何様 の商品レビュー
朝井リョウ「何者」の続編といえる短編集。それをいまいち把握できておらず、「何様」から読んでしまった。ミス。 念のため、「何様」を読んでも「何者」のネタバレにはならないのでそれは安心していただきたい。 人の醜い部分を描くのが得意な作者だな、と著書を読むたびに思う。
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人を選ぶ側の葛藤を見事に映し描いた作品。 若林さんの成長ではなく適応したのだという意見が印象的だ。 青かったあの頃の悩みは適応していくことで淘汰される。 それは成長ではないとのこと。 本気の一瞬を大切にしようと考えさせられた。
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「逆算」の中でサワさんが言ってた『きっかけとか覚悟とかって、多分、あとからついてくるんだよ』ってセリフが、「何様」で葛藤してた克弘にも通じることなのかなと思った。何かをするきっかけも、何かになろうとする理由や気持ちも中途半端だから自分のことを誠実じゃないと思ってしまう。だけど一...
「逆算」の中でサワさんが言ってた『きっかけとか覚悟とかって、多分、あとからついてくるんだよ』ってセリフが、「何様」で葛藤してた克弘にも通じることなのかなと思った。何かをするきっかけも、何かになろうとする理由や気持ちも中途半端だから自分のことを誠実じゃないと思ってしまう。だけど一度やると決めて始めたら勝手にきっかけを自分で作って、いつの間にか覚悟を背負ってるのかもしれない。克弘を面接した武田がそうだったように。
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本論から外れるけれど、解説をオードリーの若林さんがしている事に驚いた。そして、書かれていた2点が面白かったのでメモ ・頂いた仕事をするのは最高だ。なぜなら承認欲求が満たされて気持ちいいからだ ・何も意見を言わず、言われたことだけを遂行していれば簡単。ただ、それでは信頼を得られ...
本論から外れるけれど、解説をオードリーの若林さんがしている事に驚いた。そして、書かれていた2点が面白かったのでメモ ・頂いた仕事をするのは最高だ。なぜなら承認欲求が満たされて気持ちいいからだ ・何も意見を言わず、言われたことだけを遂行していれば簡単。ただ、それでは信頼を得られなくなるステージがある。突っ込まれたり、揚げ足を取られたりする。打ち出す側の人間は、責任を担っている。 これは私が責任を負う気構えを持ったと言う大仰な話ではなく、適者生存の法則に従って、責任を負う立場になった方が生き残れそうだからやるのだ
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「何者」のアナザーストーリー短編集。 理香の話が一番刺さった。二人組を作るの苦手だったし、気持ちがちょっとわかってしまう。 サワ先輩は最初誰なのかわからなかったけど、社会人になっても相変わらずかっこいい人だ。こんな先輩いたら惚れちゃう。 そして表題作の何様は、社会人になったら誰も...
「何者」のアナザーストーリー短編集。 理香の話が一番刺さった。二人組を作るの苦手だったし、気持ちがちょっとわかってしまう。 サワ先輩は最初誰なのかわからなかったけど、社会人になっても相変わらずかっこいい人だ。こんな先輩いたら惚れちゃう。 そして表題作の何様は、社会人になったら誰もが一度は悩むところなんじゃないかと思う。こういう迷いや悩みの掬い方がとても上手い。
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特に『二人組を作ってください』と『何様』がよかった。今スペードの3を読んでいても思うが朝井さんは女性の心理描くのうますぎだと思う。見栄や承認欲求、男性にもあると思うけど女性ならではの嫌な感じがとても細かく描写されている。こんなに私は性格悪くない!と思いたくても、理香に似てる部分沢...
特に『二人組を作ってください』と『何様』がよかった。今スペードの3を読んでいても思うが朝井さんは女性の心理描くのうますぎだと思う。見栄や承認欲求、男性にもあると思うけど女性ならではの嫌な感じがとても細かく描写されている。こんなに私は性格悪くない!と思いたくても、理香に似てる部分沢山ある、と感じる。 何様は、新入社員のときに思っていたことの回答がなんとなく得られたなーと思ってしまうくらい悩みが一緒。笑 朝井さんは同年代なだけあって、感じ方とかキャラの会話内容がまさにゆとりな感じで読んでて楽しい。
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「それでは二人組を作ってください」は前にも読んだことはあるけど、しびれた。理香の不器用さと彼を選んだ理由を知ると苦しい。 「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」には少し共感した。大人になるにつれて正しいことがつまらない、と実感することがあるからもどかしい。 心にグサリと刺...
「それでは二人組を作ってください」は前にも読んだことはあるけど、しびれた。理香の不器用さと彼を選んだ理由を知ると苦しい。 「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」には少し共感した。大人になるにつれて正しいことがつまらない、と実感することがあるからもどかしい。 心にグサリと刺さったり、共感したり、それでいいんだと思えたり。登場人物の何気ない言葉に気づかされる。
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『何者』で描かれなかった登場人物の過去やその後、それに纏わる人々の短編集。 『水曜日の南階段はきれい』は青春作品として純粋に楽しく読めたが、その後の作品は楽しく読むと言うより考えさせられる内容だった。 理香のプライドが高く不器用な姿は見てて痛々しさすら感じたが、自分の短所に気付...
『何者』で描かれなかった登場人物の過去やその後、それに纏わる人々の短編集。 『水曜日の南階段はきれい』は青春作品として純粋に楽しく読めたが、その後の作品は楽しく読むと言うより考えさせられる内容だった。 理香のプライドが高く不器用な姿は見てて痛々しさすら感じたが、自分の短所に気付きながらも直せない気持ちは理解出来た。 『きみだけの絶対』での亮博が彼女の会話で「花奈が拾い上げるものと、俺が拾い上げるものは、違う。同じ世界を生きて、同じものを見ていても。」 と気付いたように、読み手によって刺さるポイントや感じ方は変わると思う。 また数年後に再読したら感じ方が変わっているかもしれない。 解説を真面目に読むタイプじゃなかったが若林さんの解説は共感しかなかった。 「そういうもんだ」を改めて考えさせてくれる作品だった。
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単純な続編ではないからこそ「何者」における"想像力"の有無を試されたような…そんな気分になった一冊。同じ本を読んでいても、拾い上げるものは違うのでしょうが…色々なものの見方が少し変わりそうです。
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2020年3冊目 昔やんちゃしてた人の方が経験豊富で深みのある人間みたいな風潮がだいっきらいだから、 5つめの『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』と若林の解説に共感しかなかった。 裏返せば私が他人の期待にコンスタントに応えることしかできなかったブレーキ強めのつまらない陰...
2020年3冊目 昔やんちゃしてた人の方が経験豊富で深みのある人間みたいな風潮がだいっきらいだから、 5つめの『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』と若林の解説に共感しかなかった。 裏返せば私が他人の期待にコンスタントに応えることしかできなかったブレーキ強めのつまらない陰キャってことだし、そういう人のことを嘲っておきながら実は心のどこかで羨ましいなりたいと思っている自分もまたいるのだけど。 『何様』も就活大戦争の渦中に今まさにいるからこそ、こころがキリキリチクチクしたなあ 「何者」を読み終えてすぐ読み始めてよかった
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