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罪の轍 の商品レビュー

4.2

250件のお客様レビュー

  1. 5つ

    94

  2. 4つ

    99

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    7

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2021/06/02

71現代版罪と罰かな。圧倒的な筆致で物語が進む。ストーリーも文章もなんの齟齬もなく一晩で読了。高度成長期の狭間で起きた悲劇か。こんな時代やったなあと一息つく。

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2021/06/01

奥田英郎さんの「罪の轍」読了。いやーおもしろかったー!昭和38年東京オリンピック前に浅草で起きた男児誘拐事件。重厚な人間群像劇。どうなるの⁉︎ と最後は息がつけない感覚で読んでいた。込み上げてくるものがあった。ある人物を想うと胸が詰まる。まだ呆然としてる‥

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2021/05/29

久しぶりに奥田英朗の刑事物を読む。最初から最後まで一貫したリアリティのあるストーリーとキャラクター造形、この人のいいところがしっかり出てる。事件発生から解決まで、魅力的な人物たちが右往左往しながら進んでいく。その過程でわかりやすく成長する刑事もいれば、本人は変わらなくても読者にと...

久しぶりに奥田英朗の刑事物を読む。最初から最後まで一貫したリアリティのあるストーリーとキャラクター造形、この人のいいところがしっかり出てる。事件発生から解決まで、魅力的な人物たちが右往左往しながら進んでいく。その過程でわかりやすく成長する刑事もいれば、本人は変わらなくても読者にとって印象の変わっていく人物もいる。そして東京オリンピック前という時代背景によるさまざまな「縛り」が物語を豊潤にしてるのだろうな。3.8

Posted byブクログ

2021/05/22

罪を憎んで人を憎まず とても残酷な社会派犯罪ミステリー でも、なぜか犯人を憎めない。 戦後のオリンピック開催に向けて急成長している日本を背景に、事件に関わる人物達の心境が絶妙に絡まっていく。 事件の真相が気になって気になって、一気読み!

Posted byブクログ

2021/05/15

タイトルが胸に響いた。 犯人へ続く「轍」を辿る警察、 人生の「轍」を遡り、自身のルーツを探る容疑者、 そして「轍」を無意識にかき乱す市井の人々… 実話がモデルと読後に知って驚いた。

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2021/06/18

数々の名作を世に送り出していますが、本作もまた記憶に残る名作となりそうです。 名作「オリンピックの身代金」の直前。高度経済成長の最中に発生した誘拐事件。 警察の必死の捜査と、世の中の発展からこぼれ落ちた知的障害を持つ男の足跡。はたして誘拐された男児は無事親もとへ帰る事ができるのか...

数々の名作を世に送り出していますが、本作もまた記憶に残る名作となりそうです。 名作「オリンピックの身代金」の直前。高度経済成長の最中に発生した誘拐事件。 警察の必死の捜査と、世の中の発展からこぼれ落ちた知的障害を持つ男の足跡。はたして誘拐された男児は無事親もとへ帰る事ができるのか・・・。 犯罪者目線、一般人目線、警察目線と3つの視点から語られる、昭和38年の空気感が本当に素晴らしい。いつの時代もテクノロジーの発展で犯罪の質が変わっていきますが、この時代も電話の普及、逆探知、指紋と血液型だけの科学捜査。今ではアナログの極みですが、その時代なりの最新技術が登場してとても熱いです。 今では老人が日がなうろついているだけの山谷も、当時は日雇い労働者が仕事を求めて集まる街で、暴動なども起こって、今では想像もつかない位の活気が有ったんですね。そういう時代の流れを感じながら読んで頂きたい。 突飛な出来事は特に無く(小説的には)、丁寧に積み上げた堅牢な石垣のような小説です。しかしその実直さをエンターテイメントに昇華する所が本当に素晴らしいです。

Posted byブクログ

2021/03/28

犯罪を悪だと強く意識することなく重ねて行く宇野寛治と、それを追いかける刑事たちの息詰まる攻防、まさに極上のミステリ小説の面白さ。誘拐された子供の親、犯罪に軽い気持ちで関わるチンピラの姉、縄張り争いを否定する若手刑事など脇役の心理描写も含めての緊迫感ある展開だった。

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2021/03/25

読了後、すごい本に出会ってしまったと思った。場面がいいところで切り替わっていくので先が気になって一気に読めた。

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2021/03/22

この厚さだけど、しっかり最後まで読めた。 罪の轍、というタイトルが、最後の最後で響く作品。 2021.3.22 36

Posted byブクログ

2021/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦後十数年の馴染みのない時代の物語だけど、描写が丁寧なのでかなり読みやすかった。 奥田英朗さんが書く犯人像って、根は素直な人間が、私怨とかではないところでどんどん悪いことに手を染めていってその結果、、というものが多いと思っているけど、この本もまさしくそれで、読了後は喪失感でいっぱい。人間ってこわいとおもってしまう。 最後まで吉夫ちゃんの無事を信じていたので悲しかったし、寛治は子供とは友達だと思っていたのでショックだった。 出てくる登場人物それぞれのキャラクターにあまりいらいらさせられないというのも奥田英朗さんの小説のよいところ。ミキ子姉弟のやりとりや、落合、ニール、岩村のやりとりなどよい。 

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