蝉かえる の商品レビュー
昆虫オタクの青年、魞沢泉。趣味が高じて正業には就かず、昆虫を求めて全国を貧乏旅行して回っている。ところが行く先々で事件に巻き込まれ……。 トボけた天然キャラの魞沢が鮮やかな推理で遭遇した事件を解決する連作短編ミステリー。シリーズ2作目。 表題作は第74回日本推理作家協会...
昆虫オタクの青年、魞沢泉。趣味が高じて正業には就かず、昆虫を求めて全国を貧乏旅行して回っている。ところが行く先々で事件に巻き込まれ……。 トボけた天然キャラの魞沢が鮮やかな推理で遭遇した事件を解決する連作短編ミステリー。シリーズ2作目。 表題作は第74回日本推理作家協会賞および第21回本格ミステリ大賞受賞作。 ◇ 16年前に山形県を襲った大地震。被害は大きく全国から災害ボランティアが集まった。その中の1人だった糸瓜京介が、久しぶりにかつての震災地を訪れた。 森の奥にある御隠神社で感慨に耽っていた糸瓜の耳に、あとから境内に入ってきた男女の話が聞こえてきた。どうやら蝉の話をしているらしい。何気なく話しかけたところ話が弾み、いつしか糸瓜はかつて体験した奇妙な出来事について話していた。 ボランティア最終日の朝、糸瓜が見かけた少女の幽霊の謎。いきさつをじっと聴いていた魞沢は……。 ( 表題作「蝉かえる」) ※全5話。 * * * * * 前作とは作品の雰囲気が全然違っていました。それは魞沢泉の持つ雰囲気が違うからです。 トボけた味わいは同じでも、本作の魞沢にはおちゃらけたところが影を潜めているし、事件の謎解きをする姿にも、どこか他人事のように見える軽さがなくなっています。つまり落ち着きが出てきたのです。 また、思ったことをすぐ口にする前作と違って、自身の言動を省みられるようになっているほか、コミュニケーション能力の行き届かなさや友人の少なさに忸怩たる気持ちを持っていることがわかる描写もありました。 魞沢泉は彼なりに苦悩しながら、自分の短所を補うべく努力してきたのだということがわかるのが、第4話「ホタル計画」です。 決して社交的ではなく、むしろ内気な少年だった中学時代の魞沢が描かれていて、とても興味深かった。 構成としては、前作と同じところもあります。 全5話で、3話目から本格的なミステリーらしくなるところです。 特に、第4話の「ホタル計画」と第5話の「サブサハラの蠅」には昆虫好きを満足させる蘊蓄が盛り込まれており、非常に読み応えがありました。 この、序盤を小手調べ的な軽めの話で始めて、中盤からしっかりしたミステリーでしめていくという作りは好きなので、魞沢シリーズのカタチにしてもいいのではないでしょうか。魞沢泉の名探偵としての落ち着きと合わせ、十分な魅力になると思います。
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昆虫好き青年(えりさわせん)の冴え渡る推理に今作も楽しめた。 「サーチライトと誘蛾灯」に続く第2弾。 ○蝉かえる〜災害ボランティアの青年は、行方不明の少女の幽霊を見たのか? ○コマチグモ〜交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件の繋がりは? ○彼方の甲虫〜ペンションから姿を...
昆虫好き青年(えりさわせん)の冴え渡る推理に今作も楽しめた。 「サーチライトと誘蛾灯」に続く第2弾。 ○蝉かえる〜災害ボランティアの青年は、行方不明の少女の幽霊を見たのか? ○コマチグモ〜交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件の繋がりは? ○彼方の甲虫〜ペンションから姿を消したアサルの死はどうして起こったのか? ○ホタルの計画〜オダマンナ斎藤にかかってきた電話の相手はナニサマバッタ。繭玉カイ子が行方不明だと言う。彼らたちは、何を探してた? ○サブサハラの蝿〜えりさわの大学の同期・江口が持ち帰ったものとは? どれも昆虫が関わってくるのだが、かなり詳しい内容でありながらも難しいとは感じなかったので、さくさくと読めて知識も得ることもできた。 人間関係にしてもいろんな人が登場するので飽きることなく楽しめた。
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川瀬七緒作、「法医昆虫学捜査官」シリーズが好きなので、この作品に興味を持った。 でもこちらの主人公は、あくまでも虫好きな、観察眼の鋭い青年。そんな彼が、関わった事件を解決していく。 一作目の「サーチライトと誘蛾灯」の方は 出だしでつまづき、最後まで読めずに終了。 「蝉かえる」は...
