さんかく の商品レビュー

千早茜(著者)

2021/09/06

煮え切らない男女カップル＋人生達観したかにみえる女の三角になるかならないかのお話。
京町家に住む女のもとに男が転がり込んで来て、恋愛関係に至らず、皆んなバタバタしている感じ。
このカップル二人は私としては、合わないなあと。まぁ高村さんも過去引きずって未だうだうだしてたし。
食べられる量っ決まっているから毎回の食事を大切にしよう！と思ってはいるが、なかなかねぇ。

2021/09/02

ジャケットに惹かれて。
食を中心に、高村さん・伊東くん・華ちゃんの話。

恋愛的な意味での三角かと思ったけど○でも×でもない真ん中という感じもするし、普通と変の間の気もするし、そういう小説全体の中で揺れ動くふわっとしたものを表しているのかなという気もした。

普通だったり普通じゃなかったり、自由を望んでいるつもりが本当は不自由の中での居心地の良さをを求めていたり、そういう、人が生きていく上での誰にでもある矛盾というか割りきれない思いみたいなものがちりばめられていて、なんとなくそれが心地よかった。どこにも辿り着かない、言葉で表すことが難しい高村さんと伊東くんの関係が好きだった。恋愛でも友情でもない2人だけの関係。

2021/08/28

初 千早茜さん。
上手いな、上手い作家さんだ。3人のキャラ、それぞれの仕事の描写、それぞれの思い。

そして何より食にまつわるシーン。
本人が食べる人であり作る人なんだろうな。

最初の一冊がこの作品で正解だった。

2021/08/23

いわゆる、三角関係の「さんかく」なんだろうけど、ドロドロした三角関係ではなくて、嫌な気分ではなく読めた。
ご飯が美味しそう。

2021/08/16

食べ物にまつわる小説集かと思ったら、3人の関係がさんかくだった
伊藤くん、華、高村さん

ドロドロしている三角関係ではなく、お互いが寂しさ(？)空白(？)を埋めるための三角関係
食べ物の描写が素敵だった

「選べる自由って1番を見失うよね」
きのフレーズ好きだなぁ

2021/08/13

高村さん、伊東くん、その彼女の華。三人三様の生活。
高村さんの作る料理がとにかく美味しそう！
そして大学研究室で日々解剖をしている研究者の華の視点が独特で面白かった。
いわゆる三角関係なんだけどドロドロしてなくて、ただラストはちょっと拍子抜けというか物足りなさを感じた。
何より食事シーンが印象的な作品でした。

2021/07/13

このなんともいえないずるさと生温かさは千早さんだなぁとしみじみ。
三人が三様にずるくて弱くてそれがいい。

そして相変わらず飯の描写が秀逸。
空腹の時に読むと危険です。

でも確かに、わたしも弱ってるときに美味しいご飯が用意されててそれが恋愛しなくていい相手ならそりゃ便利でありがたくて頼るよな。
わたしもごはんの味がわからなくなるような関係は嫌だ。
だから、たぶん、いま自分はこうなんだなと妙に納得してしまった。

2021/07/04

食を舞台とした本です。表紙の紙質の素敵さと、あらすじを見て気になり購入。文章の書き方などもとても気に入りましたが、この本を読むともっと食を大切にしたいという気持ちになりました。毎日のことだからこそ、丁寧に。そう実感させてくれる一冊です。

2021/07/04

読み終わってタイトルの「さんかく」に納得。
美味しい料理と3人の想いが絡まる感じ。
出てくる料理はどれも本当に美味しそうで、最初の塩むすびがやっぱり1番良かった気がする。

2021/06/29

バイトの先輩だった高村さんの古民家に
ひょんなことから同居するようになった伊東くん。
その彼女の、解剖したり研究してる華ちゃん。

3人の友情だったり恋愛だったり
って話だけど
表紙の可愛い感じとは違って
それぞれの生き方があっていわゆる「ドラマ」みたいにはいかない。

おいしそうな食べ物がたくさん出てくるし
手作りの体に良さそうなお料理も出てくるけど
他方ではそうじゃなくたって別にいいという部分もあって
「丁寧な暮らしバンザイ」みたいなんじゃなくてよかった。

いろんな人にいろんな仕事があって
いろんな生活があって
いろんな考え方がある

「人間って、自分に都合が悪いものを変って言うんだよ」