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老人と海 の商品レビュー

3.8

305件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

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2022/10/18

章立てもなく、短いお話なので勢いで読んだ。 老人がとてもかっこいい。 このお話が何を象徴しているか、とか、老人と作者が重なるのか、とかじゃなく、解説にあるように、魚は魚として、老人は老人として、海は海として、そのままにこの世界を体験するのが良い気がする。

Posted byブクログ

2022/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

情景描写が素晴らしい。 今までの人生の中で、海や漁に触れてきた事はあまりなく、知識もほとんどなかったので、序盤はダラけてしまったが、諦めずに読んでいくうちに、老人の言動を一つ一つリアルとしてイメージする事が楽しくなり、すっかり老人になりきって、【老人と海】の世界観に浸っていた。 波の音、潮の味、網の軋む音、体の傷みなどを体感できるような、想像力を掻き立たせてくれる言葉の表現力の凄さ。 個人的には、カジキを捕らえた後の話しが好み。 粘り強く、捕らえた宝【カジキ】を守る老人。 その老人の行動に、漁師としての在り方が全て詰まっている。 この瞬間を、少年にも味わってほしかった… 漁師生活で生きる老人の力強さや生命力、生き方。 そんな漁師である老人や漁に対して、強い憧れをもつ少年。 純真無垢で且つ、誠実さがいい。

Posted byブクログ

2022/09/28

良かったー。 なぜ老人が漁に出続けるのかという理由を探しながら読み進めていくのだけど、自分の中の結論がとてもシンプルなものに達した。序盤、中盤は自分の人生を変えようとしているからとか、老いに抗おうとしているからなのかとか、漁師に対する夢と憧れを持った子どもに良いところを見せたいと...

良かったー。 なぜ老人が漁に出続けるのかという理由を探しながら読み進めていくのだけど、自分の中の結論がとてもシンプルなものに達した。序盤、中盤は自分の人生を変えようとしているからとか、老いに抗おうとしているからなのかとか、漁師に対する夢と憧れを持った子どもに良いところを見せたいとかが理由なのかと思っていたが、読み終えてみて、海が好きで漁が好きだからなのではないかという結論に変わった。 諸々の表現から老人の海に対する、そして漁に対する敬意が読み取れる。「悠然と」とか「気品のある」とか。自分の人生を変えるために海を利用しているのではなく、自分の人生を変えてくれた海と共に生き、海と共に死ぬ覚悟決めたのだと感じた。 とても印象的だったのは、仕留めた魚を活かし続ける老人の姿勢。物理的に命は絶っているだけれど、何度もある仕留めた魚に語りかける表現により、海を敬い、魚に感謝しているのだと分かる。 老いていない、まだ先も長く、漁が大好きな少年に老人は自分を投影しているようにも思える。 老人が持っているものを託した未来ある少年が、老人が漁を終えて帰ってきた時に漁に出る前には出来ていなかった気を遣うという行為ができるようになっていたというのも感慨深い。身体的な衰えが訪れても精神は受け継ぐことができるし、若く未来のある人間はその精神を受け継いでさらに成長することができる。年齢的に老いた老人にもできることは残されているんだなと感じられるラストだった。 海が好きだから漁をし続けるし、漁にとてつもない愛情を注いでいるから漁に夢を抱く少年を大切に想っているのだ。人生の中心が漁にあるし、漁が人生。 だから、せめて自分の中で一番大切な漁に対する運だけは取り戻したかったんじゃないかな。そのための大勝負。大好きな漁の神様には一生愛されていたい気持ち。結局それも叶わなかったのだけど。 漁を好きでいるために漁で勝つ。かっこいい人生だ。

Posted byブクログ

2022/09/27

心理描写はすごく細かくて、 漁に関してもすごく細かいんだけど…3ポイント 私は海で育ったので、漁について、海について 想像するのは簡単だったんだけどなぁんかな〜 ヘミングウェイは何が言いたかったんだろう⁈ 海の雄大さ、歳をとること、漁とはなんぞや、 人との関わり…とか⁈ やっ...

心理描写はすごく細かくて、 漁に関してもすごく細かいんだけど…3ポイント 私は海で育ったので、漁について、海について 想像するのは簡単だったんだけどなぁんかな〜 ヘミングウェイは何が言いたかったんだろう⁈ 海の雄大さ、歳をとること、漁とはなんぞや、 人との関わり…とか⁈ やっぱり3ポイントだなぁ 名作なのに読んでない作品はたくさん でも今、読みたい本を読もう という訳で、 誰がために鐘は鳴るも読まずに終わりそうだ…

Posted byブクログ

2022/09/17

名作に触れたい、と思い読みました。 海の上にいる時の一人っきりの老人の描写が印象的です。誰も話す相手がいない中、大きな困難にぶつかった時、きっと人は心の中で自分を相手に会話をするのだろうな、そして困難を通じて自分を見るのだろう、と思いました。

Posted byブクログ

2022/09/07

大学の米文学を扱った授業で、ヘミングウェイの作品であるIndian Campを原文を読んだことがあり、今回は自主的にヘミングウェイの作品のなかでも有名な本書を手に取った。私が読んだ本書の訳者である福田恆存のあとがきに、ヘミングウェイの作品は男性的であり、女流的な文学が主流である日...

