三体 Ⅱ(下) の商品レビュー
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スケールは壮大、技術的描写は緻密。 第Ⅱ部となる黒暗森林は「人の思考を読むことはできない」という三体人側の欠陥をついた面壁計画の実行がテーマで、面壁者に選定された4人の重要人物を軸に物語が進む。全体を通して、人や国家同士の「心理的な駆け引き」による争いの勃発が印象的。 (1)7隻の宇宙戦艦が宇宙で独立するシーン └星艦地球が人類から切り離され新たな社会を築くにあたり、まず最初に憲法をはじめとする統治機構を構築したシーン。「誰が死に、誰が生きるか」という思考判断の中で宇宙で新たな社会が生まれるプロセスが秀逸。正しさや正義、道徳感は場所•環境が変われば容易に揺らぐ。 (2)「猜疑連鎖」についての話 └宇宙空間のような相互連絡手段に遅延が発生する環境においては相手を疑い、探り合うことで”相互に信頼すること”は、まず困難である、という理論。 「殺らねば殺られる」の緊張感がより顕著になり、結果としてどちらかが先に攻撃を始めてしまう、というもの。 これ人間同士のコミュニケーションにも通じるようなところがある気がするし、めちゃくちゃ面白い。 •"Men always remember love because of romance only." →(言いたいだけ。読んだ人には分かる •Ⅲ巻、X、ゼロとまだまだ沼は深い。
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ようやく読み終えた、 三体Ⅱ黒暗森林。 自分の想像力の限界を何度も思い知らさられる圧倒的なSF感。 そして宇宙科学や、細かい物理がめちゃくちゃむずくて、わりと些細な事に引っかかるタチなので上巻より読むのに時間がかかった。 いや、読むのに苦労したのは、その分野に対する知識の無さ以...
ようやく読み終えた、 三体Ⅱ黒暗森林。 自分の想像力の限界を何度も思い知らさられる圧倒的なSF感。 そして宇宙科学や、細かい物理がめちゃくちゃむずくて、わりと些細な事に引っかかるタチなので上巻より読むのに時間がかかった。 いや、読むのに苦労したのは、その分野に対する知識の無さ以前にやはり想像力が硬直化してるせいかな。 とにかくスケールが大きくて、どんどん拡がる風呂敷は途中で果てが見えなくなり、思わずリタイアしようかしらと思ったほど。 だけど、2世紀を経た世界を舞台に、序盤は、緊迫の上巻から肩透かしをくらうような進行を経て、凄まじいSF感で想像を絶するような凄惨な状況に至り、最後は上巻の冒頭をキレイに回収する物語の構成は素晴らしいと思った。 若干ネタバレになるけど、三体にしろ、この黒暗森林にしろ、決定的な攻撃が単純な物理…ただし前提条件は超非現実的である、ってのがわかりやすくて面白いと思った。そこは力ずくなのね、って。 あと、2世紀後の人々の服装…なんかやだなぁと思ってしまった。 物理や数学だけでなく、歴史、哲学、社会学などあらゆる学問にも幅広く通じていて、読み応えは本当に凄いけど、 フィクションとしてはついていくのがちょっとしんどい本。 続きもあるみたいだけど…、 うーん…読むかなぁ。 もう少し柔らかな頭で想像力を鍛えてから挑戦しようかな。
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呪文が何を意味してるのか!? なるほど、哲学的。 宇宙という特異性、生命もちと怖いね。 これで、一応の終わりがあった。 威嚇されるもの、威嚇するもの。 抑止力。地球の各国の核爆弾保有みたいね。 でもⅢがあるのよね。 次に行きます。
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いよいよ舞台は未来へと進んでいてSFらしさが高まった。しかしそこは物理学の進展がなく技術のみ進化した世界で、物理学徒としては物悲しさを感じる。現実世界でもそうならないよう基礎物理の重要性を発信しなくてはいけない。黒暗森林理論は目から鱗だった。血も涙もない理論だが説得力のあるもので私たちはもう手遅れではないかと思ってしまう。
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三体第2部。正直上巻はあまり印象がない。それほど特筆すべきことが起きてない気がする。でも下巻は… いやこれ、絶対読むべきですよ!下巻で真価は発揮する!まだ第3部は読んでないけど、これで物語完結!でも全く違和感ないくらい、完成度が高い。 具体的なストーリーをここで晒すことは避け...
