御社のチャラ男 の商品レビュー
友人のレビューを読んで興味を持ち、図書館で借りました。 タイトルからはコミカルなお仕事小説を連想させますが、そうではなさそうだ、と。 物語は地方の食品会社が舞台の群像劇です。 章ごとに視点が代わり、チャラ男と呼ばれる三芳部長を語ることで見えてくる見解の相違。 そこに働く従業員...
友人のレビューを読んで興味を持ち、図書館で借りました。 タイトルからはコミカルなお仕事小説を連想させますが、そうではなさそうだ、と。 物語は地方の食品会社が舞台の群像劇です。 章ごとに視点が代わり、チャラ男と呼ばれる三芳部長を語ることで見えてくる見解の相違。 そこに働く従業員ひとりひとりの見解の相違が企業全体に及ぼす影響は小さくないと感じましたし、だから企業は理念とか社訓とかを造るんだと、あらためて納得しました。 社内での立場や性癖によって見え方が違う中で同じ方向を向くことの難しさ、円滑な人間関係を築く息苦しさがリアルに描かれており、本書でそれを明確に指し示してくれたことはちょっと救いになりました。 そもそも皆の共通の敵的存在であるチャラ男さんも、自分のことはある程度分かっており結構必死で会社生活に臨んでいるんですよね。結局みんな一緒です。 それにしても、うつ病へと進む経緯はさらりと描かれているけれど特にリアルで怖かった。。
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食品会社のチャラ男の部長を社員が分析しつつ自分のことも分析している。 このチャラ男の部長、社員の言葉からなんとなく目にうかんできた。 チャラ男だけど本当は真面目な人かもね。 「運命は必ずそのひとの弱点を暴きに来る。」 納得。
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チャラ男こと三芳部長について、周囲の人間が語っていく。とりあえずこんなチャラ男みたいな上司の下で働きたくはないよね。かと言ってなんか憎めない。最後はなんか大団円って感じでした。
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多角的な視点で描かれているところが面白い。 生憎会社というのは私から程遠いもののように感じてしまいますが、繰り広げられる展開やそれぞれの思いに入り込んでしまいました。
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自分の会社の人たちでこの本を書いてみたいなと思った。 1つの会社に関わるいろんな人のストーリーが短編で書かれているのでサクサク読める。 暇つぶしにちょうど良い。
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とある食品会社の三芳部長は、社長がヘッドハンティングしてきたのだが、チャラ男と呼ばれている。そんなチャラ男と、その人や会社に関わる人々の連作短編小説。 まぁ不可はなかったけど、面白かった!とか、あるある!というのもなかった。
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中堅食品会社の中での人間模様をそれぞれの人の立場から書いていくやり方は興味深い。ただ登場人物多く、続けて読んでいないと読み戻す必要ある位、関係性の工夫がされている。人は幸せになる為に生まれてきた、という言葉が好き。キャラ的には脇役ながら眞矢子が気になるかな。
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先ず、短編集なのか全部で一作なのか? 二章目に入って確信出来た。主人公はいない、と言って良いだろう。群像劇。現実世界の中でチャラ男に知り合いが居ないので、今ひとつピンと来ないまま、まぁそんなもんだろうと読み進めた。 その為か、何かフワフワ感に包まれたまま読了してしまった。悪くは無...
先ず、短編集なのか全部で一作なのか? 二章目に入って確信出来た。主人公はいない、と言って良いだろう。群像劇。現実世界の中でチャラ男に知り合いが居ないので、今ひとつピンと来ないまま、まぁそんなもんだろうと読み進めた。 その為か、何かフワフワ感に包まれたまま読了してしまった。悪くは無いと思うのだが、主人公を絞っていない分、フワフワした読後感で終わった。
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チャラ男こと三芳部長とその周りの人たちの話。 読みやすかった。 謝罪会見を冷めた目で見てるとこ好き。
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無責任、軽やか、うらやましい、軽い…色々な形容詞で語られ、どこの会社にもいる『チャラ男』を、とある食品メーカーの社内の人間関係、事件の中で描かれることで話は進む。 会社の中ってなぜこうも狭い世界なのだろう。そして大体の人は自分は他の人より賢くて、他の人の粗ばかり見えてしまってい...
無責任、軽やか、うらやましい、軽い…色々な形容詞で語られ、どこの会社にもいる『チャラ男』を、とある食品メーカーの社内の人間関係、事件の中で描かれることで話は進む。 会社の中ってなぜこうも狭い世界なのだろう。そして大体の人は自分は他の人より賢くて、他の人の粗ばかり見えてしまっているのはリアルな会社ととても似ていると思う。年代、性別、立場、『チャラ男』との関わり方が人によってそれぞれ違っていて、ひとりの人に対して全く違う捉え方がされるところが面白い。そして、「バブル期」「チャラ男」「ゆとり世代」というカテゴリーに分けられることに対する反抗心、違和感はどの人にもあるところは、今を生きる人みんな感じている理不尽なのかもしれない。 そしてそれぞれ野望や悩み、葛藤があるけれども、仕事をするとき、会社にいるときに見せる自分はほんの一部。自分が普段関わっている人のことも、実は全く知らないんじゃないかと思わされた。
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