川瀬七緒作、「法医昆虫学捜査官」シリーズが好きなので、この作品に興味を持った。 でもこちらの主人公は、あくまでも虫好きな、観察眼の鋭い青年。そんな彼が、関わった事件を解決していく。 一作目の「サーチライトと誘蛾灯」の方は 出だしでつまづき、最後まで読めずに終了。 「蝉かえる」は、前回のおちゃらけた部分を残しつつ、 ちょっとせつなかったり、シリアスな描写が増えたりして、物語に深みが加わった。 短編だけど、少しずつ内容がつながっているところも良かった。
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前作ではたまたま偶然に笑事件現場に居合わせて モジモジしながら事件の核心に迫る推理をして周囲を驚かせたエリサワでした。 読み手も驚き引き込まれていきましたが、肝心のエリサワについて謎のまま… 今作はエリサワの中学時代、大学時代の短編があって更に面白くなってます。 エリサワの事件...
前作ではたまたま偶然に笑事件現場に居合わせて モジモジしながら事件の核心に迫る推理をして周囲を驚かせたエリサワでした。 読み手も驚き引き込まれていきましたが、肝心のエリサワについて謎のまま… 今作はエリサワの中学時代、大学時代の短編があって更に面白くなってます。 エリサワの事件解決で毎回救われる人がいる。 それが切なくて本当に沁みるんです。 帯にある「ブラウン神父」「亜愛一郎」は知らないけど笑 法月綸太郎さんも読んだことないけど笑 ホワットダニットもよくわかんないけど笑 このシリーズが面白いのはわかりました\(//∇//)
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事件ごとの、別角度からの推理が面白かった 『ミステリと言う勿れ』が好きな人は好きだと思う いりさわ泉は飄々としながらも情を持った探偵役の人物 前作も読みたくなった
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前作『サーチライトと誘蛾灯』を読んだときは、主人公エリ沢君の中に亜愛一郎やブラウン神父を探すような姿勢でつい臨んでしまっていたが、今回は二冊目ということもあり、私の中のエリ沢君像もそれら先人たちから(面影は残しつつも)独立した状態で読み始め、そのままどっぷりとエリ沢君の物語を味...
前作『サーチライトと誘蛾灯』を読んだときは、主人公エリ沢君の中に亜愛一郎やブラウン神父を探すような姿勢でつい臨んでしまっていたが、今回は二冊目ということもあり、私の中のエリ沢君像もそれら先人たちから(面影は残しつつも)独立した状態で読み始め、そのままどっぷりとエリ沢君の物語を味わうことができた。エリ沢君の過去が語られたり、各短編同士の連作としての繋がりが直接的に描かれたり、地名や年代が明示されたりしたことなどによると思う。 どの短編も哀しさと優しさの沁みる素敵な作品だったが、敢えてベストをひとつ選ぶとしたら最後の『サブサハラの蠅』か。言葉にすれば陳腐だが、死ぬこと、亡くすこと、それでも生きること、人を思うこと、、、をめぐる台詞のやりとりに、胸がつまった。 前作では、主に探偵役の人物像から作者の「優しさ」を感じとったが、今回は、各短編の題材の取り方から、世界の様々な問題への意識の高さ…という表現はなんだか悪い意味で胡散臭くて嫌なのだが…自分の身の周りだけではなくて、世界には掬っても掬っても掬いきれない哀しみがこんなにもあるということに対する目配りの広さと深さが印象に残った。同時代を生きていけるのが嬉しい作家さんだ。
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前作が図書館にはなかったので、今作が初読みです。 主人公がそうだからなのか、文体的にもおっとりした雰囲気で読みやすかった。 短編集のお話一つずつで、泉くんの人となりがわかる感じで、私も彼と友達になりたいなぁ。 虫、絶対的に苦手だけど。
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久しぶりの、えり沢泉。えりの漢字、変換出来ない! 飄々とした中に、ずさっとくる言葉があったり、前作からパワーアップしていて、楽しめた。
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昆虫マニアの魞沢泉が事件の謎を解く。 「コマチグモ」「ホタル計画」が印象深い。「コマチグモ」交差点事故とアパートの負傷事件の謎。親子の愛情を昆虫の生態で表現。「ホタル計画」元サイエンスライター失踪と遺伝子組換研究の闇。
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母に貸してもらった本。 短編集。 どの話も奥深くて、それでいてなるほど!と納得したり、驚愕したりととても楽しめました。 コマチグモというお話が良かった。
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