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老人と海 の商品レビュー

3.8

305件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    1

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2022/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不漁続きの中、小さな船で独り沖合に漁に出た老人と、巨大なカジキやサメとの壮絶なバトルの話。 私は海が苦手だ。浅瀬で散歩や少し泳ぐくらいならまだしも、泳いでる魚が小さくても怖いのでシュノーケリングもできない。海の生物や自然の描写が生々しくて想像するだけで恐怖。カジキに振り回されてる時間やサメがいつ襲ってくるかもしれない不安の中、飛んできた鳥に話しかけたり独り言で老人も恐怖や孤独を紛らわしていたのだろうかと思う。"毎日があたらしい日"で"人間は負けるように造られていない"と信じて。 でも私は夢派。やっぱり夢だったんじゃないかと思う…。

Posted byブクログ

2022/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

巨大カジキに引かれて、どんどん沖合に出て行ってしまったサンチアゴの手や体が悲鳴を上げている様子やせっかく獲った魚を残酷にも喰われてしまう様子など、海の厳しさ、容赦のなさがひしひしと感じられる。 どんなに辛くとも、絶対に諦めない彼の姿からは漁師としての誇りの高さを感じずにはいられない。極限の状況でも屈しない姿には、生命の力強さ、美しさが秘められているように思う。人間も自然の一部であることを思い出させてくれる。 ところどころ出てくる老人の沈み込むような弱音が、気を取り直す部分をよりくっきりと浮かび上がらせていて、老人の思考もまるで海の波のようだと思った。 彼の思う海「ラマール」の生き物たち、鳥やイルカやカジキにかける言葉からは、彼が海を愛していることが伝わってくる。 どんなに酷い仕打ちを受けても、彼が海を憎んだり見放したりすることをせずに信じ続けるのは、やはり彼が海に対して深い愛を持っているからだと思った。 始めは恐ろしい巨大魚だったカジキが、いよいよ捕らえるという部分では、読者の私たちにとっても、もはや戦友としての特別なカジキになっている。そんなところもこの物語の魅力なのだと思う。 初めから終わりまで、穏やかな波の音、魚が跳ねる激しい波音などが、耳の近くで感じられる。 自分にとっての海とは、自然とは、どんな存在か。「ラマール」なのか、「エルマール」なのか、とれとももっと別の何かなのか、じっくりと考えてみたくなる。

Posted byブクログ

2022/08/27

書評より ・個性というのは、過去の特殊な環境(経験)の積み重なりの結果である。 ・現実世界では、各人の個性をそれぞれの行動という指標でしか測ることが出来ないが、小説の中では描写で感じるとることが出来る。感じ取れたその個性が自分と重なる部分があればある程、主人公もしくは著者に共感す...

書評より ・個性というのは、過去の特殊な環境(経験)の積み重なりの結果である。 ・現実世界では、各人の個性をそれぞれの行動という指標でしか測ることが出来ないが、小説の中では描写で感じるとることが出来る。感じ取れたその個性が自分と重なる部分があればある程、主人公もしくは著者に共感するもの。

Posted byブクログ

2022/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学生の頃に授業で出て読んだような読んでないような曖昧な記憶でした。 大人になって読んでみると色んなことを感じ取れました。 少年マノーリンの老人サンチアゴに対する優しさが滲み出てました。 本当にいい奴です。 老人サンチアゴは海を愛しており 老人の頭の中で海は一貫して「ラ・マール」だった。スペイン語で海を女性扱いしてそう呼ぶのが、海を愛する者の慣わしだった。 老人はいつも海を女性と捉えていた。大きな恵みを与えてくれたり、出し惜しみしたりする存在ととらえていた。ときに海が荒れたり邪険に振舞ったりしても、それは海の本然というものなのだ。海も月の影響を受けるんだろう、人間の女と同じように。老人はそう思っていた。 この思いがあるから84日間不漁でも、3度の日の出を迎えるカジキとの死闘でも屈しない精神があったのではないでしょうか。 幾度もサメに襲われカジキをほとんど食いちぎられてしまいましたが、サンチアゴは誇り、強さ、優しさをラマールから与えられたのだと思います。

Posted byブクログ

2022/08/25

息つく暇もないほど次々と襲いかかってくる展開で、一気に読めた。 老人が大魚やサメと格闘する姿に、人間の真の力強さを感じた。 海に詳しくなくても、読んでいると潮の匂いや魚の匂いがありありと感じられる。 そして長年漁師をしてきた老人の、海や魚、自然に対する敬愛が伝わってくる。 老人と...

