首里の馬 の商品レビュー
沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできてた。クイズの回答者に動物について質問。父親...
沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできてた。クイズの回答者に動物について質問。父親の部屋に入れる。交番に届けると近くの動物公園にあずけられた。 未名子は馬を公園から連れ出し洞窟で飼う。放し飼い。馬に乗って森の中を散策。 資料の持ち主、老婆(元研究者)が死ぬ。資料整理の仕事はなくなる。 馬に乗って資料館が壊されるのを見る。 直葬、病院から直接火葬場に送る、で老婆を娘が決めた。 沖縄の競馬場は本土と違う。美しさを披露するモーターショーに似ていた 戦争が始まり農耕馬に適さないので競馬馬は飼わなくなった。 首里は沖縄線で完璧に破壊された。 資料館のデーターはカセットテープから、クイズの回答者達へアップロード。データーの中身は不明。
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意味不明の仕事 突然現れた馬 個人管理の資料館 大国と力のない国 祖国を追われたもの 行動に明確な理由がないこともある。 それは特に気にしなくていい ノスタルジックな雰囲気もありつつ、日本の現状を風刺しているように感じた。 「理解不明なことを怖がりつつも受け入れて進むことが...
意味不明の仕事 突然現れた馬 個人管理の資料館 大国と力のない国 祖国を追われたもの 行動に明確な理由がないこともある。 それは特に気にしなくていい ノスタルジックな雰囲気もありつつ、日本の現状を風刺しているように感じた。 「理解不明なことを怖がりつつも受け入れて進むことが大事」が本書のキーメッセージだと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何をどう描いているのか描きたいのか、何を伝えたいのか、主人公の未名子は一体何をしたいのか、結局なんだったんだろう?と、話の内容が理解できない上に、盛り上がりもないまま終わってしまいました。 未名子は自分の合っていると思った仕事をいきなり辞め、宮古馬をガマに移動させ、そして馬に乗って町を歩いて、一体何をしたかったをんだろう?どう生きていくつもりになったんだろう?そもそもこの宮古馬は、何故迷い混んだんだろう、何のためだったんだろう?この馬を登場させる意味もわからなかったし、全く理解不能だった。 その突然辞めた、オンライン通話でクイズを出題するという仕事も、不思議過ぎて想像しずらいし、1冊の小説・物語の上で、何を意味したかったのだろう? 文章は難しくないのに1つ1つがめちゃくちゃわかりにくい。それが芥川賞作品ってこと? この作品が特有なのか、芥川賞作品はこんな感じなのか? ともあれこの作品を理解できる読解力は私にはなかった。
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主人公の未名子は沖縄に住み、奇妙な仕事を2つしている。 1つは私設資料館の資料の記録保管。1つはインターネットを通じたクイズの出題。 いずれも正式な仕事というよりは、アルバイト的な仕事である。 私設資料館は、民俗学者を長く続けていた女性が、最後の研究対象として沖縄を選び、建てたも...
主人公の未名子は沖縄に住み、奇妙な仕事を2つしている。 1つは私設資料館の資料の記録保管。1つはインターネットを通じたクイズの出題。 いずれも正式な仕事というよりは、アルバイト的な仕事である。 私設資料館は、民俗学者を長く続けていた女性が、最後の研究対象として沖縄を選び、建てたものだった。未名子は、不登校がちだった10代の頃から、なぜかこの施設に魅かれ、通ってきてはインデックスの整理にいそしんでいた。 クイズの出題の仕事は、「オペレーター」として募集されていたもので、世界のどこかにいる誰かを回答者として、3つの言葉から1つの答えを導いてもらう形式だった。いずれの回答者も日本語は堪能だったが日本人ではなく、素性はよくわからない。このクイズがどのような目的でなされているのかも不明だったが、未名子にはあまり気にならなかった。 孤独な彼女はどちらの仕事にも向いていた。 ある朝、未名子の家の庭に、突然、1頭の馬が現れる。それは、今は途絶えた琉球競馬に使われる「宮古馬(ナークー)」だった。突然現れた大動物に戸惑い、一度は駐在所に届けたものの、未名子はやはりこの馬を飼うことに決める。名前はヒコーキ。琉球競馬の名馬にちなんだ名である。 時を同じくして、資料館の館長の女性が病に倒れ、未名子の人生に、大きな転機が訪れようとしていた。 いささかふわふわとした物語の中に、港川人、「ソテツ地獄」、「鉄の雨」と沖縄の歴史が散りばめられる。インターネットの向こう側には、クイズの回答者たちの人生がちらつく。あるいは宇宙飛行士になる夢を絶たれ、あるいは家族との深い断絶を抱え、あるいは戦地のシェルターで暮らす。彼らの人生にもまた、未名子とは異なるが、どこか似通った孤独が滲む。 豊かさを内包する物語ではあるが、瑕疵を挙げるとすれば沖縄の歴史に対する視線がどこか第三者的であることだ。