大学の米文学を扱った授業で、ヘミングウェイの作品であるIndian Campを原文を読んだことがあり、今回は自主的にヘミングウェイの作品のなかでも有名な本書を手に取った。私が読んだ本書の訳者である福田恆存のあとがきに、ヘミングウェイの作品は男性的であり、女流的な文学が主流である日本においては迎え入れられるかはどうか云々と書いていたが、ヘミングウェイの作品は、あまり心理的描写、あるいは情緒的なものがない、というよりむしろ外面的描写ばかりが続くので淡々と読めるが心にくるものは正直あまりない。この老人と海は私が読んだ二つ目の作品だが、その印象はやはり変わらなかった。おそらくその文体がハードボイルド作家ともいわれるヘミングウェイの特徴であるのだろうけど、、一つ思い出したのがアメリカ人は純粋科学よりも応用科学を重視するという話をどこかで聞いたことがあるが、そういった精神はこういったヘミングウェイの作品にみられるアメリカ的な精神と繋がっているのかとふと思った。

Posted byブクログ

2022/09/12

 自然を受け入れ、共に生きる姿勢がかっこいい。相手(大魚)に対して愛着を持ったり、情が湧いたと思えば、獲り合ったりして揺れている所に人間味がある。  また、老人の円熟した生き様と文体が非常に良く合っている。  これが名作と評価された当時の背景には、「与えられた試練を受け入れる」...

 自然を受け入れ、共に生きる姿勢がかっこいい。相手(大魚)に対して愛着を持ったり、情が湧いたと思えば、獲り合ったりして揺れている所に人間味がある。  また、老人の円熟した生き様と文体が非常に良く合っている。  これが名作と評価された当時の背景には、「与えられた試練を受け入れる」という不屈を美徳とする風潮があったんじゃないかな。現代的な感覚からすると、共感する部分は少ないと個人的には感じた。  ただ巻末の解説にもあるように、ヘミングウェイも読者との共感を図って本書を執筆した訳ではなさそう。  むしろ、1+1が2であるように、それ以上でも以下でもなく、あるがままに受け取るのが正しいような気がする。

Posted byブクログ

2022/09/06

カジキ釣ってからの方が面白かった。 全然へこたれへんお爺ちゃんかっこよかった。長年の漁師生活で真っ黒に日焼けしてて煙草たくさん吸って力持ちなんだろな。私の死んだお爺ちゃんを思い出した。(漁師じゃなくて百姓だけど) 幸せはずっと続かないけど基本に忠実に、道具の手入れを怠らず、全て...

カジキ釣ってからの方が面白かった。 全然へこたれへんお爺ちゃんかっこよかった。長年の漁師生活で真っ黒に日焼けしてて煙草たくさん吸って力持ちなんだろな。私の死んだお爺ちゃんを思い出した。(漁師じゃなくて百姓だけど) 幸せはずっと続かないけど基本に忠実に、道具の手入れを怠らず、全ての物に敬意を表し、勇気と落ち着きを持っていれば必ず不幸は終わるってことかな。

Posted byブクログ

2022/09/04

ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイの名作中編小説。 文学の極地とさえ呼ばれる名作。 冷静かつ繊細な客観描写と、主人公である老人の独特な主観描写が不自然なく完全に融け込んでいる。そしてそれらがすべて小気味良いテンポで著されるため、読んでいて非常に爽快感がある。 雄大で力強く...

ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイの名作中編小説。 文学の極地とさえ呼ばれる名作。 冷静かつ繊細な客観描写と、主人公である老人の独特な主観描写が不自然なく完全に融け込んでいる。そしてそれらがすべて小気味良いテンポで著されるため、読んでいて非常に爽快感がある。 雄大で力強く、美しい自然と意志と知恵「しかない」人間の対置がテーマであり、その壮大さをヘミングウェイは見事に描き切る。 老人は人間の習熟の象徴として、雄大な海と対決する。老人は海を恐れ、尊敬しながらも自己と一体化するものとすら捉えている。タイトルが「老人と魚」ではなくて「老人と海」なのがそれを物語っているだろう。 だから「みんな誰かを殺して生きているんだ」という、老人のこの台詞がウエイトのあるものとして機能する。 今まで読んだ中で最も完璧に近い小説だった。 だからこそその普遍性がシンボライズを刺激する。老人や少年やカジキやサメたちをなんらかの象徴描写として捉えたくなるのだ。(もっとも、ヘミングウェイは「シンボライズなんてゴミだ。老人はただ老人でしかない」と吐き捨てているが)

Posted byブクログ

2022/09/02

昔の小説とは思えない読みやすさとおもしろさ。 老人の人柄がとても好きです。そして彼を慕う少年の優しさが沁みます。 獲る獲られる生き物の現実と、自然の厳しさがダイレクトに伝わりました。

Posted byブクログ