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首里の馬 の商品レビュー

3.4

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    10

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2020/08/10

第163回芥川賞受賞作。沖縄を舞台に、なんだかよくわからない仕事をしている未名子が、迷い馬を拾うという話。沖縄が日本でありながら日本ではなかった時代、未名子がネットでつながる世界のどこかで孤独な仕事をしている外国人たち、そしているはずのない場所にいた馬……。もしかしたら、“自分が...

第163回芥川賞受賞作。沖縄を舞台に、なんだかよくわからない仕事をしている未名子が、迷い馬を拾うという話。沖縄が日本でありながら日本ではなかった時代、未名子がネットでつながる世界のどこかで孤独な仕事をしている外国人たち、そしているはずのない場所にいた馬……。もしかしたら、“自分がいるべき場所”がテーマなんだろうか? 最初から最後まで内容に入っていけず、上滑りしているような感覚だった。もしかしたらぼくは、沖縄との相性が悪いのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

静かな本でした。 高山さんの本は初めて読んだのですが、他の本も手に取ってみたいと思いました。 資料館の整理を手伝う主人公の、世界の果てに生きる人たちにクイズを出題するという仕事、台風の夜に庭に迷い込んでくる宮古馬、、、 設定としてはぶっ飛んでいるけれど、読みやすかったです。 ちょうど8月なのも相まって、歴史とか資料とか戦争とかについて考えさせられました。 最後のクイズの答えが気になります。

Posted byブクログ

2020/08/08

孤独とつながり。断絶と連結。 すごくゆったりとした空気感で進んでいく物語で、掴みどころのない読後感が残るけど、「ものすごく分かる」わけでもなく「全然わからない」わけでもない。深ーいっていいたいけどそこまで読み解けた訳でもなく、文学って感じ。 (なんだこの感想は。) 通信で繋がる彼...

孤独とつながり。断絶と連結。 すごくゆったりとした空気感で進んでいく物語で、掴みどころのない読後感が残るけど、「ものすごく分かる」わけでもなく「全然わからない」わけでもない。深ーいっていいたいけどそこまで読み解けた訳でもなく、文学って感じ。 (なんだこの感想は。) 通信で繋がる彼らと最後に交わしたクイズの意味か、いつかわかればいいな。 良い本でした。

Posted byブクログ

2020/08/07

「首里の馬」 高山羽根子(著) 2020 7/25 発行 (株)新潮社 2020 8/7 読了 ふわふわした夢の中のような情景は 沖縄の歴史と結びついた瞬間に現実の世界に入って行く。 人間の主義主張のなんと愚かな事だろう。 全ては時間の狭間の一瞬の出来事で その意味は知...

「首里の馬」 高山羽根子(著) 2020 7/25 発行 (株)新潮社 2020 8/7 読了 ふわふわした夢の中のような情景は 沖縄の歴史と結びついた瞬間に現実の世界に入って行く。 人間の主義主張のなんと愚かな事だろう。 全ては時間の狭間の一瞬の出来事で その意味は知った時にそれぞれがすれば良い。 クイズの答えは その内、気付ければ良いなぁ。 第163回 芥川賞受賞作

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2020/08/04

孤独こそ生きる力だろうか。 この物語の主人公たちは皆、社会や集団、或いは国家からの断絶を抱えている。 さらに多くの無知、無教養、反知性が主人公たちを取り巻く。 アイデンティティの拡散状態であると言ってもいいかもしれない。 思えば沖縄という土地も葛藤に満ちたアイデンティティ...

孤独こそ生きる力だろうか。 この物語の主人公たちは皆、社会や集団、或いは国家からの断絶を抱えている。 さらに多くの無知、無教養、反知性が主人公たちを取り巻く。 アイデンティティの拡散状態であると言ってもいいかもしれない。 思えば沖縄という土地も葛藤に満ちたアイデンティティだろうと思う。 そしてその葛藤を与え続けているのは私も含む多くの日本人であって、しかし根本的な解決を目指すには意志も信頼も環境も国際関係もなにもかもが足りない。 この物語は沖縄の葛藤が主役ではない。しかし、沖縄だからこそ描かれうる重要な舞台装置でもあることがひしひしと伝わってくる。 アイデンティティが拡散しているからこそ、それを発見・再発見するために記憶が必要となる。 その記憶は史料や知識といった具体物から浮かび上がる。 主人公が多くの時間を過ごした資料館然り。 そして資料館の開設者たる順もまた、戦後という日本のアイデンティティが曖昧となった時代の女性であり、彼女自身のアイデンティティも多くの危機に見舞われていたことが読み取れる。 主人公の未名子も、彼女自身のことが語られることが極端に少ない。もはや皆無と言っても差し支えないのではないか。 従って彼女自身の自我同一性即ちアイデンティティも空虚だ。 これでどうして主人公に感情移入できよう。 しかし、孤独に生きて、拡散したアイデンティティのままに、それは空虚な存在であるからこの物語の重要な存在だ。 そして、沖縄古来馬。 馬好きとしてはもう少しお馬さんや馬具(頭絡とか)の描写が曖昧だったのが残念ではある。そもそもお馬さんは身体を横たえることはほとんどないし、体高の低い古来馬に鎧もなく馬術未経験者がスルッと乗れる筈がないのだが、そんなのはこの物語をなんら毀損するものではない。 未名子が得たはじめての友人、相棒、ピア、そしてアイデンティティなのかもしれない。 アイデンティティを得て、物語が始まりそうな予感の中、物語が終わる。 しかしそれは唐突だったり、不完全燃焼な物語である訳ではない。 未だに名のない子が、アイデンティティを得たという大団円であるように、心が飛翔する。

Posted byブクログ

2020/08/01

連続と断絶、様々な断絶を含みつつも世の中は連続的に存在する。いや、断絶は連続の中に存在するからこそ断絶なのであって単独で存在した場合、それは一つの事実であって断絶にはなり得ないのか。 断絶にも様々な形がある。政治的な事や重過ぎる愛、人質。戦争や台風による強制的な断絶、自ら望んだ...

連続と断絶、様々な断絶を含みつつも世の中は連続的に存在する。いや、断絶は連続の中に存在するからこそ断絶なのであって単独で存在した場合、それは一つの事実であって断絶にはなり得ないのか。 断絶にも様々な形がある。政治的な事や重過ぎる愛、人質。戦争や台風による強制的な断絶、自ら望んだ断絶、さらには理解できないものへの拒絶。 この物語で語られるのは、様々な断絶とそれを乗り越える力。そもそも完全な断絶なんてありえないという気付きから決意を持って自分で未来に向かって歩き出すヒコーキに乗った未名子の姿が清々しい。 舞台の沖縄はまさに断絶と連続の歴史を象徴する存在。テーマから舞台を選んだというよりも、沖縄からテーマを切り出したのだろうと思われるくらいに物語の内容に寄り添い、程よい演出となっている。 全体的に静かで派手さはないが、純文学らしい深みを感じるいい作品でした。

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2020/07/30

受賞作ということで読みました。面白く読みましたが、これからというところで終わってしまうような読後感。(話自体は完結してるのですが、これから面白くなりそうな感じでした。)次の作品が楽しみな作家さんでした。

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2020/07/27

"真実はその瞬間から過去のものになる。ただそれであっても、ある時点でだけ真実だとされている事柄が、情報として必要になる日が来ないとだれがいい切れるんだろう"

Posted byブクログ