もちろん史料には多くあたってはいるのだろうが、個々の出来事の描写は、通り一遍であまり厚みが感じられない。その「薄さ」は、沖縄に生まれ育ったはずの未名子の視線というよりも、沖縄在住ではない著者自身の視線を感じさせてしまう。 地域に根差した歴史と、インターネットが象徴するグローバルな観点との絡みがいまひとつ心に響いてこないのも、そのあたりに理由があるのではないだろうか。 宮古馬とともに、未名子は人生の別のステージへと踏み出す。 生きづらさを抱えた1人の女の子が、ささやかではあるが、ささやかであるがゆえの「価値」を見つける幕切れである。 ある意味、彼女自身は物語の主人公にはならない。彼女は自らの役目を”物語の記録者”だと自覚する。 その役割はごくごく小さいのだけれども、伝説の馬にまたがるその姿は、どこか壮大なファンタジーの主人公のようにも見えてくる。
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読んでいても読み進めるのが難しく 私には高山先生の感性がないのだと思う。 未名子の様に、潔くスッとした生き方ができればとは思う。 その部分は羨ましいが、文章が入ってこないの 何でだろう…
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芥川賞受賞作で、同じ富山の作家さんということで、買ってみましたが、いまいち何を伝えたいのか分かりませんでした。特に前半…もうちょっとグッっとくるものを詰めてくれたらなぁと…なんかぼんやりとしか伝わらなかった…私の理解力が、無かったのだろうが、これで芥川賞なのかと少し残念
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沖縄の郷土資料館で収集物を撮影する仕事を持つ未名子。世界各地、異国の人間にオンラインでクイズを出す仕事もしている。台風の次の朝に庭にうずくまっていた馬の世話を始める。第163回 芥川賞受賞作。 沖縄の過去、未名子やクイズに答える人の過去、未名子を通じて共有される。写真に撮られず記...
沖縄の郷土資料館で収集物を撮影する仕事を持つ未名子。世界各地、異国の人間にオンラインでクイズを出す仕事もしている。台風の次の朝に庭にうずくまっていた馬の世話を始める。第163回 芥川賞受賞作。 沖縄の過去、未名子やクイズに答える人の過去、未名子を通じて共有される。写真に撮られず記録に残らない過去の出来事、個人が経験した出来事、小さなことかもしれないけれど、どれもそれはあったことで、個人を世界を支えたもの。だれも知らないまま終わること、でもそれを守ろうとする未名子、過去から現在、未来へと繋がっているもので、できる限り、残しておきたいんだろうな。 またしても不思議な世界に入り込んだような感じ。
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浅い読み方しかできていないと思いつつ、全体的にいろんな要素が散りばめられ、それらがいまいち纏まることなく終わってしまった気がする。 もう少し要素を削いでわかりやすくしたほうが良かった。
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未名子(みなこ)は、沖縄県浦添市の港川外人住宅街にある資料館で資料整理をしながら、定められた時間、遠方にいる登録された解答者にクイズを読み、答えさせる仕事をしている。孤独な生活を送っている。資料館では研究者の順(より)さんとその娘の途(みち)さんがいる。誰の助けにもならず孤独に生...
未名子(みなこ)は、沖縄県浦添市の港川外人住宅街にある資料館で資料整理をしながら、定められた時間、遠方にいる登録された解答者にクイズを読み、答えさせる仕事をしている。孤独な生活を送っている。資料館では研究者の順(より)さんとその娘の途(みち)さんがいる。誰の助けにもならず孤独に生きている。また、クイズを出す仕事のお客さんであるヴァンダとポーラとギバノは客観的には幸せな国の国民だったり良家の家柄だったりするのだが、中身は孤独である。そして知識をためようとしているのも共通点だ。 ある日、未名子の庭先に1頭の宮古馬(ナーター)が迷い込んだ。その馬(ヒコーキという名前を付けた)は、一時的に動物園で保護されるが、未名子がこっそりと連れ出してしまった。ガマ(洞窟)に馬を放したが、結局、未名子が飼うような形となった。この馬が意味するものは何だろう。孤独の象徴か。でも未名子とはよい関係を保っている。依存関係にもない。 馬に乗る未名子は孤独をうまくコントロールする姿なのだろうか。ギバノらの知識で馬を連れ出し、乗れるようになったことは、知識は孤独を解消するということだろうか。沖縄の悲哀が形になったのが馬のヒコーキという存在なのだろうか。孤独の中にあるつながりを表現しているのだろうか。
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不思議な内容の小説ではあるが、沖縄の歴史がそこかしこに感じられ、今、芥川賞を受賞したことがいみのあることのような気がする。
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