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独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 岩波新書1785
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2019/07/20 |
| JAN | 9784004317852 |

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商品レビュー
4.1
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第二次世界大戦の中でも、空前絶後の被害を出した独ソ戦。ナチス・ドイツにとってそれは、ボリシェヴィズムの撲滅とスラヴ人の征服であり、生存圏の確保であった。一方のスターリンは、ドイツの侵攻を間近に感じながらそれを黙殺し、大粛清により軍は万全の状態を欠いていた。 1941年に侵攻を開始...
第二次世界大戦の中でも、空前絶後の被害を出した独ソ戦。ナチス・ドイツにとってそれは、ボリシェヴィズムの撲滅とスラヴ人の征服であり、生存圏の確保であった。一方のスターリンは、ドイツの侵攻を間近に感じながらそれを黙殺し、大粛清により軍は万全の状態を欠いていた。 1941年に侵攻を開始したドイツは表面的には勝利を重ねたが、実際には打撃を与える戦力を着実に消耗していた。そしてスターリングラードでの大敗後、坂を転がるように敗戦へと向かっていく。 ナチス・ドイツによる「通常戦争」「絶滅戦争」「収奪戦争」の側面を持つ独ソ戦。独ソ双方の読み間違えや油断・慢心の結果甚大なる人的被害を生み出してしまう。まさにこの世の地獄。戦争についての詳細で生々しい記述というよりは、掲げられたイデオロギーの恐ろしさなどが際立っている。「絶滅戦争」故に、捕虜や民間人の取り扱いが非情でそれもこの戦争の恐ろしさを表している。
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二次大戦時の日本の人口 8000万人 死者数 300万人 二次大戦時のソ連の人口 1億7000万人 死者数 3000万人 ソ連軍の作戦術の精巧さ ドイツ国防軍の戦争犯罪
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スターリンの開戦予報の無視やドイツによる開戦準備から、バルバロッサ作戦とベルリン陥落までを簡潔に示した1冊。内容は軍事に留まらず、スターリンの指示やヒトラーとマンシュタインの激論についても記載されている。 特に興味深かったのは、バルバロッサ作戦では電撃作戦によるモスクワ制圧を目...
スターリンの開戦予報の無視やドイツによる開戦準備から、バルバロッサ作戦とベルリン陥落までを簡潔に示した1冊。内容は軍事に留まらず、スターリンの指示やヒトラーとマンシュタインの激論についても記載されている。 特に興味深かったのは、バルバロッサ作戦では電撃作戦によるモスクワ制圧を目論んでいたが、いざ戦火が交わるとそれは叶わず、ドイツの勝利は全くの蓋然性を奪われたことだ。1941年の時点で戦争の帰趨が決定していたとは知らなかった。敵の戦闘能力を冷静に判断する必要があるというのは、ロシア・ウクライナ戦争にも言えることではないだろうか。 次点で興味深かったのは、スターリングラード包囲戦ではヒトラーの指示が徹底され、その結果第6軍の壊滅という最悪のシナリオを描いたことだ。第6軍はその場を動くことが許されなかったが、マンシュタインの才覚が遺憾無く発揮され第6軍まで残り50kmの地点に迫ったものの、総統命令により彼らが救出されることはなかったという。ヒトラーは軍事に関して、言葉を選ばずに言えば限りなく無能に近しい存在であったと思う。 ソ連軍の蛮行も記載されていたことは感嘆した。大祖国戦争と標榜しプロパガンダにより敵対感情を煽り続けた結果は、ドイツ領内でのソ連軍による際限ない略奪や暴行であった。 ナチドイツが行った捕虜の移送と捕虜の使役を、ソビエト連邦も行った事実についても驚かされた。 独裁者の一決定により、憎悪が増幅し、世界がさらなる地獄へ突き進んでいく光景は二度と繰り返されてはならない。人間の条件を満たし、政治に積極的に参加することで、独裁者の誕生を防がなければならないと考えた。その点において、軍事的な側面のみならず、簡潔ながら様々な視点から事象を取り上げた本書はかなりの良書であると言えよう。
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