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首里の馬 の商品レビュー

3.4

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

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2020/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

破局を読んだ直後だったので、面白くなかったらすぐやめようと思っていたのにあっという間に読み進めていた。タイトル通り舞台は沖縄の一地区だけどグローバルどころかもっと広がる。馬との関わりをもう少し読みたかった。でもウェブカメラのくだりなんかはワクワクさせられた。

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2020/09/17

孤独というのではないが閉じられたような世界の中で繋がりを求める人たちの,息遣いを楽しむような人間関係のあわいを描いたような物語.その中で語られるクイズの解答者の人生がまた興味深い.物語も文章もとても好きです.

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2020/09/14

こよくもこんな仕事思いつくなぁ、という感想。作家としてのアンテナがあるからこそ、人が思いつかないような作品が書けるのでしょうね。主人公が記録(沖縄私的資料館)に関わるボランティアと世界のどこかと繋がるクイズが対照的です。図らずもコロナ禍でのリモート会議時代にマッチしています。そし...

こよくもこんな仕事思いつくなぁ、という感想。作家としてのアンテナがあるからこそ、人が思いつかないような作品が書けるのでしょうね。主人公が記録(沖縄私的資料館)に関わるボランティアと世界のどこかと繋がるクイズが対照的です。図らずもコロナ禍でのリモート会議時代にマッチしています。そして馬。

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2020/09/10

順さんの私的「沖縄及島嶼資料館」と未名子 資料をスマホで撮りファイリング  「孤独な業務従事者への定期的な通信による精神的ケアと知性の共有」   クイズ問題をPCの向こうの相手に出し、正解を答える オペレータの仕事   閉塞な空間 庭に現れた宮古馬 ヒコーキと名付けた 沖縄の歴史...

順さんの私的「沖縄及島嶼資料館」と未名子 資料をスマホで撮りファイリング  「孤独な業務従事者への定期的な通信による精神的ケアと知性の共有」   クイズ問題をPCの向こうの相手に出し、正解を答える オペレータの仕事   閉塞な空間 庭に現れた宮古馬 ヒコーキと名付けた 沖縄の歴史 順さんの死 資料館の破壊 ヒコーキに乗って

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2020/09/05

第163回芥川賞受賞作品。 沖縄県のとある資料館。 世界の繋がりがクイズ。 突然家に現れた宮古馬。 その馬に名付けたヒコーキという名前。 クイズの解答者3人に残した謎の3語。 「にくじゃが」 「まよう」「からし」 未名子が記録した資料館の情報。 骨、SDカード。 考えても迷宮...

第163回芥川賞受賞作品。 沖縄県のとある資料館。 世界の繋がりがクイズ。 突然家に現れた宮古馬。 その馬に名付けたヒコーキという名前。 クイズの解答者3人に残した謎の3語。 「にくじゃが」 「まよう」「からし」 未名子が記録した資料館の情報。 骨、SDカード。 考えても迷宮入りする どういう意味なんだろう… 忘れ去られてしまう記録は全く役に立たないものもあるだろうが、ふとしたときに役に立つものもあるだろう。 過去の情報を未名子は集め続ける。 順さんも資料館も過去のものになっても。 この話は孤独な人たちの集まりであり、確かに宮古馬が孤独の象徴だったなぁ(文藝春秋にて吉田修一さんの選評を読んで)。 なんだか、この文章の雰囲気、 村上春樹に似ている気がした。 難解だけど、それが読んでいて心地よいというか別世界に連れて行かれるような浮遊感を覚える。 いろんな方々の解釈を読んで謎を解いていこうと思う。 読めば読むほど深みが出そう。

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2020/09/05

タイトルから沖縄をテーマにした小説だとわかるが、沖縄のとある建物の持ち主の変遷から物語が始まり、中盤過ぎまで何を訴求したいのか不透明なまま進行する。 主人公の未名子は、判でおしたような決まり切った生活を続けていく過程で、あるきっかけから特異な仕事につく。ネットを通したクイズの仕事...

