1,800円以上の注文で送料無料

まほり の商品レビュー

4.1

71件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/09/20

高田大介さんの作品は初めてだったので、その分厚さに驚愕。読めるか?思った通りのすごい情報量。民俗学、古文書、歴史学…私の頭では全然ついていけないので難しいところは登場人物の解説待ち。やっと「まほり」にたどり着いた時の達成感とゾゾっと感。そこからラストまでは、ギアチェンジで一気に読...

高田大介さんの作品は初めてだったので、その分厚さに驚愕。読めるか?思った通りのすごい情報量。民俗学、古文書、歴史学…私の頭では全然ついていけないので難しいところは登場人物の解説待ち。やっと「まほり」にたどり着いた時の達成感とゾゾっと感。そこからラストまでは、ギアチェンジで一気に読了。スッキリと読み終えページを閉じて目に入った装丁が怖い。

Posted byブクログ

2020/09/17

「図書館の魔女」の作者による民俗というか風俗というか、そんなミステリ。三津田信三好きの自分にはばっちりハマる感じです。いかにもこう、古くからの因縁がありそうな他者を廃絶する山奥の集落で怪しげな雰囲気でもって・・・というこの手のお話は大好物です。 ただ「いかにもな舞台で事件が起こっ...

「図書館の魔女」の作者による民俗というか風俗というか、そんなミステリ。三津田信三好きの自分にはばっちりハマる感じです。いかにもこう、古くからの因縁がありそうな他者を廃絶する山奥の集落で怪しげな雰囲気でもって・・・というこの手のお話は大好物です。 ただ「いかにもな舞台で事件が起こって・・」という流れが王道ではあるんですがその「事件」が起こりそうでなっかなか起きない。最後の最後でようやく起きるんですが、ページ数的にだいぶ残り少ないし大丈夫かこれ?って気分になりました。いや問題なく面白く終わったんですけどね。 あと、図書館の魔女の時にもありましたが学術的な考察部分が結構たっぷりと文量があるので、興味深くはあるんですが、早くストーリーを追いたいときは少し冗長に感じなくもなかったです。

Posted byブクログ

2020/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2つの軸が合わさった頃から話に疾走感が出て読むスピードがあがった。文献を調べていく工程がこちらも一緒に調べているようでよかった。 ただ村ぐるみの狂気は、漫画の読みすぎか、そんな刑罰の匂わせで簡単にひくものかな、と弱い印象を受けた。 最後の落としどころは、予想通りだった。

Posted byブクログ

2020/08/26

勝山裕は社会学研究科に進むための準備をしていた。卒研グループから自分たちの研究テーマについて相談があった。それもグループの奇麗どころを揃えて相談があったことから、ちょっと癪に触って社会学のあるべき方法論を講釈してしまった。引くに引けなくなった裕は、彼らのテーマである「都市伝説」の...

勝山裕は社会学研究科に進むための準備をしていた。卒研グループから自分たちの研究テーマについて相談があった。それもグループの奇麗どころを揃えて相談があったことから、ちょっと癪に触って社会学のあるべき方法論を講釈してしまった。引くに引けなくなった裕は、彼らのテーマである「都市伝説」の調査の相談にこれからも乗ることになった。後日グループの飲み会に参加して聞いた加藤の話から、裕の郷里に近いところで二重丸の紙がいたるところに貼られている場所があるという。それに興味を持った裕は、夏の郷里への里帰りの時にその二重丸、蛇の目について調べだした。そして県立図書館の分館で出会った元同級生の飯山香織。彼女は司書のバイトをしているという。香織と一緒に調べだした裕はとんでもない習俗に深入りしていくことになる…。古文書が沢山でてくる。その解釈も。やはりこの作者の本では出てくる漢字が難しい(汗)。

Posted byブクログ

2020/08/07

あー!いいもの読んだー!! 大学院を目指す大学4年生の勝山裕がゼミの飲み会で聞いた、田舎での恐ろしい体験談。 妹の静養のため、曾祖母の住む田舎に越してきた中学生・長谷川淳が山中で目にした深紅の和装の少女。 自分のルーツを調べる裕と行き会った少女を気に掛ける淳は、同じ蛇の目紋から...

あー!いいもの読んだー!! 大学院を目指す大学4年生の勝山裕がゼミの飲み会で聞いた、田舎での恐ろしい体験談。 妹の静養のため、曾祖母の住む田舎に越してきた中学生・長谷川淳が山中で目にした深紅の和装の少女。 自分のルーツを調べる裕と行き会った少女を気に掛ける淳は、同じ蛇の目紋から、閉鎖的な巣守郷、そして毛利神社に行きつくことになる…。 いや、結構地味かつ陰気かつ陰惨な部分が多いんですけどね。ていうかほぼそうなんですけどね。 裕と故郷の図書館員・香織の微笑ましくも爽やかなラブストーリーであるとか、中学生にしては実にしっかりした淳の頑張りであるとか、終盤電話越しにちょろっと登場しただけなのにやけに印象的な言語学講師・桐生朗であるとか注目ポイントはたくさんあるんですが、メインは…メインは資料調査!ええ…?まじで…? しかしこれが実に熱いのだ。「調査・読解・発見の喜び」を味わえるというか。 こんなに資料の本文引用&本文画像掲載されてる小説ある? 親切丁寧にわかりやすくカットした部分だけ書くんでなく、ちょっとだけ読者も頑張らないといけないレベルにしてあるのが心憎い。 それゆえに、読み進めた最後にたどり着く「まほり」の真実にはゾクゾクします。 えええ…こんなん古文書読解したくなるじゃん……まず文法やり直しからだけど… なんというか、いつも図書館への憧れを非常に掻き立ててくれますよね……。 いやあ『図書館の魔女』シリーズでなかったからしばらく気が付いてなかったんだけども、このどっしり重厚感、まぎれもなく高田大介。 あいかわらず満足感がものすごいです。

Posted byブクログ

2020/08/10

SL 2020.8.5-2020.8.10 高田大介さんにしか書けないような、この文献調査満載の作品。さすがとしか言えん。 民俗学や文献調査にほんの少しだけど、元々興味があったから尚更惹きつけられた。 言語学の講師、桐生朗は絶対モデルがいると見た。 『霆ける塔』待ってますよ。...

