三体 Ⅱ(下) の商品レビュー
第1部より圧倒的に面白かった。特にこの下巻に入ってからの展開にはページを捲る手を止めることができず、寝る前にキリのいいところまで読むつもりが、気がついたら朝になってしまっていた。
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スケールが大きすぎ! 解説にもありましたが、とにかくデッカイSFを読みたければ、読むべし!バイペリオンとファウンデーションを足したくらいのスケール感!SF語彙が乏しくて申し訳ないですが、そんなイメージです!
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人類と三体文明との目に見える衝突は宇宙戦(三体文明にとっては前哨戦ですらない)の一回のみ。 人類の敵は人類でした。 宇宙の文明論は面白かった。足元が揺らぐ怖ろしさもあったけど。 ルオ・ジーをはじめ面壁者4人(+大史)の取り組みが深い所で繋がっていたのが見事でした。先の二人へのレクイエムになるなあと。 上巻での奥さんへの執着が鳥肌の恐怖でしたが、解決後にふつうの家族となれていて、ホッとしました。ストレスとかで、尋常じゃなかったんですかね。 章北海は躊躇って良かった気がする。人類のままでいられたから。違うものになった人たちには断ち切ったもので気にしてないだろうけど。 完結編が楽しみです。
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フェルミのパラドックス、暗黒森林、多次元展開、などなど 物理学や宇宙学で有名な定義だけでも知ってるとより楽しめる作品だなと感じた、あとは往年の有名SF作品とか(あたしはほとんど知らなくてwiki片手に読みました) だけど、仮に知らなくても人々の心理描写などを拾うだけでも十分楽し...
フェルミのパラドックス、暗黒森林、多次元展開、などなど 物理学や宇宙学で有名な定義だけでも知ってるとより楽しめる作品だなと感じた、あとは往年の有名SF作品とか(あたしはほとんど知らなくてwiki片手に読みました) だけど、仮に知らなくても人々の心理描写などを拾うだけでも十分楽しめるし、理論がわからなくてもやっぱり宇宙をステージにした戦いは圧巻。ハリウッド映画の様な絵が頭の中に広がります。
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これほどまでに無慈悲で残酷な描写があったであろうか。架空の物語であり、現代とはまったく違う舞台であるのに、私も登場する人々と同じような心境になってしまった。 人は勝手に期待して勝手に落胆する。優しくもあり、非常に冷酷でもある。本シリーズ、とくに本書はSFではあるが、人間の心理に...
これほどまでに無慈悲で残酷な描写があったであろうか。架空の物語であり、現代とはまったく違う舞台であるのに、私も登場する人々と同じような心境になってしまった。 人は勝手に期待して勝手に落胆する。優しくもあり、非常に冷酷でもある。本シリーズ、とくに本書はSFではあるが、人間の心理にも深く入り込んでいて面白い。 羅輯(ルオ・ジー)の置かれた立場は心の強さをとても要求されるところであり、それ故に読んでいて「なんで民衆はわかってくれないんだ」という思いを持ち、作者の思うつぼになってしまった。 勝手に期待して落胆するのは、読んでいる私も同じなのだなあと思う。私は先の展開を読まない(読めない)ので、物語の展開のアップダウンに翻弄され、読み進まずにはいられない。 物理的には、基本法則に従えばそんなことは無理だろうとは思うこともあるが、それでも面白い。 本書では章北海(ジャン・ベイハイ)も活躍しており、彼のファンはその判断と振る舞いの格好よさに酔いしれてほしい。
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中国のSF大作3部作の2部目の下巻。 探査機の攻撃は荒唐無稽でしたが、200年後の冬眠者たちの活躍は面白かった。 SF的には遺伝子標的型ウィルスとか超低周波水爆とか精神印章とか猜疑連鎖とかは現実的でもありえそうですね。 宇宙を暗黒森林と表現するものうまいと思いました。 第3部は本当に三体人たちとの衝突が回避されたかも含めて面白くなりそうです。
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「人類は勝利できるか」 面壁者たる著者は、その裏に本心を隠す 「人民は勝利できるか」 勿論、この書評は物語(フィクション)です。 多くの評者が、本格SFとエンタメの融合という視点で評価しているので、私は多くを語らない。面壁者レイ・ディアスの最期の場面。ぼろぼろの面壁者・羅輯と...
