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独ソ戦 の商品レビュー

4.1

160件のお客様レビュー

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    49

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  3. 3つ

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2022/03/23

ウクライナでいま起きていることを考えたくて手に取る。 プーチンが悪いとか、ロシアは悪だとか、 もちろん侵略行為が正当化されるわけではないのだが、戦争は単純なものでは決してなく、 いろんな思惑と自分達の利益や権力を守りたい一心で他者と争っているのだと思う。 凄まじい暴力を繰り返し...

ウクライナでいま起きていることを考えたくて手に取る。 プーチンが悪いとか、ロシアは悪だとか、 もちろん侵略行為が正当化されるわけではないのだが、戦争は単純なものでは決してなく、 いろんな思惑と自分達の利益や権力を守りたい一心で他者と争っているのだと思う。 凄まじい暴力を繰り返したくさんの人の命を犠牲にしながら。 じゃあどうすれば、戦争を失くせるのか わたしだって自分の権利や幸せを守りたい 人を攻撃してまで奪おうとは今は思っていないけど、当たり前にある幸せや平穏が誰かの手によって奪われるような事が起きたとき私は一体どうするんだろう。 あたまを抱え込んでしまう

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2022/03/15

欧州における第二次世界大戦といえば、私にとっては、それこそダンケルクやノルマンディー上陸作戦を想起するしかなく、スターリングラード攻防をはじめ激戦であったとは聞くものの、ほとんど何も知らなかった独ソ戦の全容。ヒトラー対スターリンの絶滅戦争。 2022年2月からのウクライナ戦争が...

欧州における第二次世界大戦といえば、私にとっては、それこそダンケルクやノルマンディー上陸作戦を想起するしかなく、スターリングラード攻防をはじめ激戦であったとは聞くものの、ほとんど何も知らなかった独ソ戦の全容。ヒトラー対スターリンの絶滅戦争。 2022年2月からのウクライナ戦争がきっかけとなって手に取ったのだが、白ロシア(ベラルーシ)からウクライナは、文字通り独ソ戦の主戦場であり、まさに今ニュースで流れてくる地名が、かつての独ソ戦の戦場として本書に登場する。春の雪解けと共に大地が泥濘化することで戦線が膠着することなど、これから起こりうることを80年前の出来事から見返すことができるのではないかと思わずにいられない。 ドイツにとっての独ソ戦の記憶が、日本にとっての満州の記憶と重なるという筆者の指摘も、複雑な思いをしながら読んだ。本書は近年明らかになった史料による新しい歴史の知見に基づいているそうで、冷戦時代の古い「常識」を更新するものであるそうだ。その常識すらなかった不明を恥じると同時に、古い常識で判断することの危うさも気にしておきたい。

Posted byブクログ

2022/03/22

本屋さんで見かけて手に取った。 この本の感想というより、この本を通じて考えたこと。 繰り返される虐待、いじめの報道、性別や居住地、人種、障害者などの様々な差別、トランプなどをはじめとしたナショナリズムへの支持拡大などなどを度々みるにつけ、「平等」とか「人を傷つけない」とか「多様性...

本屋さんで見かけて手に取った。 この本の感想というより、この本を通じて考えたこと。 繰り返される虐待、いじめの報道、性別や居住地、人種、障害者などの様々な差別、トランプなどをはじめとしたナショナリズムへの支持拡大などなどを度々みるにつけ、「平等」とか「人を傷つけない」とか「多様性」という考えは実は後づけであって、人間は本能として他者を攻撃する、残酷なことをする、痛めつける、という性質を誰もが持っているのでは、という気がしている。それが前面に出ないのは、育つ過程での周囲の環境や教育はもちろんだが、一番大きいのは「愛情」という感情を経験しているかどうか、なのかもしれない。 独ソ戦でも、劣性人種を殲滅することが絶対正義というのが常識であり、その発想に基づくと、殺人は正義と信じて疑わなかったのだろう。 何が常識なのか、正義か、は唯一絶対なものではない、と改めて考えた。

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2022/02/05

「同士少女よ 敵を撃て」がきっかけで、独ソ戦に興味を持った。 冷静に見ると、戦略と戦術を有機的に結びつけることがいかに重要かが伝わってきた。

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2022/01/30

22/01/30読了 一年の塩漬けを経て読了。 同志少女よ敵を撃て、cotenラジオのヒトラーシリーズが背中を押してくれた。 ヒトラーは通常戦争でなく「世界観戦争」をおこなっていたのであり、そもそも外交による解決ができるものではなかった、というのが恐ろしい。イデオロギーの戦いに...

22/01/30読了 一年の塩漬けを経て読了。 同志少女よ敵を撃て、cotenラジオのヒトラーシリーズが背中を押してくれた。 ヒトラーは通常戦争でなく「世界観戦争」をおこなっていたのであり、そもそも外交による解決ができるものではなかった、というのが恐ろしい。イデオロギーの戦いには落とし所がないな、 他国や他民族からの収奪、収奪戦争や絶滅戦争による利益がドイツ国民の特権維持を可能としており、敗北はこの特権を失い報復すら意味することだった、というのも、厳しいものがある。

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2021/12/06

「同志少女よ、敵を撃て」を読み始めた時点で、ちゃんと理解すべく入門書として読み始める。 研究が進められるにつれて、両国で隠されてきた事実に基づき記されている。 指揮者の判断の誤りや過信など、なんとも風刺画のようなモノが頭に浮かぶ… 学生の時、歴史に興味が持てなかったが、経緯や理...

