御社のチャラ男 の商品レビュー
油やドレッシングを販売するジョルジュ食品が舞台。 チャラ男こと三芳部長を軸に複数の人物からの視点で進められる物語。 思っていたチャラ男とは違った類のチャラ男。 チャラ男のキャラもそうだけど、一緒に働く社員の面々のキャラクターがしっかり確立されていて面白かった。 こんなに多数の、性...
油やドレッシングを販売するジョルジュ食品が舞台。 チャラ男こと三芳部長を軸に複数の人物からの視点で進められる物語。 思っていたチャラ男とは違った類のチャラ男。 チャラ男のキャラもそうだけど、一緒に働く社員の面々のキャラクターがしっかり確立されていて面白かった。 こんなに多数の、性格も思考も違う人物になって文章が書けるって凄い。
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ジョルジュ食品の社員たちが、「チャラ男」こと三芳部長を軸に、それぞれの視点で、会社について、仕事について、人生について語っていく。 どの会社にもどの業界にもいそうな「チャラ男」はじめ、思わず肯いてしまう「会社あるある」が満載で楽しめる。 年齢も立場もキャラクターも違う社員たち...
ジョルジュ食品の社員たちが、「チャラ男」こと三芳部長を軸に、それぞれの視点で、会社について、仕事について、人生について語っていく。 どの会社にもどの業界にもいそうな「チャラ男」はじめ、思わず肯いてしまう「会社あるある」が満載で楽しめる。 年齢も立場もキャラクターも違う社員たちの語りが秀逸。同じ会社で同じ上司に接していても、人によってこうも感じ方や受取り方が違うものか。 特に頑張り過ぎてうつを発症し休職、その後復職した伊藤の独白はリアルで身につまされる。周りの全員から評価され、よく思われるなんて不可能だと納得させられる。 社長やチャラ男も社員たちからは決して好かれてないし、良い人物として描かれてもいないが、彼らも決してラクではないのだな、と少し同情したくなる。チャラ男はもっとヘラヘラした薄っぺらな人物を想像していたが、管理職としての彼はチャラくはないし、思い描く理想の自分にどうしてもなれない悲しみとか諦めを感じた。 最後は会社にとってもチャラ男にとっても一大事が起き、少しモヤっとしたまま終わるが、でもこの結末は決して不幸ではないと思った。
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会社の同僚のことって、知らないことが多いよな~、会社の外ではどんな顔してるのかな~、っていう感覚を一つの小説にしてくれた一冊。 読みやすい文体、あっけない幕切れ、スカッとするかいうとそうでもない。こんなことありそうだなとは思う。
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まるでジブリの現代作品に登場する人々のように、全ての登場人物がふわふわとして地面から数センチ浮いており等身大に感じられない。そのような意図であれば良いのだが、そうではないのでは?と気になってしまった。
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人はたいてい人の一面しか見えていない。 そりゃ、まぁそうです。 家族と友達と同僚と赤の他人と。 関係性によっても顔は違うでしょう。 みんなが「チャラ男」と認識している彼も 誰かには違う面が見えているのかも。 とか思いながら読むんですけど。 なかなかのチャラ男ですよ!(笑) 部下...
人はたいてい人の一面しか見えていない。 そりゃ、まぁそうです。 家族と友達と同僚と赤の他人と。 関係性によっても顔は違うでしょう。 みんなが「チャラ男」と認識している彼も 誰かには違う面が見えているのかも。 とか思いながら読むんですけど。 なかなかのチャラ男ですよ!(笑) 部下からみても、上司からみても 取引先からみても。 奥さんと奥さんの元旦那目線の章では ちょっと斜めな面もあるかな。 おもしろいのは 当のチャラ男視点の章も挟まっているところ。 本人はそう思っているんですね〜。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
絲山秋子「御社のチャラ男」、2020.1発行。会社のある部長に対する思いを中心に、社員のいろんな思いを描いた作品です。私にはテンポがゆるすぎました。社員の心情はそれぞれよく理解できるのですが・・・。全317頁、92頁で失速。絲山作品では、初めて失速しました。
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とても読みやすいが内容はとても深く奥行きがある。地方と呼べるほど田舎ではない微妙な地域で暮らす普通の人のリアルが詰まっている。 会社で働く人の心の内を描かせたら、絲山秋子さんは超一流。目の前で本当に生きているようだ。
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読書開始日:2022年3月7日 読書終了日:2022年3月12日 所感 会社って本当にこんな感じだよなって思う。 筆者も営業畑の人だから目線が自分に近い。 いろんな人がいて、いろんな考え方がある。 考え方や癖も境遇も生きた時代もなにもかも。 意見や主張が食い違ってもともと当たり前...
