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犬のかたちをしているもの の商品レビュー

3.7

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    6

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2024/08/18

この本を読んで、特に覚えているのは、 主人公が、同じことを何度も何度も ぐるぐるグルグル考えている姿。 きっと決めてしまえば、 そんなに悩むことはないんだろうけど、 簡単に答えが出せることでもないだろうし、 読んでるこちらも、 ぐるぐる考えてしまう。 読後に、引きずる内容...

この本を読んで、特に覚えているのは、 主人公が、同じことを何度も何度も ぐるぐるグルグル考えている姿。 きっと決めてしまえば、 そんなに悩むことはないんだろうけど、 簡単に答えが出せることでもないだろうし、 読んでるこちらも、 ぐるぐる考えてしまう。 読後に、引きずる内容でした。

Posted byブクログ

2024/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

間橋薫30歳。田中郁也と同棲している。 薫は21歳で卵管の手術をしており、定期的に婦人科に通っている。 そのせいなのかどうか、(←読み取れてない)、付き合っても3ヶ月ほどでセックスが嫌になってしまう。それを郁也は理解して付き合い始めてもう3年。 セックスはないが,仲良く暮らしている。 ある日、その郁也に呼び出されて駅までのドトールへ。別れ話か?とおもうと、郁也と一緒に女性がいる。いよいよ?!と,思ったが意外なことを言われる。 女性はミナシロさん。郁也の大学の同級生。年に2回、郁也がお金を払ってセックスしていた。そして、この度"失敗"して、赤ちゃんができてしまった。 だが、赤ちゃんはいらないという。でも中絶もヤダ。なるべく父親のある子に。 というわけわからん考えから、 ミナシロさんが産む子を、薫と郁也に育ててほしい。 産む寸前に郁也と籍をいれて、産んだら籍を抜いて、親権は父親が撮ったようにして欲しい、と。 (こうすると私生児でなく、離婚した片親になるから?) 郁也はそれでいいと思っている。薫とは別れたくない。 さて、薫はどういう結論をだすのか?! というお話。 オチ的な話になるけど ミナシロさんの決断?は,そうなると思ってたよ。そーゆうもんだよ。 郁也は籍を抜く約束だったけど、どーするんだろ? ミナシロさん、「父親のいない子にしたくない」って言ってるし、なかなか籍を抜いてもらえなさそうよね。まんまと,二人騙された?振り回されたのは確実だよね。

Posted byブクログ

2024/05/22

あまり読んでて気持ちいい本ではなかった。すばる文学賞で読むとこういう本に出会う率が高い気がするかも。性とか男女と絡めたダイバーシティとかそういうもの。 ふつうに恋愛して、ふつうに結婚して、ふつうに子どもが産まれて親になって…っていう、ふつう側になった人たちには、そうでない人がふつ...

あまり読んでて気持ちいい本ではなかった。すばる文学賞で読むとこういう本に出会う率が高い気がするかも。性とか男女と絡めたダイバーシティとかそういうもの。 ふつうに恋愛して、ふつうに結婚して、ふつうに子どもが産まれて親になって…っていう、ふつう側になった人たちには、そうでない人がふつうをかざされて感じる残酷さが分からないし、だってふつう側なんだからわかる必要もないなって、こういう本を読むたび思います。この本の主人公は世の中通りふつうになれないことを諦めてるようで諦めきれてない薫と、元々ふつうじゃない自分を自覚してるのに子どもができた結果ふつうに落ち着こうとするミナシロさんの話。 親とは、ほぼ大多数がふつう側。「結婚だけが幸せの形じゃない」「子どもについて聞くのはタブー」といった風潮にはテイの良いダイバーシティを感じるし、その議論こそふつうが良いという前提の元成り立ってるように思う。彼氏できた?早く結婚しないの?子どもは?といってくる親が嫌なのって、ふつう側である親への反発だったんだなとわかった。

Posted byブクログ

2024/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公に感情移入は出来ないけど、共感出来る所は沢山ありました。 読書中にずっとそわそわ不安になるのは初めてです。 ただ、子どもを「あげる」「もらう」のやり取りは、生理的に受け付けられません。 子どもが特別好きというわけではないですが、物のように扱う3人に対し読んでいて複雑に感じました。 恋愛とペットに対する愛は違うと思います。 片や生きる上での面倒を全て見て、片やそれぞれの個性を認め合い永い将来を約束するなら…。 目指す方向が違うと、何を取捨選択すればいいか分からなくなりますよね…つらい。