「同志少女よ、敵を撃て」を読み始めた時点で、ちゃんと理解すべく入門書として読み始める。 研究が進められるにつれて、両国で隠されてきた事実に基づき記されている。 指揮者の判断の誤りや過信など、なんとも風刺画のようなモノが頭に浮かぶ… 学生の時、歴史に興味が持てなかったが、経緯や理由を理解しながら流れを追うとこんなに面白いのかと驚き、不謹慎と思いながらも楽しめました。 互いに存在を滅するまでの「絶滅戦争」に加熱した、そのの性質について「独ソ戦」における変遷、「戦略と作戦」の違いなど、もう少し詳しく学びたくなった。

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2021/11/17

日本人にとってのWW2は太平洋戦争もしくは大東亜戦争だが、欧州におけるドイツとソ連の戦いは、双方のイデオロギーが衝突する戦争であった。ドイツにとっては、人種的に優れたゲルマン民族が劣等民族であるスラブ民族を隷属化させるための「世界観戦争」、ソ連にとってはコミュニズムとナショナリズ...

日本人にとってのWW2は太平洋戦争もしくは大東亜戦争だが、欧州におけるドイツとソ連の戦いは、双方のイデオロギーが衝突する戦争であった。ドイツにとっては、人種的に優れたゲルマン民族が劣等民族であるスラブ民族を隷属化させるための「世界観戦争」、ソ連にとってはコミュニズムとナショナリズムを融合させ、侵略者であるドイツを撃退する「大祖国戦争」として位置づけられたことが、この戦争を苛烈なものとした。 本書では、ドイツによる侵攻によって始まった戦いの経緯を、ドイツとソ連双方の記録を紐解きながら詳述。戦後しばらくから両国の戦史において積み重ねられてきたには誤った記録だったそうで、本書は20世紀後半から21世紀になってからの研究によって変化してきた新たなパースペクティブを提示している。 多くの人々が亡くなった戦争の記録であるがゆえに不謹慎ではあるのだが、戦車・自動車による機械化部隊による作戦展開と、冬の到来により軍隊の機動性が喪失されていく経緯は物語として実に面白い。(物語ではなくて史実なのだけれど。) ポーランド、フィンランド、ルーマニア、ウクライナなどの周辺の国家がおかれる状況はひどく、侵略されるかどちらかの軍隊に併合されるか。これらの国々は傍若無人な両国に振り回されて哀れとなる。 「緋い空の下で」でイタリアにおけるナチスドイツの横暴が描写されているが、当時のナチスドイツは国内の国民生活レベルを維持するために周辺国家から収奪をしていたとのこと。WW2後のドイツ人が受けた苦難はある意味で因果応報だったということか。 東/中央ヨーロッパという地域のきな臭さというか陰惨な「気」を感じながら読了した。

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2021/11/07

ソ連崩壊後に公開された資料などを踏まえた最新の研究成果をベースとした独ソ戦の入門編の通史。 あらためて、第2次世界大戦の主戦場はヨーロッパで、西欧というより、東方つまりソ連が主戦場であったのだということをしみじみと思い知らされる。 ここで戦われているのは、世界観なのだ。自分よ...

ソ連崩壊後に公開された資料などを踏まえた最新の研究成果をベースとした独ソ戦の入門編の通史。 あらためて、第2次世界大戦の主戦場はヨーロッパで、西欧というより、東方つまりソ連が主戦場であったのだということをしみじみと思い知らされる。 ここで戦われているのは、世界観なのだ。自分より劣る相手を徹底的に壊滅して、植民地化し、そこに自分たちの民族を移住させていくという絶対戦争なのだ。ここには政治的な交渉の余地はない。 双方が、そういう世界観のもとに戦争を始めれば、最後まで徹底的に戦い抜くしかなくなり、そのプロセスも残虐、凄惨なものにならざるをえない。 こうした戦争が行われていたという流れをコンテクストとしてわきにおいてみると、ホロコーストや太平洋戦争といったことが、なんだか見えてくるものがあるように思った。

Posted byブクログ

2022/12/30

ヒトラーとスターリンという20世紀を代表する独裁者の戦争を新しい資料を含めて概説した本。2人の独裁者の狂気は伝わってくる。と同時に2人に責任を押し付けて終わりではなく、アーレントの『エルサレムのアイヒマン』に描かれたような、独裁者に盲目的に服従していた、あるいは面従腹背していた幹...

ヒトラーとスターリンという20世紀を代表する独裁者の戦争を新しい資料を含めて概説した本。2人の独裁者の狂気は伝わってくる。と同時に2人に責任を押し付けて終わりではなく、アーレントの『エルサレムのアイヒマン』に描かれたような、独裁者に盲目的に服従していた、あるいは面従腹背していた幹部らが、絶望的な戦争に加担していた面もあるのだということに気付く。現代の組織論にも通じそうで、いろいろと示唆深い。 東部戦線は西部戦線に比べて地味な印象がある、かつソ連時代の資料が出てこないことで、先入観があったり見えなかったりしたものが見えてきた。戦争はかかわった世代がいるうちはどうしても政治イシューになる。世代が変わってから、歴史として評価されやすくなるということを改めて考えた。

Posted byブクログ

2021/09/20

ドイツ軍部や国民の立ち位置の分析が良かった。引っ込みがつかなくなったのが大きな原因というところに、歴史の教訓を感じる

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