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ハイパーハードボイルドグルメリポート の商品レビュー

4.6

93件のお客様レビュー

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2026/01/31

世界各地の危険地帯や隔離されたコミュニティに潜入し、そこに生きる人々が口にする「飯」を通じて、剥き出しの生の営みを炙り出したルポルタージュ。リベリアの元少年兵やゴミ山で暮らす人々など、絶望的な境遇にあっても「食う」ことで命を繋ぐ彼らの姿はあまりに強烈で、凄惨な現実を直視し続ける取...

世界各地の危険地帯や隔離されたコミュニティに潜入し、そこに生きる人々が口にする「飯」を通じて、剥き出しの生の営みを炙り出したルポルタージュ。リベリアの元少年兵やゴミ山で暮らす人々など、絶望的な境遇にあっても「食う」ことで命を繋ぐ彼らの姿はあまりに強烈で、凄惨な現実を直視し続ける取材者の葛藤や狂気までもが、熱量のある筆致でダイレクトに伝わってくる。善悪や同情を超えた先にある、人間がただ生きようとするエネルギーに翻弄され続けるうちに、自分の足元にある日常がいかに脆いかを突きつけられた。

Posted byブクログ

2025/12/29

こういう本がもっとたくさん世に出て、もっとたくさん読まれて欲しいなと勝手に思うくらい素晴らしい本だった。 映像では放送出来なかった部分も収録されているので、映像で見たしなあ、という人にも読んで欲しい。 食うこと、すなわち生きること。 過酷な地で、今日を生きるために様々な手段に...

こういう本がもっとたくさん世に出て、もっとたくさん読まれて欲しいなと勝手に思うくらい素晴らしい本だった。 映像では放送出来なかった部分も収録されているので、映像で見たしなあ、という人にも読んで欲しい。 食うこと、すなわち生きること。 過酷な地で、今日を生きるために様々な手段に出る遠い地の人々に思いを馳せるとき、平凡な感想だけど、日本に生まれて今こうして暖かい部屋で本を読む休日を過ごせていることの幸運さを痛感する。 『僕たちが半分飽きながらケーキの蝋燭を吹き消している時、その祝福を受け取ることができない人間が存在している』 誕生日はおろか年齢すら分からない。それが当たり前だという人がこの地球にたくさんいる、ということを、普通に生活を続けていると忘れてしまう。 この本はあくまで食にスポットライトをあてるものだ。(スラムに住む人達のご飯、マフィアのご飯、カルト信仰者のご飯、ゴミ山で暮らす人のご飯など) 本という媒体で、文字を使って味を伝えることはそんなに簡単じゃないと思うけれど、上出さん、食レポもめっちゃうまい。 文章がそもそもとってもお上手なのだと思うけれど、食べ物を食べた時の豊かな表現を見ていると、やっぱりどうしても美味しそう。 過酷な暮らしをする人達はいつも飢えていて、決して満足してはいないだろうけれど、それでも、様々な工夫を経て、美味しそうと思えるものを食べているんだなぁとぼんやり思った。 こんなことすら、本を読まないと私は想像することができない。 上出さんの、文字通り命懸けのロケの結果生まれたコンテンツ。ジャーナリズムに対する熱い想いも垣間見えて本当に尊敬するし、感謝もしたい。 謝辞の最後の奥様への言葉にもじーんとくる。 上出さんがスラムの男たちに追い詰められた結果逆ギレして大嘘つくシーンが大好きです。

Posted byブクログ

2025/12/03

テレビ東京が不定期的に放送している「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の書籍化。 テレビでは描かれていない旅の様子、生活が描かれています。 出だしからショッキング。 文化や考え方の差ではありますが、生活を送るということを今一度考えさせられました。

Posted byブクログ

2025/10/23

題名はコミカルだけど、全然コミカルじゃない話。 この本を読み終えた今、いろいろなことを考えさせられます。食べ物が題材のように見えるけれど、それとはもっと違った、本当に奥深いテーマや課題を考えさせられました。社会、文化、道徳、人種、宗教… 技術も文化も発展している日本に生まれて、...