Posted byブクログ

2024/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ストレスのはけ口にされるのはいつだって女だ、と思ってしまうのはわたしが女だからなのか。見知らぬ他人に不快な気持ちをぶつけられる場面が定期的にやってくるのは、女だからじゃないのか。むかつく。むかつく、こんな街で、こんな世界で、よく子どもなんて産もうって、思えるな、みんな。」 「無条件に子どもが好きな人、と言うのが一定数いる。街を歩く子どもを見てかわいいと思い、電車やバスで隣に乗り合わせた子どもにほほえみかけ、その親の見ていないところで小さく手を振ってみせるような人が。」 「仕事から帰ってすぐパンツを脱いで手洗いする。このときが一番むなしい。さびくさいにおいがする。」 「なんていうか、例えば、わたし昼休みはだいたい職場の自分の席で、コンビニのお弁当とかパンとか食べながら、パソコンをいじってるんですけど、ヤフーニュースを開いて眺めてたら、記事のアクセスランキングなんかに、だいたい毎日、どこがで女性が性暴力にあったって報じてるんですよね。そう言うの見ると、あ、気持ち悪いな、って思って、気分の問題じゃなくて本当に気持ちが悪くなって、その時食べてるパンとか、飲み込めなくなって、ティッシュに吐き出しちゃうんですよね。」 「子どもを持たない人生を送る覚悟もなければ、子どもを持つ覚悟もない。」 「妊婦の大きなお腹は、ちょっとこわい。おそろしい感じがする。わたしだけだろうか。バスや電車の中でおばあさんが、乗り合わせた妊婦のお腹を見てにこにこと「もうすぐねえ」なんて話しかけているのを見たことがある。にこにこして見るものなんだ、ほんとは。直感的にこわいって思うほうが、おかしいのかもしれない。」 「わたしのほしいものは、子どもの形をしている。けど、子どもではない。」 「わたしは、子どもを作って育てて産むことは、全部女だけのもので、どこにも男に明け渡す部分はないように感じていたけど、産み落として外に出てしまうと、男が関わってるくるのだった。郁也はフィクションみたいだった。名前、一緒に考えよう。血を出したことがない人間の発想だと思った。」

Posted byブクログ

2024/04/21

私を含めた女性が、結果を出さない限りずっと縛られているもの。産むか産まないか、産めるか産めないか。それだけでない。産めなかったとしても、育ててみるか、育てないか。ぐるぐる回っている女性の気持ちが描かれてると思う。 「明日からどうしようかな、何を見て、何を聞いて、どうやって生きて...

私を含めた女性が、結果を出さない限りずっと縛られているもの。産むか産まないか、産めるか産めないか。それだけでない。産めなかったとしても、育ててみるか、育てないか。ぐるぐる回っている女性の気持ちが描かれてると思う。 「明日からどうしようかな、何を見て、何を聞いて、どうやって生きていこうかな。何をよすがに、何のために、何を言い聞かせていれば、まるで自分のために生きているみたいに、息ができるんだろう」 自分は、産むことも育てることもできないと結論づけた主人公の薫は、こう思う。

Posted byブクログ

2024/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

婦人系の病気を患い、恋人とのセックスをしなくなってからの日々に何も疑問を感じなかったのに 郁也は他の女性との間に子供ができたと告げられた。 ミナシロさんは子供を堕ろすのは嫌だけど、育てるつもりもないので、もらってほしいと言われ 自分が将来妊娠できるのかもわからない体と、田舎にいる両親のことなどが頭にちらつき、揺らいだ気持ち。 無茶な話、、子供をもらう決心をした矢先、やっぱりやめると言われるのは、なんだかストーリー的に展開が見えてしまったなあ。 ミナシロさんって自分勝手、でもそう言う自分勝手な人が、生き残るんだろうな。。。

Posted byブクログ

2024/04/03

犬を愛するように無条件に人を愛す それって人によっては凄く難しいことのような気がする。 寄り添っているだけで、ご機嫌にお散歩してるだけで愛しい感情が湧くなんて対人においてなかなかないこと。 でも同じじゃなくても複雑に考えすぎなくてもいいんじゃないかな、とも同時に思う。

Posted byブクログ

2024/03/11

無条件の愛 という感想だった。人にも犬にも子供にも。子供が産まれたら、親は子供を無条件に愛するように出来ていて、子供も無条件に愛されるように可愛いと親に思わせる。そうでないと生きていけないから。ミナシロさんは、子供に対してそういう感情の中にいた気がする。 主人公も恋人に対して無...

無条件の愛 という感想だった。人にも犬にも子供にも。子供が産まれたら、親は子供を無条件に愛するように出来ていて、子供も無条件に愛されるように可愛いと親に思わせる。そうでないと生きていけないから。ミナシロさんは、子供に対してそういう感情の中にいた気がする。 主人公も恋人に対して無条件の愛を欲しがっていたように感じた。恋人同士だと無条件の愛を求めるのは、一気に難しくなることを実感した作品であった。 最後にご想像にお任せします的な終わり方だったので、好き嫌いが分かれそうなため⭐️3つ。使っている言葉も難しくないため、隙間時間にサラッと読める作品。

Posted byブクログ

2024/03/01

主人公の言いたいことも感じている思いも なんとなく分かる気がするんだけど 本当のところはどうしたいのか はっきりしなくてもどかしかった。 まあ、でも 恋人がお金で買った女の人から 「子供ができたのでもらって欲しい」とか いきなり言われたら混乱するし これまでの人生を覆されるような...

主人公の言いたいことも感じている思いも なんとなく分かる気がするんだけど 本当のところはどうしたいのか はっきりしなくてもどかしかった。 まあ、でも 恋人がお金で買った女の人から 「子供ができたのでもらって欲しい」とか いきなり言われたら混乱するし これまでの人生を覆されるような感じだろうな。 理不尽なことに耐えて 言い訳しながら折り合いをつけるのも 人間っぽくて共感するけど 犬のかたちをしているものを求めているなら 同じようなものになってみればいいのに なんて思ったりもした。

Posted byブクログ