SL 2020.8.5-2020.8.10 高田大介さんにしか書けないような、この文献調査満載の作品。さすがとしか言えん。 民俗学や文献調査にほんの少しだけど、元々興味があったから尚更惹きつけられた。 言語学の講師、桐生朗は絶対モデルがいると見た。 『霆ける塔』待ってますよ。

Posted byブクログ

2020/07/02

初 高田大介作品 本の厚みに なかなか手を出しにくかったのだ、やっと読破。 山の中で 不思議な少女と出会った 都会から引っ越してきた 淳少年 東京の大学で社会学を専攻している 勝山裕が ゼミのグループから聞いた都市伝説 2つの場所で それぞれが気になって調べ出したのは 「◎の...

初 高田大介作品 本の厚みに なかなか手を出しにくかったのだ、やっと読破。 山の中で 不思議な少女と出会った 都会から引っ越してきた 淳少年 東京の大学で社会学を専攻している 勝山裕が ゼミのグループから聞いた都市伝説 2つの場所で それぞれが気になって調べ出したのは 「◎の蛇の目の謎」 冒頭からラストのギリギリまで、民族史 古文書 言語学の漢文や方言 言い回しの歴史がず~っと続いて、登場人物たちと謎解きをしているかのように 頭を抱える。(最後までたどり着けるのか・・・)と不安になったほど。 中盤を過ぎると うすうす気づきはじめる核心部分だが、一緒に悩んだだけ 達成感がある。 また 出だし、主人公 裕が母親の出自が気になって、謎を解き出したので、淳少年との時代差があって、淳少年が お父さんなのかと思ったのだが・・・。 神社仏閣が好きな方 郷土の歴史が好きな方 結構面白く読める1冊だと思う。 私は・・・なんとなく 祖母たちの訛りに似てたので、楽しんで読めた1冊だ。  

Posted byブクログ

2020/07/01

久々に面白い日本の小説だった。田舎の神社にまつわる謎を探る男の子と男女学生。主役の三人の誰もが聡明で気持ちが良い。男子たちはまあありがちなキャラクターだが、さばさばした女性キャラが大層魅力的である。 その一方で、いかにも、な和装の「馬鹿」の美少女はまったく個性がないのは役柄上仕方...

久々に面白い日本の小説だった。田舎の神社にまつわる謎を探る男の子と男女学生。主役の三人の誰もが聡明で気持ちが良い。男子たちはまあありがちなキャラクターだが、さばさばした女性キャラが大層魅力的である。 その一方で、いかにも、な和装の「馬鹿」の美少女はまったく個性がないのは役柄上仕方がないか。

Posted byブクログ

2020/05/13

民俗学ミステリ。「二重丸の都市伝説」から始まった調査はさまざまな文献を渉猟しながら、どんどん深く不可解な方向へ突き進んでいきます。一方で、少年が心惹かれた謎の少女と閉鎖的な地域にまつわるとんでもない秘密。調査する中で登場する「まほり」という言葉の意味は何なのか。さまざまな道具立て...

民俗学ミステリ。「二重丸の都市伝説」から始まった調査はさまざまな文献を渉猟しながら、どんどん深く不可解な方向へ突き進んでいきます。一方で、少年が心惹かれた謎の少女と閉鎖的な地域にまつわるとんでもない秘密。調査する中で登場する「まほり」という言葉の意味は何なのか。さまざまな道具立ては、とんでもないホラーになってもおかしくないのですが。読み心地はいたって地味。決してホラーではないはずなのだけれど、読み進むごとにじわじわとした恐怖、というか不気味さをそこはかとなく感じさせられる作品です。 登場する文献などがなかなかに難しそうなので、とっつきづらそうにも思えたのですが。読み進むごとにどんどんはまりこみます。なるほど、こうして思いがけないところから思いがけないものが繋がってくる発見が楽しいんだよなあ。 そして終盤の展開にはもうはらはらどきどきでした。うわー、そういう展開になっちゃうか。そしてそこで明かされる秘密と「まほり」の意味にはぞくりとさせられること請け合いです。さらに最後の最後まで、不気味さが付きまとっていました。こういうのが決して絵空事ではなく、現実にあったかもしれないと思わされるのがまた怖い。

Posted byブクログ

2020/05/11

大好きな『図書館の魔女』の作者さんが書く小説⁉︎ 友人から薦められて読んで大満足! 4日間かけてじっくり。この読み応えはたまりません。 言語学・民俗学調査に関する説明が緻密なのに、まったくストーリーの邪魔になってない。 学術的な意見交換の中から、出るわ出るわ物語のキーワード。...

大好きな『図書館の魔女』の作者さんが書く小説⁉︎ 友人から薦められて読んで大満足! 4日間かけてじっくり。この読み応えはたまりません。 言語学・民俗学調査に関する説明が緻密なのに、まったくストーリーの邪魔になってない。 学術的な意見交換の中から、出るわ出るわ物語のキーワード。 個人的に平和なイメージの江戸時代。その中に悲惨な歴史的事実も存在したんだよなぁ… 重要ワードは 『まほり』!

Posted byブクログ