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Iの悲劇 の商品レビュー

3.7

260件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    107

  3. 3つ

    79

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    2

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2019/12/10

うーん、長編でこの仕掛けは悲しくなるなあ。面白かったけど、ミステリーというより地方再生とはというところなんだろう。

Posted byブクログ

2019/12/14

Iターンプロジェクトの理想と現実を見事に表現している。 役所の登場人物や移住者達が巧く描かれており思わず入り込んでしまった。 このままプロジェクトが失敗に終わると思っていたら叙述トリックだったとは驚いてしまった。 刑事ものやミステリーとは一味違った作品であり印象に残る一冊だった。

Posted byブクログ

2019/12/08

米沢穂信さんの知名度とタイトルに興味をひかれて読み始めた。 今でも図書館では予約待ち状態が続いているが、そういったファンが多いからだろう。 序章から終章まで、計八章からなる短編連作集。 四つの自治体が合併して出来た南はかま市に設けられた、人口がゼロになった箕石という地区を再生しよ...

米沢穂信さんの知名度とタイトルに興味をひかれて読み始めた。 今でも図書館では予約待ち状態が続いているが、そういったファンが多いからだろう。 序章から終章まで、計八章からなる短編連作集。 四つの自治体が合併して出来た南はかま市に設けられた、人口がゼロになった箕石という地区を再生しようというセクションが「Iターン支援促進プロジェクト」 そう、表題のIとは、このIターンのI。 市の要綱に基づいて応募してきた新しい住民たちを追いかけて物語は進む。 一章、二章と読んで、何となく最終が推測出来たので、ルール違反だが一番最後のページを開いてみると、やはり想像通りの言葉が書き連ねてあった。 「そして、誰もいなくなってしまった。」と。

Posted byブクログ

2019/12/08

今、問題のなっている限界集落を通り過ぎた無人となった集落を復活させるというお役所仕事の短編連作ミステリー。題材は、現代的で内容は、意外とオーソドックスな謎解き。やっぱ、憧れで田舎暮しは難しいだろうなあ。

Posted byブクログ

2019/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館本。そして誰もいなくなった。日常は止まらない。Iターン計画。町を甦らせる。甦り課。ずっとつきまとう不安な空気。不穏な雰囲気。そっか。そういうことか。最後のどんでん返し。ぞくぞくしたな。観山ちゃんも。西野課長も。一筋縄ではいかない雰囲気。頭のキレる感じ。最後に納得。万願寺くんのその後が気になるな。

Posted byブクログ

2019/12/04

そう、そこには暮らしがある。 文章にしても登場人物の印象付け方にしても、筆先のコントロールが巧すぎる。もはや熟練の技。

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2019/12/02

これはやっぱりミステリーなんだろな。幾つかのトリックは使われているし、解かれるべき謎はちゃんとあった。過疎問題や市の財政の問題など出てくるし、市役所のお仕事も出てくる。しかし、すべて話を作るために使われている感が強い。勿論、どんな小説だってすべては題材なんだろうが、それにしてもだ...

これはやっぱりミステリーなんだろな。幾つかのトリックは使われているし、解かれるべき謎はちゃんとあった。過疎問題や市の財政の問題など出てくるし、市役所のお仕事も出てくる。しかし、すべて話を作るために使われている感が強い。勿論、どんな小説だってすべては題材なんだろうが、それにしてもだ。要するにイヤミスなんだね。最初から、不穏な空気が漂っていて、上手くいきっこないと感じてしまう。それでもどんどん読まされてしまうんだね。やれやれだぜ。

Posted byブクログ

2019/12/02

9年前の合併で南はかま市となった旧間野市の片隅にある限界集落・蓑石地区。6年前にとうとう無人となった蓑石を甦らせようと、市長の肝いりで始まったⅠターンプロジェクト。その旗振り役となる市役所「甦り課」のメンバーは、かつて「間野市の郭源治」、今は「南はかま市の佐々木主浩」と呼ばれる守...

9年前の合併で南はかま市となった旧間野市の片隅にある限界集落・蓑石地区。6年前にとうとう無人となった蓑石を甦らせようと、市長の肝いりで始まったⅠターンプロジェクト。その旗振り役となる市役所「甦り課」のメンバーは、かつて「間野市の郭源治」、今は「南はかま市の佐々木主浩」と呼ばれる守護神あるいは火消し役・西野課長、出世が望みのザ公務員・万願寺邦和、人当たりがいいのが取り柄、就職2年目の新人観山遊香の3人。 移住者応募の結果、大して集まらないだろうという予想に反して10世帯もの家族が集まった。年齢も家族構成もばらばらの問題の多い10世帯が巻き起こすボヤ騒ぎ、盗難疑惑、行方不明、食中毒、仏像の祟りなど様々な騒動が連作短編として描かれる。トラブル以上事件未満という騒動に隠された謎を解いていくのはいつも・・・ このあたり、米澤さんの上手さに唸る。く~ぅ。 さらに、万願寺と遊香のやりとりもひねりが効いていて、面白いったらない。だけどテーマがテーマだけに、軽い謎解きでは終わらないところがミソで、少子高齢化日本の各地が抱える現実が突き付けられる。 万願寺、頑張れ!と応援しながらも、ラストのこの結果も仕方ないよね~とどこか諦めムードにもなる。 ラストに判明する仕掛けも含め、最初から最後まで、ミステリとしても社会派としても楽しめる、重すぎず、軽すぎず、スピード感のある物語でした。 あ~面白かった!

Posted byブクログ

2019/11/26

過疎となり廃村になる村を甦らせるIターンプロジェクト。そこで起こるさまざまな謎を描いた連作ミステリ。 穏やかで静かな田舎暮らし、というといかにも素晴らしいように聞こえますが。田舎って不便だし、そこでずっと暮らすことを考えればそんなに良いことばかりではないだろうなあ、ってのは誰でも...

過疎となり廃村になる村を甦らせるIターンプロジェクト。そこで起こるさまざまな謎を描いた連作ミステリ。 穏やかで静かな田舎暮らし、というといかにも素晴らしいように聞こえますが。田舎って不便だし、そこでずっと暮らすことを考えればそんなに良いことばかりではないだろうなあ、ってのは誰でもわかりそうです。しかしそれ以上に根深い問題があったのですね……。果たしてこれは悲劇だったのか、それとも喜劇だったのか。なんとも言えない切なさと虚しさが残ります。 お気に入りは「浅い池」。分かってみればものすごーく単純なことだったのだけれど。これ、知らなければ気づかないことだよね。完全に盲点でした。そっか、分かる人からしてみればそんなに怖い状態だったんだ。そして傍目にはこれまた喜劇。

Posted byブクログ

2019/11/25

社会派ミステリと呼んだら良いかもしれない。 過疎問題を解決させるべく、Iターンを狙う市長直属の甦り課の課長・西山、主人公の万願寺、学生の雰囲気の抜けない新人・観山。それに蓑石に引っ越してきたあくの強い住民たち。 面白くなる要素満載の題材を、米澤さん上手に描いています。一つ一つのエ...

社会派ミステリと呼んだら良いかもしれない。 過疎問題を解決させるべく、Iターンを狙う市長直属の甦り課の課長・西山、主人公の万願寺、学生の雰囲気の抜けない新人・観山。それに蓑石に引っ越してきたあくの強い住民たち。 面白くなる要素満載の題材を、米澤さん上手に描いています。一つ一つのエピソードもミステリ仕立てで解決が図られますが、全体のストーリーにも謎が。 この作品で終わりにするのは勿体ない。ぜひ続きが読みたいです。

Posted byブクログ