タイトルから沖縄をテーマにした小説だとわかるが、沖縄のとある建物の持ち主の変遷から物語が始まり、中盤過ぎまで何を訴求したいのか不透明なまま進行する。 主人公の未名子は、判でおしたような決まり切った生活を続けていく過程で、あるきっかけから特異な仕事につく。ネットを通したクイズの仕事、出題者として回答者と対面で向き合う。謎めいた設定のもと、回答者の素性が次第に明らかにされるが、主人公と同じような孤独な環境に甘んじている人々。作品全体が奇妙な感覚の浮遊感に包まれ、結末への不透明感が高まる。 そんな中、台風一過とともに突然庭に出現した馬との出会い。主人公の抱える閉塞感に変化をもたらし、新たな生き方への希望が見えてくる。沖縄が被った悲惨な歴史の残滓が暗黙知として浮き彫りになると同時に、過去の歴史を未来に継承する思いが込められている。

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2020/09/11

人づきあいの苦手な主人公は けして一般的な意味での幸福な人生を送ってきたわけではないが それでも郷土(沖縄)を愛する心のようなものは持っていた それは、不登校の自分を受け入れてくれたのが 近所にある郷土資料館だけ、という事情からくるものである 必ずしも他人と共有できる感情は伴わな...

人づきあいの苦手な主人公は けして一般的な意味での幸福な人生を送ってきたわけではないが それでも郷土(沖縄)を愛する心のようなものは持っていた それは、不登校の自分を受け入れてくれたのが 近所にある郷土資料館だけ、という事情からくるものである 必ずしも他人と共有できる感情は伴わない 当然、政治的になることもないだろう 例えば彼女は、自らの不遇さを歴史に結びつけることはしないし また歴史が闇に埋もれていくことを恐れたりもしない せいぜい、肉じゃがに豚を入れるか牛を入れるか 芥子といってペーストを出すか菜っ葉を出すか といった程度の悩みがあるぐらいだ そういう共感性の低さは むしろバランス感覚と呼ぶべきものである しかしひょっとするとそれが 同級生から変人扱いされる原因にはなったかもしれない 面倒なことに どっちつかずが他人を不安にさせることはある で、これはそんな彼女が 奇妙な仕事を通じての体験を得たり また一頭の馬と出会ったりすることで 生きていくことの恐怖を克服していく話なんである 将来の展望はあまり見えないけど この馬が、いい男との出会いのきっかけにでもなってくれたら

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2020/09/03

物語の前半、人付き合いが苦手で孤独と閉塞感を抱えた未名子が『沖縄及島嶼資料館』で資料の整理をし、ネットを通じてクイズを出す『問読者』の仕事をする姿が淡々と描かれている。 クイズの回答者も、それぞれの事情により閉塞された空間で孤独を抱えている。(その事情は後半に明かされるのだが) ...

物語の前半、人付き合いが苦手で孤独と閉塞感を抱えた未名子が『沖縄及島嶼資料館』で資料の整理をし、ネットを通じてクイズを出す『問読者』の仕事をする姿が淡々と描かれている。 クイズの回答者も、それぞれの事情により閉塞された空間で孤独を抱えている。(その事情は後半に明かされるのだが) ある台風の日に、庭に馬が迷い込んだことで未名子の気持ちが動き出す。 その馬は『宮古馬』 よる琉球競馬は、失われた琉球の文化であり、その衰退は琉球の歴史そのものだ。 沖縄の文化は細切れだという。頻繁に襲う台風により、琉球処分により、沖縄県の爆弾により破壊され続けた。 沖縄の文化の記録を残さなければと未名子は思う。その思いが未名子の背中を強く押したのだろう。 『首里の馬』執筆中に首里城炎上の惨事が起きたそうだ。(このことは、物語では触れていないが) 「景色が大きく変わってしまって、元の状態がわからなくなったときに、この情報がみんなの指針になるかもしれない。この資料が誰かの困難を救うかもしれない」の文には、首里城の惨事を彷彿とさせる。 記録を残すことで未来の誰かと繋がる。そんな繋がりもあることに未名子は思い至る。 抱えていた孤独と閉塞感から解放されていくラストがあたたかい。

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2020/08/30

タイトルから歴史小説と思って読んだら、違うかった。 不穏な仕事から、スパイ小説か推理小説かと思い始めたら、やはり違うかった。 沖縄戦のこと、琉球のことを思う。 どこかで、孤独と暮らしている人のことを思う。 いくつか謎が謎解きされないままなのだけど、謎のままのほうがよいなと思っ...

タイトルから歴史小説と思って読んだら、違うかった。 不穏な仕事から、スパイ小説か推理小説かと思い始めたら、やはり違うかった。 沖縄戦のこと、琉球のことを思う。 どこかで、孤独と暮らしている人のことを思う。 いくつか謎が謎解きされないままなのだけど、謎のままのほうがよいなと思ったり。 不思議な雰囲気を持つ小説。

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2020/09/16

中学生のころkら沖縄の郷土資料館の資料整理を 手伝う未名子は、世界の果ての遠く隔たった 場所にいる人たちにオンライン通話でクイズを 出題するオペレーター。ある台風の夜、庭に 迷い込んできたのは…。

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