まほり の商品レビュー
1度目に“まほり”という言葉が出てきた時に何となくゾワリとして、2度目の“まほり”で恐怖を覚える。意味を知ったら、このタイトルは恐怖に変わる。 なんとなくずっと怖いですが、読み応えが凄い。 民俗学ミステリ、良いですね。
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前半は古文書か論文を読まされてるみたいだが、裕と香織が少しずつ進展していくのが癒し。 16章からいつもの流麗な文章に戻るのでファンの方安心して読んでください。 うっかり先に最後のページを読んでしまったのをとても後悔している。
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新しい事実が明らかになるたびに、ぞっとする。ホラーのような恐怖から、人間への恐怖に変わってくる。説明すべきところは説明し、多くを語るべきではないところは語らない。 『図書館の魔女』シリーズとはまた違う面白さがある。新刊をまた待つのか。。。楽しみが約束されていると思えばいいか。
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37:現代日本が舞台で『図書館の魔女』と雰囲気が全然違うのかと思いきや、ディテールの書き込みや没入度などはそのままで、これだー!と懐かしく嬉しくなりました。 後半になって対照言語学とか「発達母音(シュプロスヴォカル)(母音が補われること)」とかが登場して、やっぱり現代日本における...
37:現代日本が舞台で『図書館の魔女』と雰囲気が全然違うのかと思いきや、ディテールの書き込みや没入度などはそのままで、これだー!と懐かしく嬉しくなりました。 後半になって対照言語学とか「発達母音(シュプロスヴォカル)(母音が補われること)」とかが登場して、やっぱり現代日本における「図書館の魔女」やん、高田さんにしか書けないお話やん、とテンション最高潮!! か~ら~の、ラストの背筋がざわめく感じ!がめちゃくちゃ良かった。 ホラー要素抜きに語れないミステリ。面白かった。めちゃんこ面白かった。そして同じくらい怖かった……。 「宮司」はきっと裕にあの人の面影を見たんだろうなとか、雷光を見上げるばかりの恐怖と孤独とか、いろいろな想像が一気に押し寄せて、因習がここで断ち切られたことを祈るばかり。 オビを見て、素っ気ないなと思っていたけど、最近話題のあらすじ問題というか、このお話を要約したらこうなるわ……としか言いようがない。大満足の一冊です。
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「図書館の魔女」を初めて読んだとき、先ずその「文章」の虜となった。 自分は物書きではないし、「文章」というものを専門的に学んだこともない。 ただ、「本を読む」ことが好きな、どこにでもいる本好きでしかない。 なので、高田大介氏の「文章」が、技巧的にどうなのかは正直な所わからない。 ...
「図書館の魔女」を初めて読んだとき、先ずその「文章」の虜となった。 自分は物書きではないし、「文章」というものを専門的に学んだこともない。 ただ、「本を読む」ことが好きな、どこにでもいる本好きでしかない。 なので、高田大介氏の「文章」が、技巧的にどうなのかは正直な所わからない。 ただ、その「文章」が、心を捉えて離さなかった。 難解な言葉遣いが羅列され、くどくどと婉曲な言い回しが頻発する。 しかし、「読みづらさ」というものは微塵も感じなかった。 その入り組んだ文体に抱かれ、物語の奥底へと誘ってくれているように感じた。 「文章を読む」という行為が、ただ心地よかった。 読みながら、自分はこの著者の紡ぐ文章の虜になったんだな、としみじみ思った。 そして、それは本作においても同様だった。 「文章を読む」ことが、こんなにも心地良い作品はそうそうない。 本作では、上州弁が駆使されていることもポイント。 自分は上州弁話者ではないけれど、自然なんだろうなと思う。 ネイティブな人に実際のところを聞いてみたいところ。 本作は、「図書館の魔女」の続編ではない。 マツリカ様もキリヒトも登場しない。 高い塔もなければ、ニザマもない。 物語も、ハイ・ファンタジィではない。 日本のどこか(たぶん群馬県)を舞台にした、伝奇サスペンスという感じ。 「図書館の魔女」とは、そのテイストはまったく異なる。 しかし、共通する部分も多い。 その一つが、圧倒的な薀蓄であることは間違いない。 本作で詳らかに語られるのは、民俗学というか、歴史の表と裏というか。 これが滅法おもしろい。 「謎」の解答にも繋がっていくので、二重、三重に面白い。 メインストーリィは、先にも書いたように伝奇サスペンス。 あらすじ書こうかと思ったけど、 何を書いてもネタバレになりそうなのでやめときます。 特徴的なのは、まるで学術書と錯覚するかのような描写。 実際の資料の写真まで載っています。 フィクションではあるものの、9割がたノンフィクションじゃないかと。 キャラ的には、メインのキャラがみんな立っているのが流石。 個人的には、ほんのちょい役の「桐生先生」がとても良かった。 実際には、 「本旨の3倍ほどの量の無内容な躊躇いの文言と吃音を前後に纏ったもの」 とのことだけど、書かれているテンポの良さが最高。 図書館の魔女もそうだけど、会話シーンが本当に素敵。 鸚鵡返しで繋がっていく感じが微笑ましいというか。 「はあ、そうなんですか」「はあ、そうなんです」みたいな。 話している内容は決して微笑ましいなんてものじゃないのだけど。 主人公とヒロインの関係性も素敵。 桐生先生以外の学者先生たちも素敵。 ラストは想像通りではあった。 けれど、その想像のさらにひとつ上だった。 そういうことだったのかあ……。 あと、杉本くんと桐生先生で作品いけると思うので期待したい。 ……無理かな。3倍だしな。
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大学生四年の夏、勝山裕は故郷に近い上州の村に見られる“二重丸”の話を聞く。 都市伝説、体験談、事実、記録、秘匿ー…史料をひもとき、過去と現在が繋がる瞬間に鳥肌が立った。 伝奇のように魅入る闇、歴史小説のような出来事の欠片、不気味さ募るミステリ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『図書館の魔女』の高田大介の最新作。 文庫を待とうかどうしようか最初は迷っていたのだが、帯文を読むと面白そうだったので購入。 終盤の、クライマックスのシーンが何故か盛り上がりに欠ける……という欠点はあるものの、序盤〜中盤にかけては面白かった。基本的には『ただひたすら、文献を調査する話』なのだが、何故、こんなにスリリングで面白いのだろうw カタルシスのあんまり無いクライマックスではあるが、ラスト一文に関しては、ある程度は予想していたものの、衝撃だった。 また、本書の内容とはまるで無関係なことだが、大作のファンタジーの次作が、大学生を主人公にした現代ものなのも驚いた。次回作はどういうものになるんだろうか。
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