題名はコミカルだけど、全然コミカルじゃない話。 この本を読み終えた今、いろいろなことを考えさせられます。食べ物が題材のように見えるけれど、それとはもっと違った、本当に奥深いテーマや課題を考えさせられました。社会、文化、道徳、人種、宗教… 技術も文化も発展している日本に生まれて、日本で生きている自分にとっては、この作品中の人々の人生や境遇があまりにもかけ離れていて、まるで物語を読んでいるような気にすらなります。 どのエピソードも大小の衝撃がありましたが、ゴミ山のスカベンジャーのエピソードが1番心に響くものがありました。とても強く逞しく生きている彼ら。おそらく、住んでいる場所も、身なりもお金の稼ぎ方も、世界で最も貧しい人たちだと思います。でも、決して手を汚そうとはしない。そんな彼らはとても誇り高い生き方をしているな、と感じました。 この本は、どのような境遇でどんな立場の人であっても、「食事」というものは平等に心を満たし、温かくしてくれるものなんだな、と感じさせてくれます。が、それはこの本の一つの側面に過ぎないと思います。 この作者の方の旅を通じて、まるでパラダイムシフトを経験するような、そんな異文化な体験ができると思います。 食べ物が好きな人、ノンフィクションでジャーナリストが書いた本が好きな人だけでなく、日々の日常にモヤモヤしている人や世界の見方を変えたい人、世界を知りたい人など、いろんな人におすすめしたいと思います。

Posted byブクログ

2025/08/04

私は番組から入ったんだけど、番組の映像とリンクしながら読んでいくことができた。 自分が経験できないことをしていて、純粋にすごいなと思う。

Posted byブクログ

2025/07/27

ポッドキャストで出会い、映像を見ぬまま、書籍に辿り着いた。過激な企画てありながら、対応の仕方に誠意を感じ、少しも嫌な感じがしないのは著者の人柄なのであろう。

Posted byブクログ

2026/02/07

「ヤバイ世界のヤバイ奴らは何食ってんだ?  食は多種多様な生活の写し鏡だ」 紛争地、マフィアや薬物、スラム、カルト、ゴミ山‥人が住めるとは思えない“ヤバい場所”に、確かに生活があり、食事がある。 著者の上出さんが身を削って伝えてくれた血の通ったリポートは、現実であるということが...

「ヤバイ世界のヤバイ奴らは何食ってんだ?  食は多種多様な生活の写し鏡だ」 紛争地、マフィアや薬物、スラム、カルト、ゴミ山‥人が住めるとは思えない“ヤバい場所”に、確かに生活があり、食事がある。 著者の上出さんが身を削って伝えてくれた血の通ったリポートは、現実であるということがどんな物語より心を揺さぶり、とんでもない衝撃を受けた。 取材慣れした住人が金銭を求めて案内を始める。 それでも、素の人間を撮ることをあきらめない。表層的な演出や見せ物ではなく、その奥にある本音と日常を引き出そうとする執念がすごい。 読んでいるうちに、自分の中の「正しさ」が揺らいでいく感覚があった。 戦う少年兵も、信仰に生きるカルト村の人々も、一見異様に見えるけれど、彼らなりの日常と正義が確かに存在する。 上出さんは、それを同情や断罪でジャッジせず、ただ水平に差し出す。 ゴミ山で出会った少年。 踏み場がないほどウジ虫がわく収集車に乗り込み、投げ込まれるゴミを頭から被りながら少しでもお金になる資源を探す姿に、ジャーナリストとしての一線を死守してきた上出さんでさえも涙がにじむ。ページ越しに伝わってくるのは、どうにもならない無力感と、背筋が伸びるほどの生命力。 彼らは、ギリギリの生活を送っていてもだいたい「食べな」と一口わけてくれる。 上出さんが「美味しい」と言うと、嬉しそうに笑う。 その瞬間、武器も思想も貧富も忘れて、ただ「人間」としてつながれる。 食うこと=生きること。それ以上でも以下でもない。 「自分は恵まれている」と言い聞かせるだけでは余りにも軽い。 じゃあ自分に何ができるのか、は簡単に答えが出せる問いではないけれど、日常を生きる重みが少し変わった気がする。

Posted byブクログ

2025/06/24

食うこと、すなわち生きること、をテーマに様々な国で取材した番組の、取材旅行を活字にした本。 登場する人達の生き様があまりに壮絶で、日本で平和に安全に暮らす私とはかけ離れすぎていて、衝撃だった。内戦後のリベリアで墓の中に住む元少年兵達や、ケニアのゴミ山に住む青年。その日を生きるため...

