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まほり の商品レビュー

4.1

71件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2020/04/28

2019年刊行。読み始めてすぐになんでこんなに言葉に凝るのかと思っていたが、言語学者と知ってなるほど、謎解きの部分でもなるほど。本書は民俗学ミステリと銘打っているけれど、これは青春小説だなと読んでいて思った。生き方、恋愛、研究どれもが青春なのであった。 読み進めるほど、無駄なと...

2019年刊行。読み始めてすぐになんでこんなに言葉に凝るのかと思っていたが、言語学者と知ってなるほど、謎解きの部分でもなるほど。本書は民俗学ミステリと銘打っているけれど、これは青春小説だなと読んでいて思った。生き方、恋愛、研究どれもが青春なのであった。 読み進めるほど、無駄なところがない小説なのがわかる。すごい。でも、それが逆に少年と青年の配置の必要性が透けて見えることにもなって、難しい。

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2020/04/26

ぱっと見た目、その分厚さに躊躇するかも知れません。「民俗学ミステリ」と銘打つだけあって中身は非常に専門的な用語が多用されています。大半の用語は読み飛ばしてしまっても意味は通じますが、興味のある人はじっくりと調べながら腰を据えて読んでみるのもいいかも。「蛇の目紋」を軸に展開される物...

ぱっと見た目、その分厚さに躊躇するかも知れません。「民俗学ミステリ」と銘打つだけあって中身は非常に専門的な用語が多用されています。大半の用語は読み飛ばしてしまっても意味は通じますが、興味のある人はじっくりと調べながら腰を据えて読んでみるのもいいかも。「蛇の目紋」を軸に展開される物語は陰鬱で、その中に差し込まれる若い男女のやりとりにホッとさせられます。読み終わってから「民俗学、面白そうじゃん」と思ったなら…それは作者の思うツボかも。

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2020/04/18

「図書館の魔女」が好きなので。期待通りとても面白かった。こ難しい古文とこのぶ厚さのわりにはすらすら読める。それだけに、もう少し簡潔に分量を抑えたなら、もっと読者を獲得できるだろうに、ともったいなく思う。田舎の限界集落で行われる陰惨な風習、というと題材としては懐かしいくらいで、携帯...

「図書館の魔女」が好きなので。期待通りとても面白かった。こ難しい古文とこのぶ厚さのわりにはすらすら読める。それだけに、もう少し簡潔に分量を抑えたなら、もっと読者を獲得できるだろうに、ともったいなく思う。田舎の限界集落で行われる陰惨な風習、というと題材としては懐かしいくらいで、携帯の存在する現代ではちょっと説得力がない気もする。それでも文献から真実にせまっていく過程や、ラストにもともとの目的に回帰する1ページは忘れがたい。タイトルの「まほり」や「蛇の目」のモチーフが最後には違う意味あいで迫ってくる良作だ。

Posted byブクログ

2020/03/29

国文学科出身で、民俗学や歴史が好きな私にはドンピシャでした。 土着的なおどろおどろしい風習に、背筋がぞっ…。ホラーとはまた違う、人間の恐ろしさを感じます。 なんとなく手にとった本でしたが、夢中で1冊読み終わってしまいました。

Posted byブクログ

2020/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

飲み会の席で聞いた、上州のある村での『二重丸』紋のお札をめぐる奇妙な話に興味を持ち、夏休みを利用してフィールドワークに出かけた大学生・裕。 妹の療養のため、都会を離れて移住してきたその村で、明らかに異常な状況にある美少女と出会った中学生・淳。 ふたりがそれぞれに謎を追ううちに、古い因習を守る排他的な村に隠された忌まわしい神事が、まさに行われようとしているのではないかということに気付き… 『図書館の魔女』に酔いしれて手に取った方なら間違いない。 民俗学ミステリで、北森鴻さんの作品を面白く読んだ方も大丈夫。 近世の飢饉に苦しむ民衆の現実を描いた古文書をひもといたり、歴史学の手法を教えられたりしていくあたりは、ちょっと読みづらくてめまいがしてくるかもしれないけれど… そこを乗り越えて、『まほり』の意味が明らかになったあたりからはもう止まらない。 読み終えて、深い水の中から浮かび上がったかのような、ぷはーっっというため息が出た。 ちょっと人付き合いの苦手な裕が、幼なじみの香織に振り回されたりときめいたり、相手との距離を縮める方法を教えられたりするのも微笑ましい。 美少女のあられもない姿にドギマギしたり、少年らしい怒りと無鉄砲さで奮闘する淳もいい。 ふふふふふ、そして、今作では声だけの登場でスパッと謎を解いてみせた変人言語学者・桐生先生が主役級になる物語をぜひ読みたい!!!

