さんかく の商品レビュー

千早茜(著者)

2022/06/06

「おいしいね」を分け合えるそんな人に、出会ってしまった。古い京町家で暮らす夕香と同居することになった正和。理由は“食の趣味”が合うから。ただそれだけ。なのに、恋人の華には言えなくて…。三角関係未満の揺れ動く女、男、女の物語。

高村さん（夕香）の食事を大事にする生活に憧れる。でも、華が友人と話す「手作りが一番っていうのは呪いに近い思い込みだよ。非科学的」というセリフにも救われる。
結局、自分が満たされる食事をするのが一番だ。自分のスタイルを押し通す女性二人と、それに翻弄されながら自分の大事にしたいことを見つけていく正和。3人3様の模索の様子に勇気づけられた。

2022/06/01

自分というものをしっかり持ち、周りに合わせず生きる姿にかっこよさを感じつつ、好きな人が関わると無意識に合わせようとしている感じ、自分が大切にしてるものってなんなんだっけ、とふと我に帰るところ人間らしくていいなと思った

2022/05/25

おいしそうなご飯。
丁寧なご飯はいつも人の心を救ってくれると思う。

一人でいることの楽さを知りつつも、
誰かに認めてもらいたい、誰かに必要とされていたいという気持ちを
捨てきれず、
お互いにただの同居人と割り切り一定の距離をとりながらも、
お互いに依存し、利用しあっているように見えた。

仕事も恋愛も中途半端な伊東くん。
最終的な華を選んだ理由はなんだったのかわからない。

高村さんが去ったから、残った華を選んだのかな。
食事の趣味の合う、穏やかな老夫婦の関係よりも
恋をえらんだのかな。

教授はどの立ち位置だったんだろう。
華を気にかけているふりをしながら
丁寧な食事、時間のかかる食事、手作りの食事、
の良さを理解したかったのかな？

全体的には読みやすく、おもしろかった(^^)
千早さんの別の本も読みたくなった。

オセロの話は、太陽のパスタ、豆のスープに
と同じ感じで既視感。

2022/05/27

今日の町家で独り暮らしをするアラフォー女性デザイナー、かつてのバイト先仲間の男性、獣医？？の勉強をするその彼女、という登場人物がメイン。
デザイナーと男性が恋人でもないのにシェアハウス(笑)！するあたりでもう見えたようなものだったけどそんな単純な話ではなかった。

町家で暮らすという理想の暮らしとていねいな食事の描写がお見事。塩むすび、羊とパクチーの水餃子。外食の描写もさりげなく繊細でお見事。
あと、独身アラフォー女性の生きづらさも。

ただ、男性の彼女の獣医だかなんだかの勉強とキャラクターがインパクトありすぎて、あんな設定いる？と思ってしまった。それがもっと淡白な設定だったらなぁ。あの子が邪魔でした。

なので☆３つつけたかったけど、☆２つ。

千早さんの、他のものも読んでみようとは思った！

2022/05/09

表紙の雰囲気から、よくあるご飯もののお話かな〜と思ったので意外だった。さんかくって三角関係のことなのか。三者三様、いろんな生き方があるんだなぁと思った。

2022/05/08

出てくる食べ物がとにかく美味しそう。
そして高村さんの生活素敵。
丁寧に作ったごはん、食後のお茶、他人への思いやり。
人間模様は様々あれど、美味しいものを食べると元気になれる。

2022/04/22

さんかく関係未満の3人の物語。

恋と仕事に疲れ、
1人落ち着いた暮らしをおくる夕香も
研究に没頭し、
恋人や食事はとりあえず二の次な華も
どちらもなんだか共感できた。

そして優柔不断な正和をなんだか憎めない所も。

食事の好みが合うってなんだか楽しそう。
一概に男女の恋ではなくっても、
そういう相手は人として大切で、一緒に
食べて、時間を共有したいと思うんだろうな。

食事ってお腹を満たすためだけではなく、
楽しみながら丁寧にとった方がなんだか
身体にとっても、心にとってもいいんだろう。
分かりきっていることだけど、なかなか
食事を丁寧にとれていなかった私には
食事の大切さを改めて考えさせられた。

さんかくな関係は置いといて、
日常的な生活や食事を丁寧に、
大切に暮らしていきたいなと思えた一冊。

2022/03/02

お話も出てくる料理も全部がタイプだった

話に出てくる料理はどれも美味しそうで
季節にあった丁寧な料理で素敵だった

わたしもそんなふうに丁寧に暮らしてみたい

それから
恋愛以外の男女の関係があったっていいと思う

綺麗な恋愛なんてないのかもしれない
感情的になりすぎて醜くなる
自分の醜さに嫌になる

けど好きになっちゃったら仕方ない

幸せになるために足掻くしかないのかもしれない

2022/02/21

語り手が複数いるけど
おいしいごはんと
ちょっとしんどい描写が入り混じるので
読みやすい章と読みにくい章に差がある。

さんかく
タイトルと表紙がすき。

2022/02/15

恋と仕事に疲れ、東京から京都へ移り住んだ友香、営業の仕事がうまくいかず、恋人ともなかなか会えない正和、大学の研究に没頭し、恋も仕事も二の次な華。三人の三角関係の物語だ。
はっきりした恋愛感情はないが、食の趣味や距離感があう友香と正和。ルームシェアすることになるが、正和はそのことを華には言い出せずにいる。

しかし華はとにかく大学での研究が最優先で、大学から呼び出しがあればいつどんな時でも全てを放り出して大学へ行ってしまう。正和と半同棲めいたことになっても、なぜ鍵を渡してしまったのか後悔すらしているぐらいで、そんな彼女に正和が本当に必要なのか非常に疑わしいし、これだけないがしろにされている正和がどうしてここまで彼女に遠慮しているのか全然分からない。

友香にしても、正和の世話をなんでここまで焼かなくてはいけないのか…在宅で仕事しているので、家事が気分転換ということ？とこじつけられなくもないが。

別に友香と正和が付き合ったらいいのにとも思わないけど、この三人の関係性に共感は一切なかった。

ただ文章はとても読みやすく、丁寧に書かれているので、ついついおもしろく読めてしまう。
そして食事の描写がとにかく美味しそう。頭の中に料理が浮かんで食べたくなる。この料理食事のシーンだけでも読む価値があると思えるほどだった。