食うこと、すなわち生きること、をテーマに様々な国で取材した番組の、取材旅行を活字にした本。 登場する人達の生き様があまりに壮絶で、日本で平和に安全に暮らす私とはかけ離れすぎていて、衝撃だった。内戦後のリベリアで墓の中に住む元少年兵達や、ケニアのゴミ山に住む青年。その日を生きるための最低限のお金しか稼げず、洗面器を鍋にしたり、落ちているペットボトルをお皿がわりにして食べる。私がそこで生き抜ける自信は全く無い。自分がどれだけ恵まれているのか考えさせられた。

Posted byブクログ

2025/06/16

人は生きるために食べていく。それはどんな環境であろうと。 著者はカメラを向ける事は暴力性を孕むと書いている。全くその通りだと思う。人は見せるために生きているわけではない。受け取るこちら側は勝手に想いを託し、読み取った気になり、自分の物語として消費していく。傲慢に。自分勝手に。 ...

人は生きるために食べていく。それはどんな環境であろうと。 著者はカメラを向ける事は暴力性を孕むと書いている。全くその通りだと思う。人は見せるために生きているわけではない。受け取るこちら側は勝手に想いを託し、読み取った気になり、自分の物語として消費していく。傲慢に。自分勝手に。 それでも、語りたい人がいるから撮ることが出来る。見てほしい人がいるから撮ることが出来る。 極限状態での生活を切り取る切口としての食事。非常に個人的な行為。でも個人の行為は社会の影響を受けざるを得ない。 生きる事は食べること。社会から与えられた影響の結果、今日の食事になる。人の生に目を向けた良書だった。

Posted byブクログ

2025/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

元々番組を観ていて、好きな番組だったけど本も出たというので読んでみた。とても興味深い内容ではあったし、大変な環境を生きる人々の現状が垣間見えるのはジャーナリズムとしても意義深いことだとは思うけど、なんていうかな。生まれる土地は選べない悲しさというか、そういうことを思ったりもした。特にスカベンジャーの回はかなりつらいものがあった。年端も行かない子供がシンナー吸ってるのとかね。先進国の少子高齢化が進む中で発展途上国ではどんどん子供を産んでいるみたいだけど、この先世界の人口動態はどうなっていくんだろうな、とも思った。 一番印象的だったのは、ロシアのカルト宗教の話。ミッドサマーっぽい風景にぎょっとしたけど、中にいる人はそんなに狂っているようにも見えず、そんなもんなんだなと思った。まあ、元いた住民が追い出されたりとか、色々あったみたいだし、不満を抱えている子どももいそうだったけど。それこそ、「生まれる場所は選べない」の一例だね。 身の回りのことも社会のことも、とにかく色んな事に思いを馳せがちなこの世では、誰か(=教祖)に代わりに悩んでもらうっていうのは確かに肩の荷が降りて楽になりそうだなと思った。次々に降ってくる決断と選択の嵐から自分を守ってくれる存在は心地よいだろう。まあ自分はああいう村社会は向いていないと思うし、お肉も食べたいしお酒も飲みたいので入信はしないけど、合う人には合うんだろうな~と思う。 まあでも、わざわざ宗教に入らなくたって自分の判断を他人に寄託してる人なんかいっぱいいるよな。ネットニュースの意見に引っ張られる人とかさ。あと急病の場合は病院に行くって言ってたけど、急病じゃなくても持病が発生したらどうするのかなと思った。健康なうちはお金がなくても暮らせるだろうけど、力仕事もたくさんあるから、いくら助け合いの文化があったとて、元気なうちしか暮らせない生活モデルじゃないのかな~と思った。 にしても、本にはプロデューサーたる筆者の気持ちやより詳細な話がありありと描かれているだけに、ロケの壮絶さが手に取るようにわかる。コーディネーターもよくついてきてくれるな!って感じ。いつ殺されてもおかしくないし、奥さんはどんな気持ちで家で待ってるんだろう?と思った。 番組を観たのは結構前で、そんなに激しく「このロケ大変だな~」と思った覚えはないんだけど、本では臭気や恐怖や興奮や、筆者の感じた感情がモロに描かれているから、映像で描かれている本編よりもむしろ本の方が見ごたえがある感じがした。でも「この人本編で見たな~」っていう記憶の補完が功を奏した部分も大いにあるから、映像版も併せて観た方が良いとは思う。 あと『食』をテーマに番組を作るくらいだから、上出さんは元々食べるのが好きな人なのかもしれないけど、食レポがとても上手。身体に良さそうなものは全然出てこないけど、野生的なおいしさが想像できる。本編はあんまり味の感想とかはなかったような……(覚えてない)と思うから、そこも読みごたえがあった。500pくらいあるけど読みやすいし、かなりおすすめ。

Posted byブクログ