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2020/03/12

社会学を学ぶ大学院生が自分の出身地に近い村の奇妙な風習を知って興味を惹かれ、夏休みを利用して調べることに。現地で出会った少年に少女が監禁されているのではないかと聞かされて、閉鎖的な集落の隠された因習に迫ってゆく。 歴史資料の読み解き方の解説が難しいけど面白かった。そのせいで物語の...

社会学を学ぶ大学院生が自分の出身地に近い村の奇妙な風習を知って興味を惹かれ、夏休みを利用して調べることに。現地で出会った少年に少女が監禁されているのではないかと聞かされて、閉鎖的な集落の隠された因習に迫ってゆく。 歴史資料の読み解き方の解説が難しいけど面白かった。そのせいで物語の勢いは削がれているかもしれないが、タイトルの意味がわかるあたりではゾッとする。読み応えのある民俗学ホラーミステリ。

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2020/03/10

群馬県が舞台の民俗学ミステリー。 初めての感覚でした。 フィクションなのか実際にあったことなのか、わからなくなってしまうくらい、歴史書を紐解いているような気分でとても興味深かった。 主人公が大学生とそのガールフレンドというキャスティングが物語を柔らかくしてくれてはいたけれど、...

群馬県が舞台の民俗学ミステリー。 初めての感覚でした。 フィクションなのか実際にあったことなのか、わからなくなってしまうくらい、歴史書を紐解いているような気分でとても興味深かった。 主人公が大学生とそのガールフレンドというキャスティングが物語を柔らかくしてくれてはいたけれど、内容としてはかなりハード。 話のスタートが都市伝説から始まり、ぞわぞわ感満載だったけれど、話が進むにつれホラーやオカルトというよりも、片田舎の閉鎖的な村の人間たちが古くからの儀式を盲目的に信じていることが一番恐ろしかった。 古文書のパートはほとんど読み飛ばしていたので、解説する箇所でやっと内容を把握してましたが、それでもとても楽しめました。 ただひとつだけ。。 上州っこの人間から言わせると、主人公ふたりの上州弁には待ったをかけたい。 若者どころか、今時のじじばばだってあんな方言使いません。 所々自然な方言もあっただけに残念でした。

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2020/03/10

民俗学×ミステリーの組合せが好きなら読んで間違いはない。物語の中で語られる民俗学/史学の方法論はかなりのページが割かれていることもあって、作者の件の学問に懸ける並々ならぬ知識量と熱量が感じられる。 最後の謎については真相を示唆する情報だけが与えられ、そこから先は読者の想像に委ね...

民俗学×ミステリーの組合せが好きなら読んで間違いはない。物語の中で語られる民俗学/史学の方法論はかなりのページが割かれていることもあって、作者の件の学問に懸ける並々ならぬ知識量と熱量が感じられる。 最後の謎については真相を示唆する情報だけが与えられ、そこから先は読者の想像に委ねられるが、つまりはそういうことなんだろう。事件は解決したはずだが、何ともいえぬ後味の悪さ。

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2020/03/09

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕...

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?

Posted byブクログ

2020/03/05

謎を解き明かしていく手法のひとつとして、文献史料からの分析解析がたいへん詳細。一読者であるこっちまでいっしょに調べている気分になる。 自分はもともと神社由緒や民俗は好きなほうなのでおもしろいと思ったが、そのあたりにこの本の好き嫌いが出るような気がする。

Posted byブクログ