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Iの悲劇 の商品レビュー

3.7

260件のお客様レビュー

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2019/10/07

最新作ということで購入。 Iターンをテーマにしたミステリー小説でした。一つ一つが短編集ながらも充分に楽しめました。連作にもなっているので、全体を通して、二度美味しい感じもありました。 米澤さんは、意外な真実へと導かせてくれるので、好きな作家の一人で、この作品も発揮しています。 ...

最新作ということで購入。 Iターンをテーマにしたミステリー小説でした。一つ一つが短編集ながらも充分に楽しめました。連作にもなっているので、全体を通して、二度美味しい感じもありました。 米澤さんは、意外な真実へと導かせてくれるので、好きな作家の一人で、この作品も発揮しています。 今回は、Iターン推進プロジェクトという意外な分野からどうミステリーに結びつけるのか楽しみでした。途中から読み進むにつれて、「この村は呪われている、祟りじゃ、祟りじゃ。」とどこかの婆さんが言っているのではと思うくらい、不穏な空気を漂わせまくりでした。 米澤版「そして誰もいなくなる」を書いたような作品で、死者はほとんどいないものの、しっかりとしたトリックが満載で、サクサクと読めました。 結末は、どうなるのかわからないまま読んでみると、腑に落ちた終わり方で、元鞘に収まった感覚で表面的にはスッキリとした感じがしました。ただ、段々と考えるにつれて、ドス黒い人達の欲望が渦巻いていて、次第に後味が悪いなという印象も残りました。 また、どこか近所のおばさんみたいな関与はしないが、情報だけはつかみたい目線でいつのまにか読んでいました、何事も色んな意味で準備はしっかりしないといけないなと思わせてくれました。

Posted byブクログ

2019/10/07

連作とはいえ短編集なので、スケールは小ぶりかな…と思いきや、良い意味で予想を裏切られた。 勘のいい人なら、薄々気づきながらの読書になるだろうが、それでも最後にやってくるほろ苦さは、読み通す価値があると思う。

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2019/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

米澤穂信の最新作。読書会の課題図書ということで半強制的に手に取った。限界集落に外からの移住者を募集し、町を復興しようとするIターンプロジェクト…その中で起きるミステリチックな事件とプロジェクトの真の目的。 途中は主人公の万願寺と相棒の観山、そして安楽椅子探偵の西野課長という探偵ミステリのような物語進行で、1つ1つの事件を楽しんでいく。作者らしくないなぁと思いながらも一方で作者だから大きな結末が待っているのだろうなというワクワク感が漂っていた。 特に意外性のある結末というわけではなかったが、謎解きにも風情というのか、これまでの短編の人物たちを振り返るシーンでは若干胸に響くものがあった。感動ではなく、感傷といったところか。 細かい点では、硬直化した行政機関の中で、淡々と、しかし熱意と真摯さを持って遂行する万願寺に対して、限られたルールと自由世界の中で改善を起こした観山と西野課長の対比が面白い。どちらも目指すところは一緒だが、大義のためには犠牲を厭わない後者とその手段に懐疑的な前者。ミステリに加え、人間社会の永遠の課題といった論点の分かれるテーマが必ず入っているのが米澤穂信の作品の魅力だと思う。

Posted byブクログ

2019/10/04

今までで一番のビターエンドだと思う。 受ける衝撃とやりきれなさは凄まじい。 限界集落復興の、理想と現実。

Posted byブクログ

2019/10/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

Iの悲劇 静かに確実に心を揺さぶる連作ミステリー タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

Posted byブクログ

2019/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人のいなくなった集落へのIターン事業における「そして誰もいなくなった」。苦さというか後味の悪さは米澤穂信作品の中でもトップクラスでは……

Posted byブクログ

2019/10/01

現代日本の構造的な欠陥。これは解決できないのかもしれない。そんな絶望的なテーマでも、ちゃんとミステリとして面白く、感動的である。この作家は偉大だ。

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2019/09/30

地方の合併でできた市のそのまた人がいなくなった集落を再生させるためにIターン(移住者)を呼び寄せてかつての賑わいをとりもどそうとするはかま市役所「甦り課」職員が、一癖も二癖もある移住者のトラブルに巻き込まれ、一人、また一人去っていく、お役所ミステリー。 どうしてこんな問題ばかり発...

地方の合併でできた市のそのまた人がいなくなった集落を再生させるためにIターン(移住者)を呼び寄せてかつての賑わいをとりもどそうとするはかま市役所「甦り課」職員が、一癖も二癖もある移住者のトラブルに巻き込まれ、一人、また一人去っていく、お役所ミステリー。 どうしてこんな問題ばかり発生するのかは終章「Iの喜劇」で判明するが、万願寺くんに明るい未来があるといいなぁ…

Posted byブクログ

2019/09/27

IはIターンのI。限界集落に移住者を呼び込むプロジェクトを司るく市役所「甦り課」の3人。住民の間には引っ切りなしにトラブルが続く。連作短編集ではあるが…。

Posted byブクログ

2019/08/09

【滅びた集落に人を呼び戻すことはできるのか】住民がいなくなった集落に移住してきた人々。彼らの間で不思議なほどトラブルが続き――。静かに確実に心を揺さぶる連作ミステリー。

Posted byブクログ