息つく暇もないほど次々と襲いかかってくる展開で、一気に読めた。 老人が大魚やサメと格闘する姿に、人間の真の力強さを感じた。 海に詳しくなくても、読んでいると潮の匂いや魚の匂いがありありと感じられる。 そして長年漁師をしてきた老人の、海や魚、自然に対する敬愛が伝わってくる。 老人と少年の絆も、良かった。 人間、ボロボロになっても、これ以上ムリって思っても、そこから何度でも這い上がれる根性を持つことができるんだ。

Posted byブクログ

2022/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わたしには良さがあんまりわからんかった… 悪くはないけど普通…? でも、ラストのこの話は現実?それとも…というオチは好き。

Posted byブクログ

2022/08/15

初めてヘミングウェイの小説を読んだ。 情景描写が素晴らしく、老人とその相棒、そして海の姿をありありと感受しながら読み進められた。 大魚とサンチアゴの闘いが本書の大半を占めるが、その構成の大胆さにも驚かされたし、何度も繰り返されるサンチアゴの独白が作品としての幅を広げていて、とても...

初めてヘミングウェイの小説を読んだ。 情景描写が素晴らしく、老人とその相棒、そして海の姿をありありと感受しながら読み進められた。 大魚とサンチアゴの闘いが本書の大半を占めるが、その構成の大胆さにも驚かされたし、何度も繰り返されるサンチアゴの独白が作品としての幅を広げていて、とても面白く読めた。 作品上、大半を海で過ごす老人サンチアゴの人となりがこれだけ読み手に伝わってくるのは、やはりヘミングウェイの手腕のなす技なんだと思う。 和訳も素晴らしかった。

Posted byブクログ

2022/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミニマルで乾いた文体はかなり好み。一文一文が冗長にならないのに描写の解像度が段違い。エピソード自体は簡潔でそれ故に寓話性に富む。 文字通りの死闘を繰り広げて釣り上げたカジキマグロがサメとの争いの中で無惨にも食いちぎられ、最後には頭と背骨がかろうじて残るあられもない姿に。まるで人生そのものみたいな物語だ。 苦境に立たされた時にどう振る舞うかにその人の本質が現れる。勝ち目のない相手にもファイティングポーズは絶対に崩さないことが人間の品格なんだ。 この本が伝えているのは諦めなければきっと勝てるなんていう安っぽいメッセージではない。結果、惨敗したとしてもというかむしろ惨敗することばかりの人生の中でどう振る舞うかを教えてくれるのがこの作品だ。 スケールの大小こそあれ、今後の人生で苦境に立たされたら何度も本作を読み返したい。

Posted byブクログ

2022/08/07

ずっと読んでみたかった「老人と海」。 あるきっかけでちゃんと読んでみたいと思い、 素敵な装丁だったので購入してみました…。 1952年に出版された作品、 それが70年経った今も評価されているってすごい。 度々出てくる少年の存在感。 タイトルは"老人"と&quo...

ずっと読んでみたかった「老人と海」。 あるきっかけでちゃんと読んでみたいと思い、 素敵な装丁だったので購入してみました…。 1952年に出版された作品、 それが70年経った今も評価されているってすごい。 度々出てくる少年の存在感。 タイトルは"老人"と"海"だけど、 そこにいない"少年"の存在も おじいさんを強くしたんですねー。 自分との対話、サメとの闘い、 ボロボロになっても誇りを持って帰還する カッコ良すぎる老人…! 文章は淡々としてますがなかなかに生を感じて、 こ、これぞヘミングウェイか…!と読み終えました。

Posted byブクログ

2022/08/07

高見浩さん翻訳の老人と海を読了。福田恆存さんのも読んだけどこちらも読みやすくて良かった。 ツキに見放され、痩せこけた老人、でも目だけはまだ死んでなかった。老人と巨大カジキとの一騎打ち、サメとの格闘、孤独な海での闘いは人生を物語っているかのようでした。何度読んでも勇気がもらえる作品...

高見浩さん翻訳の老人と海を読了。福田恆存さんのも読んだけどこちらも読みやすくて良かった。 ツキに見放され、痩せこけた老人、でも目だけはまだ死んでなかった。老人と巨大カジキとの一騎打ち、サメとの格闘、孤独な海での闘いは人生を物語っているかのようでした。何度読んでも勇気がもらえる作品。

Posted byブクログ