれいごとじゃないと、私は思う。 なぜなら、 「記憶から消え去ったとき、人はほんとうの死を迎える。(略) あなたが死ねば、ぼくの一部も消えてしまう。あの頃のぼくたちを・・勝手に殺さないでほしい」 人に優しく出来る人は、まず自分自身に優しく出来る人だというのは、どこかで聞いた言葉だった気がする。

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2021/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館の新刊コーナーで偶然見つけて借りたもの。ブラウン神父、亜愛一郎に続くとぼけた切れ者名探偵とあれば読まないわけにはいかない。5つの短編集。でも2作目だったみたい。早速1作目も予約。虫好きの魞沢泉(えりさわせん)が探偵役。最初、表題作でもある「蝉かえる」を読んだときは誰が主役なのか分からなかった。民俗学、人種差別、遺伝子組み換え等々、いろんな問題が含まれていて面白かった。まだまだ知らない世界はたくさんある。

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2021/03/26

「虫」をテーマにした連作短編ミステリ。 序盤はなんとなくパッとしないかなあ・・くらいだったんですが後半のお話につれて段々と面白くなってきました。中でも「ホタル計画」がよかったですね。 読み終わってから知ったんですがこれは同探偵役による2冊目の本だったようで。けど、どちらかというと...

「虫」をテーマにした連作短編ミステリ。 序盤はなんとなくパッとしないかなあ・・くらいだったんですが後半のお話につれて段々と面白くなってきました。中でも「ホタル計画」がよかったですね。 読み終わってから知ったんですがこれは同探偵役による2冊目の本だったようで。けど、どちらかというと前作よりも次回作を楽しみにしたい。なんか段々と作品の質が上がってきてるのが如実にわかるのできっと次はもっと・・・

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