首里の馬 の商品レビュー
最近の芥川賞が、なんだか「内面描写のための社会」を描く、いや逆か、「社会の中の個人的内面の危機」を描くのほうがいいか、というふうな作品が多くて、ちょっとウンザリしていたのですが、これは違いました。 ただ、完成度というか、小説の結構というか、に少し難があるんじゃないでしょうか。...
最近の芥川賞が、なんだか「内面描写のための社会」を描く、いや逆か、「社会の中の個人的内面の危機」を描くのほうがいいか、というふうな作品が多くて、ちょっとウンザリしていたのですが、これは違いました。 ただ、完成度というか、小説の結構というか、に少し難があるんじゃないでしょうか。主人公の庭に突如現れた「首里の馬」が、小説としての存在感は確かにあるのですが、やはり、あまりに唐突過ぎて困りました。 もっとも読み終えて、時間がたってみると、宮古馬に乗っている主人公の姿しか思い浮かばないわけで、しかも、それが読後の好印象を支えているわけで、まあ、困った作品でした。 感想をブログに書きました。読んでみてください。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202012250000/
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孤独感に苛まれている未名子は物理的に孤独である顧客とクイズを通して緩い繋がりと沖縄の資料の整理が暮らしの楽しみであろう。そんな中宮古馬が現れ、その話をすることで未知の人達との繋がりが強まっていく。琉球競馬は資本主義のアンチテーゼの様な感じでいい表現だと思った。 彼女は資料館を...
孤独感に苛まれている未名子は物理的に孤独である顧客とクイズを通して緩い繋がりと沖縄の資料の整理が暮らしの楽しみであろう。そんな中宮古馬が現れ、その話をすることで未知の人達との繋がりが強まっていく。琉球競馬は資本主義のアンチテーゼの様な感じでいい表現だと思った。 彼女は資料館を失うと同時に仕事も自ら辞めてしまう。それでも、ヒコウキ(馬)を通じて深まった顧客達と資料のデータを守っていくことを選んだ。彼女は自分なりの使命を見つけたのだろう。 社会の人達は資料を集めている彼女らを不気味な存在だと捉えるが、宮古馬に乗っている彼女を振り返えって見るものはそんなにいない。世間の基準なんて曖昧でトンチカンな基準なのだ。 未名子は「命と引き換えにして引き継ぐ、のではなく、長生きして守る。」という、重くもなくゆるくもないそんな面持ちで今後も生きていくのだろう。
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- ネタバレ
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一気に読めるんだけどね~未名子は本土から来た資料館の館長に惹かれて中学時代から資料館で資料整理を手伝っているが、オンライン通話でクイズを出題するオペレーターもしているが、3人が3人とも孤独で退屈を持て余している外国人だ。双子台風の合間に宮古馬が庭にやってきて、家に入れ、仕方なくて警察に預け、自然公園で迷子馬として飼われているが、館長の死をきっかけに、その馬に乗ってみたいと思うようになり、仕事を辞めて、ガマに移動し、練習を始めた~ウーン、よく分からない。回りくどいね、特に最初は
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芥川賞受賞作らしくストーリー性を排して観念的な作品となっている。パソコン通信も馬の登場もメタファーだったのだろうか、今世界で起こっている数々の矛盾を提起しているようだが、それを今の人類はどうしようもなく絶望だけが残った作品だった、若干村上春樹を読んだような気になった。
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沖縄の歴史、馬の話や、ネット、グローバル、社会とのコミュニケーションの難しさなどの現代の様々なことについての内容になっているが、ストーリーなど凡人の私には理解しづらい本でした。
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島の歴史を集めること。台風と戦争による不連続な人々の記憶。記憶を収集した人の死。宇宙、深海。知識の集積とパズル、人々の繋がり。 現実にありそうで、現実離れした設定が所々に出てくることで、面白さと「知識」に深みが生まれる。主人公が知識の通り道としてしか存在せず、もっと主体的で、知識...
島の歴史を集めること。台風と戦争による不連続な人々の記憶。記憶を収集した人の死。宇宙、深海。知識の集積とパズル、人々の繋がり。 現実にありそうで、現実離れした設定が所々に出てくることで、面白さと「知識」に深みが生まれる。主人公が知識の通り道としてしか存在せず、もっと主体的で、知識を集め考えるタイプの人間だったらよかった。
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今年のコロナ禍の中、夏休みに北海道札幌に旅行を行い 札幌の丸善でこの本を購入。 11月の連休にGOTOをつかって沖縄に旅行 その際にちょうど読んでいて・・・ ちょっとした用があって、首里や湊川の当たりを 散策したのもあり。。 ちょっと難解な内容でしたが。 なんとなく情景が浮かび、...
今年のコロナ禍の中、夏休みに北海道札幌に旅行を行い 札幌の丸善でこの本を購入。 11月の連休にGOTOをつかって沖縄に旅行 その際にちょうど読んでいて・・・ ちょっとした用があって、首里や湊川の当たりを 散策したのもあり。。 ちょっと難解な内容でしたが。 なんとなく情景が浮かび、心に残りました。 不肖の息子(自慢の息子)が将来博物館の 仕事がしたいと大学で学んでいることも 踏まえて、ちょっと心に残る作品でした。
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高山羽根子さんの本は初読。 今までに読んだ本のジャンルのどれとも違った。 沖縄という舞台の歴史が大きなテーマとなっていると同時に、 不思議な仕事、不思議な馬、そのどれもが絶妙に響きあっている。 どこか異世界を旅しているような感覚にもなる。
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ファンタジー要素がある、ちょっぴり不思議な話。 孤独な主人公が、クイズを通して、人々と関わっていく様子が描かれていて、沖縄のことをもっと知りたいと思った。
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なかなか不思議なはなし、深い、難しいー 沖縄っていう土地性 だれも知ろうとしない情報をあつめた資料館 オンラインクイズの怪しい仕事 なんだこのクイズって。。 孤独と断絶 宮古馬 ヒコーキ アーカイブ性、知識、情報の蓄積と共有 「いつか役に立つ」ための情報収集?
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