御社のチャラ男 の商品レビュー
どこにでもいるというチャラ男とその周りの人々。 それぞれがそれぞれなりの生き辛さを抱えている。 チャラ男さんは言う。人間は喜ぶために生まれてきたんだよ、と。ふむ。
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ジョルジュ食品部長三芳道造、人呼んでチャラ男を取り巻く人々の愚痴や悩み。 社内のイライラや各々の立ち位置の正当性が各人の目線で語られ、それぞれがそれぞれの立場で生きていると考えさせられる。しかしこれは前半だけ、後半はなんだか社会的問題も絡めつつ話が進むので、説教くさい感じがして、前半が疾走感があっただけに、失速していき読みづらかった。 最後は岡野さん伊藤さんが良い感じになってよかったー以外はフーン。
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まったく違う視点を描くのはすごいが、それぞれがやや紋切り型という感じがある、と思ったものの、あまりにも(たとえばそこだけを切り取ってTwitterに投稿したらバズりそうな)バエる名言らしいものが並んでいるのを見るに、自分(読者)はこのなかの誰でもあって誰でもない、そういう退屈な者...
まったく違う視点を描くのはすごいが、それぞれがやや紋切り型という感じがある、と思ったものの、あまりにも(たとえばそこだけを切り取ってTwitterに投稿したらバズりそうな)バエる名言らしいものが並んでいるのを見るに、自分(読者)はこのなかの誰でもあって誰でもない、そういう退屈な者どうしが歪んだ眼差しを交わし合う企業という場の息苦しさみたいなのを描こうとしていて、だとしたら、それはそのようになっていてかなりすばらしいことだと思った、が、まああんまりそうだとも思えない。
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御社のチャラ男。 絲山秋子さん。 ある食品会社で働く人達。 それぞれの視点で、話が進む。 おもしろい話もあれば、 訳がわからない話もあった。
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チャラ男を主人公としたお仕事小説かと思いこんで手に取ってみましたが、さにあらず。チャラ男とそれを取り巻く会社内の人物それぞれによる独白形式になっています。チャラ男のことを中心に語られるというよりも、みなそれぞれ自身の来し方行く末などを語り、その端端にチャラ男が登場する、といった構...
チャラ男を主人公としたお仕事小説かと思いこんで手に取ってみましたが、さにあらず。チャラ男とそれを取り巻く会社内の人物それぞれによる独白形式になっています。チャラ男のことを中心に語られるというよりも、みなそれぞれ自身の来し方行く末などを語り、その端端にチャラ男が登場する、といった構成になっています。 ちょっと自分には合わなかった作品でした。だからといってツマラナイと切り捨てるほど読みこなしができているかというとそうでもなかろう、ということで星は標準的な3つとしました。
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はじめはなんかダルくて読む気がしなかったけど、最後まで読んで良かった。 こんなこと言うとひんしゅくを買うかもしれないがスカッとした。 今後のクレーマーへの対応はこれでいけばよい。
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なんだか技巧に凝りすぎてよく分からなかった。何も残らない。ただこの人のタイトルのつけ方はうまい。つられて読んで中身はない。広告屋みたいな人だと思う。
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ジョルジュ食品、という会社の中の人間模様。 大手ではなく、かといって零細企業でもない。 資本金はわからないが、中小企業、といっているので多分そうなのだろう。 社内で繰り広げられる妬み嫉み諦め。 勤め人ならなんとなくわかってしまう居心地の悪さだ。 連作になっているので具体的な主人...