「人類は勝利できるか」 面壁者たる著者は、その裏に本心を隠す 「人民は勝利できるか」 勿論、この書評は物語(フィクション)です。 多くの評者が、本格SFとエンタメの融合という視点で評価しているので、私は多くを語らない。面壁者レイ・ディアスの最期の場面。ぼろぼろの面壁者・羅輯と三体星人との最後の交渉場面。もう、歌舞伎ばりの映える場面である。 私は別の視点から物語りたい。 解説者・陸秋槎氏は、作品構成が、密告が奨励された文革と関連していると指摘する。私はそんな限定的な「関連」ではないと思う。これは「中国人民」(特に知識人)と「中国共産党」との戦後60年にわたる歴史物語をSF小説にしたのだと、私は思う。本心を明かさない知識人としての面壁者の登場、それを暴く破壊者の登場、大峡谷時代、第二次ルネサンス、絶望の時代、そして新たな時代。それらの時代を跨いで猜疑連鎖と技術爆発が存在する。それはこの小説のあらすじであるのと同時に、中国共産党史でもあると、私は牽強付会的に思う。ネタバレの関係で、あらすじも必要最低限のことしか書けないし、歴史的事実も詳しく書けない。よって、よくわからんことを書いているかもしれない。でも、劉慈欣氏はかなり上手くやった。中国共産党は、第一部の文革批判ぐらいならば、党としても批判しているのだから目こぼししていたかもしれないが、小説の構造自体が党批判になるとは気がつかなかった。もしかして気がついた時には、既に2千数百万部の大ベストセラーになっていて、気が付いたと公表すること自体が党批判を助長することになるので「出来なくなった」。ベストセラーになったのも、劉慈欣もおそらく一生本心を明かさないだろうが、中国人民が気がついて一生懸命に買ったからかもしれない。これも面壁者・劉慈欣の戦略だったのだ。 第一部は中国の過去の話、第二部「黒暗森林」は文革終了以後の中国、そうなると第三部は「予想される未来」となるのだろうか。 因みに、(上)書評で、智子が全てのコミュニケーションを監視するならば、表情だけで言いたいことを読み取れる人類の特技〈以心伝心〉が現状を打開するだろう、と私は予測したのだけど、三体世界への勝利に何も貢献しなかった事を報告します。いや、(下)では重要場面で、そういう人類の得意技は出てくるんだけど、そういう浅はかな知恵では、三体世界の強大な力の前では無力なのだとわかった。私は面壁者にはなれそうにもない。 2021年4月25日読了
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知能を持つ生命体がスケールの代償に関わらず陥る罠なのだろうか。 猜疑連鎖 全ての知的生命体が三体人と同じコミュニケーション手段が取れるのであれば、猜疑連鎖に陥ることすらないのではないだろうか。 実際にはあり得ないだろうけれど。
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巻末の解説でなるほどと思った指摘が2つある。 「恋愛の部分や女性キャラクターの作りを批判する声もある。もっとも、そこには理系の男性作家に対する紋切り型の批判しかないのだが。」 「しかない」とは言うものの、それはやはり気になる部分で私も大いに気になった。それがこの作品の主たる評価軸でないのは承知しているが。 「いったん密告の標的になるとすべてが終わる。注目されると消滅される可能性が高い。自分の存在を消すことこそが安全な生き方。こういう時代こそ「黒暗森林」であり、こういう時代に生まれた人間こそ「黒暗森林」の狩人ではないかと思う。/文化大革命はもう50年以上前のことだが、人類は「黒暗森林」から脱出したとは思えない。」 第1部の最初に文革の時代を描いた作者の意図に納得。
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空間も時間も感情の高低差も、今まで味わったことのないスケール! これがまだ続く!まだ続くんです! 楽しみです!
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