読書開始日:2022年3月7日 読書終了日:2022年3月12日 所感 会社って本当にこんな感じだよなって思う。 筆者も営業畑の人だから目線が自分に近い。 いろんな人がいて、いろんな考え方がある。 考え方や癖も境遇も生きた時代もなにもかも。 意見や主張が食い違ってもともと当たり前。 一枚岩になることは難しい。 いろんな部署の人たちの独白を聞いて回れた気分。 相手も俺もルールに則って役割通りに振る舞っている 病気の数だけ無理解がある あなたの美学なんてこの会社とは一ミリも関係ないんだから! 終わる仕事なんてどっかの大企業の窓際にしかない 便利さは、ものとお金の流れのみを加速させ、人間のコミュニケーション能力を置き去り、周回遅れにした。 石北会計事務所 日本が変われないのは、学校の授業で、ネイティブが嘲笑われるそれと同じこと。あいつは変だってなる 改善PDCA 無駄遣いもするケチ 明鏡止水明鏡止水 全てが流してしまったトランプの場みたいに思えてくる チャラ男=女性の得意分野を自然にとりいれる人物 ぼくらは猿山の猿でありながら、猿らしい野生の勘もがめつさも生命力もどこかに落とした。 山下りで遭難した猿は下った先の滝で絶望し死に絶える。 猿の悪い部分だけ取り入れた猿 チャラさに命かけてる あばたもえくぼ チャラ男は全世界に片想いをしている 家族が趣味 いじめから逃れる方法、ひとまわり広い世界に自分を置く 真面目だけどまともではない チャラ男とラクダの違い、自信があるか、機嫌が良いか 車輪は四つあるといいね 付和雷同 暗渠 おじさんたちもかわいいが好きだけど無自覚。チャラ男がむかつくのはかわいいを全力でやっているから ガーリーとの和解の宣言 山田の妻は山田の血の匂いを嗅ぎ続ける。変わらない自分の役割に固執したいがために山田を選ぶ 私はそういった習慣や記憶といった連続性により成り立っていた 会社を背負うような人でなくても、私にとっては必要なひとだった 鬱、池の深度、本当に深い?水面から顔を出せない? 因果はそれを信じる人にめぐる。信じない人は気づかない 運命は必ずその人の弱さを暴く 正月は心をえぐる。日本中に老人のさびしさが溢れる。 時期が来るまで運を呼ぶよう踊れ、運が来たら綺麗に踊れ 冠羽 俺にとっての丸太園のラーメンは日常に接続する休日の出口ような場所 冒瀆的 マンスプレイニング かれらにとってモテることは結果であって狙いではない 黙って外的要因が変わるのを待つ、毒親アダルトチルドレンと同じ 独楽 独楽の軸、自分の懐に置くか、他人に寄せてもバランスを失わないか 世の中を削っても削っても、吟醸酒みたいに澄んだ味は得られない。器を小さくしたって濃縮した地獄が顔を出すだけ 逢魔が時 呪いと祝いって時が似てる アシャーストゴールズワージーの「林檎の木」 それがどうしたはパンク 盗られる与えられるからの脱却が子ども食堂 「その後」は誰にでもある
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あんなに嫌われているのに、もしかしたらチャラ男は全世界、全人類に片思いをしているのかもしれません。 (P.92)
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社員の敵であり厄介と思われているチャラ男だけど、本人視点だと結構まともな人なのかなと思った。まぁ周りに伝わってないから本人がどう思っていようと一緒なんだけど。
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