ジョルジュ食品、という会社の中の人間模様。 大手ではなく、かといって零細企業でもない。 資本金はわからないが、中小企業、といっているので多分そうなのだろう。 社内で繰り広げられる妬み嫉み諦め。 勤め人ならなんとなくわかってしまう居心地の悪さだ。 連作になっているので具体的な主人公がいるわけではないが、三芳部長、と言う男性が「御社のチャラ男」である。 軽くてちょっと変わっていてアメリカに自分探しにいて年上の奥さんがいて会社の部下に手を出して、そして。 それぞれの立場や言い分は面白い。 あーこう考えていたのか、と思うところもある。 とはいえ、「いや、ダメだろ」ではあるが。 例えば、「当たり前だろう。女なんだから」(38頁)はアウトだろう。 でもわかってない。 カフェで仕事したらダメ、会議室はダメ、と部下にはいうくせに、自分はお外でノートパソコンをみせつける…はっはっはウケる。 いや、部下だったらストレスから口唇炎になるレベルだ(私はなったことがある)。 男のお山、女のお山の話も面白い。 いろいろな考え方や見方があるんだな、でも、考え方にはいかんせん同意できかねる。やっぱわっかんねぇな。 と言う感想で本書が終わりそうなその時。 事件は起こる。 最後の最後でチャラ男がやらかしたこと、語ったことに妙に納得して、それなりに忙しくて大変だが平凡な自分の人生が愛おしくなった。さすがチャラ男。 「生きるということはプロセスだ。」(317頁)
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初読みの作家さんだったけれど、とても気に入った。 チャラいタイトルだが、おふざけ小説ではなかった。 江戸時代からの油屋を前身とした「ジョルジュ食品」の社員たち及びその関係者が、自分とその巡り、会社を語る。 当然、語る人が変わるごとに視点が変わるわけだが、私はつい、語り手に感情移入し、同じ視点で見てしまう。 次の章になって、別の人の視点に変わると、「えええっ、こんな風に見られていたの?!」と、ショックを受けることになる。 社員たちが皆、もうこの会社ダメなんじゃないかと思っている。 頭の中が昭和の社長。 新しぶってる40代のチャラ男・三芳も頭の中は昭和。 さまざまな人が語り、さまざまな方向から光を当てると、思いもよらない形の影ができる、会社という名の生き物。 この会社、ほとんど死に体? みんな、自分を語ると長くなる。同じ意味のことを何度も違う言葉で言い換える。 対して、他人がその人を診断するときは、サクッと単純明快に容赦ない。 山田が何というか、暗くて壮絶だった。 チャラ男の妻の元夫と、かな子の母は割とまとも。 特にかな子の母親の語るあれこれは共感できるところが多い。 女性の立場が何も変わらずにここまで来てしまったのは、自分たちが声を上げることをせずに、唯々諾々と慣例に従ってきたせいだ、娘たちの世代、今の若い女性たちに申し訳ない、と悔やんでいる。 差別をなくすのは良いことだが、全世界的に、社会に寛容性が無くなった。 マイノリティを差別するなと言う一方で、「差別をする人」を、差別している。 ぐるっと一周して、語り手は再び岡野。年齢を見るに1年経ったらしい。 死に体じゃないかと思われた会社は・・・ ノアの箱舟かと思ったら、タイタニックだったね! 会社という、いや人生という船に乗るには、泳ぎ方を覚えるか、救命胴衣を身につけておく事が必要だ。 2019年8月までの連載が本になったもの。 しかし、マイナス思考のキャラが、元号が変わったら何か良くない事が起きる、「平成の時はまだマシだった」ときっと言われる、と語る場面で・・・ それが悲惨なテロなのか内戦なのか天災なのかパンデミックなのかわからないけれどと言っている。 何?パンデミック?作者、預言者なんですか?!と思ってしまった。 さまざまな人の内面読むにつけ、人は何を考えているかわからない、他人の内面なんて分からない、と思った。 むしろ、分からないのが当たり前なのだ。 「誰もわかってくれない」という嘆きは耳にするけれど、「それがどうした」 そういうのは、中学生までにしておこう。 相手を理解できないのが当たり前。 だから、自分も理解してもらえないのが当たり前。 むしろ、分かった振りの方が要注意。 分からないけれど受け入れる、というのが、人間関係の成立なのだろう。 おっと! この作品においてチャラ男とは何だったのだろうか・・・? 悪目立ちしすぎたマスコット? チャラ男は中身のないハリボテ? みんなが色んな意味で痛痒い感じの迷惑を感じていたが、謝罪会見で小中学生のようにブチ切れたマスコミへの発言は、グッジョブ!と思うところもあり。 しかし、「チャラ男」は、人間が何度も生態を変える途中での、一つの姿であったのだ。 チャラ男は発展途上である。 そしてどこにでも居る。 温かく見守って・・・は、まあ、ちょっと自分に余裕がないと無理かな(笑)
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いろんな人から見た、同僚のチャラい中堅男性 複数の人が語っていく中で その人の人となりが浮き彫りになる感じが 部活やめた桐島くんをおもいだしたが(笑) 本作では本人の視点もあるのが面白かった とはいえ 誰が誰だっけ ってなってしまい もう少し短くてもよかったとか思ってしまった
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