三体第2部。正直上巻はあまり印象がない。それほど特筆すべきことが起きてない気がする。でも下巻は… いやこれ、絶対読むべきですよ!下巻で真価は発揮する!まだ第3部は読んでないけど、これで物語完結!でも全く違和感ないくらい、完成度が高い。 具体的なストーリーをここで晒すことは避けるけど、黒暗森林で期待値大幅値上げ!だけど、そこからドーン!と… いやこれしか言えない。詳細は読んでのお楽しみ。後半は一気に読んでしまった。 第2部読まないと絶対に損です!(笑)
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ある日警察組織の腐敗に愛想を尽かした男はそれぞれ異なる専門分野に精通したチームの仲間とともに愉快な銀行強盗を敢行しカンフーと柔術とシステマを織り交ぜた弩級のアクションの連続で警備員を薙ぎ倒し金庫の中でチェスのチャンピオンと熾烈極まる頭脳戦を繰り広げたのちスーパーヒーロー専用高機能...
ある日警察組織の腐敗に愛想を尽かした男はそれぞれ異なる専門分野に精通したチームの仲間とともに愉快な銀行強盗を敢行しカンフーと柔術とシステマを織り交ぜた弩級のアクションの連続で警備員を薙ぎ倒し金庫の中でチェスのチャンピオンと熾烈極まる頭脳戦を繰り広げたのちスーパーヒーロー専用高機能スポーツカーに乗り込んで道中引ったくりを成敗し夕陽に照らされる丘で敵組織のスパイに早撃ち勝負を挑まれカウボーイハットで目元を隠しながら彼の冥福を祈ったあと愛する女とキスをしてエンディング、のSF版
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「わたしがおまえを滅ぼすとして、それがおまえとなんの関係がある?」 圧倒的な力の差に宇宙艦隊が壊滅させられる様は、まさに絶望。 三体人に勝てる気が全くしなかった。 また、「猜疑連鎖」という考え方は、現実でもあり得るというか、自分自身もそういったものに囚われる場合があるなと考え...
「わたしがおまえを滅ぼすとして、それがおまえとなんの関係がある?」 圧倒的な力の差に宇宙艦隊が壊滅させられる様は、まさに絶望。 三体人に勝てる気が全くしなかった。 また、「猜疑連鎖」という考え方は、現実でもあり得るというか、自分自身もそういったものに囚われる場合があるなと考えさせられてしまった。 本作品が文学としても評価を得ている事に納得。 本作三体IIで綺麗に終わった気がするけど、まだ三体IIIに続くんだよな これ以上どうなるんだろ…
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三体Ⅲを読むしかない。 途中、戦いが始まった時には、展開が急でビビってしまった。 予測不可能な展開がやっぱり面白い。 終盤、未来人?のルオ・ジーに対する扱いが酷過ぎて、実は、あれが地球滅亡に1番近いシーンだったように思う。 三体の文化大改革での惨殺も同様だけれど、人類に絶望する。
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生命にとって生存に適した環境というリソースが有限な世界では、いずれにしても相互猜疑が公理となる、というのは納得性がある。 また、たった一つでも、相手の得物よりもレベル的に超絶した手段を手にしていれば、相手を殲滅可能だというのは、恐ろしい描写である。
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「黒暗森林」理論で三体文明に立ち向かう羅シュウ。(字が探せなかったです。すみません)あんなに人類のために四苦八苦してるのに気の毒で気の毒で。最後に家族で過ごせてて心からからホッとしたけど他の文明との共存なんて夢物語のようなものなのですね。宇宙にメッセージ送るのはロマンではなく自殺行為って事…。 生き残った宇宙艦隊の潰し合い(暗黒の戦い)も恐ろしかった。考えも及ばなかったけど、統べる立場の人はそこに考えが至るのか。 そして史強の存在がいつも輝いて救いを感じる。 Ⅲでどうなるか…
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